株式会社ワイビィー

年間3000点以上もの試作品実績

株式会社ワイビィーについて
大阪府大阪市に、精密試作板金に強みを持つ板金加工メーカーがある。

株式会社ワイビィーだ。

大正14年創業以来、自動車、家電、モーター部品などを中心に

機械加工と職人技の融合により、数多の試作品を製造する

現在、多能工化を推進している背景について。

今回は、代表取締役社長の妙本浩志(みょうもと ひろし)氏にお話を伺ってきました。

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快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容と強みを教えてください。 

妙本氏

精密試作板金加工に特化してやっています。
大阪は家電の町で、以前は冷蔵庫、電子レンジ、エアコン、洗濯機、そういった試作が多かったんです。
その技術を活かして、自動車向けからモーター部品、給湯器、液晶、有機EL、事務用品、様々な分野まで、いろんな業界の試作を進めさせてもらっています。
近年は試作品でも、精度が要求されるんですね。
うちの強みは絞り加工。捨て型を自社で作って、加工をして納めています。
絞り加工といっても、2種類あるんですよ。
鉄の塊から削りこんでいく機械加工の金型と、レーザー加工で5mm、6mmの鉄板を何枚も切って、重ね合わせて溶接で仕上げる積層型があります。
この2種類の型が自前で作れると。
試作といっても、多い時で500個とかの発注単位もありますので、それだけの数を打とうと思ったら、そこそこの型で作らないと品物が成り立たない。
要求精度が厳しいですので。
もう一方で、レーザーで貼り合わせした積層型、これは軟鉄を使って重ね合わせていくものですから、そんなに数は打てない。
それほど精度も必要ではない、大体の形状が見たいとか、予算があまりないという試作もありますので。
お客さんによって試作の目的が違い、両方できるのがうちの強みです。
うちの場合は全て一貫して社内で作って、一人の担当者が最後まで作るというようなスタイルで今やっていますので、そこも非常に強みじゃないかなと。
だから、短納期に対応できます。
納めただけではなくて、加工で苦戦した情報をできる限りお伝えするようにはしています。
お客様も試作はできて量産ができなければ意味がないので、その辺りは十分注意を払ってやっています。


社内一貫生産を進められていて、ひとりの人が最初から最後の工程までできるとのお話ですが、例えばお客様ごとに担当が分けられていたりするんですか。

妙本氏

そんなことはないですよ。
もちろん前の類似品や完全リピート品という場合もあるので、前やった作業者の方が慣れてもいますし。
コツも勘どころがわかるから、その作業者がやれば効率はいいんですけど。
毎日同じようなものを作っていませんから、別の仕事でどうしても手が離れないということであれば、その情報を違う作業者に伝えて、別の作業者が引き継いで作るということもしています。

岡山に工場をお持ちですが、岡山と大阪工場は、どのように業務分担をされているんですか。

妙本氏

得意先によってこの仕事は本社、この仕事は岡山というように自然に分けています。
得意先の要求精度をクリアするとか、例えばソリの修正をしたりや、歪みを直すことなどは、1日2日ではできないことなので。
本社の方が得意である、これは岡山の方が得意というのがあって、自然に分かれている格好です。
ただ、お互いに両方の仕事ができる体制を整えておかないといけないので、その辺りはうまく技術交流を深めながらしています。
仕事量が偏り過ぎてもバランスが悪いので。

なぜ岡山に工場をお持ちになったんですか。

妙本氏

23年前、今の会長が社長だった時にご縁があって、岡山にも工場を出すことになったんです。

御社は多能工化推し進められているとのことですが、背景について教えていただけますか。

妙本氏

前社長が推し進めたことで、以前はうちの会社も分担制を敷いていたんです。
しかし、それでは、ものをつくる者にとって、面白味がないと。
自分の頭で考えて、どうやってつくったら早くできるかとか、どういう風に自分で最後まで完成させようとか。
アイディア、発想力をやはり活かしてもらった方が、より面白いという考えで多能工化されたと聞いております。
そうすると、責任を持ってものをつくる気持ちも湧きますし、自由な発想で物事を考えることにもつながると思います。


御社の沿革について教えてください。

妙本氏

設立は昭和25年なんですけども、創業は大正15年です。
その時は職人さんが手で叩いて板を伸ばしたり、溶接して綺麗に仕上げたりしていました。
どっちかというと、製作鈑金ですかね。
職人さんの手技がものをいう仕事をやっていました。
創業の頃は、これからは車の時代だということで、特殊車両のボディを作ったり、事故車を改造したり修理したり、そういった自動車鈑金がメインだったんですね。
創業者がたまたまお知り合いから、大手メーカーが開発する試作品を作らないかと声が掛かり、人の災いから受ける仕事より、新しいものを生み出す「ものづくり」の仕事が面白いなということでスタートして、気がつけばそっちの仕事がメインになっていたようです。
昭和30年代の話だと聞いております。

長い歴史の中で、多種多様な案件を受けられてきたと思いますが、印象深いエピソードはございますか。

妙本氏

昨年の話です。
お客さんから期待され、見積もりもなしにやってくれないかの一言で、加工したことのないものをやったんですよ。
精度が厳しいものだったのですが、全て加工した後にNGと言われても取り返しのつかないことになるから、まずは公差の緩和をしてほしいと。
まず一個作るからこのレベルでやらせて欲しいという条件で進めやっと完成し、最初は担当者から「よくできていますね」とか「これだったらいけそうやね」と言っていただいて。
ところが、1週間が経ったくらいから雲行きが怪しくなって。
6、7ページものシートの検査の仕方の仕様書が突然送られてきて。
そんなことは最初から聞いていないよと。
図面通りの量産品同等の寸法でしか受け入れられないと。
元々の話と違い、今更言われてもすでに出来上がっていますよとお伝えしたんですけども、なんとかこの精度で、作り直してくれないかと。
納期もない中で、製作費用は応じるということで。
同じ加工方法でやっても変わらないので、根本的に工程を変えないとその寸法には達成しません。
再度チャレンジしても寸法の保証はやってみないと分からない。
金型のつくり込みから全てをチェンジして、試行錯誤を繰り返しをしながら、なんとか納めることができました。
やっている時は色んな問題にぶち当たりどうなるんだろうと、なかなか先が見えない中で進めましたけども、結果やってよかったと思います。

ホームページに年間試作実績が3000件とありますが、月に直すと250件。試作として、すごい数字だと思いますが、まだまだものづくりの需要があるということでしょうか。

妙本氏

そうですね。
でも、一昔前に比べてCADが進化しているので、画面上でだいたい分かります。
3Dプリンターであれば、素材は金属ではないにしても、形だけでは見れますよね。
大手メーカーさんが導入されており、データさえ作ってボタン押したら、翌朝にはその形ができている。
そういう本当の第一試作、初期段階試作の案件は減ってはいます。
昔は、とにかく形だけでも見たいので試作を作ってくれないかというのもあって、そういう部分もうちに任せていただいていました。
技術の進化、台頭によって、その部分の試作は減ってはいるのは間違いないと思います。
ただし、耐久試験、落下試験、衝撃試験などには、最終的に量産をイメージしたものを求められますので、その部分の試作は残っています。
意外と、そういうのが100個200個と数は多かったりしますので。
精度も求められますのでしっかりと取り組んでいます。

1個だけといった試作もありますか。

妙本氏

1個だけ2個だけというのもあるにはあります。
形状が複雑になればなるほど、少ない数量に比重がかかります。
お客さんにも理解していただいてはいますけども、割高感はありますね。
色々と見積もりのやり取りをした割には、もう1度形状を見直すとかとなる場合もなきにしもあらずです。
そういう場合は、時間が掛かる割に利益があまりないと。
ただ、その1個2個をやることによって、次は10個20個とか最終的には30、40、100個作りたいっていうのがあって。
お客さんから1個の時は我慢して受けてくれないかと頼まれることもあれば、今後に繋がるということで今回1個だけだけど協力しましょうかという場合もあります。

量産は受けられていないのでしょうか。

妙本氏

一切受けていないです。
量産といっても、たまに2ヶ月に20個とか製作しているものもあります。
それでも、お客さんからしたら量産という捉え方で、定期的にうちにリピートされる場合もあります。

アフターフォローとして設計のVA・VE提案のような形でお客様にとってメリットのある提案をされているとのことですが、設計は基本的に受け付けられていないんでしょうか。

妙本氏

あくまでも世に出回るものをつくるのはメーカーさんだから、メーカーとしての役割である図面を書くということはしていないんですよ。
うちは、ものを作るプロですけど、製図をするプロではないんですよ。
あくまでも受注生産です。
今の段階では、あくまでも図面はメーカーさん。
製作する上でここをこうしてもらえませんかとか、今までの経験の中で、ここはこうなりますとお伝えはすることはできますけども。

 

何か挑戦されていることや新しい取り組みはございますか。

妙本氏

ちょうど昨年の秋、10月末に、新しい機械を入れたんですよ。
プレス機なんですけども。
今までは、一方向しか動かない製缶用のプレスしかなかったんですけども、精度が必要な製品で100個200個も作っていたら時間もかかるし、作業者の体力的な問題も関わってくるということで。
サイズはそんなには大きくないけども、上からも下からも動くプレス機を。
今までの金型とはちょっと構造が違うので、それ相応の金型の作り込みにしていかないといけない。
金型を変えるだけではなくて、下に抑えるプレートも全体的に工夫していかないといけないです。
今現在、どんなん道具を用意したらいいのかとか。
どういう風な金型の構造にしていけばいいのかとか。
その辺は、皆で知恵を出しながら取り組んでいます。

数の需要が出てきたということでしょうか。

妙本氏

どうしても自動車向けだと複雑な形状が多いんですよ。
プレスした成形が立体的で、絞り深さも深いとか。
何故か分かりませんが、自動車関連の試作は数量が多いものがあります。
恐らく、EV自動運転車などの次世代型自動車の開発が活発だと思います。 

板金製缶業界、金属加工業界の課題について、どのように実感されていますか。

妙本氏

人材不足は、どこでもいわれていると思います。
単純作業だったら、外国人を雇って頼めば仕事が捌けるんでしょうけど。
うちらみたいなのは、ある意味ものづくりの根幹ですよね。
長年培ってきた技術を継承していかなければいけないとなると、長く勤めてもらえる人材の採用と教育が必要なんです。
外国の方だったら、3年でお国に帰るわとかではちょっとまずいです。
昔みたいに若い子がいっぱいいる時代じゃないので、その一方で中途でも30過ぎてでもやる気があればいくらでもチャンスがある。
うちの場合はものをつくるのが好きな人が集まってきているので、そんなにすぐ入って辞めるとかはないですね。
でも、平均年齢がどんどん上がってきていますので、定期的に継続発展のために人材をつないでいく。
人材の採用は、直近の課題でもあります。
まだまだ若い人たちに、ものづくりの素晴らしさをまだまだ伝えきれていない。
試作業界の認知度が低いこともありますね。
こんな会社だったら働いてみようと思ってもらえるよう、発信していきたいです。

今後、希望する案件やチャレンジしたい分野はありますか。

妙本氏

比較的自動車向けの業界の仕事が多いんです。
その技術を生かし、他の分野に応用できないかと思いますね。
例えば航空ビジネス、宇宙ビジネス。
そういった時代の先端をいく産業、複雑な形状、うちの技術を買ってくれる会社と取引をしたいですね。

  

まとめ

精密試作板金部品加工に特化し。


豊かな技術とノウハウで柔軟に対応。


難易度の高い試作品も果敢に請け負う。


株式会社ワイビィーは、老舗試作屋の矜持を保つ。

加工技術

  • 板金加工
  • 金属・切削加工

基本情報

代表者名
妙本 浩志
担当者名
妙本 浩志
従業員数
28名
創業年度
1950年
メールアドレス
web@k-yb.co.jp
電話番号
06-6971-7741 

住所

〒537-0022 大阪府大阪市東成区中本5丁目27−13

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