株式会社マツモト

板金加工から、電気配線、組立てまで一貫対応

株式会社マツモトについて
京都府久世郡に板金加工から電気配線、組立てまで一貫対応する板金加工メーカーがある。

株式会社マツモトだ。

分析機器、計測機器系の大手メーカーの協力工場として。

サプライヤー表彰される実力を持つ。

精密さと誠実さに強みを持って。

今回は、営業統括部部長の松本和樹(かずき)氏にお話を伺ってきました。
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快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容と強みを教えてください。

松本氏

はい。
弊社が手がけているのは、一般的に精密板金と言われる分野になります。
金属の板形状のものを切って、曲げて、溶接して形にする仕事ですね。
加えて、電子部品の取り付け、組立てまで手がけています。
図面をいただければ、板金加工の製造から、電気配線、組立てまで一貫対応できるところを強みにしています。
先ほど、精密板金と申し上げましたが、薄いものから厚いものまで対応しています。
材料も鉄だけではなく、非鉄にも対応しています。
また、製缶板金にも対応しています。
板金部材だけではなく、アングルを組立てて、形作ることもしています。


ありがとうございます。お取引が多い業界などございましたら、お伺いさせてください。

松本氏

分析機器、計測機器系の大手メーカーさまとのお取引が多いです。
ホームページを見ていただければ取引先として載っているのですが、堀場製作所さまですね。
サプライヤーとして、表彰もいただいています。
堀場さまには、協力会みたいなのがありまして。
弊社もそこに入会しているのですが、弊社の社長が会長をやらせていただいております。
そういう部分でも堀場さまたちと強い結びつきあり、お仕事も色々いただいております。

あと多いもので言うと、建築関係のもの。
消火器を入れる箱で、壁に埋め込んだりするものなどですね。
デザインを手がけているお客様がいて、そこからご依頼をいただいている形です。全体的に、地元の京都のメーカーさまからの依頼が多いです。もちろん、京都に限らず大阪や兵庫のメーカーさまとのお仕事も多いです。

なるほど。ものづくりには、人が欠かせない伺っています。御社の人の部分についてお伺いさせてください。

松本氏

そうですね。
私は、入社して5年目になります。
営業活動と同時に採用活動もしています。
営業に限らず、製造の方も、結局人間の手を通さなければいけません。
ですから、いいものをつくる上で人が重要なのは間違いないと考えています。

できるだけ、人の部分を大切にしていくことを意識していますね。
弊社だけではないと思うのですが、昔ながらの職人さんはだんだんと年齢が高くなってきています。
ですから、若い人を新卒で採用して、一から育てていこうと考えています。
ありがたいことに、弊社がある久御山町が自治体として、人材採用に力を入れてくださっています。
バスツアーの見学会などですね。
去年は、小学生や大学生などをお連れいただきました。

去年、新卒で3人の方に入社いただきました。
それは一昨年に、久御山町に主導していただいて、高校生の時にインターンシップで来ていただいたんです。
その縁で入社いただいたという経緯ですね。
そういう形で、だんだんと学校とも繋がりができてきました。
今年は、新卒で大学生に入社していただきます。
毎年、新卒の方を採用できるように動いています。


なるほど。インターンシップなどで何か会社の雰囲気が変わったことなどございましたら、お伺いさせてください。

松本氏

今まで、そのようなことをしてこなかったので、若い方が現場にいらっしゃるだけで、元気をもらえるようなところがございます。
若手も、基本的に自分が教わる立場だったのが、教えなければいけなくなる。
そうすると、どうやって教えたらいいのか、勉強しなくてはいけませんよね。
そういう形で、とてもいい効果が生まれています。

ありがとうございます。技術の面について、お伺いさせてください。40年の歴史がある中で、難しかった加工や案件などございましたら。

松本氏

私自身は、まだ5年目ですので(笑)
ただ、父が社長ですので、小さいころから色々見ては来ました。
 例えば、人が急に辞めてしまったときは、社長が自分で現場に出て溶接をしていたり。
私も小さくて、小学校に上がらないくらいのだったと思うのですが、よく覚えていますね。
難しく思うのは、様々なお引き合いをいただく中で、すべての仕事を引き受けるわけにはいきません。
そういう中で、どのようなお客さまと一緒に仕事をしていくのか、そこの判断が重要だと思っています。
ただ、発注していただくだけではなくて、弊社のような受託加工をしているところ、外注、ベンダーを育ててくれるような姿勢を持ってくれるようなお客さまと仕事がしたいです。
そうでないと、どこかでしんどさがでてきてしまうと思っています。

堀場さんに関して言えば、弊社のことをきちんと見て、育てようとしてくださっています。
あまりこういうことを言っていいのかわかりませんが(笑)
社長から話を聞いている中で、値段が仕事に見合わないのに無理やり仕事をさせようとしてきた会社が以前あったようでして。
その時は、社長が「こんなことやってられるか、お前らとは止めや」と言ったみたいです(笑)
でも、そういうことって実際にあるので。どのようなお客さまと仕事をしていくかは、会社を経営していく上でとても重要な要素になると考えています。


育てる、という点に関してもう少しお話を伺ってもよろしいでしょうか。

松本氏

堀場さんの協力会は、とても緊密に連携しています。
年に何回か集まって、話し合いをするのですが、その時も堀場さんが主体になってやってくれます。
むやみやたらに外注を入れたり、変えたりするようなことはなさりません。
今、お付き合いをしている外注さんの技術を、引き上げようと努力してくださります。
技術を引き上げることで、コストダウンを可能にするとか。
そのようなところまで、きちんと配慮していただいています。
コスト競争で協力会社を決めるようなところはなくて、むしろ協力会社と一緒になって、いい製品をつくりましょう、という姿勢でやっていただいています。
ですから、協力会の集まりでも、先ず最初に言っていただけるのは、売り上げがあがったのは、協力会社の皆さまのおかげですって。
そのように言っていただけるのは、有難いですし、やりがいが出ますよね。

ありがとうございます。先ほど、社内一貫生産のお話がありました。自社でできない場合には、その協力会でできたようなネットワークで外注に出されたりするのでしょうか。

松本氏

そうですね。
みんなで助け合いながらやっていこうという形になっていますので。
とはいえ、もちろん全くの同業他社さまもいらっしゃいますので、そこには負けないように切磋琢磨しながら。
あとは、お客さまからご依頼で様々な部材のものをいただきます。
そういう場合には、得意としている業者さまと協力しながら、実現するということもありますね。

 

なるほど。少し話が脱線して申し訳ないのですが、千代田電気株式会社さまは、どのような経緯で関連会社になったのでしょうか。 

松本氏

もともと、堀場さまが出資されていた京都の会社だったんです。
ただ、なかなか経営が上手くいっていないようで、立て直してほしいと弊社に依頼が来まして。
せっかくの機会なので、引き受けさせていただきました。
千代田は電気の組立て、配線も手がけていましたので、マツモトでもやろういうことになりました。
それが、今の一貫対応の体制につながっています。


ありがとうございます。御社が新しく取り組まれていることや、挑戦されていることなどございましたら、お伺いさせてください。

 

松本氏

恥ずかしながら、今年から改善活動をみんなでしっかりやっていこうと(笑)
昨今、話題の働き方改革のことなども含めまして。
これまで、なかなか手をつけることができなかったところだったので。
自分たちの抱えている課題を洗い出して、解決しようと取り組んでいます。
具体的には、社内の従業員をグループに分けて、それぞれで問題点とか、自分たちが日頃感じていることを書きだしてもらう。
そのような形で、テーマを出してもらって、そこから取り組むテーマを決めようとしているところですね。

目指すゴールとしては、生産性の向上。
私が音頭を取って始めたのですが、まずは残業時間が短くなるように、かつ生産量・アウトプットがでるように。
残業時間を減らしても、出てくる生産量は変わりませんよ、というところまで持っていきたいと考えています。
ただ、職種として正直職人さんの世界でもあるので、自分のやりたいようにやらせてほしいというか方も少なくありません。
それに対して、若い方はどちらかというと仕事を早く終わらせて、自分の時間を確保したい。
話を聞いていると、その辺りで世代間のギャップがあるようですね。
どうしたらいいのかは、自分たちで解決しなければいけませんが、上手く導くことができれば、と思っています。

世代交代も視野に入れながら。

松本氏

そうです。
弊社の平均年齢は、40くらいだと思うのですが、実際には40代の方は少ないです。
上に60代の方がいて、下に20、30代に前半の方がいて、そのような平均年齢になっています。
年齢層の問題で、どうしても固まってしまうことがあります。
部署ごとに固まることもあるんですが(笑)
ただ、職人さんたちが蓄積してきたスキルというものは、大切な財産です。
きちんと次の世代に引き継いでいかなければいけないと考えています。


ありがとうございます。最後に大きな質問になってしまうのですが、板金業界全体や金属加工業界全体の課題などございましたら、是非お伺いさせてください。もちろん、御社の課題でもかまいません。

松本氏

課題はたくさんあるのですが、先ほど述べた世代交代が一番の課題。
あとは人手不足ですね。
募集をかけてもかけても、全然来ていただけていない状況です。
ですから、社内で海外の人を入れることも視野にいれようと話もあります。
これまで、現場の製造に関しては高校を卒業された方をメインに採用していました。
ただ、現状高卒の方を、大きな会社さまに取られてしまっています。
弊社も、ここのところ運よく採用できているのですが。
製造の現場作業って、きついとか汚いというイメージがると思います。
でも、現状多くの工場が環境を改善してきていますし、弊社もかなり綺麗にしています。
働く環境としては、なかなか良いものを提供できているのではないかな、と自負しています。
ですから、欲を言えば高卒の方だけではなく、大卒の方にもどんどん現場に入っていただきたい。
そうすることで、今まで見えていなかった課題などが、また別の視点で浮き彫りになるかもしれませんよね。
そのような形で、効率性や生産性の向上につながっていけばいいなと思っています。
あとは、業界的にどうしても景気に左右される面があります。
今はオリンピックもあって、景気が上向きだと思っていますが、その先のこともきちんと考えながら、会社のかじ取りをしていかなければいけないと思っています。


まとめ

大手メーカーと手を取り合って。


技術の向上と事業の拡大を実現する。


世代交代を推し進めながら。


株式会社マツモトは、精密な仕事に誠実に取り組む。

加工技術

  • 板金加工
  • 金属・切削加工

基本情報

代表者名
松本宗基
担当者名
松本和樹
従業員数
51名
創業年度
1980年
メールアドレス
m.kazuki@k-matsumoto.co.jp
電話番号
075-631-0836

住所

〒613-0024 京都府久世郡久御山町森村東250-1

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