株式会社 イナガキ

「雲海から船を出す」気持ちでスタートしました。

株式会社 イナガキについて
株式会社イナガキは愛知県名古屋市にある板金加工業者。
55周年を迎え、稲垣健治社長は2代目として事業を継承した。工場には最新の工作機械が並び、クライアントからの評価が高い会社の1つである。
そんな同社でも、稲垣現社長の継承時は債務超過からのスタートであった。当時の心境としては、まさに「雲海から船を出す」気持ちで事業を営んでいたという。そこからV字回復を成し遂げ、他社からの信頼が厚い会社となった背景を聞いてみた。
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イナガキ社の特徴を教えてください。

稲垣氏

当社が主に手がけている製品は半導体関連機器向けの外観重要部品です。外観部品は加工や後工程の負担が大きいもので、お客様からの要求が高いものです。それでも当社は綿密なコミュニケーションを通してすり合わせをすることで、お客様に喜ばれる製品を作り上げてきました。
現在の規模としては受注アイテム数が月4,000〜5,000アイテム、平均ロットサイズは20-50個にまで対応しています。製品サイズは1,000×1,000mm以下が多く、材料はSUS304などのステンレスが70%以上で、残りが鋼板やアルミです。板厚は0.5〜9mmで、ボリュームとしては3.2mm以下が一番多いです。

イナガキ社の強みを教えてください。

稲垣氏

前述のとおり、お客様との密なコミュニケーションにより柔軟かつ的確にニーズに応えられること、またその期待に応えられるような設備を取り揃えています。生産ラインとしても、加工、制作、溶接・組立まで社内で一貫体制を整えているので、スピーディに対応できます。
多品種少量生産・短納期対応かつ難加工形状の製品を積極的に引き受けて追求してきたことで、「製造業の駆け込み寺」として信頼を得てきました。

稲垣社長の社長就任時の状況とそのときの心境を教えてください。

稲垣氏

母から事業継承した2003年当時は受注が低迷し、債務超過の状態でした。自分が継がなければ、廃業する。たしかにその選択肢もあったでしょう。
その中でもなぜ引き継いだかといえば、「せっかくある環境」だったからです。
母からは具体的な話があったわけではなかったのですが、いざ目の前に選択肢が与えられたときに、
「失うものはない。潰すぐらいであれば、自らやろう。」
という前向きな気持ちがあり、継承しました。

継承時はどのような心境でしたか?

稲垣氏

学生時代から母の板金加工業を手伝い、就職先も板金加工業だったため、板金加工のことについては分かってはいました。
しかし、経営をやってきたわけではないので、自信などあるわけありません。何から手を付ければいいかも分からず、まさに「雲海から船を出す」気持ちでした。
しかし、「やりたい」と思ったからにはやるしかない。勝算を作っていくしかありませんでした。
当面は債務超過の状態から再建させるのに精一杯の状況でした。

どのように事業の再生を果たしましたか?

稲垣氏

「なぜ受注が低迷したのか?」を考えたとき、経営の基本に立ち返りました。それは「その時代のニーズに応えること」です。お客さまのニーズに応えるには、変化を受け入れていく柔軟な姿勢が重要です。変化を受け入れるには、まずニーズを捉えなければならない。そのために、「お客様の話を親身に聞くこと」に精を出しました。
常に時代のニーズに合わせた柔軟なサービス、製品づくりを続けること。それは今でも大事にしていることで、当社の経営基本方針にも記載されています。

当時採用した具体的な方針でいえば、外観重要部品の提供にフォーカスしたことです。外観部品を選んだ理由は、寸法・精度・技術が求められ、不良発生率が高く、他業種と比べて要求が著しく高いものだからです。そういった案件は他社はやりたがりませんでした。
しかし、当社はフェース・トゥ・フェースのコミュニケーションを通してその要求にきちんと答え、信頼いただく会社になる努力をしてきました。地道に信頼を確実に築き、積み重ねていったことがV字回復を果たした一番の要因だと考えています。

これまで再建される上で様々な経験があったと思います。その中で大事にされてきたことを教えてください。

稲垣氏

「信頼」という一言に集約されると思います。従業員はもちろん、お客様やパートナー、従業員とその家族の信頼を崩さないことです。お客様、従業員とその家族をも幸せにすることで、強固な信頼関係を築くことが一番大事なことです。お客様にとって、私たちは一緒に良いモノを作り上げていくパートナーだと思ってもらっています。
この業界では、下請け関係など上下の力関係で仕事の裁量が決まることがよくあります。しかし、私の考えでいえば、当社はあくまでお客様に寄り添うパートナーであって、対等な横の繋がりだと思っています。なので、当社は金額や納期だけでは仕事を受けない。あくまで「相手がどんな人なのか?」が大事です。良い未来が一緒に作れないようなお客様との仕事は引き受けないようにしています。恋愛と同じですね(笑)。
それは同業他社であろうと同じで、ニーズに合わせた同業他社との助け合いの輪のような関係を作り上げています。

これからのイナガキの取り組みについて聞かせてください。

稲垣氏

挑戦したいことでいえば、一気通貫での自社ブランドのモノづくりです。「さらに多くの人のニーズを満たす」ということを考えたとき、図面・展開図を形にしていく部品作りだけでなく、イナガキブランドの商品を開発するという考えに至りました。設計からお任せいただき、メーカーになることを見据えていきたいと思っています。目の前のお客様を喜ばせる延長線上で、こういったことを目指して取り組んでいけたらと思っています。

直近で取り組んでいることとしては、業界全体の課題でもありますが、「人材不足」に対応しています。「きつい」、「汚い」、「危険」といった製造業のイメージを変えていきたいです。今の若い人たちは、そのような悪いイメージから製造業から離れていっている実情があります。そのために、働きやすさを追求してオフィスを明るくしたりなどしています。いずれはショールームのような素敵な工場にできるのが理想ですね。

加工技術

  • カット・穴あけ加工
  • 曲げ加工
  • 抜き加工
  • 成型加工
  • 溶接
  • 塗装
  • めっき
  • 組立
  • 検査
  • 仕上げ・研磨

基本情報

代表者名
稲垣健治
担当者名
今井恵裕
従業員数
24名
創業年度
1963年
メールアドレス
imai@k-inagaki.co.jp
電話番号
052-624-1077

住所

〒458-0801 愛知県名古屋市緑区鳴海町字母呂後197

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