株式会社 北陽製作所

多品種少量生産で、スピーディーに

株式会社 北陽製作所について
埼玉県入間市に、スピードに強みを持つ板金加工メーカーがある。

株式会社北陽製作所だ。

食品関連装置、電子機器、半導体関連装置、医療機器、光学機器の筐体を主に。

精密板金加工の技術をもって対応。

多品種少量生産で、短納期を実現している環境について。

今回は、代表取締役社長の篠原秀賢(しのはら しゅうけん)氏にお話を伺ってきました。
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快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容について、教えてください。

篠原

弊社は、板金とバフと主にやっています。
基本的には、少量多品種。
量産は得意としていないので、受注生産もの、試作ものを主にやってます。
製缶のような型鋼材を使ったパイプや、アールを使った筐体系も受けてます。
弊社で間に合わない場合は、協力会社が1社ありますので、協力をお願いして、受けてもらう形でやっております。
弊社がここに来たのは、15年くらい前なんです。
元々は東京の昭島でやっておりまして、それからここの土地を買いました。
当初は、昭島とここの両方で操業してたんですけど、4年前に隣を買いまして。
昭島からこちらに全部移して、一緒になって、4年目を迎えているところなんです。
昭島で、うちにいた人間が独立して開業した1人2人でやってる外注さんが、今3件か、4件。
こちらに来てから、架台もの専門の板金屋さんなど、付き合いが広がりまして。
板金だと、今、7、8社あるんですよね。
外注さんとの繋がりも深くなってきたと思います。

御社の強みについて、お伺いできますか。

篠原氏

今はどこのお客様も短納期ですので、他の企業さんに比べると、納期に対応する力があると自負してます。
品質は、当然良いものを届けているつもりではいますので、短納期。

設備の稼働時間や設備の台数により、納期対応を向上されているんでしょうか。

篠原氏

そうですね。
複合機が2台と、レーザー加工機が1台で計3台で板金の方をやっています。
複合機2台は、ほぼ同じ機械で、ラインになってる棚付きのものと、単体機があります。
ラインの方が、何か欠けてる状態でも、単体機で代用できる形を取っていますので。
データの方も、今3人4人いますね。
飛び込みの仕事にも、かなり対応できると思っています。


飛び込みや新規の案件は、どのような形でお話がきますか。

篠原氏

協力会社の紹介もありますね。
営業部が今6、7人で、新規の営業をかけながら、顧客回りもしながらやっています。
現在、お客様も、かなり増えてきていまして。
社内としては、手一杯の仕事量はいただいているので、新規案件は、今止めてるんですけど。
以前に、これから先仕事が減りそうだからと、1人2人新規の営業に回してということも、何度かやりました。
それで、去年、一昨年辺りは、結局良いお客さんができたりして、今も続いています。

インターネット経由で、お仕事の依頼はありますか。

篠原氏

ホームページで、YAGレーザーのロボットを出してるので、見て来られてる方は結構多いですね。
今はYAGレーザーより、ファイバーレーザーの方が進化しているとも言うんですけど。
ファイバー持ってるところは、たくさんあるので。
うちなんか全然ですよって言うのですが。
一応話をするのに、とりあえず図面を持って来ていただいて、数量と納期をお聞きします。数が多いのが、結構多いんですけどね。
うちは、数ものは得意ではないので、対応できなかったり、凄く高くなっちゃうよとお話しします。
月に数件ありますね。



お取引先は、近隣の埼玉県内のお客様が多いのでしょうか。

篠原氏

元々は昭島にあったので、八王子方面が今でも一番多いですね。
基本的に自分で作って、持っていくスタイルなので、遠方はやっていなくて。
機械のカバー類がうちは多いんですよ。
衝撃があると割れちゃうことがあるので、極力送らないようにしています。
時々インターネット経由で、引き合いがあるのですが、送れる物であれば受けることもあります。
ただし、基本的には、近いところが多いですよね。
八王子、埼玉地区ですよね。
北の方なら鶴ヶ島とか日高とかその辺、東側は小金井近辺ですね。

ホームページの取引先企業様に、大きな会社様がありますね。たとえば、上場している沖電気さんとか。

篠原氏

今年の頭までは、大きな仕事いただいてたんですけど、なくなってしまいまして。
疎遠になってしまってる感じですね。
半導体のテスターの機械で、半導体も日々変わるじゃないですか。
そのモデルが1回終わって、作る機械が終わっちゃったからということで。
次の話はいただいてるんですけど、急になくなっちゃうんで、こっちもあららって感じで。
慌てて、また新しいところ探そうかって、やってたんですけど。
早々見つかるものじゃない。
今期は痛い感じですね。
「機械の生産が終わります」と言われた時に、もう「次の機械を」と言うんですけど、まだ作らないようで。

お取引されている会社様は、どれくらいの数でしょうか。

篠原氏

お客さんの数が物凄く多いので、100社を超えてると思うんですよね。
常時動いてるのは30~40くらい。
来るもの拒まずで何でも受けちゃうので。
塵も積もればで、うちの売上を維持してきています。
安易に断るなというのが、先代、先々代の社長からの言い伝えなので。
それを、ずっと守っていかなきゃ、うちの会社のよさがなくなってしまうと思うので。
会社のDNAみたいなものですね。


御社にとっての人に対する想いをお聞かせ願えますか。

篠原氏

私は社長になって4年目なんですけど、まだまだ技術者でありたいと思っています。
ほとんど現場にいて、一作業員として働いています。
板金屋という職人であれば、とにかく技術をみんな付けてもらって。
自分の仕事に自信を持ってお客さんに接したり、人に話したり、自分の誇りを持てるような仕事をしてもらいたいなと常に思って。
みんなプロになってもらいたいなと思いますよね。
人が介在するのが多いとはいえ、機械化で、職人が要らなくなってきてるのも事実でして。
最後に残ってるのが、溶接なんですけど。
溶接の仕事は手でやる形が、当分続くと思うので。
溶接に関しても、みんな上手になって、人にたくさん褒められてもらいたいとは思ってますけどね。

若い人には、仕事の上で、どのように指導されてるんですか。

篠原氏

技術が高い人間が何人かいますので、その人間に教育させるのが1番近道かと思います。
ところが、小さい会社なので、教育が難しいところで。
腕の良い人間が教育の方に入ってしまうと、仕事が滞ってしまうので、付きっ切りっていうわけにもいかないですけど。
カリキュラムがないので、応じたやり方で、やらせてもらっています。
その辺を上手くやってくれて。
ここ1年くらい、30歳前後の若い子が何人か入ったので、だいぶ平均年齢も落ちて、良い傾向とは思っていますけどね。
板金の経験がない人たちですが、一からの方が、逆に良いところもあるんですけどね。
変に知識があると、自分はこうやるんだみたいになっちゃう。
同じ板金屋さんにいたとしても、お客さんによってやり方も違いますし、会社によっても全然違うと思うので。
自分たちのところの色に染めるには、うぶの方がよいねと、よく管理職の人間とも話しています。

困難だった加工、苦労された案件などのエピソードがあれば、お聞かせください。

篠原氏

昔、バナナに異物が混入してしまって、世に出ちゃった事件があったんですよね。
金属検出器とか、異物検出器を作ってる業界のお客さんがメインなもので。
X線の検出器だったと思うんですけど、それこそ何十台って注文が来て、やり切れない状況が、何か月も続いたんですよ。
他の仕事も当然あって、そればかりやっているわけにはいかないので。
仕事量が、いっぱいいっぱいになったとは聞きましたね。
もう1つは、磨きのパイプ。
磨かれているパイプで組む架台があるんですけど、素材の傷が結構あるんです。
架台に張り付ける板も、厚板になってくると、素材の傷は結構あるんですよ。
ロールに何か付着していたりすると、同じ間隔でぽつぽつぽつと傷があったり。
しようがないことなので、普通のお客さんは何も言わないんですけど、そのお客さんは、ダメだと。
板を仕入れた時点で、全部ビニール貼りで来るので、1回剥いで見るんですよ。
ちょっとでも何かあると、返品してまた入れてを繰り返して、やっとできて。
最終的にどこか傷が付けば、バフ仕上げをして磨けばいいんですけど。
最初から素材の傷や打痕みたいに、バフしても落ちない傷も結構あるんですよね。
何度も、うちの人間が行ったりして直したりっていうのが続いたんですよ。
大変だったみたいですよ。
材料にもそうやって厳しいお客さんがいるから、気を付けてねとは言うんですけど、材料屋も、結局切ったものを仕入れてきてるんで。
最終的には断っちゃったんですけど。
結局うちが孫請けで、元請けの企業が言うんですけど。
大元のところから、「ここはダメ」と言われると、それ以上に要求が厳しくなってきて。
真ん中の会社も文句を言われたくないから、完璧を求めてくるんですよ。
それでエスカレートしちゃったパターンだと思うんですけど。
親会社から何か言われると、孫は本当に大変なことになっちゃうんですよね。
今まで通っていたものが通らなくなったり。

板金業界、製造業の課題について、お考えをお伺いできますか。

篠原氏

板金業界は全部そうかな。
パイプやアングルを使った筐体を扱える会社が、減っちゃっているんですよ。
その手の職人さんが、高齢化でいなくなってると思うんですよね。
うちでも何人しかやれないんですけど、対応するために、ロータリーインデックスという機械を今度入れるんです。
プレカットという形で、材料を切ったり穴開けたりってして、外注さんに渡してあげれば。そういうことをしてあげないと、技術を持ってる人がいなくて。
そういう形にすれば、板で曲げた状態と同じ形で板を組むだけになりますので、今までできなかった人間も、できるようになるだろうという期待もあって。
できる外注さんが、本当に少ないので。

架台、筐体関係ができる業者さんが少なくなっている原因は、どこにあるのでしょうか。

篠原氏

技術力もそうなんですが、まずは3Kですね。
結構大きくなって、重くなっちゃったり、きつい仕事なんです。
穴を開けるにしても、さまざまな工具を使うにしても、力仕事になってくるので。
一からやる場合には、自分で切って、加工をして、組み始める話になるので。
何台か組んでいれば、ノウハウが分かってくるんですけど。
切欠きの深さや、その辺のことが、身に付くまでやらない、やろうとしない。
他の仕事もいっぱいあるので、別に無理してやらなくても、きつい仕事は外注に出せば良いという話にとなっちゃうんですよね。
うちでできる人間も少ないし、やろうともしないので、増えてかない。
結構難しいところがあって。
ノウハウがわかるのは、経験値じゃないですか。
経験値になるまでいかない、やろうとしないのが、原因ですかね。


御社で、現在挑戦されてることや、新しい取り組みがありましたら、お聞かせください。

篠原氏

ここに移って15年になりますが、その時に入れたレーザー加工機が、そろそろいつ壊れてもおかしくなくて。
毎年何百万って修理代がかかったりする時期に来ちゃってるので。
今度、来年の3月に、入れ替えようということで。
パイプとかアングルとか型鋼材を加工できるロータリーインデックスを付けたレーザー加工機を入れようと。
設備投資は、毎年何かしらは、やってはいます。
去年はベンダー。
ベンダーも、ここ7、8年入れてなかったんですよ。
その当時は、まだ安全装置のことはあまりいわれていなかったので、付けていなかったんです。
ここ3、4年ですかね。
うちも事故が何件か起きまして。
対策として、安全装置付きの新しいベンダーを去年入れたんですけど。
その前年は複合機を入れて、その前の年も複合機を入れてるので、ほぼ新しい機械に、これで変わると思うんですよね。
積極的に設備投資はしているつもりですので。
板金屋といえども、古い機械でずっとやっていると、結局単価が合わなくなってきたり。
機械でできるものが増えてきてるので、移行していかないと、時代に乗っていけない部分もあるので。
かなりお金を掛けていると思います。



まとめ

YAGレーザー加工機など高度な設備を積極的に導入。


毎年の設備投資により、さらなる充実を図る。


協力会社の仕上げも含め、短納期対応を可能に。


株式会社北陽製作所は、変化の激しい時代を生き抜く。

加工技術

  • 板金加工
  • 金属・切削加工

基本情報

代表者名
篠原 秀賢
担当者名
篠原 秀賢
従業員数
30名
創業年度
1974年
メールアドレス
info@hokuyo-w.jp
電話番号
04-2936-4360

住所

〒358-0045 埼玉県入間市寺竹46-22

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