株式会社フジ工業

洗練された板金工程で

株式会社フジ工業について
兵庫県神崎郡に精密板金に強みを持つ板金加工メーカーがある。

株式会社フジ工業だ。

0.1ミリの薄板から9ミリの厚板まで。

ファイバーレーザ加工機で非鉄素材にも対応。

今回は取締役部長の後藤薫氏の話を伺ってきました。
シェア


快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容や強みを教えてください。

後藤氏

弊社は、主に精密板金と言われる分野の仕事をしております。
厚みで言うと、薄板0.1ミから厚板の9ミリくらいまで対応しています。
素材で言うと、鉄、ステンレス、アルミなどを加工させていただいています。
ファイバーレーザ加工機も保有していますので、非鉄金属を加工することもできます。
真鍮や銅などですね。
メインで手がけている製品は、分析機械の機械部品。
後は、金融関係、電車などの車両関係のお仕事をさせていただいています。
エリア的には、メインのお客さまが京都の企業ですので京都。
それから、地元の兵庫県内が多いですね。


ありがとうございます。取扱製品についてもう少しお話をいただいてもよろしいでしょうか。

後藤氏

分析機械関係で言うと、中に入る部品からブラケット、外板のシャーシなど、カバー類など全般的に手がけさせていただいています。
一貫対応できるところが強みかもしれませんね。
車両関係で言うと、プレスに向かないようなものを手がけています。
例えば、3メートルあるようなもの。
それぞれ一品一葉ですので、数の多く出るものではないものを依頼していただいています。
車両の中の配電盤も製作しています。
これは素材的にはアルミを使用していますね。
リベット組立てまで手がけています。

なるほど。御社の場合、量産系と試作系ですと、どちらが多いのでしょうか。

後藤氏

試作ものも手がけていますが、どちらかというと量産やリピート品をメインにしています。
試作や一品ものでいうと、先ほど申し上げた車両関係のものがそうですね。
ただ、そのようなものはどうしても人の手を取られたり時間がかかったりしてしまいます。
その分、どうしてもコストがかかってしまいますし。
量産もの、数をこなすようなものの方が得意ではありますね。
どちらかと言うと試作もやりますが、やっぱり量産、リピート品がメインですね。
今のその車両関係ぐらいですね。
数が少ない一品一葉。
でも、やっぱりどうしてもそうなってくると金額が上がってしまいますんで、弊社の手も取られるので。
どちらかと言うと量産物の数の多いものとかをこなす方が得意ではあります。
大体、平均月産300ロットくらいです。


ありがとうございます。ものづくりには人が欠かせないと感じています。御社の人に対する思いみたいなところをお伺いさせてください。

後藤氏

弊社は、今30名ほどいます。
有難いことにお仕事をたくさんいただいているので、まだまだ人間が足りない状況にあります。
残業をお願いしなければいけないような状況ですね。
ただ、採用はしたいのですが、なかなか人が集まらない。
募集はかけているのですが、このご時世なかなか難しいのが現実ですね。
板金は、どうしても自動化できない部分が残る仕事です。
採用も、自動化も難しいとなると、どのようにかじ取りをしていくべきなのか。
悩ましいところですね。
その上、材料の値上げもありますし、コストダウンの要求もある。
国からは、給料を上げて欲しいというお達しもありますし。

材料が高騰しているという話をよく聞きます。

後藤氏

そうですね。
もう一年半ほどずっと上がってきている感じがあります。
ただ、やっとステンレスの方が落ち着いてくるのではないかという見込みが出てきていますけどでも。
なかなか下がるという段階までには至っていない。
鉄やアルミなど含めて、全体的に上がってきていますね。

取引先の業界はどのような状況なのでしょうか。

後藤氏

割りに景気がいいという感じはしています。
分析機械に関して言えば環境問題への関心などもございますので、世界中で需要があるようです。
なかなか一般の方の目につくような製品ではないのですが。
数か月先の受注予測のようなものをいただいております。
それを見ながら生産できますので、その点ではとてもありがたくやらせていただいていますね。


なるほど。これまで手がけられた中で難しかった案件や印象に残っている仕事などございましたら、お伺いさせてください。

後藤氏

私もまだここに入って13、4年くらいなので、社長にきちんと聞いてみないとわからなことも沢山あるのですが。
話を聞いている中では、瀬戸大橋の部品でしたり、新幹線の0系の部品だったり結構大型のプロジェクトを手がけさせていただいたことがあるようですね。
昔は、精密板金というよりも、わりと大きな板金ものをやっていたみたいです。

ありがとうございます。今、新しい取り組みとか挑戦されていらっしゃることなどございましたら、お伺いさせてください。

後藤氏

挑戦とか新しい取り組みといわれるとなかなか難しいですね。
どうしても日々の稼働で忙しい部分がありまして。
ただ、お客さまからより高い品質を求められていますので、その部分を改善できるように努力していますね。
それから、不良品を減らす努力ですね。
要は、生産改善です。
どうやったら、もっとスムーズものが流れていくのかという部分も含めて、日々取り組んでいますね。

ただ、現時点でもかなり板金工程は洗練していますので。
現場の工場長などとみんなで一緒に取り組んではいますが、なかなか目に見える結果にまで結びつけるのが難しいのも事実です。
それに、板金って横持ちが多いんですよ。
1個の機械で完成品になるわけではない。
どうしても、次の工程へ次の工程へと横へ流さざるを得ない。
そうすると、どこか一つの工程ではなく、工場全体で高い品質を担保できるような仕組みづくりをしなければいけない。
とはいえ、そのような仕組みをつくったからと言って、それを価格にのせるわけにもいきません。


ありがとうございます。価格面で難しさがあると他の業者さまからも伺っています。

後藤氏

価格の部分では難しさがあります。
よくても現状維持ですね。
品質への要求は年々高くなってきているので、実質的には現状維持も難しいというのが本音です。
厳しいです、本当に。
だから、付加価値の高い仕事を受注したいと思うのですが、なかなかそういうものに巡り合えない。
新規の顧客さまの開拓なども検討しているのですが、現状の稼働状況の中でどれだけ営業をかけてもいいのか。
商談会などに行っても、商談までには行っても実際に仕事の依頼までにつながらないこともままあります。
これは、合う、合わないの相性の問題とは思うのですが。

ただ、良くも悪くもコミュニケーションがドライになってきているというところもあります。
本当に価格とか品質とかQCDの話しかしないようなところもあります。
昔で言えば、この製品は赤になっちゃうけど、その分こっちの製品の埋め合わせをさせてください、というようなことはありました。
今は、もうそのようなことはなくて、個別で商談。
で、厳しい価格を提示されます。

最後に大きな質問になってしまうのですが、板金業界全体や金属加工業界全体の課題などございましたら、是非お伺いさせてください。もちろん、御社の課題でもかまいません

後藤氏

はっきりと生き残れるところと、そうではないところにはっきりと分かれてきています。
そういう中で、どれだけ自社の強みを出していけるのか。
価格の問題でも、他社さまとどれだけ競争していくことができるのか。
できるところまでは頑張りますけれども、これ以上は難しいということも中にはあります。

それから機械の価格。
板金に関して言えば、機械の価格はどんどん上昇しています。
昔に比べたら、1.5倍、下手したら2倍を超えていることもあるのではないでしょうか。
ですから、新しい機械への設備投資は、なかなか難しい。
とはいえ、設備投資をしないと他社さまについていけない。
お客さまの要望に答えることが難しくなってくる。

それから、人材の面。
弊社のスタンスとしては即戦力でなくてもいいと思っています。
むしろ中途ではなくて、新人の方が変に色がついていない分指導しやすいという面もあります。
ただ、今本当に、ものづくりをしたいというような若者は少なくなってきていますね。


まとめ

分析機械から鉄道車両関係まで。


幅広い製品に対応。


洗練された板金工程で。


株式会社フジ工業はお客様のニーズに答える。

加工技術

  • 板金加工
  • 金属・切削加工

基本情報

代表者名
後藤 修
担当者名
後藤 薫
従業員数
30名
創業年度
1981年
メールアドレス
info@fuji-kg.jp
電話番号
0790-26-0588

住所

〒679-2313 兵庫県神崎郡市川町西田中62

他の工場も見る