株式会社京伸

若さとパワーでより速く

株式会社京伸について
大阪府門真市に、若さとスピードに強みを持つ板金加工メーカーがある。

株式会社京伸だ。

精密試作板金からスタートし製缶関係、フレーム関係にシフト。

食品機械、産業機械、半導体関係を主に幅広い分野に対応。

創業11年で急成長を遂げた背景と今後について。

今回は、代表取締役社長の古川治樹(ふるかわ はるき)氏にお話を伺ってきました。
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快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容と強みを教えてください。 

古川氏

創業2008年で、まだ11年目の会社です。
精密試作板金で単発小ロットの小物から2名、3名ほどでスタートした会社です。
現在43名の従業員がいてます。
急成長した理由は、積極的な設備投資はもちろん、短納期対応と品質。うちの一番の売りです。
今までは精密試作板金を重点的にやってたんですけれども、リーマンショック後、弱電関係が駄目になったんで、方向性を変えて、食品機械であったり、産業機械、半導体関係とか、いろんな分野をやるようになりました。
現在はステンレスの受注が全体の7割から8割を占めています。
ステンレス中心の大型製缶まで社内で全てできるような会社になってます。

短納期対応のために、どのように工夫し、実現されていますか。

古川氏

例えば大手さんをメインとした仕事をしていないんです。
お客さんの数がすごく多いです。
月に大体70社から80社の売先があって、上位の5社が売り上げの10%いくことがないぐらいの感じでやっています。
逆にいえば、短納期、小ロットの仕事しかしていない。
流れものの仕事があるとか、先の生産計画が決まっていることがないので、常に短納期の仕事を社内で工程を入れ替えながら出していけます。
スピードに特化していますね。



量産ではなく、試作系の案件が多いのでしょうか。

古川氏

そうですね。多品種小ロットで、1個から、大体多くても100個以内の品物が多いです。
ものによりけりですけど。

設備投資はどのようにされてきたのでしょうか。

古川氏

創業時にレーザー1台を入れています。
以降、積極的に設備投資をしていまして、この10年間でレーザー3台を買っています。
そのうち1台がもう入れ替えなんですけれども。
去年の12月にパイプインデックス付きのパイプも加工できるレーザー加工機を導入しました。
これは持っているところが少ないです。
常に設備投資をしていってるのと、今後の計画では、今年の8月にだいぶ大きなところに本社を移転をします。
まだ人を増やしていきたいので計画しています。

今後も人を増やしていきたいとのお話ですが、業界全体で人手不足が問題になっています。そのような背景を踏まえて、人に対する思いをお聞かせいただけますか。

古川氏

求人にはすごく苦労してるんです。
弊社の特徴として、比較的若い人間が組織の上に立つような体制になっています。
工場長が20代。製造がすごく若い。
若くてパワーのある現場になっているので、若い子が入ってきやすい土壌ができていまして。
今どこも人を入れるのが難しい。
その中では去年1年で15名ぐらい採用してます。
比較的若い層を獲得できているので、他社よりは人を入れやすい体制ではあるんですけれども。
新卒採用だと、まだまだ企業の知名度とかがないのですごく苦戦しています。
高校を回っても、工場見学の引き合いすらないくらい難しいですね。

急成長されている中で、経験豊かな方を雇った方が生産効率が上がると思いますが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。

古川氏

おっしゃる通りです。
だから今までは中途採用しかしてきませんでした。
経験者優遇でやってきたんですけれども、去年から新卒をと考えまして。
ある程度会社でルールができてきたので、教育する人間が40名いてるんで、今後は高卒や大卒の方とか、そういうところにも求人は向けていこうかなとは思ってます。

創業されて11年。会社としてまだ新しいと思いますが、どうして創業されたのか、経緯を教えていただけますか。

古川氏

もともと私が大学生のときに、当時5名くらいの規模の板金屋さんにアルバイトに行ってたんです。
板金業界が自分にすごく合ったんで、大学をやめて、そこに就職をしたのがきっかけです。
そこで14年間働いたんですけれども、退職するときには20名ぐらいの会社になってたんで、板金屋さんが大きくなっていく過程を見ているんです。
当時はセットプレスタレパンが主流で、レーザー加工機に移っていく過程を見ていて。
独立するんであれば、レーザー加工機さえ持っていたらある程度需要があるんじゃないかって気付きまして。
レーザー加工機を最初から購入できるんであれば独立しようと思い、実行しました。
守口、門真、大東、東大阪近辺で最初からレーザー加工機を持って独立する人がほとんどいてないんですよ。
僕以降にこの業界で独立した人は1人聞いたことあるんですけど、結局会社つぶれて駄目になってるんで。
ほとんどライバルがいてない。
ただ、やめていく会社はいっぱいいてました。
年齢層が上がってきて、設備投資ができない会社はうまいこといかないし。
後発でも積極的に設備投資してやっていけたんで、成長できたと思います。


11年の中で急成長されてきた歴史の中で難しい案件や、泣く泣くお断りした案件など、御社にとってターニングポイントになったエピソードはございますか。

古川氏

もともと試作板金をしていたので、最初の1年は精密なものと簡易金型を使った絞りの仕事をメインでやってたんです。
そういう仕事が急激になくなってきたので、大きくやり方を変えないといけないと思い。
当初予定してなかった製缶関係、フレーム関係に一気にシフトしました。
それが会社にとっては良かったと思います。

製缶は大物ですよね。力仕事や人手がいることから、廃業されるところが増えています。その時の選択がよかったのでしょうか。

古川氏

そうですね。
あと、製缶でも僕らは精密板金出身なんで、品質的にレベルが高かったところがあると思います。
また、ステンレスを中心に扱うことで、製缶でも付加価値のある仕事をしています。

御社のオリジナル商品「K-MAX」(高地環境トレーニングルーム)を開発・製作されるに至った経緯について、お聞かせいただけますか。

古川氏

試作系のものづくりをやっているので、社内で開発するものではなく、お客さんの開発案件のお手伝いをすることが非常に多かったんです。
そういったように、基本的にはお客様から図面をいただいてスタートする、待ちの仕事がメインになってくるんです。
それに対して、自分たちの工場があってものをつくれるので、自社製品を作りたい思いがずっとありました。
自社製品の「K-MAX」は、中で高地トレーニングができるルームなんですけれども。
真空チャンバーなどの製造ノウハウがあったんで、この開発費をものづくり助成金申請し、採択され、一気に製品にできるレベルまで仕上げたっていうのが経緯です。

今現在、積極的に売り込みされているんですか。

古川氏

今からです。今年は展示会出したり、実業団の方に何件か話を持っていってます。

真空チャンバーのノウハウがあった上で開発を手がけたことについて、くわしく教えていただけますか。

古川氏

高校時代柔道をしていまして、高校卒業後なにもやっていなかったんですが、40歳になったときにダイエット目的でランニングを始めました。
そこからトライアスロンをするようになって。
レースにいろいろ出ていたんですけど、運動能力をどうやったら上げられるか自分にもそういうニーズがあったんで。
高地トレーニングは医学的に効果があると証明されているんです。高地の環境を作りだせるものを作って、トレーニングすれば運動能力が上がるんじゃないかって思ったのがきっかけですね。

共同開発されているパートナー企業はありますか。

古川氏

今年関西大学と共同でやります。
人体にどういう影響があるのかは、大学の先生とデータを一緒に取ってやっていこうという動きをしてます。

設備投資をされていたり、商品開発をされているとのことですが、御社で現在何か挑戦されていることや、新しい取り組みはございますか。

古川氏

新工場になるということは、工場の規模も今以上で新たな設備投資もできますし、人も入れていけます。
それにつきます。
これからの課題は設備投資と人材の育成です。
板金屋としては50人超えてくると中規模になるんで、知名度を上げていって、社員教育をして、よい品質をNGなく納められるシステムを全員で考えて作っていこうってことを、今一番にしてます。


マネージメント、工程改善をされる中で、IoT機器の導入とかもされているのでしょうか。

古川氏

社内の生産管理のシステムがあるんですけど、そこまでできていないんです。
ただ、次の工場では、工程とかも、大きいモニター使うなどして整えるタイミングなんで。
次の新工場でどれだけできるかですね。

板金・製缶業界、製造業全体の課題について思われていることや、御社が今抱えている問題についてお聞かせいただけますか。

古川氏

製造業だけに限らず、世の中の景気に左右されることがどの業界でもあると思います。
リーマンショックで大きい経済危機があった年に創業してるんで、リーマンショックの大変さを逆に知らないんですよ。
創業当時は、人数が少ないんで抑えられるところは抑えられましたし、どんな仕事でも選ばずに取れたんです。
創業から今までの11年間は、基本的には製造業はずっと右肩上がり。
特に今の自民党の政権になってから、ものづくりしている会社さんは、助成金が出たり、積極的に設備投資できる土台があるんで。
量産はちょっと別ですけど。
量産はどうしても為替とかの問題が大きく関わってくるんで。
ぼくらのように国内で完結するようなものに関しては、今は需要の方があって、供給が間に合ってない状況が続いています。
オリンピックが終わってどうなるのか、今一番危惧しています。
消費税増税などの板金業界に限らず、大きい社会的な変化が常に怖いところですね。
その中で技術力と、どんな景気が悪くなっても急ぎの仕事はやっぱりあるんで、そこに特化して。
スピードだけは常に保っていける会社にしていかないといけない。
今までそれだけでやってきたので。

今、特需のような動きですけど、御社の強みであるスピードで今後もお客様との関係を深めていくお考えでしょうか。

古川氏

あとは、若さちゃいますかね、これからの製造業が残っていくのは。
どこも高齢化が進んで、世代交代がうまいこといかない問題がこれからますます起こってきます。
若い経営者の会社や跡継ぎがいてるところは積極的な設備投資ができるんですけれども、そうじゃない場合設備投資ができない。
そんな会社さんがたくさんあって、廃業されていってますね。
だから、ぼくらの強みは若さ。
設備投資ができるところ。
設備によって品質変わってくる業界なんで、そこができるのが強みですね。


  まとめ

  リーマンショックの年に創業。

  11年で積極的な設備投資と事業展開により急成長。

  若い世代が中心になり、スピード重視で即対応。

  株式会社京伸は、お客様の期待に応え続ける。



加工技術

  • 板金加工
  • 金属・切削加工

基本情報

代表者名
古川 治樹
担当者名
古川 治樹
従業員数
40名
創業年度
2008年
メールアドレス
info@f-kyo-shin.co.jp
電話番号
072-887-6588 

住所

〒571-0017 大阪府門真市岸和田2丁目1番10号

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