武州工業 株式会社

作っているのは、製造業の未来かもしれない。

武州工業 株式会社について
東京都青梅市にあらゆる賞を総なめにする板金加工メーカーがある。

武州工業株式会社だ。

「攻めのIT経営100選」、「はばたく中小企業300」。

先端的な取り組み。中小企業の模範。

なぜこんなにも高い評価を受けるのだろうか。

今回、代表の林英夫氏にお話を伺いました。
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今回はお時間をいただきましてありがとうございます。最初に御社の事業の概要や強みについて教えてください。

林氏

はい。
弊社はパイプに特化した会社です。自動車部品が70%医療機器分野が25%その他が5%を占めています。

弊社は、一個流しという生産体制をとっています。
ラーメン屋さんが一人で一杯を作るようなイメージです。
製品に合わせて、設備を組み合わせ、自分に使いやすい道具を揃えて、一個ずつ製品を作っていきます。

弊社は約160名の社員がいますが、そのうちの25名は設備やプログラムを開発をする人です。
単にものを作るだけではなく、設備や道具も作る。
それが弊社の仕事の仕方になります。
設備を自分たちで作ることで、省スペース、省エネルギーを実現しています。
価格も市販のものと比較して、4分の1ほどで済みます。

通常の生産体制では、順繰りに加工が行われます。
だから生産時間は、工程ごとにかかった時間の足し算になる。
弊社の場合、工程が並列に行われるので、生産時間は単純な足し算にはなりません。
この工程の中に、自動で検査を行える仕組みも取り込んでいます。
ですから、工程内で品質保証ができる。
どこか一か所で問題が起きても、ロット生産ではないのでラインを全部止める必要がない。
一個流しという生産体制の利点ですね。

なるほど。なぜこのような生産体制にされたのでしょうか。

林氏

87年からこのような生産体制に転換を始めました。
海外に仕事が流れしまう一番大きい理由は、人件費です。
競争相手のタイを例に挙げると、人件費はタイと日本では10倍くらい違います。
タイの製品が100円で売っているなら、日本でも同じ値段で売らなければいけません。
とすると、その10倍の差をどのように埋めるのか。
これは改善を相当しなければなりません。
そういう流れの中で、一個流しという生産体制が生まれました。

先ほど、設備をそれぞれの職人さんに合わせて作られているとおっしゃられました。何か工夫されていることなどありましたら、是非教えてください。

林氏

単純に職人さんに任せてしまうと、腕のいい方とそうでない方で違いが出てしまいます。
先ほどのラーメンの例でいえば、フランチャイズ。
フランチャイズ毎に味のレベルが違ったら、困ります。
特に腕の悪い人のお店で食べて美味しくないと思ったら、他店舗に足を運ぶことはまずないです。
他の店舗が美味しかったとしても。

だから、職人ごとのレベルを標準化しなければならない。
そのために弊社では、BIMMS(BUSYU Intelligent Manufacturing Management System)という情報化システムを利用しています。
BIMMSの仕組みの話をする前に、どうして職人ごとに差が出てしまうのか。

一つの大きな要因は、気が利くかどうかです。
気が利くっていうのは、ある意味では情報に敏感と言う事です。
今どこで誰が何をやっているか。
そういう情報を自然に取っています。
気が利かない人は、こういう情報に鈍感です。
無関心と言っていいかもしれません。

気が利くかどうかで、差が出てしまうならどうしたらいいのか。
こちらから情報を与えて情報格差をなくす事です。
情報の部分で差が出ないようにすることで、職人さんのレベルを標準化する。
これがBIMMSという仕組みを作ろうと思ったきっかけとなります。

1985年にこうした取り組みを始めました。
まだダイヤルアップでインターネットにつなぐ時代。
その頃からWebで実現できないかと、社内で開発してきました。
本格的に運用を開始したのは、2010年です。

2010年というのは、タブレットが生まれた年です。
その後、クラウドができて、ビッグデータの解析やAIという時代になってきました。
クライアントサーバー式でやっていたときは、なかなか台数が置けませんでした。
だから、早くから開発に着手していましたが、なかなか思うように運用できなくて。
それが、タブレットが市場に出回るようになってからは、台数をおけるようになりました。

情報の部分で職人さん毎に差が出ないように。
それをタブレットで実現する。
これがBIMMSの仕組みです。

とても興味深い生産体制ですね。品質管理についても、高い水準を追求されていると伺っています。

林氏

ものづくりは、作ったらその場で終わりではありません。
例えば、車。
故障したり、事故にあったら修理をします。
車のモデルチェンジは、大体4~5年です。
車を大事に乗られる方は、10~12年ぐらいしてようやく乗り換える。
中古で買われて乗る方もいます。

そうすると、その車の部品は供給できる状態にしておかなければいけない。
部品のまったく同じ、と言い切れないといけない。
たとえ、それが12年前に作ったものであっても、最近作ったものであっても。

これは、デジタル化が進む前から変わらないもの。
車が大衆に普及した1960年台にできた部品を作り続けている人もいます。
そうすると30〜40年前のデータを保管しておかないといけないトレサビリティが担保できません。

色々なメーカーでリコールがあります。
ある時点である製品に不良が見つかりました。
ある期間に作られた特定の製品がリコール対象になります。
この時、もしデータを取ってなかったら、範囲が決められません。

仮に不良が出たとします。
でも、その範囲がここからここまで、と言い切れれば、範囲を絞り対応が容易になります。

記録を紙で残しておくと、調査が難しくなります。
検査規格書というもので記録を残さなければいけないのですが、一日分だけでA4サイズ500枚になります。
ダンボールに入れて保管。
そんな記録を見返すのは、あまり現実的ではありません。
弊社では、早くからデジタル上でデータ管理できるように取り組みました。

他にも例えば、材料が原因だった場合。
同じ材料を使用した他の製品をチェックしなければなりません。
これを先ほど述べたように紙でやるのは、現実的に時間がかかります。そうして調べたときに「改ざんしてました」なんて状況が生まれる。

こういう状態は紙の記録の限界で、隠蔽や改ざんの土壌が出来てしまいます。
その点、デジタルで管理すれば、そういう状況が生まれにくい。
キーワードと期間を検索するだけ。
それで、瞬時に10年分遡ることも容易です。
取り組まない理由はないと思います。

誠実に品質管理に向き合った結果、自然とデジタル化という方向にたどり着いたのですね。

林氏

先代の時代はコンピュータが無かったので、すべて手書きでした。
ただ、その頃から日々決算を標榜し、毎日棚卸しをしていました。
毎日棚卸しをするということは、今日注文が出た分、納品した分、それをその日のうちに記帳するということです。
要は、アナログだけでも毎日生産管理ができているわけです。
それをコンピュータに置き換えました。
そういうステージをきちんと経てきたから、自然と取り組めるようになりました。

「アタックV活動」に代表されるように社会貢献活動に力を入れていらっしゃいます。この点についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

林氏

基本的な考え方として、会社が元気でいないとだめだと思っています。
弊社のようなビジネスは、世の中がよい状況でないと成り立ちません。
例えば、インターネットでものを注文する。
今日頼めば、明日来たりしますよね。
弊社は、在庫を持たないビジネスモデルでやっています。

毎日出荷できるということは、本当にありがたいことです。
青森に製品を納品しなければいけないとして、今日出せば明日届きます。
これが納入便の関係で2日に1回しか送ることができないとすると、ビジネスモデルを変えないといけない。
日本が元気だから、毎日青森に出荷できるわけで。
弊社のようなビジネスモデルは、日本だからこそ成り立っているという部分があります。
ただ、この部分は弊社の努力だけでなんとかなるものではないですね。
社会にいるみんなが努力しなければ実現できない。
だから、社会貢献活動を大事にしています。

弊社の社会貢献活動の一つに、「デジタルイノベーションハブin武州庵」という勉強会があります。
機械を解体するような実地のものから、外部の先生を呼んでおこなう座学まで。
これは、単に私達だけがレベルアップしようというものではありません。
今まで貯めた知見や設備作りのノウハウも社会に積極的に還元していきたいと思っています。
取引の有無にかかわらず、地元の企業や中小企業診断士・学生や市民を対象にして、オープンに参加してもらっています。

知見をオープンにされているのですね。何かきっかけなどがありましたら、是非教えてください。

林氏

3年前からオープンにしています。

元々弊社は、100年企業を目指していました。
今、会社は67年目で私と同じ年齢です。
だから、個人的に目指せ100年の目標は自身の人生と合致していました。

ところが、弊社の平均年齢は34歳。
若い人たちがたくさんいるわけです。
ある時、お酒の席で「僕が定年になるときに武州が100周年です」という話が出ました。
彼らにとっては、目指せ100年では足りない。
彼らのことを考えたら、もっと目標を高く設定しなければいけない。
そこで標語を改めて「目指せ300年」にしました。

34年後の100周年だったら、弊社は今と同様にパイプの仕事をしているでしょうね。
でも、さらに100年後のことを考えたらどうでしょう。
自動車は飛行機みたいに飛んでいるかもしれないですね。
さらにその100年後と考えたら、もう想像がつかないです。
弊社が持っている、パイプ加工のノウハウや技術をクローズドにしていたら、新しい時代はきっと来ないだろうな。
そういう風に思うようになりました。

だから、「目指せ300年」という標語が先に生まれて。
300年生きていくには、鎖国ではなく開国だねということに。
それで3年前に開国したんです(笑)


まとめ

パイプ加工に特化。


一個流しに、BIMMS。そして、アタックⅤ活動。


その根底には、ビジネスモデルを支える社会への感謝の思いがある。


だからこそ、社会のために何ができるのか。


日々、改善と工夫の努力を続ける。


社会への感謝の思いから、製造業の未来を切り開く。

加工技術

  • せん断加工
  • 曲げ加工
  • 抜き加工
  • 成型加工
  • 溶接
  • 塗装
  • めっき
  • 組立
  • 検査

対応材料

  • SUS304
  • SUS430
  • SPCC
  • SPHC(黒皮)
  • SPHC-P(酸洗)
  • SECC(電気亜鉛めっき鋼板)
  • ボンデ鋼板(SECC-P)
  • SGCC
  • A5052

基本情報

代表者名
林 英夫
担当者名
林 英夫
従業員数
160名
創業年度
1951年
メールアドレス
rapid@busyu.co.jp
電話番号
0428-31-0167

住所

〒198-0025 東京都青梅市末広町1丁目2−3

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