ターニングセンタとは?できる加工やメリット・デメリット

2023-11-06

今回はターニングセンタが対応できる加工やメリット・デメリットなどについて解説します。

ターニングセンタとは、NC旋盤の機能をベースとしたものに、マシニングセンタの機能も付与した工作機械のことです。昨今では複雑な製品形状や高い寸法精度、工程の短縮化、コストの削減などが求められるため、段取り替えの手間が少なく、自動で複数の加工を行えるターニングセンタのニーズが高まっています。

参考:NC旋盤加工とは?NC旋盤加工の構成や工場もご紹介!

参考:マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説

参考:自動工具交換装置(ATC)とは?ATCの種類と構造

ターニングセンタとは

引用元:タカハシキカイ MICROSTAR LD1 精密NCターニングセンタ

ターニングセンタとは、NC旋盤をベースとしたものに、マシニングセンタの機能も付与した工作機械のことで、別名「CNC(Computer Numerical Control)旋盤」や「旋盤形複合加工機」などとも呼ばれています。ターニングセンタは自動で工具を交換できる機能も備えており、1回ワークを取り付けるだけで、複数の加工が可能です。

ターニングセンタは、NC旋盤をベースに作られているため、円筒状の加工を得意とします。旋削加工だけでなく、同時にミーリングなども自動で行うため、段取り替えの手間がかかりません。

なお、ターニングセンタは、JIS規格で以下のように定義されています。

ターニングセンタ:回転工具主軸、割出し可能な工作主軸、及びタレット又は工具マガジンを備え、加工プログラムに従って工具を自動交換できる数値制御工作機械。

注記1:心押し台、第2刃物第、第2主軸台などを備えた機械がある。

注記2:機械の構造によって、主軸が水平の横型、垂直の立て形、及び立て形とは主軸の向きが上下逆の倒立形がある。

引用元:JIS B 0105:2021 工作機械―名称に関する用語

ターニングセンタでできる加工

ターニングセンタは、主である旋盤加工に加えて、フライス加工や穴開け加工、中ぐり加工にも対応が可能です。

旋盤加工は、回転させたワークに刃物を押し当てて削り出す加工を指します。一方、フライス加工は、固定したワークに回転させた刃物を当てて切削を行う加工方法です。中ぐりは小径の穴を繰り広げて大径の穴に加工することを指します。

参考:旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!

参考:フライス加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!

参考:穴開け加工とは【専門家が解説】タップ加工、リーマー加工との違いを説明!

ターニングセンタのメリット・デメリット

メリット

●管理コストや人件費の削減

複数の工作機械を所有していると、そのぶんの維持コストがかかってしまいますが、ターニングセンタは複数の工作機械で行う加工を1台に集約できるため、管理にかかるコストが削減できます。

また、工作機械が少ないということは、機械を使用する作業員も少なく済み、人件費の削減に繫がります。

●工程の簡素化と生産性の向上

ターニングセンタは、複数の工作機械を使ってワークのセット・加工・取り外しといった工程を繰り返し行う必要がなく、一度ですべての工程を行えるため、工程の簡素化が可能です。工程が少ない分、生産性の向上にも繫がります。

●安定して高品質の製品を製造できる

ターニングセンタは、一度ワークを固定すれば、すべての加工を自動で行えます。ワークを加工ごとにセットし直す必要がなくなることから、ワークの位置ずれを防止できます。また、人の手で作業を行わずに機械で加工を行うため、加工精度が安定し、安定して優れた品質の製品を製造できます。

●安全性に優れている

ターニングセンタは、ワークの移動や刃物の交換を機械が自動で行うため、作業に伴う事故のリスクを軽減できます。

デメリット

●導入に高いコストがかかる

ターニングセンタは複数の加工を一度で行える一方で、機械加工を行えるようになるまでにソフトウェアやNC制御装置といった周辺設備などの導入も必要です。そのため、1台あたりのコストが大きくかかる傾向にあります。

●プログラミングの知識を要する

ターニングセンタは、コンピュータ数値制御にて加工を行う工作機械のため、汎用工作機械の知識に加えて、プログラミングの知識が必要不可欠です。

マシニングセンタや旋盤との違い

ターニングセンタは旋盤加工がベースであるのに対し、マシニングセンタはフライス加工をベースとしたNC工作機械です。

マシニングセンタは、固定したワークに対して回転させた刃物を3次元的に当てて加工を行うのがメインです。マシニングセンタは、テーブルの回転も行える5軸制御を行えるタイプも普及しており、複雑な加工にも対応します。

一方ターニングセンタは、回転させたワークに刃物を当てて加工を行う旋盤加工がメインです。

汎用旋盤との違いは、コンピュータ数値制御により自動で加工を行えるため、精度が高くて複雑な加工にも対応できる点です。また、ターニングセンタはフライス加工や穴開けなどの複数の加工に対応できるほか、自動工具交換機能も備えているので、工具交換の手間も省けます。

 

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