第5回 板金加工、レーザー加工の基礎(1)

ゼロからわかる!板金加工!

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レーザー
溶接
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第5回 板金加工、レーザー加工の基礎(1)


本シリーズは、板金に関する知識がゼロでも、読み進めていくことで、板金加工の理解が身につくことを目標にしています。

対象とする読者は、知識ゼロのあなたです。 

板金加工には、大きく分けて切る、曲げる、作るという加工方法があります。

その中で、今回取り上げるのは前回に引き続き切断加工の一種であるレーザ加工です。

とはいえ、レーザ加工は切断のみを実現するのではありません。

レーザ加工によって、様々な加工を実現することができます!

例えば、レーザ切断は、タレットパンチプレスの代替として、レーザ溶接はアーク溶接の代替として、レーザ熱処理は高周波焼入れの代替として考えることができます。

とはいえ、レーザ加工はこれまでの加工の代替にとどまらない可能性を持っています。

この点について、考えるために、まずレーザ加工の基礎を以下で学んでいきましょう。

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レーザ加工とは

レーザ加工とは、その名のとおりレーザによって加工する方法のこといいます。

レーザーは、もともと複合造語で「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation」の略です。

直訳すると「光線の励起誘導放出による光増幅」です。

どういうことでしょうか。

以下、見てみよう。

光子の自然放出と誘導放出

レーザー発振の基本は、原子(分子)による光子(電子)の吸収と放出です

光源となる原子(分子)が、励起状態(エネルギーの高い不安定状態)から基底状態(エネルギーの低い安定状態)へ移行する際に、光子が放出する過程を自然放出といいます。

一方、励起状態の「原子(分子)が外部から与えられた光子(電子)の衝突によって誘導され、さらに光子を放出することを誘導放出といいます。

自然放出された光子は全方向に不規則に起きるが、誘導放出された新しい光子は最初の光子と全く同じ周波数、位相を有し、同じ方向へ移動します。

このように、光子が励起された原子に当たると原子はさらに光子を生み出し、その生み出された光子が更に光子を生み出します。

これを光増幅といいます。

この誘導放出と光増幅を利用して、加工を行うのがレーザ加工になるわけです。

レーザ加工でできること

レーザ加工は、被加工物に照射するレーザ光のエネルギー密度や照射時間とアシストガスの作用によって、異なる加工がおこなわれます。

具体的には、

・切断

・溶接

・焼入れ

の3点です。

金属材料は温度が低い状態では、固体の形をとっていますが、融点に達すると液化し、さらに沸点に達すると気化します。

レーザ加工は、これら金属材料の変化を目的に応じて最適に制御することで、加工を実現します

「鉄鋼の温度と金属組織の関係について」

引用元:モノタロウ

レーザ加工の種類

レーザ加工は、

①ガスレーザ

②固体レーザ

の2つ分けることができます。

板金加工において、従来ガスレーザとして、CO2レーザが使用されてきました。

これに対して、固体レーザとして、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)と呼ばれるガラス状の結晶(固体)を半導体レーザで励起するレーザが使用されてきました。

ただし、YAGレーザ高出力で連続して使用するとYAGロッド中に熱レンズ効果と呼ばれる熱ひずみが発生することがありました。

この課題を解決するために開発されたのが、ファイバーレーザディスクレーザす。

ァイバーレーザは、励起媒質にファイバが、ディスクレーザには、励起媒質にディスク状(板状)の結晶が用いられています。

これらのレーザ光は、光ファイバーによって伝播され、被加工物を加工します。

レーザ加工の種類と特徴

レーザの特徴は、レーザ光のエネルギー密度や照射時間の制御が容易に行えることにあります。

そのため、以下のような加工が可能になります。

①セラミックス、ガラス、タイル、人工大理石など硬脆性材料の加工が容易に行えること。

非接触加工のため加工中の反力がなく、プラスチック、布地、ゴム、紙などの材質や、極薄板厚の対象を変形させずに高精度に加工できること。

③非接触加工のため加工中の騒音発生が極めて少なく、加工機の設置環境によらず夜間連続運転も可能です。

④NC機との組み合わせにより円弧や直線、または自由曲線で作成したプログラムにより加工することで、切削や研削では加工できない複雑形状や微細形状を加工できること。

⑤ビームの集光スポット径が小さく局部的な加工が行えるため、加工ひずみや熱変形の少ない加工ができること。

⑥半透過ミラーやフォログラムなどの光学部品により、レーザ光の分光技術を利用した高能率な加工ができること。

⑦電子ビーム加工と比較して真空を必要とせず、X線の発生がなく、磁場の影響を受けないなどにより、加工システムが比較的容易に構築できること。

ファイバーレーザは、レーザ光をファイバー伝送できるため、ロボットなどと組み合わせた複雑なビーム伝播経路の加工システムが容易に構築できます。

引用元:AmadaCompany

レーザ加工とアシストガス

レーザ光の照射と同時に、被加工物に噴射するアシストガスは、加工品質や加工性能を高める重要な役割を果たします。

レーザ光と同軸状にノズルから被加工物に噴射されるアシストガスは、以下の図に示すように加工の内容と加工材料によって、ガスの種類および制御方法が異なります。

切断とアシストガス

切断では、酸素ガスを用いた金属加工には酸化燃焼反応を誘発させて、加工速度の向上や加工対象の板厚を拡大させる効果があります。

しかし、切断面には酸化膜が発生するため、それを防止するためには窒素ガスを使用する無酸化切断が、ステンレスの切断を中心に普及しています。

また、アシストガスのコストの低減を図るためにエアーを使用した薄板切断も行われます。

チタンやチタン合金の切断では酸化や窒化を防止するために、アルゴンガスが使用されます。

溶接と焼入れ

溶接と焼入れでは、加工部が大気と触れて、酸化することを防止する目的で、アルゴンガスが使用されます。

クラッディングでは粉末を運ぶキャリアガスとシールドガスの役割を担うガスとしてアルゴンガスが使用されます。

以上の各種アシストガスの制御は、比較的高圧力の使用条件では圧力制御を行い、低圧力の使用条件では減量制御を行います。

まとめ

以上、レーザ加工の基礎知識について簡単に確認しました。

レーザ加工のイメージを、なんとなくでもつかめれたら十分です。

次回は、さらにレーザ加工で実現できることについて考えてみたいと思います。



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