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コストではなく信頼で繋がる 株式会社栄進鈑金製作所

インタビュー | 2022年11月24日

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株式会社栄進鈑金製作所は、山形県米沢市に加工から塗装まで一貫生産できる板金加工メーカーです。今回は代表取締役社長の間山幸光(ゆきみつ)氏にお話を伺いました。間山氏には、2018年に一度専務取締役としてインタビューさせていただきました。コロナ禍を経て今、思うこととは。


取材日: 2022年11月10日


2018年度のインタビュー記事はこちら:https://mitsu-ri.net/factories/eishin-bankin

株式会社栄進鈑金製作所について

所在地:〒992-0117 山形県米沢市大字川井491番地の7

TEL:0238-26-9381

FAX:0238-26-9382

設立年:平成13年(2001年)

代表取締役:間山 幸光

取扱品:制御盤/操作盤/分電盤/簡易組立配線/各種カバー類/架台/レーザー加工(厚板加工/ステンレス/アルミ等精密部品加工)

ホームページ:https://eishin-bankin.co.jp/

品質(Q)と納期(D)で信頼(C)につなげる

今回も取材を快く受けていただきまして、ありがとうございます。2018年度のインタビュー時もお伺いしましたが、改めて御社の事業概要と強みを教えてください。

間山氏

当社の事業内容は、変わらず板金と塗装を一貫して行っています。
強みも変わらず、大型の筐体をメインに作っております。
近年の特徴としては、やはりここ2年ほどで関東付近を中心に東日本からの引き合いが多くなっています。
コロナの影響で、板金屋や塗装屋を閉めているところが多くありました。
しかし、近年では海外から日本へ工場を戻そう、サプライヤーを見直して日本国内で作ろうという流れがあります。
それにより板金塗装屋が求められることが多くなっていると感じています。
ニッチなところですが、尖ろうと思っている大型筐体製作を求めてくれる会社様は確実にいます。


なるほど。コロナによる影響は悪いものばかりではないのですね。

間山氏

コロナの影響は受けず、うまく営業はできています。
この影響もあり新規のお客様が増えました。
今では建築業界が6割、あと4割はその他の業界という感じで、さまざまな業界からお引き合いをいただいています。
既存のお客様からも変わらずお仕事を頂くことができています。
その要因として、QCD*の、Delivery(納期)に関してはとても気をつけています。
もちろん、Quality(品質)に関しても今我々ができる最高のクオリティで行っています。
ただ、「C」に関しては、Cost(金額)ではだめだと思います。
良いものを早く出そうと思ったらコストはかかってしまう。
安く、というのは逆にできないというのは言っています。

*「Quality」「Cost」「Deliverly」の総称。


そうですね。弊社でも、安すぎる指値を要求されている案件を度々見かけます。

間山氏

見積りはうちの会社がやっていくための見積りです。
ですので、それを安くするというのは「できません」と強気に出ています。
我々がお客様に提示している「C」は、品質と納期を守ることによってConfidenceの「C」にしています。
「信頼」という意味です。
既存のお客様から信頼をうまく構築できたというところで、コロナ禍の仕事がない状況でも、我々には優先的に仕事をいただけたのかなと感じています。

「Cost」ではなく、「Confidence(信頼)」の「C」。素晴らしいですね。納期を守るために工夫していることはありますか?

間山氏

納期に関しては、我々の強み、板金と塗装を一貫して行える点が生かされています。板金と塗装を一貫して行うことができる時点で、お客様が想定していたよりも短い納期を提示できます。

DX推進と人材育成を重点に

なるほど。元々の納期がすでにお客様の期待している納期を上回っているのですね。

間山氏

はい。管理の面で、ここ4年で変わったことと言えば、社内で情報共有をできるようにしました。
全部の機器をネットワークに接続して、サーバーを一つ置き、そこに必ずアクセスする仕組みを作りました。
簡単なものですが、情報の「集中」と「共有」をしました。
これをすることによってバックアップや一元管理という次の段階に進んでいけます。
webサーバーを立ち上げて、webシステムを立ち上げて、そのwebから集中して入っていけるようにしました。

IT企業ならまだしも、工場では一人一台パソコンを渡すことはないので、現場にパソコンを一台置いて工程管理表を見られるようにしています。
また、3次元のCADデータを表示して、完成図を見られるようにしています。
複雑な形状の製品があっても、完成図を見ることができる環境があるだけで全然違います。

とてもDX化に対して積極的ですね。代表様がそのように積極的ですと、社員さんもついていきやすいと思います。

間山氏

はい。4年で変わったことは他にもあります。
入れてみて一番有効だったのが、ビジネスチャットツールを入れたことです。
課題の一つに、コミュニケーションの取り方を変えなくてはいけないという認識がありました。
わざわざ人を集めて伝えるのは大変ですし、役職者を呼んで現場に伝えてもらうというのも伝言ゲームになってしまって全ての情報が伝わりません。
これを考えると、チャットツールで直接、自分の言葉で社内に向けて発信することができるのはとても便利です。
これを入れたことにより、情報共有がかなり進みました。
板金屋は絶対入れた方が良いと感じます。

ありがとうございます。以前にインタビューさせていただいた当時は、専務取締役として対応いただきました。代表になってビジョンや考え方が変わった点があれば教えてください。

間山氏

以前インタビューをしていただいたのは2018年の11月ですね。
実際に代表になったのは2019年の4月からなんです。
代表になって3年半が経っています。
責任の重さがNo2とNo1では全然違う。これをヒシヒシと感じています。
No2の時点でも生意気なことは言っていましたが(笑)
責任を負うという立場は代表じゃないとわからないなと。

当時から思っていたことを、より当事者意識を持って感じるようになったのですね。

間山氏

そうですね。あとは数字が全ての結果なので。
数字を出すというプレッシャーはNo2の時とは比較にならないくらい感じています。

代表になられて、改めて感じる課題はありましたか?

間山氏

専務時代から感じていることは変わってませんが、正直この業界は人気がない業界だと思っています。
現場で溶接したりとか、粉塵にまみれたりとか。
塗装していても汚れる作業なので辛い仕事だということは感じます。
そうは言っても、板金と塗装はこんなにもいろんなものが作れるんだという面白さを伝えていかなくては!という使命感を持っています。
なくなったら困る業種であることは間違いないので。
次の世代にも伝えていくためにはどうすればいいのか、という課題を常に持っています。

以前のインタビューでは、「人」にかなり重きを置いているという印象を持ちました。

間山氏

はい、その思いはずっと同じですね。
今働いている人たちの生活の質をあげることは、定着率に繋がります。
頑張っている分だけ給料を払ってあげたいし、お休みだって、他の会社さんと同じように休暇を与えたいですし。
仕事は一人でできない、皆さんの力がなければ板金塗装は成り立たないので人を大事にしたいですね。
4年前とはあまり変わってませんが、労働人口が減ってきているのは間違いありません。
外国人労働者を採用するという方向にも進んでいかないといけないのかな、とも感じるのですが、まだまだ地場の人間、日本人で頑張っていきたいという思いもあります。
魅力を伝えて選んでもらえる会社にしていくことが大切だと思っています。
社員に好かれる会社、新しい人にも「いいな」と思ってもらえる会社を目指していきたいです。

徹底した品質管理対策へ

製品を製作する際に気をつけている点があれば教えてください。

間山氏

新規のお客様も増えてきたので、不具合の発生防止対策を強化するために、品質管理部門を今年から設立しました。
もともと検査は行っていましたが、明確なルールがなく、担当者任せになっていました。これを、ルールを決めて取り組むようにしました。

また、今までは営業に関する電話も、不具合に関する電話も私が対応していました。
ですが、それでは不具合に関する知識が溜まっていかないので、不具合や納期に関する電話は品質管理部門が対応するようにしました。
その後、品質管理責任者、品質管理担当者が中心となり、全員参加で原因の追求をします。
対策やその後の流出対策の徹底についても同時に考えます。

なるほど。ルールを決めたとのことですが、具体的にはどのようなものですか?

間山氏

まずは、製品の特徴に合わせ、重点検査箇所を定めました。
そして、各工程ごとに検査方法を決めました。
例えば、NCデータ作成グループであれば、データと図面をもう一度最後にチェックし、問題がなければ蛍光ペンで図面を塗りつぶします。
不具合の流出を止めるため、完成した製品も板金の段階で製品を組み上げ、同じように現物確認作業を行っています。



以前に板金業界全体の課題について、お伺いしました。コロナ禍を経験されてきた今、改めて感じることをお聞かせください。

間山氏

なかなか奥が深い質問ですね。
先ほども言ったことにはなりますが、人気がない業界なのでいかに人気を出していくか、が課題ですね。
例えばですが、この業界で有名な某工作機械メーカーさんなど、音頭をとって板金業界をアピールするようなイベントがあってもいいのでは?と思っています。
当社は山形県米沢市という場所で行っていますが、いろんな板金屋さんがあってそれぞれ特徴や得意なものが異なります。
そのような会社が一堂に集まって、展示会をやったら絶対できないものなんてないと思います。
そのようなイベントに、人が集まれば「これ困ってたんだよね」というのが間違いなく発生しますよね。
こういうのも、我々の業界をアピールしていくには有効なのでは、と思っています。

魅力をアピールするということは、人を惹きつけるということにもなると思います。
人不足と騒がれている世の中で、現場で作業したいという人たちも減ってきているのは間違いありません。
楽しさを伝えるというのは、一つの使命だと思っています。

まとめ


お客様のことだけでなく、板金業界の未来のことも考える。

コストではなく信頼を与える。

板金業界の楽しさを伝えたい。

栄進鈑金製作所は未来を見据え、歩んでいく。

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この記事を書いた人
株式会社Catallaxy

株式会社Catallaxyは "未来の製造業をつくる" をミッションに掲げ、製造業における従来のサプライチェーン/バリューチェーンの刷新を目指しています。記事内容に関するお問い合わせはこちらへ。

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