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  • 生産管理の自動化を徹底解説!対象・メリット・成功ポイントも詳しく紹介

    生産管理の自動化を徹底解説!対象・メリット・成功ポイントも詳しく紹介

    生産管理を自動化したい、自動化のメリットを知りたい、と考える担当者もいるかと思います。生産管理で自動化に成功すれば、従業員の労働環境も改善し、従業員の満足度も向上するでしょう。需要予測も可能となり、企業の売上アップにもつながります。 そこで本記事では、生産管理の自動化について、自動化対象・メリット・成功ポイントを詳しく解説していきます。 生産管理における自動化対象 まずは、生産管理における自動化対象について、以下3点を説明します。 生産・調達計画 品質検査 設備保守 それぞれ、一つずつ見ていきましょう。 生産・調達計画 1つ目は、生産・調達計画です。 生産・調達計画は、作業員が担当すると経験が介入し、予測に誤差が生まれる可能性があります。そこで、機械学習やAI技術を活用し、過去のデータや市場トレンドを基に将来の製品需要を予測すれば、正確な需要予測が可能となるでしょう。予測結果に基づいて、生産計画や資材調達計画を立案すれば、生産ラインの稼働率や在庫の作成量を最適化できます。 生産・調達計画の自動化により、製品の品質維持と納期遵守することが可能です。 品質検査 2つ目は、品質検査です。 近年では、人手不足に悩む製造業も多く、深刻化すると品質管理も疎かになることが考えられます。 そこで、機械学習やディープラーニング(深層学習)を活用して自動化を図れば、品質検査の精度向上が可能です。これまで作業員が目視検査していたことに比べ、正常な製品と不良品を見分けるスピードが上がり、正確かつ効率的に検査できるでしょう。 品質検査を自動化すれば、高速で大量のデータを正確に処理できます。処理した結果を元にデータ分析し、検査プロセスの改善点を見つけ出すこともでき、改善点も迅速に反映できるでしょう。 設備保守 3つ目は、設備保守です。 従来では、熟練作業員が設備保守を実施しており、多くの時間と労力が必要でした。AIを活用することで、設備保守業務の効率化を実現し、事故発生予防にもつながります。 たとえば、ロボットや自動化システムを利用して、メンテナンス作業を自動化すれば、24時間365日体制で、休みなく設備チェックが可能です。 設備保守を自動化すれば、夜間に人間が対応する必要がなくなります。定期的に設備保守することで、設備の寿命を延ばし、コスト削減にもつながります。 生産管理の自動化が企業にもたらすメリット 生産管理の自動化が企業にもたらすメリットについて、以下3点を説明します。 労働環境改善 需要予測 組織間のスムーズな共有 それぞれ、一つずつ見ていきましょう。 労働環境改善 1つ目のメリットは、労働環境改善です。 これまで現場の熟練作業員が行っていた業務の一部を、機械やシステムで行えます。これにより、労働者はより高度なスキルを持つ仕事や、戦略など創造的な業務に注力できるようになり、働きがいを感じられるでしょう。 また、部品の品質チェック、危険性の高い作業も自動化すれば、労働者の作業負荷を軽減できます。従来よりも労働量や労働時間が減り、従業員の健康維持が可能です。 生産管理を自動化すれば、これまで生産現場で熟練作業員が行なっていた業務を機械やコンピュータで対応でき、従業員の作業負荷軽減、労働環境改善に役立てられます。 需要予測 2つ目のメリットは、需要予測です。 需要計測では、市場や顧客の需要を正確に把握し、適切な生産量や在庫レベルの計画が大切です。自動化技術を活用すれば、需要計測の精度が向上し、顧客満足度が向上します。 たとえば、市場や顧客からのデータをリアルタイムで収集・分析することで、需要の変化やトレンドを迅速に把握し、適切な生産計画や在庫管理を実現できるでしょう。 機械学習やAI技術を活用すれば、従来よりも高い精度で将来の需要を予測し、生産や在庫管理に反映できます。 自動化により、市場や顧客の需要変動に対してタイムリーに対応でき、受注時の商品生産や在庫作成それぞれのプロセスを、柔軟かつ迅速に対応可能です。従来のような作りすぎや、人による急な工程変更もなくなり、ムリ・ムダの削減にもつながるでしょう。 組織間のスムーズな共有 3つ目のメリットは、組織間のスムーズな共有です。 生産管理を自動化すれば、生産ラインに必要な情報を可視化し、組織をまたいだ共有が可能です。たとえば、在庫情報と販売情報、それぞれ別の組織が管理しているデータをリアルタイムに確認することで、在庫の超過や過不足などの問題も解決できるでしょう。 生産管理を自動化するシステムでは、生産に関連するデータを一元管理しています。そのため、企業内の複数部門やチームがいつでも同じデータにアクセスでき、リアルタイムな情報共有が可能です。 生産管理の自動化によって、組織間のスムーズな共有を実現でき、企業全体の評価も向上します。 生産管理の自動化を成功させるポイント 生産管理の自動化を成功させるポイントとして、以下4点を説明します。 目的の明確化 課題の明確化 組織連携 AIが適している分野の把握 それぞれ、一つずつ見ていきましょう。 目的の明確化 1つ目のポイントは、目的の明確化です。 自動化で何を実現したいのか、明確な目的を持つことで、適切な自動化手段の選択、効率的に結果を達成できます。目的が曖昧なまま自動化を進めれば、自動化そのものが目的となってしまい、思うような結果を得られないです。 また、目的が明確であれば、その目的に適した生産管理システムの選択も容易になります。 目的を明確化するときには、最初にどの業務やプロセスを対象にするかを考えることが重要です。企業にとって最も重要な課題や効果が大きい領域に焦点を当てることで、効率的な自動化を実現できます。 課題の明確化 2つ目のポイントは、課題の明確化です。 企業や組織が直面している課題や問題点を明確化することで、何に対して自動化すべきか明確になり、自動化をスムーズに進められるでしょう。 たとえば、不良品の発生・異物混入・品質が一定ではないなどが挙げられます。課題を明確にすることで、その課題に対応する適切な手段、システム導入を選択しやすくなります。 課題の明確化は、生産管理を効果的・効率的に進めるために欠かせないステップです。企業が抱える課題や問題点を明らかにしてから、自動化に取り組みましょう。 組織連携 3つ目のポイントは、組織連携です。 組織間で必要な情報を、スムーズに共有できれば、生産管理の自動化も円滑に進み、効果的な結果も得られやすいです。 たとえば、異なる部門やチームが自動化に関連する知識やスキルを、システムなどで共有できれば、プロジェクトに関わるメンバーが課題解決に協力しやすくなります。問題が発生したときも、現在のステータスや課題を迅速に共有でき、解消スピードもアップするでしょう。 AIが適している分野の把握 4つ目のポイントは、AIが適している分野の把握です。 自社のどの業務やプロセスでAIが最も効果を発揮するのかを事前に理解した上で、自動化を図ることが必要です。 AIが得意な分野として、たとえば繰り返し行われている作業、24時間365日チェックが必要な作業が挙げられます。そのような業務を自動化すれば、生産管理も効率的に進むでしょう。 AIが得意とするIT領域にシステムなどを活用すれば、人間を超えるスピード・精度で対応できるようになり、生産性向上やコスト削減も実現します。 生産管理を自動化に向けたツールの選び方 生産管理を自動化に向けたツールの選び方として、以下6点を説明します。 機能 操作性 導入形態 自社の生産方式 コスト サポート体制 それぞれ、一つずつ見ていきましょう。 機能 1つ目は、機能です。 生産管理を自動化できるシステムとして、豊富な機能が搭載されているものもあります。機能が多ければ多いほど便利ではなく、自社にとって必要な機能が搭載されているかをしっかりと確認することが必要です。 企業の課題を解決してくれる機能を持つツールを導入すれば、日々の作業効率も向上するでしょう。従業員の作業負担を軽減するとともに、業務プロセスもスムーズに進みます。 また、社内の他システムと連携が必要なケースでは、APIなどの外部連携機能が必要ともいえます。 上記の通り、企業に必要な機能が搭載されているツールを選ぶことで、組織全体での情報共有や連携がスムーズになるでしょう。ツールを選ぶときは機能数ではなく、自社が必要としている機能が搭載されているかをしっかりと確認することが大切です。 操作性 2つ目は、操作性です。 生産管理を自動化するツールは、機能がいくら優れていても、自社担当者が使ってみて使いづらいと全く意味がありません。 操作性がよくないと、業務に混乱を招く恐れがあります。また、担当者が機能を使いこなせないことから、運用開始後すぐに他のシステムに乗り換えを検討する理由にもつながってしまいます。 操作性を確認するためには、無料トライアルやデモを活用することが重要です。まずはお試しで利用してみて、自社担当者が大変と感じることなく操作できるかを確認しましょう。 導入形態 3つ目は、導入形態です。 ツールには、オンプレミス・クラウドなどの導入形態があります。 オンプレミスとは、自社にサーバーを設置して、システムを稼働させる導入形態です。初期費用が高い傾向にありますが、システムのカスタマイズが容易で、独自の要件に対応しやすい、といった特徴があります。 クラウドサービスは、パソコンからインターネットを介してサーバーやシステムを利用する導入形態です。初期費用が低く、利用する分だけ費用を払うだけですみます。システムのアップデートやメンテナンスが容易で、自社の運用負荷を減らすことが可能です。 それぞれ、コストや運用が異なるため、企業の要件やリソースに応じて、適切な形態を選択することが必要です。 自社の生産方式 4つ目は、自社の生産方式です。 自社の生産方式に適したツールを選ぶことで、効果的な自動化が実現でき、生産効率が向上することが期待できます。 代表的な生産方式として「ライン生産方式」や「ロット生産方式」、「個別生産方式」があります。 ツールには、全ての生産方式に対応しているものや、一部に限定されているツールもあります。自社の方式に対応しているツールを選ぶべきです。 コスト 5つ目は、コストです。 ツールを選ぶ際は、コストを考慮することで、企業の予算内で効果的な自動化を実現できます。 ツールの導入にかかる初期費用や運用にかかる費用、それぞれを確認しましょう。自社に見合っているか、どのくらいの効果を期待できるかを判断することが大切です。支払うコストに比べて、どれくらいの生産性向上やコスト削減が期待できるかなどを比較することで、自動化ツールが企業にとって必要かを判断できます。 コストを確認するときは、安さだけでなく自社に必要な機能や操作性など、総合的な判断も必要です。 サポート体制 6つ目は、サポート体制です。 サポート体制が万全なツールを選ぶことで、導入後のトラブルや問題を、迅速かつ適切に対応できます。 24時間365日問い合わせが可能かなど、自社の運用時間に合わせて対応時間を確認しましょう。自社の工場稼働時に問い合わせが可能か、夜間も人が立ち会う場合は夜間にも対応しているサポート体制を選ぶ必要があります。また、問い合わせ方法はメールか電話か、Webかなども確認しましょう。 生産管理の自動化に向けたツールを選ぶ際には、サポート体制の確認も重要です。 まとめ 本記事では、生産管理の自動化対象・メリット・成功ポイントについて解説しました。 生産管理で自動化できる主な対象として、生産・調達計画、品質検査、設備保守があります。従業員の労働環境改善や、社内間のスムーズな共有、顧客からの需要予測も可能でしょう。 生産管理の自動化を成功させるためには、組織の目的・課題を明確にした上で、AIが得意な業務を選んで取り組むことが大切です。

  • 生産管理はエクセルでも可能?メリット・デメリットや生産計画表の種類などを解説

    生産管理はエクセルでも可能?メリット・デメリットや生産計画表の種類などを解説

    製造業における生産管理は生産活動全体の管理を行うもので、効率を高めるためには欠かせません。生産管理に活用できるツールは数多く存在しますが、多くの従業員にとってなじみの深いエクセル(Excel)を用いて生産管理を行うことも可能です。 そこで今回は、生産管理をエクセルで行うメリットやデメリット・生産計画表の種類や生産管理のポイントなどを解説します。 生産計画をエクセルで行うメリット・デメリット 生産計画をエクセルで行うメリット・デメリットについて説明します。 それでは、一つずつ見ていきましょう。 メリット 1つ目は、生産計画をエクセルで行うメリットです。以下に4つ、表にまとめます。 費用が抑えられる多くの会社では、すでにエクセルを導入しているため、追加費用を払わずとも利用できます。また、生産計画を変更したい場合でも、柔軟に対応可能です。学習の負担がかからないエクセルに慣れている人は多数存在します。そのため、新たにツールを導入する場合と比較して、学習の負担がかかりません。マクロで自動化ができるエクセルのマクロやExcel VBAのプログラムを用いれば、データ処理を関数で簡単に自動化できます。これにより、データ入力やデータ整理をシステム化して、労力を大幅に軽減できるでしょう。他ツールでもデータ活用しやすいエクセル形式でデータを出力できるツールは、多数存在します。そのため、エクセルで生産計画を行うと、他ツールと連携してデータ活用がしやすいと言えるでしょう。 デメリット 2つ目は、生産計画をエクセルで行うデメリットです。以下に2つ、表にまとめます。 複数人での作業がしにくいファイルサーバーやデスクトップに存在するエクセルデータは、同時編集が不可能です。そのため、複数のメンバーで生産管理を行いたい場合には、誰か1人がシートを操作していると、全体の生産管理を更新できなくなって無駄が生じるリスクがあるのです。処理が重くなる過去のデータが大量に蓄積されていくと、ファイルが重くなっていきます。そのため、徐々に処理速度が低下し、エクセル作業に時間がかかります。パソコンのスペックが低いと、作業に大きな影響が出かねません。 エクセルで作れる生産計画表 エクセルで作れる生産計画表について、以下5点を説明します。 ・バーチャート工程表・ガントチャート工程表・グラフ式工程表・工程管理曲線・ネットワーク工程表 それでは、一つずつ見ていきましょう。 参考:工程管理の見える化とは?必要な理由・メリット・流れを徹底解説! バーチャート工程表 エクセルで作れる生産計画表の1つ目は、バーチャート工程表です。 縦軸に作業項目(タスク)を、横軸に作業を行う日付を、それぞれ記入したチャートです。直感的に全体工程がわかりやすい反面、タスク同士の関連性がわかりづらいデメリットがあります。 ガントチャート工程表 エクセルで作れる生産計画表の2つ目は、ガントチャート工程表です。 縦軸に作業項目(タスク)を、横軸に作業の進捗率を、それぞれ記入したチャートです。バーチャート同様、直感的に全体工程がわかりやすい反面、タスク同士の関連性がわかりづらいデメリットがあります。 グラフ式工程表 エクセルで作れる生産計画表の3つ目は、グラフ式工程表です。 縦軸に進捗率を、横軸に日時を、それぞれ記入するもので、日付ごとの曲線で進捗率を示します。作業予定日時と進捗率が一度にわかる反面、タスク同士の関連性がわかりづらいことがデメリットです。 工程管理曲線 エクセルで作れる生産計画表の4つ目は、工程管理曲線です。 縦軸に進捗率を、横軸に日時をそれぞれ記入しているものです。上方、下方許容限界曲線を記入すれば、予定からどこまでなら遅れてよいか、反対にどこまで作業を早められる見込みか一目でわかります。全体の進捗率はわかりやすいものの、タスクごとの進捗率を見たい場合には向いていません。 ネットワーク工程表 エクセルで作れる生産計画表の5つ目は、ネットワーク工程表です。 矢線図、PERT図とも呼びます。円や矢印などの図表を活用し、タスクごとの工数やタスク同士の関連性を一目で理解できる工程表です。タスクの順番や相互関係もわかりやすいので、ウォーターフォール型のプロジェクトにおける工程管理に向いています。 生産計画をエクセルで行うポイント 生産計画をエクセルで行うポイントについて、以下3点を説明します。 ・工程を細かく分解・誰にでもわかりやすく作る・オンラインで共有・管理 それでは、一つずつ見ていきましょう。 参考:生産管理とは?目的・効果・方法・手順を徹底解説! 工程を細かく分解 ポイントの1つ目は、工程を細かく分解することです。 エクセルのガントチャートなどを使用し、工程を細かく分解しましょう。これにより、各タスクに必要な期間や順番、進捗状況などがわかりやすくなり、進捗管理が可能になります。また、必要なタスクも整理できるので、タスクの抜け漏れも防止できるはずです。細かく分解したタスクと、実際に行ってきた作業を比較すれば、より工程の抜け漏れがあっても、すぐに気づいて修正できるでしょう。 誰にでもわかりやすく作る ポイントの2つ目は、誰にでもわかりやすく作ることです。 生産計画で作成するエクセル表は、わかりやすさが大切です。一目で作業内容を理解できるよう、デザインに気を配ることや、一部のメンバーしか理解できない専門用語は使わないことも大切です。現場で実際に使ってもらうことはもちろん、たとえば経験の浅い新人社員にあえて内容をみてもらうことで、実用的かつ誰にでもわかりやすい生産管理表を使えるようになるでしょう。 オンラインで共有・管理 ポイントの3つ目は、オンラインで共有・管理することです。 エクセルの生産計画表は、ローカル環境で編集していても、最後はオンラインで共有・管理して、すぐにメンバーがアクセスできるようにしましょう。オンライン上でファイルを共有できるツールは、多数存在します。また、オンラインファイル共有ツールを活用できる場合は、オンライン上でファイルを編集することや、最新状態のファイルを閲覧することができます。 生産計画に活用できるエクセル以外のツール 生産計画に活用できるエクセル以外のツールについて、以下2点を説明します。 ・生産スケジューラ・生産管理システム それでは、一つずつ見ていきましょう。 参考:生産管理の課題を徹底解説!解決方法・システムの選び方も合わせて紹介 生産スケジューラ エクセル以外のツールの1つ目は、生産スケジューラです。 生産スケジューラとは生産現場の工程管理を詳細に行えるツールで、生産計画にも活用できます。詳細な工程管理を行うことで、スケジュールの把握だけでなく、製品の在庫管理による余剰在庫削減や効率的な納品、さらには詳細な生産シミュレーションが可能になります。これにより、納期を守りつつコストを削減し、競争優位性を確保できるでしょう。 また、生産状況をリアルタイムで可視化できるため、管理者だけでなく作業者にとってもメリットがあります。エクセルによる管理では物足りないと感じている場合は、導入を検討してもよいかもしれません。 生産管理システム エクセル以外のツールの2つ目は、生産管理システムです。 生産管理システムでは、生産計画に加えて工程管理や原価管理、需要予測などさまざまな生産管理業務を幅広く実施できます。生産スケジューラより多機能なツールとも言えるでしょう。大規模な工程において人的ミスを減らしたい場合には、生産管理システムの活用がおすすめです。 生産管理システムには、さまざまな用途があります。例えば、原材料の調達タイミングや負担が大きくなっている工程がデータでわかるため、最適化を進めることができます。また、トラブルの実績を登録していけば、トラブルが発生しやすい工程も可視化して情報共有できるため、生産の効率化や生産性向上、属人化防止にもつなげられます。 参考:生産管理をエクセルで行う方法とは?メリット・デメリット・成功ポイントを徹底解説 まとめ 本記事では、生産管理をエクセルで行うメリットやデメリット、生産計画表の種類や生産管理のポイントなどを解説しました。エクセルでも、生産計画を行うことは可能です。エクセルに慣れている人は多い上に、生産計画に役立つガントチャートなど管理表のテンプレートも多数存在します。そのため、生産計画を気軽に始めたい場合は、エクセルを使うのがよいでしょう。ただ、エクセルでは同時編集ができないなどの課題も少なくありません。そのため、必要に応じて、生産スケジューラや生産管理システムの活用も検討してみましょう。

  • Mitsuri|生産管理

    受発注管理とは何か?業務の流れ・システム化するメリットデメリット・選び方を徹底解説!

    受発注管理とは何だろう、それぞれの業務についてITシステム導入を検討したい、と考える担当者も多いのではないでしょうか。受発注管理とは、受注・発注に関する業務を一元管理することです。効率的な管理業務を行うためにも、それぞれの業務内容の基礎と業務プロセスとステップ・システム化するメリットについてしっかりと押さえておきたいものです。 そこで本記事では、受発注管理の基礎知識、業務の流れ、メリット・デメリットについて解説していきます。   受発注管理とは 受発注管理とは、受注と発注業務の両方を管理することです。ここでは、それぞれの業務内容について詳しく解説していきます。 ・受注管理 ・発注管理 ・受発注システム それでは、1つずつ見ていきましょう。 受注管理 受注管理とは、個人の消費者やBtoBなど企業から注文を受けて、必要な手続きを実施する受注業務のことです。たとえば、注文内容や受注した旨を相手に通知する、在庫数の確認、社内手配などがあります。受注管理は企業によっては販売管理の一つとしてみなされ、出荷管理・見積もり提示・取引契約の締結も含まれるという特徴もあります。 発注管理 発注管理とは商品の仕入れ周りを管理する業務のことです。具体的には、製造業者が自社の製品を作るために必要な作業を外注し、業務委託や開発委託することで、必要な材料を集めていく業務です。小売業者が消費者に販売する商品を集めることもあります。 発注管理の業務には一般的に見積依頼書作成、注文書の作成・発注手続き・請書の登録・検収書発行・支払処理などが含まれます。 受発注システム 受注と発注業務の両方を管理できる、受発注システムを導入する企業も増えています。これまで紙やメール・FAXなどでやりとりが発生していた、受発注業務をシステム化することができます。システム化することで、煩雑になりがちな従来の業務プロセスを見える化でき、社員の生産性も向上するでしょう。受発注システムを導入すれば、受発注に関わるデータを一元管理するとともに、効率的な管理業務の実施が可能です。 受発注管理業務の流れ 受発注管理業務の流れについてそれぞれの業務に分けて詳細を紹介します。 ・受注管理の流れ ・発注管理の流れ それでは、1つずつ見ていきましょう。 受注管理の流れ 受注管理の主な流れについて以下を紹介します。 ・見積を作成・提示 ・契約締結 ・注文内容の登録 ・在庫数確認 ・納期連絡 ・書類作成 それでは、1つずつ見ていきましょう。 見積を作成・提示 顧客から見積依頼が来たら、受注側企業は内容を確認し見積書を作成していきます。見積書には概算・正式見積の2つがあります。最初から正式見積もりを提示するケースもありますが、BtoBで納期に余裕がある場合などは、まずは参考金額として概算見積を提示して、顧客からの同意を得た後に正式見積書を作成して提示することもあります。 契約締結 見積内容に問題がなければ、顧客から契約書・注文書などが送付されて受注します。契約書には商品の保証期間・納期・支払い方法・支払日・契約期間など、重要事項が書かれていますので、契約を進めても問題がない内容か、必ず隅々までチェックしましょう。 注文内容の登録 注文が確定した後、社内の管理シートやシステムなどの必要な箇所に注文内容を登録していきます。たとえば社内の関連部門(在庫管理部門・生産部門など)に共有して、必要な手続きを依頼する手続きなどが挙げられます。また、顧客情報管理業務もあるでしょう。新規顧客の場合は新規登録、継続顧客の場合は必要に応じて登録情報を更新します。社内・社外・顧客などに注文内容を登録します。 在庫数確認 注文内容を登録した後は、在庫数を確認していきます。在庫がある場合は出荷に向けた社内情報共有をするなど、出荷に向けた活動をしていきます。在庫がない場合は、生産管理と連携して在庫を拡充していきます。在庫有無は納期に影響するため、必ず早期段階で実施しましょう。 納期連絡 在庫数の確認が取れたあと、顧客に対して納期を連絡します。在庫がなく納期が判明しない場合は、「在庫を取り寄せる必要があるため、納期については判明次第連絡する」という旨を相手に伝えてあげましょう。 書類作成 納期を連絡した後は、必要な書類を作成していきます。具体的には、商品や納品伝票を記載した受注伝票です。企業と注文書を取り交わした場合は、注文内容を受領したことを報告する注文請書を作成していきます。また、納品した後は納品書・請求書・検収依頼書を発行して、相手先に支払いを請求します。相手が個人か企業なのかによって必要な書類が異なるため注意しましょう。また、全体の受注件数を管理するためのシートを作成する場合もあります。 発注管理の流れ 発注管理の主な流れについて、以下を紹介します。 ・発注方式の決定 ・見積依頼書作成 ・発注先確定 ・注文書起票・送付 それでは、1つずつ見ていきましょう。 発注方式の決定 まずは発注方式を決めていきます。発注方式として「定期発注方式」「定量発注方式」の2つがあり、それぞれについて紹介します。 ・定期発注方式 定期発注方式とは、定期的に発注を行う方式です。たとえば、毎月第一月曜日に必ず発注するなど、具体的な日付を決めていきます。定期発注方式のメリットは、発注に必要な手間を削減することが可能なことです。発注のタイミングで都度発注量を柔軟に調整することも可能です。 ・定量発注方式 定量発注方式とは、在庫が一定量を下回ったとき、事前に決めた量で発注する形式です。 依頼すれば一定の量が入るため、都度注文書の取り交わしがなくてもあらかじめ依頼した量が届きます。定量発注方式は発注の手間を削減すること、注文数を意識しなくても済む、というメリットがあるものの、需要量が変化しやすいものには不向きといえるでしょう。 見積依頼書作成 発注方式が決まった後は、見積依頼書を作成していきます。見積もり依頼書とは、発注目的・業務概要・商品種類・数・希望納期・納入場所など、依頼内容と前提条件を記載している帳票のことで、BtoBの取引で使われることが多い書類です。一般的に見積もり依頼をするときは、複数の企業に見積依頼書を提出して、相見積もりをとり比較検討します。既に発注先が決まっている場合は、1社に限定して見積依頼書を提出していきます。 発注先確定 各企業から見積が揃ったら、発注先を確定します。発注先は価格・納期・数量(ロット)で決定することが一般的ですが、過去の取引実績を元に取引先を決めるケースもあります。また、相見積もりで最も条件が良い発注先を比較検討する場合もあります。 注文書起票・送付 発注先が確定した後は、発注側が発注書・注文書を作成して、相手に送付します。送付後はメールやシステム経由で相手先に注文書を送付したことを通知します。相手に通知することで、その後の手続きがスムーズになります。 注文書を起票する際は、内容に不備がないか必ず確認しましょう。他の注文書を使い回すと、企業名やロット数・商品名・納期などの各日付・部門名・担当者など、細かな項目でミスする可能性もありますので注意しましょう。 契約書の取り交わしがされていない場合、注文書の代わりにスポット契約書を使ってやり取りすることもあります。 受発注管理をシステム化するメリット 受発注管理をシステム化するメリットについて、以下3点を紹介します。 ・業務効率化 ・人為的ミス削減 ・全社での情報管理 それでは、1つずつ見ていきましょう。 業務効率化 1つ目のメリットは業務効率化です。たとえば、これまでは直接倉庫などに出向いて確認が必要だった在庫量に関して、システムを活用すれば自席でWeb表示して在庫量を確認でき、そのまま相手先に発注することもできます。さらに、受注情報などのステータスを自席で確認することも可能です。リアルタイムな在庫状況も一目でわかるため、正確な在庫確認も可能となります。さらに、発注先を事前にシステムに登録しておけば、過去の発注履歴も閲覧できるため、仕入先の選定の手間削減につながります。受発注業務に関する社員間の問い合わせメールの頻度も減るでしょう。システム化することで在庫に関する業務を自動化・業務内容も簡略化でき、生産性も向上するでしょう。 人為的ミス削減 2つ目のメリットは人為的ミス削減です。受発注の業務フローに沿ってシステム化すれば、担当者のミスを少なくすることも可能です。たとえば、誤った日付を指定した際、システムエラーが発生して入力ミスを教えてくれます。 また、これまでFAXで帳票配信などの対応も、システムやツールを利用すれば都度番号を入力する必要もなく、誤発信などのトラブル防止にも繋がります。 また、在庫状況をシステムで管理することで、リアルタイムに正確な在庫量を把握することもできます。違う担当者が同じ顧客に同じ商品を二重発注してしまうこともなくなり、誤発注防止にもつながるでしょう。受発注管理システムを導入することで、ヒューマンエラーを未然に防ぐことができ、安心した業務遂行が可能です。 全社での情報管理 3つ目のメリットは全社での情報共有です。受発注管理システムを導入すれば、組織単位ではなく全社で業務に関する情報共有が可能となります。組織単位で独自の管理方法をしている場合、他の組織が扱うデータと連携することは大変困難です。システム化すれば全社で情報管理ができ、受発注業務の煩雑化を防ぐことも可能です。 受発注管理のシステム化で陥りがちなデメリット 受発注管理のシステム化で陥りがちなデメリットについて、以下3点を紹介します。 ・移行のハードルが高い場合もある ・ランニングコストがかかる ・納期までに時間がかかる それでは、1つずつ見ていきましょう。 移行のハードルが高い場合もある 1つ目のデメリットは、移行のハードルが高い場合もあることです。 ITシステム化はそれまでのやり方を一新するため、今までどのようなフローで受発注業務をしていたのか、業務を見える化し、新しいシステムに置き換える際の影響範囲を確認して、どのような機能が必要なのか確認することが大切です。たとえば、これまでと同様のアクセス権の設定ができるか、システムの機密性に問題はないか、データ出力形式はCSV可能か、既存帳票をシステムに取り込む際のOCR処理ができるか、などがあるでしょう。受発注業務のシステム化は社内だけでなく取引先なども関係するため、業務量や関係者数が多い場合、移行のハードルが高いと感じてしまう場合もあります。 ランニングコストがかかる 2つ目のメリットは、ランニングコストがかかることです。発注管理システムを導入すると多くの場合コストが発生します。物理・仮想サーバーを用意して導入するオンプレミスはソフトウェアの買い切りとなるため初期費用が高くなりがちですし、運用する社内の人件費も定期的にかかります。クラウドサービスは初期コストを押さえられるものの、毎月の固定利用料が発生します。発注数が少ない月も同額の料金がかかり、割高になることも考えられます。受発注管理システムを導入する際は、初期コスト・ランニングコストがそれぞれどれくらいかかるか必ず確認しましょう。 納期までに時間がかかる 3つ目のデメリットは、納品までに時間がかかることです。 システム化することで、受注から納品までのリードタイムが長引いてしまう場合があります。なぜなら、受注から納品までに多くの部署が関わる場合(受注管理から在庫管理、販売管理)さまざまな部署や担当者との連携が必要だからです。それまで手作業で住済んでいたことがシステム化することで逆に手間がかかり、納品に影響する場合もあります。導入後、想定外の時間が発生している、というギャップがないように、必ず事前にリードタイムに問題がないかを確認しましょう。 受発注管理システムの選び方 受発注管理システムの選び方について、以下3点を紹介します。 ・機能 ・操作性 ・コスト それでは、1つずつ見ていきましょう。 機能 1つ目の選び方は、機能です。一般的に受発注システムには豊富な機能が搭載されており、充実しているように見えます。 しかし、導入を失敗しないためにも、自社の受発注業務の課題を解決する機能が搭載されているか、既存のツールやExcelシートで行っていた業務内容を、新システムでも実現できるかなどをしっかりと確認しましょう。現状の業務視点から見て、問題がない機能かを見ていくことがポイントです。 たとえば、WebからデータをCSV 形式で一括ダウンロードできるか、受発注におけるデータの一元管理は可能か、各フローにおけるメール通知は可能か、データ連携や柔軟なカスタマイズができるかなどがあるでしょう。コストとの兼ね合いもあり、必要な機能が全部搭載できていない場合は、運用対応で代替できる手段はないかなど、細かく確認しましょう。 操作性 2つ目の選び方は操作性です。たとえば直感的な操作ができるか、管理者が簡単に設定できるかなどが挙げられます。実際に受発注システムを扱う社員が、操作性が簡単かを感じられることがポイントです。無料のトライアルや検証などで実際に業務を担当する担当者が使い続けられるシステムかを確認しましょう。また担当者が変わることも考えて、新人やその業務を知らない社員が担当することになっても問題ないかを見ていくことも大切です。 コスト 3つ目の選び方はコストです。システム導入にはコストがかかります。オンプレミスシステムの場合は自社がプラットフォームを用意する必要があるため、初期費用が高くなりますし、クラウドシステムの場合は毎月ランニングコストが発生します。さらに、運用やトラブル時を想定したシステム提供社側のサポート体制など、保守料金も発生するケースもあります。システム導入によって、どれくらいの効果が見込まれるかを試算し、料金と効果のバランスを見て、導入の必要があるか判断しましょう。 まとめ 本記事では、受発注管理について解説しました。受発注管理とは、受注と発注それぞれの業務を統合して管理していくことです。受発注業務にはいくつものステップがあるため、システムを導入して管理することをおすすめしますが、これまでの業務内容から大きく変わる可能性もあるため、メリット・デメリットを理解するだけでなく、現状の業務を見える化して新システムに移行する上での問題がないか、必ず確認しましょう。

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    製造管理とは?生産管理・品質管理との違いや必要性・システムを活用するメリットとともに解説

    製造作業工程は製造業においてコアな業務で、このクオリティが低いと生産活動全体に悪影響を与えます。ただ、類語である生産管理・品質管理との違いが、よくわからない方もいらっしゃるのかもしれません。また、近年では製造管理システムで製造管理を行うことが増えてきました。製造管理システムを活用するメリットも、併せて整理しておきたいところです。そこで本記事では、製造管理の意味とその必要性などを解説した後、製造管理システムのメリットについて解説していきます。製造管理とは製造作業工程を管理すること製造管理は、後述する生産管理の一部で、製造現場における作業工程を管理することを意味します。製品生産には、製造以外にも納期や品質も考慮しなければなりませんが、あくまでも製造管理では「製造」に着目するのです。製造管理・生産管理・品質管理の違いここからは、製造管理の類語について、以下2つを解説します。・生産管理・品質管理それでは、一つずつ見ていきましょう。生産管理類語の1つ目は、生産管理です。生産管理は、以下に示すQCDを最適化することで、生産計画に基づき製品生産を管理することです。・Quality=品質・Cost=原価・Delivery=納期生産管理では、「品質高く、コストを抑え、納期に間に合うよう生産」することが求められます。また、業務内容は幅広く、具体的には以下の業務を生産管理で行います。・生産計画立案・設計・資材調達・人員配置・設備配置・生産コントロール・品質管理・BOM、部品表作成・需要予測・在庫管理・購買なお、前述のとおり製造管理は生産管理の一部と言えます。生産管理は製造管理だけでなく、生産計画や納期管理など生産活動全体を、総合的に管理するものなのです。参考:生産管理とは?目的・効果・方法・手順を徹底解説!品質管理類語の2つ目は、品質管理です。品質管理は、コストや納期も満たしつつ、ユーザーが満足できる製品の品質を確保する役割の業務のことです。適切な品質を確保することで、不良品を減らしてコストや納期の確保にもよい影響を与えます。また、品質管理は製造段階で製品の品質を管理することなので、製造管理の一部と言えます。参考:品質管理・現場改善の基礎知識製造管理の仕事が必要とされる理由ここからは、製造管理の仕事が必要とされる理由について、以下3つ解説します。・製造現場は製造業のコア・製造工程の効率化・環境変化への対応それでは、一つずつ見ていきましょう。参考:国内製造業におけるDX導入とは?4つの課題と成功事例も紹介製造現場は製造業のコア理由の1つ目は、製造現場は製造業のコアであることです。製造業において、製造現場はコアとなる部分です。そのため、生産管理は製造現場全体を管理するのに対し、製造管理は製造ラインという製造業のコアに特化して管理することになります。そのため、生産管理と製造管理の片方ができる人物は、残りもできるとは限りません。特に、大企業では細分化が進んでいるので、生産管理と製造管理が別々の部署になり、部門間の専属性が強まります。その点でも、製造現場を熟知して製造管理を行うことが重要なのです。製造工程の効率化理由の2つ目は、製造工程の効率化です。製造業は、常に効率化や自動化を追い求めてきました。産業革命や内燃機関の開発はもちろん、近年ではICT技術の活用も見逃せません。これらの技術は、現状を上回る生産性向上をもたらしてきました。しかし、そもそもの製造管理が十分機能していないと、いくら優れた技術があっても、それが製造工程(生産工程)の効率化に結びつかないのです。参考:工程管理とは?目的・効果・方法・手順を徹底解説!環境変化への対応理由の3つ目は、環境変化への対応です。DXなどに伴う製造技術の発展に加えて、ニーズの多様化も無視できません。IT技術の普及で、各消費者のニーズが多様化した上に、それをより正確に把握できるようになりました。その分、製造現場では多様なニーズに応える重要性が増大し、製造プロセスが複雑化しているのです。また、少子高齢化と人口減少で、労働力確保も課題になってきました。海外からの労働者を受け入れる企業も、今や珍しくなくなってきました。これらの環境の変化にスムーズに対応し、確実に製造を行っていく体制を作ることも、製造管理のポイントなのです。製造管理にシステムを活用するメリット製造管理はエクセルなどでも可能ですが、 ERPなどのシステムを活用する方法がおすすめです。ここからは、製造管理にシステムを活用するメリットについて、以下3つ解説します。・人手不足への対応・大量のデータの活用・多品種生産への対応それでは、一つずつ見ていきましょう。参考:製造業がIoT導入で得られるメリット・導入の課題・事例をまとめて解説人手不足への対応メリットの1つ目は、人手不足への対応です。少子高齢化や人口減少に伴い、多くの産業で人手不足が課題になっています。製造業もその例外ではありません。経済産業省が公表した資料「令和3年度 ものづくり基盤技術の振興施策」では、2021年には「社会情勢の変化のうち、事業に影響があるもの」として、49.7%もの回答者が「人手不足」と回答していました。しかし、製造管理システムを用いれば、作業実績を自動収取・分析し、習熟度に関係なく一定以上の作業品質確保を後押ししてくれます。また、熟練技術者のスキルを数量化・可視化することで、優れた技を形式知化して従業員の技能向上にも活用できるだけでなく、作業時間短縮にもつながります。これらにより、人手不足に伴う悩みを解決してくれると期待されているのです。参考:令和3年度 ものづくり基盤技術の振興施策|経済産業省大量のデータの活用メリットの2つ目は、大量のデータの活用です。センサー技術や工作機械の発展により、製造現場ではこれまで以上に膨大なデータを得られるようになりました。しかし、情報の膨大化が進み、人間の手だけでは全てのデータを確認・収集して、実際に活用することが困難になってきました。そこで、製造管理システムを用いて、リアルタイムで大量のデータ処理を行い、製造プロセスを精度よく自動化することが求められているのです。また、データを一元管理できるので、必要なデータを他部署やサプライチェーンと連携して相互に提供できることも、システム化のメリットと言えます。多品種生産への対応メリットの3つ目は、多品種生産への対応です。顧客のニーズが多様化し、少品種大量生産よりも多品種少量生産が必要な場面が増えつつあります。また、会社によっては自社オリジナル商品ではなく受注生産を強みにしているところもあります。しかしそれには、製造現場で緻密なオペレーションが必要です。それを実現するためには、製造管理システムで製造管理システムを自動制御し、マスカスタマイゼーションで生産性と多品種への対応を同時に行うことが有効なのです。まとめ本記事では、製造管理の意味とその必要性などを解説した後、製造管理システムのメリットについて解説しました。製造管理は、製造作業工程に特化して管理するもので、生産管理の一部に位置付けられます。反対に、品質管理は製造管理の一部に当たります。製造作業工程は、製造業のコアと呼べる部分で、製造工程効率化や環境変化への対応の面でも重要です。また、近年は製造管理システムを用いることが増えてきました。人手不足やデータ活用、さらにはニーズの多様化の観点から、その重要性はますます増大するでしょう。

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    生産管理の課題を徹底解説!解決方法・システムの選び方も合わせて紹介

    生産管理の課題とその解決方法について調べている、企業ご担当者も多いかと思います。生産管理をスタートすると、さまざまな課題に直面することが想定されます。その際に、都度対策を打つよりも、事前に課題を把握して改善を図り、全体の最適化を目指すことが生産管理の成功への近道でしょう。そこで本記事では、生産管理の課題、解決方法、システムの選び方について、詳しく解説していきます。生産管理における課題生産管理における課題について、以下7点を説明します。・プロセス最適化・標準化活動・ヒューマンエラー防止・不良率改善・組織間連携・コスト削減・管理業務の属人化それでは、一つずつ見ていきましょう。プロセス最適化1つ目の課題は、プロセス最適化です。製造工程の業務内容として、原材料・部品の調達、製造ラインの作業などがありますが、全体として工程数が多く、プロセスの最適化を図ることが難しいとされています。たとえば、多種多様な製品を製造する際、工程が多いために、管理者が一つ一つの工程の進捗状況を把握することは困難でしょう。そうなると、どのようにプロセスを最適化すれば良いのか方法がわからなく最適化できない、という課題に直面してしまいます。生産管理では、製造工程の業務プロセスを最適化できずに生産性の低下につながってしまうこともあります。標準化活動2つ目の課題は、標準化活動です。製品を製造するための製造・生産ラインが複数ある場合、ライン毎に生産量が大きく異なることがあります。代表的な原因として作業員毎に作業の内容や進み具合など、対応品質が一定でないことが挙げられます。その結果納期にも影響したり、生産量や精度にもバラツキが生じることでしょう。作業管理者はバラツキの発生や業務にムダがあることを把握しているものの、生産ライン数や製造製品数が多いことや、多品種少量生産のケースもあると、各工程の問題点を詳細まで把握することは困難です。生産管理では、各工程で必要な作業の内容などを標準化できないことが、大きな課題として挙げられます。ヒューマンエラー防止3つ目の課題は、ヒューマンエラー防止です。たとえば生産業務の工程におけるチェック漏れや、ミスなどが挙げられます。誤発注の問題や、過剰在庫の発生にも繋がるでしょう。ヒューマンエラーを防止するためには、作業員を増やして抜け漏れがないかを二重チェックする対応もありますが、そもそも現場に作業員が足りないという問題もあり、大きな課題と言えます。不良率改善4つ目の課題は、不良率改善です。製造業の生産ラインで発生する、不良品発生率が改善しないことが課題として挙げられます。原因としては、前述した課題に含まれる人為的なミス、標準化ができていないことなどが挙げられるでしょう。不良率は、欠品が発生して生産計画で予定していた量に満たないケースもあり、出荷数にも影響するでしょう。顧客満足度にも関わってくるため、企業としてなんとしてでも発生率を下げたいものです。組織間連携5つ目の課題は、組織間連携です。たとえば、部署間・工場間での連携ができていないことが挙げられます。組織感連携ができていないと、製造プロセスのさまざまな問題発生にもつながるでしょう。製造工程の工程数、作業員数、工場数などが多いと、コミュニケーションの難易度も高くなるため、組織間連携の課題を感じやすいです。コスト削減6つ目の課題は、コスト削減です。生産計画において、業務適正な人員配置・原価管理・製造コスト管理が正確にできていないと、ムダなコストがかかってしまいます。製造業では、業務で日々発生するコストを削減したいものの、なかなかできないという課題を感じているところも多いです。管理業務の属人化7つ目の課題は、管理業務の属人化です。生産管理業務を担当している従業員が一人の場合、その従業員が不在の場合、管理業務ができないことがあります。数日程度であれば影響は少ないものの、異動・退職時には大きな問題となってしまうことでしょう。また、一人に生産管理を任せてしまうとその業務の内容を正確に評価することも難しいと言えます。企業にとって管理業務の属人化は大きな課題と言えます。生産管理の課題解決方法生産管理の課題解決方法について、以下5点を説明します。・シート管理による進捗状況の可視化・課題の明確化・改善点の洗い出し・ノウハウの共有・生産管理システムの導入それでは、一つずつ見ていきましょう。シート管理による進捗状況の可視化1つ目の解決方法は、シート管理による進捗状況の可視化です。工程管理シートを活用すれば、各工程の進捗状況がわかり、実際に関わっている作業員数の把握も容易に行えます。どの工程にどれくらいの費用、人的コストがかかっているのか、作業員数は適切かなどを把握することもできるでしょう。エクセルや専用ツールなどを使えば工程管理シートを効率的に作成することができます。課題の明確化2つ目の解決方法は、課題の明確化です。まずは、自社の生産管理目的が何かを知り、生産現場の現状を見て、課題が何かを明確にすることが大切です。生産現場を見れば、作業員それぞれが何かしらの課題を感じているでしょう。工程管理シートと現場を比較して、進捗が遅れているのはどの生産工程なのか、計画と実際の作業内容の違いは何か、改善しなければならない点はどこかなど課題が何かを明らかにしていきます。改善点の洗い出し3つ目の解決方法は、改善点の洗い出しです。工程管理シートの進捗状況と明確化した課題から、どの工程をどのように改善すべきかを洗い出していきます。改善案によってどれくらい効果がでるのかを検証し、優先順位をつけていくことも重要です。改善点を洗い出すことは、課題を確実に解決することに効果的といえるでしょう。ノウハウの共有4つ目の解決方法は、ノウハウの共有です。生産工程における改善点や生産活動で直面するさまざまな課題への対処法など、作業員や管理者が持つノウハウを、関係者に共有していきます。ノウハウを共有することで、作業担当者も都度調べる手間がなくなり業務効率もアップし生産性も向上するでしょう。また、他の部門に対しても容易にノウハウ提供ができ、部門間・組織間の連携強化も可能です。ノウハウ共有に特化したツールなどを使えば、引き継ぎも容易にでき、管理業務の属人化防止にも役立ちます。生産管理システムの導入5つ目の解決方法は、生産管理システム導入です。専用のITシステムを導入することで、生産管理の効率化を図ることができ、従業員の生産性も向上します。定型業務を自動化しているツールも多く、ヒューマンエラー防止、業務標準化、不良品の発生率削減など、生産管理で発生しがちな課題にも効果的です。生産管理システムには、生産工程に必要な機能が集約されています。生産管理の課題を解決するシステムの選び方生産管理の課題を解決するシステムの選び方について、以下3点を説明します。・導入方法・AIによる学習が可能か・他業務へも適用可能かそれでは、一つずつ見ていきましょう。導入方法1つ目の選び方は、導入方法です。システムを選定する際は、そのシステムをどのような手順で導入するのか、対応環境、コストなどを細かく確認する必要があります。自社に合った導入方法でないといざ導入しようとした際に、環境が合わずに導入できなくなる可能性があるからです。生産管理システムには、PCに直接入れるソフトウェア・物理サーバーの構築が必要なオンプレミスシステム・クラウド型のサービスなど、さまざまな種類があります。それぞれ、料金も支払い方法も異なるため、年間でどれくらいのコストがかかるか確認しましょう。AIによる学習が可能か2つ目の選び方は、AIによる学習が可能かどうかです。近年の生産管理システムでは、単純にデータを入力するような機能だけではなく、膨大なデータから学習して、オートメーションを実現できるものもあります。学習機能が搭載されていれば、各工程における効果的な改善点などを自動的に見つけてくれるため、人の手を介しての分析も不要となります。需要予測も自動化できるため、販売計画も立てやすくなるでしょう。システムを導入する際は、AIによる学習機能がある場合、より一層業務効率化が進む可能性があります。場合は、搭載しているかを確認することをおすすめします。その分、担当者は空いた時間を人材育成などの業務に割り当てられることでしょう。他業務へも適用可能か3つ目の選び方は、他業務へも適用可能かです。システムを導入する際は、他の基幹システムへの課題にも対処することができるか、生産管理業務以外のメリットがあるかを確認することもシステム導入を成功するためのポイントの一つです。そのため、どの業務でどのような課題があるかを特定してからシステムを選定することが重要といえます。ERPパッケージなどを担当している部門などにあらかじめ話を聞くこともおすすめです。まとめ本記事では、生産管理の課題と解決方法、システムの選び方について解説しました。企業が直面する生産管理の課題を解決するには、専用のシステムを選ぶことが効果的でしょう。導入前に、自社内のシステム方針やセキュリティなどに合った導入方法か、AIによる学習方法が搭載されているか、また、自社の他業務課題にも適用が可能かを確認してから、自社に適したシステムを選びましょう。業務管理ツールの2週間無料トライアル実施中!月額5500円(税込)〜使える業務管理ツールを導入してみませんか?アカウント登録し、ログインするだけで使えるので初期費用は0円です。2週間の無料トライアルをしたい方、もしくは詳しく情報を見たい、聞きたい方は下記をご確認ください!Mitsuri公式HP:https://supplier.mitsu-ri.net/5分で簡単に紹介している動画もご用意しておりますので、ぜひご覧ください!

  • 受注管理をエクセルではじめる方法・役立つ関数・メリット・デメリットを徹底解説!

    エクセル(Excel)は、注文情報の入力・納品・支払いまでを管理する受注管理としても使うことができます。これから受注管理をはじめたいと考えている担当者は、エクセルの活用方法や特徴、注意事項についてもしっかりと理解することで、運用後のリスクを減らすことができます。 そこで本記事では、受注管理をエクセルではじめる主な方法・役立つ関数・メリット・デメリットについて解説していきます。 受注管理をエクセルではじめる主な方法 まずは、受注管理をエクセルではじめる主な方法について、以下5点を解説します。 ・必要な項目を定める ・関数の活用 ・ピボットテーブルの活用 ・グラフ機能の活用 ・運用ルールの策定 それでは、1つずつ見ていきましょう。 必要な項目を定める 1つ目の方法は、必要な項目を定めることです。 エクセルで受注管理を開始する際、まずは必要な項目を決めていく必要があります。一般的によく使う項目として、以下の項目があるでしょう。 ・会社名/部署名/担当者名/電話番号/メールアドレス ・製品の分類/商品名/商品コード/バーコード情報/受注数量/単価/合計金額 ・発注・注文日/納期予定日/納品完了日/現在のステータス 受注管理に必要な情報を抜け漏れなく定めていきましょう。 関数の活用 2つ目の方法は、関数の活用です。 エクセル関数を使えば、受注管理に適したシートを作成することができます。たとえば、セルに単価と数量を入力するだけで合計値を出してくれる、条件に合った値を返してくれるなど、関数では受注管理に必要な計算を簡単にできます。値を入れて計算・管理する受注管理には、エクセル関数が必須といえるでしょう。 ピボットテーブルの活用 3つ目の方法は、ピボットテーブルの活用です。 ピボットテーブルとは、エクセルのデータ範囲から数値の合計・平均を算出する機能です。現在の進捗度合いの確認・期日の確認なども容易にできるため、受注管理にも役立つでしょう。受注状況・ステータスを見て、現在の進捗を確認することが可能です。 グラフ機能の活用 4つ目の方法は、グラフ機能の活用です。 セルに入力されているデータを棒などのグラフ形式に表示することができます。セル・表に入力した数値を視覚的にわかりやすく表現できるため、受注管理で使用すれば、年単位での合計値の比較なども簡単でしょう。 運用ルールの策定 5つ目の方法は、運用ルールの策定です。 受注管理シートを作成して、稼働したら終わりではありません。データ入力・更新作業はもちろん、運用途中で組織のルールや発注相手の情報が変わる可能性もあります。その際、誰がどのようなタイミングでデータを更新するべきかを運用ルールで定めておけば、スムーズに運用しやすいでしょう 受注管理に役立つエクセル関数 受注管理に役立つ主なエクセル関数を、以下6点紹介します。 ・IF ・SUMIF ・VLOOKUP ・INDIRECT ・ROUND ・IFERROR それでは、1つずつ見ていきましょう。 IF 1つ目は、IF関数です。 IF関数は、任意の値と期待値とを論理的に比較して、結果を返します。比較してヒットしたもののみを表示すること、マルやバツで返すことも可能です。受注管理で使えば、入力した商品を特定の条件と比較することもできるでしょう。 SUMIF 2つ目は、SUMIF関数です。 SUMIF関数は、指定した検索条件にヒットする、セルの数値の合計を算出します。受注管理では、特定の商品の合計値確認・売れ行きなどの確認に使うことができます。 VLOOKUP 3つ目は、VLOOKUP関数です。 VLOOKUP関数は、列を見て条件に一致するデータを抽出できます。エクセルの縦列のセルを検索して、指定したデータに一致する数値の取り出しが可能です。受注管理では、一致する値段の商品を取り出したいとき・指定した名称の商品を取り出したい時など、指定した値の合計数を出したい時に利用すると便利です。 INDIRECT 4つ目は、INDIRECT関数です。 INDIRECT関数は、文字列で指定したセル番地の値を表示することができます。エクセルは、ファイル内の同一シートだけでなく他のシートから値を持ってくることも可能なため、複数のシートで同じ商品・金額を使っている際、更新する手間がかかります。INDIRECT関数を使えば、一箇所を更新するだけで他のシートも全て更新することができるため、非常に便利です。 ROUND 5つ目は、ROUND関数です。 ROUND関数は、数値を指定した桁数への切り上げ・切り下げができます。主に金額の端数を区切ることに使われます。受注管理では、全ての商品の価格を一時的に改定するときなどに活用できるでしょう。 IFERROR 6つ目は、IFERROR関数です。 IFERROR関数は、数式がエラーとして評価される場合、指定した値を返します。本来入力されるべきではないエラー値を特定することができます。受注管理で使えば、入力ミスなどを防ぐこともできるでしょう。 受注管理をエクセルで実装するメリット 受注管理をエクセルで実装するメリットを、以下4点説明します。 ・コスト削減 ・導入のハードルが低い ・自由度の高さ ・他システムとの連携が容易 それでは、1つずつ見ていきましょう。 コスト削減 1つ目のメリットは、コスト削減です。 エクセルを導入する費用は、Microsoftのライセンス購入のみです。多くの企業で既に導入されているため、専用の受注管理システムなどと比較してもほとんどコストがかからないでしょう。エクセルの機能や関数もインターネット上に公開されており、自社で設定できるため、ベンダーに依頼する必要もありません。 導入のハードルが低い 2つ目のメリットは、導入のハードルが低いことです。 エクセルは、多くの従業員が一度は使ったことがあるツールであり、基本操作も簡単です。そのため、作成した受注管理シートのデータの入力・更新を容易に行うことができるでしょう。受注管理システムの導入にハードルを感じている方は、まずはエクセルで受注管理をはじめるというのも有効な手段です。 自由度の高さ 3つ目のメリットは、自由度の高さです。 エクセルでは、関数やマクロを使って担当者が好きなようにカスタマイズすることができます。受注管理シートを作成して、運用開始後に表の内容を少し変更したり、参照範囲を変えたり、といったこともすぐに対応できるでしょう。 他システムとの連携が容易 4つ目のメリットは、他システムとの連携が容易なことです。エクセルでは、入力したデータを各システムに合った型式に加工して、csvファイルなどに出力することができます。また逆に、エクセルで取り込むことができる形式で出力可能なシステムも多くあります。エクセルは、在庫管理・顧客管理・配送管理・その他基幹システムなど、外部のシステムとも連携しやすいツールです。各種システムと連携できれば、受注管理のための業務効率もアップすることでしょう。 受注管理をエクセルで行うデメリット 受注管理をエクセルで行うデメリットについて、以下6点を説明します。 ・入力ミスが発生しやすい ・ローカル管理になりがち ・データ量に伴う処理速度低下 ・エクセルのバージョンに依存することも ・手間がかかる ・知識が必要 それでは、1つずつ見ていきましょう。 入力ミスが発生しやすい 1つ目のデメリットは、入力ミスが発生しやすいことです。 エクセルは担当者が簡単に入力できるメリットがある一方で、文言や金額・数量を間違えて入力してしまう可能性も考えられます。入力ミスを防ぐためには入力規則を設定しておくなどの対応が必要です。 ローカル管理になりがち 2つ目のデメリットは、ローカル管理になりがち、ということです。 エクセルは主にパソコンのローカル環境で作成するため、複数人の同時編集や更新作業が難しい傾向にあります。エクセルをオンラインストレージなどにアップロードして共有することも可能ですが、オンライン上で膨大なデータを更新すると、処理が遅くなる傾向にあります。そのため、受注管理シートを管理する担当者がローカルでファイルを管理しがちになってしまいがちです。ローカル管理になると、常に最新版をアップロード・ダウンロードして共有・更新することに手間がかかってしまうため、さまざまな問題の発生につながる可能性があります。 データ量に伴う処理速度低下 3つ目のデメリットは、データ量に伴う処理速度低下です。 エクセルで扱うデータ量が多くなると、データ蓄積量も増え処理速度の低下につながります。そのため受注管理をするデータが増えると、エクセルファイルを操作するだけでも時間がかかってしまうかもしれません。処理速度低下を防ぐためには、一定期間で管理するファイルを分ける、過去のデータを定期的に消すなどの運用が必要です。 エクセルのバージョンに依存することも 4つ目のデメリットは、エクセルのバージョンに依存する場合があることです。 エクセルでは、バージョンが違うと対応しているマクロが一部違うことがあります。互換性の問題によって、たとえば古いバージョンで開いたらプログラムが動かない、表示が一部おかしいなどといったことが発生するかもしれません。 手間がかかる 5つ目のデメリットは、手間がかかることです。 エクセルで受注管理をする際、社内システムとの相性などによっては手間がかかる可能性があります。たとえば、社内システムとエクセルの両方でデータを管理したい場合、データ連携がスムーズにできなかったり、それぞれ入力が必要になったりするなどの手間が発生する可能性があります。 知識が必要 6つ目のデメリットは、知識が必要だということです。 エクセルで受注管理シートを作成する際、管理の規模が大きくなってくると、様々な関数やグラフ、場合によってはマクロ・VBAの知識が必要になる場合もあるでしょう。エクセルは導入のハードルは低いものの、エクセルの機能を使ってある程度の規模の受注データを管理・運用するためにはエクセルの機能に詳しくなる必要があります。 まとめ 本記事では、受注管理をエクセルで行う方法・役立つ関数・メリット・デメリットについて解説しました。エクセルを使えば受注管理を簡単に始められるものの、場合によって利用する関数や機能について詳しく勉強することが大切です。エクセルならではのメリットもありますが、ご紹介したデメリットにも注意しましょう。 業務管理ツールの2週間無料トライアル実施中! 月額5500円(税込)〜使える業務管理ツールを導入してみませんか? アカウント登録し、ログインするだけで使えるので初期費用は0円です。 2週間の無料トライアルをしたい方、もしくは詳しく情報を見たい、聞きたい方は下記をご確認ください! Mitsuri公式HP:https://supplier.mitsu-ri.net/ 5分で簡単に紹介している動画もご用意しておりますので、ぜひご覧ください!

  • 【製造業のサプライチェーンマネージメントとは?】SCMの仕組み、メリット・デメリット、ERPとの違い

    サプライチェーンとは、製品が原料の段階から完成品となって消費者に渡るまでの連鎖的に繋がる供給プロセスの流れのことです。サプライチェーンマネージメントは、このサプライチェーンに伴う原料や製品、金、情報などの流れを企業間の壁を超えて統合的に管理することで、サプライチェーンを効率化する手法です。 サプライチェーンマネージメントは、特に大企業にて多く導入されており、生産・流通の速度向上やコスト削減などに活用されてきました。しかし、コロナ禍における世界各地の工場の停止によって、その大企業のサプライチェーンが寸断される事態が起きており、サプライチェーンを強靭化するためにサプライチェーンマネージメントの見直しが始まっています。 この記事では、現在注目を集めるサプライチェーンマネージメントについて解説するとともに、そのメリット・デメリットやERP(企業資源計画)との違いについてもご紹介していきます。 サプライチェーンとは? サプライチェーンとは、製品の原材料・部品の「調達」から、「生産」、「流通」、「販売」、「消費」までの全体の流れのことです。その全体の流れの中には様々なリソースの流れが存在しますが、特に重要なリソースの流れは、生産側から消費側への「物」の流れと消費側から生産側への「金・情報」の流れです(上図参照)。 そして、各プロセス間の物・金・情報の流れは、以下のような企業の間や企業と消費者の間の受発注や入出荷といった取引から生み出されます。 ●サプライヤー…原材料を輸入して供給する商社や鉄鋼や樹脂などを生産して供給する材料の製造業者・卸売業者のことです。完成品メーカーにとっては、部品を供給する部品メーカーもサプライヤーに該当します。 ●メーカー…サプライヤーから原材料・部品を調達して製品を製造する業者のことです。製品は、在庫として保管・管理され、出荷されて、物流業者によって卸売業者や小売業者へ配送されます。 ●物流業者…メーカーによって生産された製品を卸売業者や小売業者へ配送する業者のことです。製品の保管や包装なども担うことがあります。 ●卸売業者…メーカーから製品を仕入れ、小売業者に卸す業者のことです。製品の保管や配送、本来小売業者が行う販売管理なども担うことがあります。 ●小売業者…メーカーや卸売業者から製品を仕入れ、消費者に販売する業者のことです。販売情報や顧客情報などを元にした販売管理も行います。 小売業者で収集された情報は、仕入れ量の増減という形で卸売業者やメーカーに流れていきます。その情報を元に、メーカーは、原材料・部品を調達して生産を行うとともに、在庫管理を行います。サプライヤーも同じように、メーカーからの受注を元に、原材料の輸入や部品の生産、在庫管理などを行います。 参考:製造業の生産管理を徹底解説 サプライチェーンマネージメントとは?SCMの仕組み サプライチェーンマネージメント(Supply Chain Management: SCM)とは、利益の最大化と売上高の増大を目的に、複数の企業が関わり合うサプライチェーンを統合的に管理して、最適化する経営管理手法のことです。調達から、生産、流通、販売までのサプライチェーンに関係する企業全体で情報を共有し、受発注や入出荷などの業務、生産や在庫などの管理に活用して、在庫の最適化や受発注業務の迅速化、キャッシュフローの向上、リードタイムの短縮、コスト削減などを実現します。 具体的には、以下の手順でSCMを導入します。 1. SCMの適用範囲を決定 2. 参加企業の選定 3. SCMのリーダー企業を選出 4. SCMのシステム構築 5. 情報共有とリスク共有 しかし、SCMを実行するとしても、現実問題として他企業までSCMの範囲に含めることは難しいでしょう。そこで、まずは、自社内とその取引先など、狭い範囲でのSCMの適用を考えます。 メーカーであれば、まず自社内の調達・生産・出荷に関する情報を収集して分析し、需要予測を作成して、原材料・部品、仕掛品および完成品といった全ての在庫の最適化を図ります。このとき、需要予測の精度向上のため、可能な限り取引先やエンドユーザーの情報を収集します。さらに、取引先のSCMの取組状況についても調査し、自社で展開するSCMと連結可能かどうか、連結するかどうかも検討します。 また、SCMは、業務間や部門間、企業間の情報共有が重要となるため、情報通信技術(ICT)と相性が良く、ICTを上手く活用することで高い効果を得ることが可能です。例えば、構築したSCMシステムにて、在庫量の履歴を保有し、その増減などを分析できるようにしておけば、需要予測の精度向上に役立ちます。 さらに、モノのインターネット(IoT)を利用すれば、リアルタイムなSCMの運用が可能です。例えば、メーカーにて、RFIDタグとセンシングデバイスを活用すれば、在庫を非接触かつ自動的に管理できるようになります。それにより、在庫状況の見える化や入出荷検品の効率化、作業負担の軽減などの実現が可能です。 参考:国内製造業におけるDX導入とは?4つの課題と成功事例も紹介 参考:製造業の生産性を見える化で改善するための重要視点 サプライチェーンマネージメント(SCM)のメリットと効果 SCMの最終的な目的は利益の最大化と売上高の増大ですが、その手段として実現するのが在庫管理の最適化とリードタイムの削減です。ここでは、在庫管理の最適化とリードタイムの削減について説明します。 在庫管理の最適化 SCMの実行によって在庫管理を最適化することで、在庫不足による機会損失や過剰在庫による収益悪化を防ぐことが可能です。 そもそも、在庫の最適化とは、原材料・部品、仕掛品および完成品などの在庫量を必要最小限にするということです。しかし、SCMでは、在庫を最適化するだけではなく、新製品の立ち上げや市場の変化などがあっても、常に在庫を最適量に維持できる在庫管理システムの構築を目指します。 必要な物を、必要な時に、必要な量だけ供給することで在庫を削減する「ジャストインタイム生産システム」は、SCMによる在庫管理手法の一つの到達点と言えるでしょう。 在庫管理の重要性は、在庫不足の場合や過剰在庫の場合を考えると分かります。在庫不足の場合は、欠品が生じますが、それは売上高の減少に繋がります。一方、過剰在庫の場合は、在庫の保管・管理費用の増大を招くとともに、在庫を廃棄せざるを得ない状況に陥ることもあります。それは利益が減少することを意味し、さらに過剰在庫が恒常化すると資金繰り(キャッシュフロー)が悪化します。 参考:ジャストインタイム3原則とは?デメリットやかんばん方式との違いを解説 リードタイムの削減 SCMの導入は、リードタイムの短縮に繋がります。なお、リードタイムとは、製造業では、受注から、生産、出荷までの所要時間のことです。 SCMでは、原材料・部品、仕掛品および完成品といった在庫の最適化を図ります。それは、必要な時に必要な量の原材料・部品を用意することであるため、リードタイムの大部分を占める待ち時間の削減に繋がります。 また、SCMにおいて、在庫の最適化をさらに進めるためには、リードタイムの短縮が必要です。それは、リードタイムが短いほど、受注から出荷までの時間が短くなるため、仕掛品や完成品の在庫削減に繋がるからです。つまり、在庫の最適化が進むほど、リードタイムは短縮し、リードタイムが短縮するほど、在庫の最適化も進むことを意味します。 そして、リードタイムの短縮は、工数削減に直結するため、利益が増加します。加えて、短納期生産が可能になるという効果もあるため、競争力の向上も期待できます。 参考:製造業の生産リードタイム基礎知識 コスト削減・売り上げの最大化 SCMにとって、在庫管理の最適化とリードタイムの削減は、SCMの目的を実現するための重要な手段です。上述したように、これらを実現することで、コスト削減が進んで利益が増加し、売り上げの増大も見込めます。手元資金も増加するため、経営の自由度が増すとともに、経営が安定します。 サプライチェーンマネージメント(SCM)のデメリットと課題 一方、SCMの導入には、多大な投資と労力、人員が必要です。 SCMを自社内という狭い範囲に適用するだけでも、受発注・入出荷・在庫などの情報収集や情報を一元化するシステムの構築、システム運用のための人員確保などが必要となります。 SCMの導入にあたっては、情報を分析して現状の在庫量を見える化し、需要予測を作成して、目標の在庫量を設定する必要がありますが、正確な需要予測を立てることは非常に困難です。また、理想的な在庫管理を実現するためには、在庫の発生要因を分析して、目標の在庫量で事業運営ができるように対策を立てる必要があります。 実現可能である場合でも、費用対効果を考慮する必要があり、費用対効果が見合わなければ、導入費用の削減や導入の保留、導入の中止も検討しなくてはなりません。 SCMの適用範囲を社外にまで拡大する場合には、さらに多くの課題があります。まず、企業間の円滑な情報の遣り取りには、参加企業全てにサプライチェーンのシステム構築が必要です。しかし、その投資を取引先に求めることになるため、グループ企業などの結び付きが強い企業同士でないと一貫したSCMの導入は難しいでしょう。 サプライチェーンマネージメント(SCM)とERPの違い SCMと混同しやすい経営管理手法に企業資源計画(Enterprise Resources Planning: ERP)があります。 ERPとは、企業の事業運営にて基本的な資材・設備・資金・人材・情報といった経営資源を統合的に管理して、最適に分配する経営管理手法のことです。経営資源を一元管理することで、どの部門にどの程度の資源が分配されているかを見える化し、経営戦略立案の参考にするとともに、策定された経営戦略に従って資源を分配します。 このERPの実現に用いられるのが、いわゆる「統合基幹業務システム」と呼ばれるソフトウェアパッケージです。統合基幹業務システムは、在庫管理システムや会計システム、生産管理システムなどのように業務毎に独立していたシステムとは異なり、全業務のデータを統合データベースで一元的に管理することが可能です(上図参照)。 以上がERPですが、具体的には、SCMと以下の点が違います。 ・SCMはサプライチェーンに関連する物・金・情報が主な管理対象であるのに対し、ERPは経営資源の全てを管理対象とします。 ・SCMはサプライチェーンを最適化の対象としますが、ERPは間接部門の業務なども含む全ての業務を最適化の対象とします。 ・SCMの適用範囲はサプライチェーンに関連する企業というように企業内に限定されていませんが、ERPの適用範囲は自社内に限ります。

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    ジャストインタイム3原則とは?デメリットやかんばん方式との違いを解説

    ジャストインタイムは、「必要なものを、必要なときに、必要な量だけ」生産するという考えの生産管理システムです。 もともと製造業で採用されていた方式ですが、作業効率や生産効率の向上が期待できることから、現在ではさまざまな業種で採用されています。 しかしジャストインタイムはメリットだけでなく、デメリットもある点には注意が必要です。 この記事では、ジャストインタイムに関する基礎知識やかんばん方式との違い、メリット・デメリットについて解説します。 ジャストインタイムとは? 「ジャストインタイム」とは、日本の自動車メーカーであるトヨタ自動車株式会社が採用している生産管理システムの一種で、別名「リーン生産方式」とも呼ばれています。 ジャストインタイムでは、生産現場の各工程にて「必要なものを、必要なときに、必要な量だけ」供給を行い、効率的な生産を実現します。 ジャストインタイムは完全受注生産とは違い、後工程において必要なときに必要な量だけ前工程から部品や製品を引き取り、その分だけ生産を行う「後工程引取方式」を採用しています。 後工程引取方式は、後工程から指示があった分だけを生産するので、在庫のムダを軽減することが可能です。 かんばん方式について 「かんばん方式」もジャストインタイムと同じく、トヨタ自動車株式会社の生産管理システムの一部であり、別名「スーパーマーケット方式」とも呼ばれています。 そもそも「かんばん」とは、製品名や品番などの情報が書かれた帳票のことを指します。 かんばん方式はスーパーマーケットと同じ方式を採用しており、かんばんから得た製品の情報をもとに、不足した部品などの補充を必要な分だけ行い、作業の効率化を図っています。 ジャストインタイムの3原則とは? ジャストインタイムを正しく取り入れるためには、以下に示す3つの原則を成立させる必要があります。 1.後工程引取方式 2.工程の流れ化 3.タクト調整 ここでは、ジャストインタイムの3原則とは、いったいどのようなものなのかを見てみましょう。 後工程引取方式 「後工程引取方式」とは、後工程にて「必要なモノを、必要なときに、必要なだけ」前工程から引き取る方式のことです。 前工程では、後工程で引き取られた分だけを生産し、補充を行います。この方式にて、かんばん方式が採用されています。 在庫を最小限に抑えたいのであれば、顧客からの完全受注生産を採用するのが一番です。しかし完全受注生産のデメリットは、顧客から受注を受けてから生産するため、納期が延びてしまう点にあります。そのため、顧客の満足度にも悪影響を及ぼします。 一方で後工程引取方式は、ある程度の見込み生産が発生するものの、後工程で使ったモノだけを前工程が生産します。これにより、工程間で発生する在庫を少なくすることが可能です。 工程の流れ化 「工程の流れ化」とは、部品などを前工程から後工程に送る際に、後戻りと停滞がないようにスムーズな流れを作ることを指します。 工程の流れが何かの要因によりうまく機能していないと、【ムダ・ムリ・ムラ】が発生してしまい、生産効率が低下してしまいます。上記の要因を正確に分析するには、生産ラインの見える化を行う必要もあります。 参考:製造業の3ム3M(ダラリ)をなくして現場改善 参考:製造業の生産性を見える化で改善するための重要視点 タクト調整 「タクト調整」とは、最適なタクトタイム(製品を作るのに必要な時間)を調整することです。 タクトタイムは、短いほど製品の必要数よりも余分に生産をしてしまい、時間と在庫のムダが発生します。逆にタクトタイムが長いと、製品の必要数に届かなくなり欠品するリスクをもたらします。 上記のムダや欠品のリスクをなるべく避けるためには、後工程や市場などからの受注に対して、最適なタクトタイムを調整する必要があります。 ジャストインタイムのメリット ジャストインタイムのメリットは、在庫を少なくできることでコストが軽減できること、生産リードタイム短縮による販売機会の損失を防止できることにあります。それぞれの詳細については下記の通りです。 在庫を少なくすることによるコストの軽減 在庫を抱えていると、その製品の運搬やメンテナンスを必要としたり、管理するのにコストがかかったりしてしまうものです。また、その在庫が受注に結びつかなかった場合、利益を生まないだけでなく、廃棄するコストが発生します。 しかしジャストインタイムを導入すれば、余分な在庫を作らないので、その分のコストを削減できます。ここでの「在庫」は、材料・部品・仕掛品・完成品なども含みます。 製造業では、先の受注を見込んだ生産を行うこともあるでしょう。しかし見込み生産は、万が一受注量に変化があった場合に在庫を抱えてしまうリスクを伴います。 ジャストインタイムでは、かんばん方式を使った方法でモノが流れるので、正確な製品情報をもとに生産が行えて、ムダな在庫を抱えることが少なくなります。 生産リードタイム短縮による販売機会損失の防止 ジャストインタイムは、必要最小限の作業で生産を行うもののため、生産リードタイムの短縮が期待できます。 生産リードタイムが短縮できることでスムーズに製品を提供でき、販売機会の損失を防止できるほか、顧客満足度の向上も期待できます。 参考:製造業の生産リードタイム基礎知識 ジャストインタイムのデメリット ジャストインタイムはメリットだけでなく、導入コストや品質管理コストの増加、在庫切れのリスクを伴う場合もあります。ジャストインタイムの導入を検討している方は、デメリットも把握しておく必要があります。 導入するのにコストがかかる ジャストインタイムを実行するには、かんばん方式を構築する必要があるほか、ムダ・ムラ・ムリをなくすために5S活動を取り入れたりと、仕組みを確立するのに手間やコストがかかります。 大企業の現場では、ジャストインタイムを実行するための基盤がある程度構築されている、または構築しやすい環境である傾向にありますが、中小企業の現場ではゼロからのスタートである場合が多く、コストが大きくかかってしまうケースもあります。 参考:製造業の5S活動とは?目的・目標・事例を学んで現場改善 品質管理のコスト増加 ジャストインタイムでは、各工程の流れをムダなくスムーズに行うものであるため、不良を増やしてしまわないように品質管理の面においても注力する必要があります。 もし仮に規格や仕様の満たさない製品が多く出てくると、必要な原材料や部品が足りなくなり、生産に遅れが出てくることもあるでしょう。また、不良品は修理やクレームの対応、廃棄などによるコストの増加も出てきます。 このような事態を避けるためにも、品質管理はジャストインタイム導入前よりもしっかりと行わなければなりません。 在庫切れのリスク ジャストインタイムは必要なモノを必要な分だけ生産する方式なので、突然受注量が増えた際の対応が難しくなる傾向にあります。 余分な在庫を抱えないようにすることで、部品や原材料の仕入れ先などにトラブルがあった場合、生産がストップしてしまうこともあるでしょう。

  • 受注生産とは?【3分でわかる】製造業の専門家がメリット・デメリットをわかりやすく解説してみた!

    受注生産という言葉を一度は聞いた事もある方も多いと思いますが、その言葉の意味となるとなんとなくは理解していても、詳しく説明するとなると難しいのではないでしょうか。 今回はそんな受注生産の仕組みや種類など、メリット・デメリットをご紹介していきます。 受注生産とは 受注生産は大量生産と違い在庫を持たずに顧客の希望に応じて、受注された数だけを取引先から指定された設計図面やデータを用いて個別に生産する製品の生産形態です。 日用品、建築、造船など大小さまざまな製品で行われ、購入者の為だけに生産される一般的なオーダーメイドとよく似ており、特に造船ではほとんどが受注生産が用いられています。 市場の需要を予想し生産される凡用品などは見込生産される事が多いのに対し、受注生産では在庫を持たずにその都度生産されます。さまざまな製品に採用されている受注生産ですが基本的に1つだけの個別生産が主で、多くても数個までという小ロットの生産方式です。 個別受注生産 個別受注生産は機械設備メーカーが代表的で、注文ごとに仕様が異なり個別に受注を受けてから開発、設計しながら製造する生産形態です。 量産される前の生産準備として、量産する為の生産設備や試作品を作るメーカーなどが該当します。 エンジンや産業機械など顧客により製品仕様が異なるので、加工内容、工程手順、機器、設備、生産期間、これら全てが一つ一つの製品により異り、個別なために生産管理システムがうまくいかないことが多くなります。 多品種少量生産形態や試作品などを製造する場面では、生産途中での仕様の変更などもあり納品短縮とコスト削減を要求されることも発生します。 繰返受注生産 繰返受注生産は大多数の製造業が採用している生産形態で、基本的には同じ製品仕様に基づき繰返製造する生産形態です。 一般的に最初の生産開始時に製品仕様の図面を提供もしくは設計し、それを元に製品を作り半年や1年という期間で生産される製品などの場合、顧客からの規格変更や仕様変更もありますが、基本的には同じ物を繰返し生産し、2回目以降はその図面を用いて製造を繰返します。 ロングセラー商品がいい例です。製品のサイクルが長いので仕様が変わることなく、多く製造されるという事は、仕様や図面や機器などの変更もなくコストも抑えら生産計画通り進めることができます。 見込み生産とは 見込み生産は受注生産の反対の意味で、あらかじめ需要予測し販売計画を立てそれを基いて生産する生産形態です。 凡用品などの大量生産品で多く、メリットとして生産計画通りに製品を生産でき、納品もすぐに行える一方で、部品や原材料は販売計画に基き調達し製品化され在庫を抱える事になります。 販売計画の過剰、過小が在庫に大きく影響し売れ残りの発生や売れる機会を失うというデメリットがあり、この在庫の過多や不足というのは多くの企業で発生している問題です。 住宅分野では建売で売られている家が例に挙げられます。例えば大規模な都市開発でいうと、更地に家を建てる際にその都市付近にはどういった世帯の人々が多いのか、収入がどれくらいあるのか、各分野をリサーチした上で家の大きさなどの販売計画を作り完成した家を販売するケースです。 受注生産のメリット 次に受注生産について売る側、買う側双方から見たメリットをそれぞれ解説していきます。 売る側のメリット お客様から受注を受けてから生産されるので、製品の在庫を持たなくても済むだけではなく、製品に使用される部品や原材料などまでも在庫も持たなくて済むことで無駄な費用が発生しません。 在庫を持たないので、需要変動が起こっても影響を受けずに済み、製品の売れ残り、売り切れというリスクも発生しません。 製品依頼を受けてから生産され、生産過程でも変更が加えられるため、最終的に唯一無二の製品を作る事ができ、お客様のニーズに対応することで顧客満足、信頼に繋がります。 受注を受ける会社は自社の強みを活かせ、生産事例などをアピールする事で受注を増やす機会を得ることができます。 買う側のメリット 製品依頼する時に既存の商品とは異なり、一から生産されることで購入者側の意見や予算をある程度反映することができます。 必要であれば製造の途中に経過報告も受けられることや、製品仕様の変更も可能であり、思い通りの製品を手にできます。 オーダーメイドスーツなどでは、自分の身体に合わせる事だけではなく、色、生地の選択、ボタンの形や配置なども自分好みにオーダーでき、生産途中で変更もできる点がメリットと言えます。 受注生産のデメリット メリットに対して売る側、買う側双方から見たデメリットをそれぞれ解説していきます。 売る側のデメリット 受注から納期まで時間がかかり、購入者に商品をすぐに納品することができず、それを改善するために納期を短縮する必要があるため、生産性をあげるための設計業務支援や生産の自動化が必要になります。 製造途中で購入者の要望や変更なども容易に想像され、そういった場合に生産計画通りに進まなくなります。 また、生産途中での仕様の変更が要求され、部品の変更があればコストが上がってしまったり、納期が遅れる場面もあります。 特殊な製品を受注生産を行う製造業者は、受注時点で正確な原価予想が難しく、製造途中で生産計画、仕様の変更も余儀なくされコストが上がることもあります。 受注してから部品などの仕入れを経て販売するまでのタイムラグにより、資金繰りに苦しめられる事例もあります。 買う側のデメリット オーダー後に生産するために受注から納期まで時間がかかり、既存の製品より高額になる可能性が高くなります。 既存の製品は作る側の生産計画に基づき作られるので、コスト面も計画に組み込んで大量生産されているのに対し、受注生産では購入者側の要望通り一つ一つ作り、部品なども一から調達する必要があるために、コストが上がってしまうケースが多くなります。 既存製品はあらかじめ製品を確認した上で購入できるのに対して、受注生産は現物を見て購入できないので思いどうりの製品にならない場合もあります。 まとめ 今回は受注生産をわかりやすく解説してきましたがいかがだったでしょうか。 生産と言えども、様々な生産形態があり生産方法があります。各生産形態にはメリット・デメリットがあり、製品に合わせて正しく選択する必要があることがご理解いただけたと思います。

  • 生産管理の自動化を徹底解説!対象・メリット・成功ポイントも詳しく紹介

    生産管理の自動化を徹底解説!対象・メリット・成功ポイントも詳しく紹介

    生産管理を自動化したい、自動化のメリットを知りたい、と考える担当者もいるかと思います。生産管理で自動化に成功すれば、従業員の労働環境も改善し、従業員の満足度も向上するでしょう。需要予測も可能となり、企業の売上アップにもつながります。 そこで本記事では、生産管理の自動化について、自動化対象・メリット・成功ポイントを詳しく解説していきます。 生産管理における自動化対象 まずは、生産管理における自動化対象について、以下3点を説明します。 生産・調達計画 品質検査 設備保守 それぞれ、一つずつ見ていきましょう。 生産・調達計画 1つ目は、生産・調達計画です。 生産・調達計画は、作業員が担当すると経験が介入し、予測に誤差が生まれる可能性があります。そこで、機械学習やAI技術を活用し、過去のデータや市場トレンドを基に将来の製品需要を予測すれば、正確な需要予測が可能となるでしょう。予測結果に基づいて、生産計画や資材調達計画を立案すれば、生産ラインの稼働率や在庫の作成量を最適化できます。 生産・調達計画の自動化により、製品の品質維持と納期遵守することが可能です。 品質検査 2つ目は、品質検査です。 近年では、人手不足に悩む製造業も多く、深刻化すると品質管理も疎かになることが考えられます。 そこで、機械学習やディープラーニング(深層学習)を活用して自動化を図れば、品質検査の精度向上が可能です。これまで作業員が目視検査していたことに比べ、正常な製品と不良品を見分けるスピードが上がり、正確かつ効率的に検査できるでしょう。 品質検査を自動化すれば、高速で大量のデータを正確に処理できます。処理した結果を元にデータ分析し、検査プロセスの改善点を見つけ出すこともでき、改善点も迅速に反映できるでしょう。 設備保守 3つ目は、設備保守です。 従来では、熟練作業員が設備保守を実施しており、多くの時間と労力が必要でした。AIを活用することで、設備保守業務の効率化を実現し、事故発生予防にもつながります。 たとえば、ロボットや自動化システムを利用して、メンテナンス作業を自動化すれば、24時間365日体制で、休みなく設備チェックが可能です。 設備保守を自動化すれば、夜間に人間が対応する必要がなくなります。定期的に設備保守することで、設備の寿命を延ばし、コスト削減にもつながります。 生産管理の自動化が企業にもたらすメリット 生産管理の自動化が企業にもたらすメリットについて、以下3点を説明します。 労働環境改善 需要予測 組織間のスムーズな共有 それぞれ、一つずつ見ていきましょう。 労働環境改善 1つ目のメリットは、労働環境改善です。 これまで現場の熟練作業員が行っていた業務の一部を、機械やシステムで行えます。これにより、労働者はより高度なスキルを持つ仕事や、戦略など創造的な業務に注力できるようになり、働きがいを感じられるでしょう。 また、部品の品質チェック、危険性の高い作業も自動化すれば、労働者の作業負荷を軽減できます。従来よりも労働量や労働時間が減り、従業員の健康維持が可能です。 生産管理を自動化すれば、これまで生産現場で熟練作業員が行なっていた業務を機械やコンピュータで対応でき、従業員の作業負荷軽減、労働環境改善に役立てられます。 需要予測 2つ目のメリットは、需要予測です。 需要計測では、市場や顧客の需要を正確に把握し、適切な生産量や在庫レベルの計画が大切です。自動化技術を活用すれば、需要計測の精度が向上し、顧客満足度が向上します。 たとえば、市場や顧客からのデータをリアルタイムで収集・分析することで、需要の変化やトレンドを迅速に把握し、適切な生産計画や在庫管理を実現できるでしょう。 機械学習やAI技術を活用すれば、従来よりも高い精度で将来の需要を予測し、生産や在庫管理に反映できます。 自動化により、市場や顧客の需要変動に対してタイムリーに対応でき、受注時の商品生産や在庫作成それぞれのプロセスを、柔軟かつ迅速に対応可能です。従来のような作りすぎや、人による急な工程変更もなくなり、ムリ・ムダの削減にもつながるでしょう。 組織間のスムーズな共有 3つ目のメリットは、組織間のスムーズな共有です。 生産管理を自動化すれば、生産ラインに必要な情報を可視化し、組織をまたいだ共有が可能です。たとえば、在庫情報と販売情報、それぞれ別の組織が管理しているデータをリアルタイムに確認することで、在庫の超過や過不足などの問題も解決できるでしょう。 生産管理を自動化するシステムでは、生産に関連するデータを一元管理しています。そのため、企業内の複数部門やチームがいつでも同じデータにアクセスでき、リアルタイムな情報共有が可能です。 生産管理の自動化によって、組織間のスムーズな共有を実現でき、企業全体の評価も向上します。 生産管理の自動化を成功させるポイント 生産管理の自動化を成功させるポイントとして、以下4点を説明します。 目的の明確化 課題の明確化 組織連携 AIが適している分野の把握 それぞれ、一つずつ見ていきましょう。 目的の明確化 1つ目のポイントは、目的の明確化です。 自動化で何を実現したいのか、明確な目的を持つことで、適切な自動化手段の選択、効率的に結果を達成できます。目的が曖昧なまま自動化を進めれば、自動化そのものが目的となってしまい、思うような結果を得られないです。 また、目的が明確であれば、その目的に適した生産管理システムの選択も容易になります。 目的を明確化するときには、最初にどの業務やプロセスを対象にするかを考えることが重要です。企業にとって最も重要な課題や効果が大きい領域に焦点を当てることで、効率的な自動化を実現できます。 課題の明確化 2つ目のポイントは、課題の明確化です。 企業や組織が直面している課題や問題点を明確化することで、何に対して自動化すべきか明確になり、自動化をスムーズに進められるでしょう。 たとえば、不良品の発生・異物混入・品質が一定ではないなどが挙げられます。課題を明確にすることで、その課題に対応する適切な手段、システム導入を選択しやすくなります。 課題の明確化は、生産管理を効果的・効率的に進めるために欠かせないステップです。企業が抱える課題や問題点を明らかにしてから、自動化に取り組みましょう。 組織連携 3つ目のポイントは、組織連携です。 組織間で必要な情報を、スムーズに共有できれば、生産管理の自動化も円滑に進み、効果的な結果も得られやすいです。 たとえば、異なる部門やチームが自動化に関連する知識やスキルを、システムなどで共有できれば、プロジェクトに関わるメンバーが課題解決に協力しやすくなります。問題が発生したときも、現在のステータスや課題を迅速に共有でき、解消スピードもアップするでしょう。 AIが適している分野の把握 4つ目のポイントは、AIが適している分野の把握です。 自社のどの業務やプロセスでAIが最も効果を発揮するのかを事前に理解した上で、自動化を図ることが必要です。 AIが得意な分野として、たとえば繰り返し行われている作業、24時間365日チェックが必要な作業が挙げられます。そのような業務を自動化すれば、生産管理も効率的に進むでしょう。 AIが得意とするIT領域にシステムなどを活用すれば、人間を超えるスピード・精度で対応できるようになり、生産性向上やコスト削減も実現します。 生産管理を自動化に向けたツールの選び方 生産管理を自動化に向けたツールの選び方として、以下6点を説明します。 機能 操作性 導入形態 自社の生産方式 コスト サポート体制 それぞれ、一つずつ見ていきましょう。 機能 1つ目は、機能です。 生産管理を自動化できるシステムとして、豊富な機能が搭載されているものもあります。機能が多ければ多いほど便利ではなく、自社にとって必要な機能が搭載されているかをしっかりと確認することが必要です。 企業の課題を解決してくれる機能を持つツールを導入すれば、日々の作業効率も向上するでしょう。従業員の作業負担を軽減するとともに、業務プロセスもスムーズに進みます。 また、社内の他システムと連携が必要なケースでは、APIなどの外部連携機能が必要ともいえます。 上記の通り、企業に必要な機能が搭載されているツールを選ぶことで、組織全体での情報共有や連携がスムーズになるでしょう。ツールを選ぶときは機能数ではなく、自社が必要としている機能が搭載されているかをしっかりと確認することが大切です。 操作性 2つ目は、操作性です。 生産管理を自動化するツールは、機能がいくら優れていても、自社担当者が使ってみて使いづらいと全く意味がありません。 操作性がよくないと、業務に混乱を招く恐れがあります。また、担当者が機能を使いこなせないことから、運用開始後すぐに他のシステムに乗り換えを検討する理由にもつながってしまいます。 操作性を確認するためには、無料トライアルやデモを活用することが重要です。まずはお試しで利用してみて、自社担当者が大変と感じることなく操作できるかを確認しましょう。 導入形態 3つ目は、導入形態です。 ツールには、オンプレミス・クラウドなどの導入形態があります。 オンプレミスとは、自社にサーバーを設置して、システムを稼働させる導入形態です。初期費用が高い傾向にありますが、システムのカスタマイズが容易で、独自の要件に対応しやすい、といった特徴があります。 クラウドサービスは、パソコンからインターネットを介してサーバーやシステムを利用する導入形態です。初期費用が低く、利用する分だけ費用を払うだけですみます。システムのアップデートやメンテナンスが容易で、自社の運用負荷を減らすことが可能です。 それぞれ、コストや運用が異なるため、企業の要件やリソースに応じて、適切な形態を選択することが必要です。 自社の生産方式 4つ目は、自社の生産方式です。 自社の生産方式に適したツールを選ぶことで、効果的な自動化が実現でき、生産効率が向上することが期待できます。 代表的な生産方式として「ライン生産方式」や「ロット生産方式」、「個別生産方式」があります。 ツールには、全ての生産方式に対応しているものや、一部に限定されているツールもあります。自社の方式に対応しているツールを選ぶべきです。 コスト 5つ目は、コストです。 ツールを選ぶ際は、コストを考慮することで、企業の予算内で効果的な自動化を実現できます。 ツールの導入にかかる初期費用や運用にかかる費用、それぞれを確認しましょう。自社に見合っているか、どのくらいの効果を期待できるかを判断することが大切です。支払うコストに比べて、どれくらいの生産性向上やコスト削減が期待できるかなどを比較することで、自動化ツールが企業にとって必要かを判断できます。 コストを確認するときは、安さだけでなく自社に必要な機能や操作性など、総合的な判断も必要です。 サポート体制 6つ目は、サポート体制です。 サポート体制が万全なツールを選ぶことで、導入後のトラブルや問題を、迅速かつ適切に対応できます。 24時間365日問い合わせが可能かなど、自社の運用時間に合わせて対応時間を確認しましょう。自社の工場稼働時に問い合わせが可能か、夜間も人が立ち会う場合は夜間にも対応しているサポート体制を選ぶ必要があります。また、問い合わせ方法はメールか電話か、Webかなども確認しましょう。 生産管理の自動化に向けたツールを選ぶ際には、サポート体制の確認も重要です。 まとめ 本記事では、生産管理の自動化対象・メリット・成功ポイントについて解説しました。 生産管理で自動化できる主な対象として、生産・調達計画、品質検査、設備保守があります。従業員の労働環境改善や、社内間のスムーズな共有、顧客からの需要予測も可能でしょう。 生産管理の自動化を成功させるためには、組織の目的・課題を明確にした上で、AIが得意な業務を選んで取り組むことが大切です。

  • 生産管理はエクセルでも可能?メリット・デメリットや生産計画表の種類などを解説

    生産管理はエクセルでも可能?メリット・デメリットや生産計画表の種類などを解説

    製造業における生産管理は生産活動全体の管理を行うもので、効率を高めるためには欠かせません。生産管理に活用できるツールは数多く存在しますが、多くの従業員にとってなじみの深いエクセル(Excel)を用いて生産管理を行うことも可能です。 そこで今回は、生産管理をエクセルで行うメリットやデメリット・生産計画表の種類や生産管理のポイントなどを解説します。 生産計画をエクセルで行うメリット・デメリット 生産計画をエクセルで行うメリット・デメリットについて説明します。 それでは、一つずつ見ていきましょう。 メリット 1つ目は、生産計画をエクセルで行うメリットです。以下に4つ、表にまとめます。 費用が抑えられる多くの会社では、すでにエクセルを導入しているため、追加費用を払わずとも利用できます。また、生産計画を変更したい場合でも、柔軟に対応可能です。学習の負担がかからないエクセルに慣れている人は多数存在します。そのため、新たにツールを導入する場合と比較して、学習の負担がかかりません。マクロで自動化ができるエクセルのマクロやExcel VBAのプログラムを用いれば、データ処理を関数で簡単に自動化できます。これにより、データ入力やデータ整理をシステム化して、労力を大幅に軽減できるでしょう。他ツールでもデータ活用しやすいエクセル形式でデータを出力できるツールは、多数存在します。そのため、エクセルで生産計画を行うと、他ツールと連携してデータ活用がしやすいと言えるでしょう。 デメリット 2つ目は、生産計画をエクセルで行うデメリットです。以下に2つ、表にまとめます。 複数人での作業がしにくいファイルサーバーやデスクトップに存在するエクセルデータは、同時編集が不可能です。そのため、複数のメンバーで生産管理を行いたい場合には、誰か1人がシートを操作していると、全体の生産管理を更新できなくなって無駄が生じるリスクがあるのです。処理が重くなる過去のデータが大量に蓄積されていくと、ファイルが重くなっていきます。そのため、徐々に処理速度が低下し、エクセル作業に時間がかかります。パソコンのスペックが低いと、作業に大きな影響が出かねません。 エクセルで作れる生産計画表 エクセルで作れる生産計画表について、以下5点を説明します。 ・バーチャート工程表・ガントチャート工程表・グラフ式工程表・工程管理曲線・ネットワーク工程表 それでは、一つずつ見ていきましょう。 参考:工程管理の見える化とは?必要な理由・メリット・流れを徹底解説! バーチャート工程表 エクセルで作れる生産計画表の1つ目は、バーチャート工程表です。 縦軸に作業項目(タスク)を、横軸に作業を行う日付を、それぞれ記入したチャートです。直感的に全体工程がわかりやすい反面、タスク同士の関連性がわかりづらいデメリットがあります。 ガントチャート工程表 エクセルで作れる生産計画表の2つ目は、ガントチャート工程表です。 縦軸に作業項目(タスク)を、横軸に作業の進捗率を、それぞれ記入したチャートです。バーチャート同様、直感的に全体工程がわかりやすい反面、タスク同士の関連性がわかりづらいデメリットがあります。 グラフ式工程表 エクセルで作れる生産計画表の3つ目は、グラフ式工程表です。 縦軸に進捗率を、横軸に日時を、それぞれ記入するもので、日付ごとの曲線で進捗率を示します。作業予定日時と進捗率が一度にわかる反面、タスク同士の関連性がわかりづらいことがデメリットです。 工程管理曲線 エクセルで作れる生産計画表の4つ目は、工程管理曲線です。 縦軸に進捗率を、横軸に日時をそれぞれ記入しているものです。上方、下方許容限界曲線を記入すれば、予定からどこまでなら遅れてよいか、反対にどこまで作業を早められる見込みか一目でわかります。全体の進捗率はわかりやすいものの、タスクごとの進捗率を見たい場合には向いていません。 ネットワーク工程表 エクセルで作れる生産計画表の5つ目は、ネットワーク工程表です。 矢線図、PERT図とも呼びます。円や矢印などの図表を活用し、タスクごとの工数やタスク同士の関連性を一目で理解できる工程表です。タスクの順番や相互関係もわかりやすいので、ウォーターフォール型のプロジェクトにおける工程管理に向いています。 生産計画をエクセルで行うポイント 生産計画をエクセルで行うポイントについて、以下3点を説明します。 ・工程を細かく分解・誰にでもわかりやすく作る・オンラインで共有・管理 それでは、一つずつ見ていきましょう。 参考:生産管理とは?目的・効果・方法・手順を徹底解説! 工程を細かく分解 ポイントの1つ目は、工程を細かく分解することです。 エクセルのガントチャートなどを使用し、工程を細かく分解しましょう。これにより、各タスクに必要な期間や順番、進捗状況などがわかりやすくなり、進捗管理が可能になります。また、必要なタスクも整理できるので、タスクの抜け漏れも防止できるはずです。細かく分解したタスクと、実際に行ってきた作業を比較すれば、より工程の抜け漏れがあっても、すぐに気づいて修正できるでしょう。 誰にでもわかりやすく作る ポイントの2つ目は、誰にでもわかりやすく作ることです。 生産計画で作成するエクセル表は、わかりやすさが大切です。一目で作業内容を理解できるよう、デザインに気を配ることや、一部のメンバーしか理解できない専門用語は使わないことも大切です。現場で実際に使ってもらうことはもちろん、たとえば経験の浅い新人社員にあえて内容をみてもらうことで、実用的かつ誰にでもわかりやすい生産管理表を使えるようになるでしょう。 オンラインで共有・管理 ポイントの3つ目は、オンラインで共有・管理することです。 エクセルの生産計画表は、ローカル環境で編集していても、最後はオンラインで共有・管理して、すぐにメンバーがアクセスできるようにしましょう。オンライン上でファイルを共有できるツールは、多数存在します。また、オンラインファイル共有ツールを活用できる場合は、オンライン上でファイルを編集することや、最新状態のファイルを閲覧することができます。 生産計画に活用できるエクセル以外のツール 生産計画に活用できるエクセル以外のツールについて、以下2点を説明します。 ・生産スケジューラ・生産管理システム それでは、一つずつ見ていきましょう。 参考:生産管理の課題を徹底解説!解決方法・システムの選び方も合わせて紹介 生産スケジューラ エクセル以外のツールの1つ目は、生産スケジューラです。 生産スケジューラとは生産現場の工程管理を詳細に行えるツールで、生産計画にも活用できます。詳細な工程管理を行うことで、スケジュールの把握だけでなく、製品の在庫管理による余剰在庫削減や効率的な納品、さらには詳細な生産シミュレーションが可能になります。これにより、納期を守りつつコストを削減し、競争優位性を確保できるでしょう。 また、生産状況をリアルタイムで可視化できるため、管理者だけでなく作業者にとってもメリットがあります。エクセルによる管理では物足りないと感じている場合は、導入を検討してもよいかもしれません。 生産管理システム エクセル以外のツールの2つ目は、生産管理システムです。 生産管理システムでは、生産計画に加えて工程管理や原価管理、需要予測などさまざまな生産管理業務を幅広く実施できます。生産スケジューラより多機能なツールとも言えるでしょう。大規模な工程において人的ミスを減らしたい場合には、生産管理システムの活用がおすすめです。 生産管理システムには、さまざまな用途があります。例えば、原材料の調達タイミングや負担が大きくなっている工程がデータでわかるため、最適化を進めることができます。また、トラブルの実績を登録していけば、トラブルが発生しやすい工程も可視化して情報共有できるため、生産の効率化や生産性向上、属人化防止にもつなげられます。 参考:生産管理をエクセルで行う方法とは?メリット・デメリット・成功ポイントを徹底解説 まとめ 本記事では、生産管理をエクセルで行うメリットやデメリット、生産計画表の種類や生産管理のポイントなどを解説しました。エクセルでも、生産計画を行うことは可能です。エクセルに慣れている人は多い上に、生産計画に役立つガントチャートなど管理表のテンプレートも多数存在します。そのため、生産計画を気軽に始めたい場合は、エクセルを使うのがよいでしょう。ただ、エクセルでは同時編集ができないなどの課題も少なくありません。そのため、必要に応じて、生産スケジューラや生産管理システムの活用も検討してみましょう。

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    受発注管理とは何か?業務の流れ・システム化するメリットデメリット・選び方を徹底解説!

    受発注管理とは何だろう、それぞれの業務についてITシステム導入を検討したい、と考える担当者も多いのではないでしょうか。受発注管理とは、受注・発注に関する業務を一元管理することです。効率的な管理業務を行うためにも、それぞれの業務内容の基礎と業務プロセスとステップ・システム化するメリットについてしっかりと押さえておきたいものです。 そこで本記事では、受発注管理の基礎知識、業務の流れ、メリット・デメリットについて解説していきます。   受発注管理とは 受発注管理とは、受注と発注業務の両方を管理することです。ここでは、それぞれの業務内容について詳しく解説していきます。 ・受注管理 ・発注管理 ・受発注システム それでは、1つずつ見ていきましょう。 受注管理 受注管理とは、個人の消費者やBtoBなど企業から注文を受けて、必要な手続きを実施する受注業務のことです。たとえば、注文内容や受注した旨を相手に通知する、在庫数の確認、社内手配などがあります。受注管理は企業によっては販売管理の一つとしてみなされ、出荷管理・見積もり提示・取引契約の締結も含まれるという特徴もあります。 発注管理 発注管理とは商品の仕入れ周りを管理する業務のことです。具体的には、製造業者が自社の製品を作るために必要な作業を外注し、業務委託や開発委託することで、必要な材料を集めていく業務です。小売業者が消費者に販売する商品を集めることもあります。 発注管理の業務には一般的に見積依頼書作成、注文書の作成・発注手続き・請書の登録・検収書発行・支払処理などが含まれます。 受発注システム 受注と発注業務の両方を管理できる、受発注システムを導入する企業も増えています。これまで紙やメール・FAXなどでやりとりが発生していた、受発注業務をシステム化することができます。システム化することで、煩雑になりがちな従来の業務プロセスを見える化でき、社員の生産性も向上するでしょう。受発注システムを導入すれば、受発注に関わるデータを一元管理するとともに、効率的な管理業務の実施が可能です。 受発注管理業務の流れ 受発注管理業務の流れについてそれぞれの業務に分けて詳細を紹介します。 ・受注管理の流れ ・発注管理の流れ それでは、1つずつ見ていきましょう。 受注管理の流れ 受注管理の主な流れについて以下を紹介します。 ・見積を作成・提示 ・契約締結 ・注文内容の登録 ・在庫数確認 ・納期連絡 ・書類作成 それでは、1つずつ見ていきましょう。 見積を作成・提示 顧客から見積依頼が来たら、受注側企業は内容を確認し見積書を作成していきます。見積書には概算・正式見積の2つがあります。最初から正式見積もりを提示するケースもありますが、BtoBで納期に余裕がある場合などは、まずは参考金額として概算見積を提示して、顧客からの同意を得た後に正式見積書を作成して提示することもあります。 契約締結 見積内容に問題がなければ、顧客から契約書・注文書などが送付されて受注します。契約書には商品の保証期間・納期・支払い方法・支払日・契約期間など、重要事項が書かれていますので、契約を進めても問題がない内容か、必ず隅々までチェックしましょう。 注文内容の登録 注文が確定した後、社内の管理シートやシステムなどの必要な箇所に注文内容を登録していきます。たとえば社内の関連部門(在庫管理部門・生産部門など)に共有して、必要な手続きを依頼する手続きなどが挙げられます。また、顧客情報管理業務もあるでしょう。新規顧客の場合は新規登録、継続顧客の場合は必要に応じて登録情報を更新します。社内・社外・顧客などに注文内容を登録します。 在庫数確認 注文内容を登録した後は、在庫数を確認していきます。在庫がある場合は出荷に向けた社内情報共有をするなど、出荷に向けた活動をしていきます。在庫がない場合は、生産管理と連携して在庫を拡充していきます。在庫有無は納期に影響するため、必ず早期段階で実施しましょう。 納期連絡 在庫数の確認が取れたあと、顧客に対して納期を連絡します。在庫がなく納期が判明しない場合は、「在庫を取り寄せる必要があるため、納期については判明次第連絡する」という旨を相手に伝えてあげましょう。 書類作成 納期を連絡した後は、必要な書類を作成していきます。具体的には、商品や納品伝票を記載した受注伝票です。企業と注文書を取り交わした場合は、注文内容を受領したことを報告する注文請書を作成していきます。また、納品した後は納品書・請求書・検収依頼書を発行して、相手先に支払いを請求します。相手が個人か企業なのかによって必要な書類が異なるため注意しましょう。また、全体の受注件数を管理するためのシートを作成する場合もあります。 発注管理の流れ 発注管理の主な流れについて、以下を紹介します。 ・発注方式の決定 ・見積依頼書作成 ・発注先確定 ・注文書起票・送付 それでは、1つずつ見ていきましょう。 発注方式の決定 まずは発注方式を決めていきます。発注方式として「定期発注方式」「定量発注方式」の2つがあり、それぞれについて紹介します。 ・定期発注方式 定期発注方式とは、定期的に発注を行う方式です。たとえば、毎月第一月曜日に必ず発注するなど、具体的な日付を決めていきます。定期発注方式のメリットは、発注に必要な手間を削減することが可能なことです。発注のタイミングで都度発注量を柔軟に調整することも可能です。 ・定量発注方式 定量発注方式とは、在庫が一定量を下回ったとき、事前に決めた量で発注する形式です。 依頼すれば一定の量が入るため、都度注文書の取り交わしがなくてもあらかじめ依頼した量が届きます。定量発注方式は発注の手間を削減すること、注文数を意識しなくても済む、というメリットがあるものの、需要量が変化しやすいものには不向きといえるでしょう。 見積依頼書作成 発注方式が決まった後は、見積依頼書を作成していきます。見積もり依頼書とは、発注目的・業務概要・商品種類・数・希望納期・納入場所など、依頼内容と前提条件を記載している帳票のことで、BtoBの取引で使われることが多い書類です。一般的に見積もり依頼をするときは、複数の企業に見積依頼書を提出して、相見積もりをとり比較検討します。既に発注先が決まっている場合は、1社に限定して見積依頼書を提出していきます。 発注先確定 各企業から見積が揃ったら、発注先を確定します。発注先は価格・納期・数量(ロット)で決定することが一般的ですが、過去の取引実績を元に取引先を決めるケースもあります。また、相見積もりで最も条件が良い発注先を比較検討する場合もあります。 注文書起票・送付 発注先が確定した後は、発注側が発注書・注文書を作成して、相手に送付します。送付後はメールやシステム経由で相手先に注文書を送付したことを通知します。相手に通知することで、その後の手続きがスムーズになります。 注文書を起票する際は、内容に不備がないか必ず確認しましょう。他の注文書を使い回すと、企業名やロット数・商品名・納期などの各日付・部門名・担当者など、細かな項目でミスする可能性もありますので注意しましょう。 契約書の取り交わしがされていない場合、注文書の代わりにスポット契約書を使ってやり取りすることもあります。 受発注管理をシステム化するメリット 受発注管理をシステム化するメリットについて、以下3点を紹介します。 ・業務効率化 ・人為的ミス削減 ・全社での情報管理 それでは、1つずつ見ていきましょう。 業務効率化 1つ目のメリットは業務効率化です。たとえば、これまでは直接倉庫などに出向いて確認が必要だった在庫量に関して、システムを活用すれば自席でWeb表示して在庫量を確認でき、そのまま相手先に発注することもできます。さらに、受注情報などのステータスを自席で確認することも可能です。リアルタイムな在庫状況も一目でわかるため、正確な在庫確認も可能となります。さらに、発注先を事前にシステムに登録しておけば、過去の発注履歴も閲覧できるため、仕入先の選定の手間削減につながります。受発注業務に関する社員間の問い合わせメールの頻度も減るでしょう。システム化することで在庫に関する業務を自動化・業務内容も簡略化でき、生産性も向上するでしょう。 人為的ミス削減 2つ目のメリットは人為的ミス削減です。受発注の業務フローに沿ってシステム化すれば、担当者のミスを少なくすることも可能です。たとえば、誤った日付を指定した際、システムエラーが発生して入力ミスを教えてくれます。 また、これまでFAXで帳票配信などの対応も、システムやツールを利用すれば都度番号を入力する必要もなく、誤発信などのトラブル防止にも繋がります。 また、在庫状況をシステムで管理することで、リアルタイムに正確な在庫量を把握することもできます。違う担当者が同じ顧客に同じ商品を二重発注してしまうこともなくなり、誤発注防止にもつながるでしょう。受発注管理システムを導入することで、ヒューマンエラーを未然に防ぐことができ、安心した業務遂行が可能です。 全社での情報管理 3つ目のメリットは全社での情報共有です。受発注管理システムを導入すれば、組織単位ではなく全社で業務に関する情報共有が可能となります。組織単位で独自の管理方法をしている場合、他の組織が扱うデータと連携することは大変困難です。システム化すれば全社で情報管理ができ、受発注業務の煩雑化を防ぐことも可能です。 受発注管理のシステム化で陥りがちなデメリット 受発注管理のシステム化で陥りがちなデメリットについて、以下3点を紹介します。 ・移行のハードルが高い場合もある ・ランニングコストがかかる ・納期までに時間がかかる それでは、1つずつ見ていきましょう。 移行のハードルが高い場合もある 1つ目のデメリットは、移行のハードルが高い場合もあることです。 ITシステム化はそれまでのやり方を一新するため、今までどのようなフローで受発注業務をしていたのか、業務を見える化し、新しいシステムに置き換える際の影響範囲を確認して、どのような機能が必要なのか確認することが大切です。たとえば、これまでと同様のアクセス権の設定ができるか、システムの機密性に問題はないか、データ出力形式はCSV可能か、既存帳票をシステムに取り込む際のOCR処理ができるか、などがあるでしょう。受発注業務のシステム化は社内だけでなく取引先なども関係するため、業務量や関係者数が多い場合、移行のハードルが高いと感じてしまう場合もあります。 ランニングコストがかかる 2つ目のメリットは、ランニングコストがかかることです。発注管理システムを導入すると多くの場合コストが発生します。物理・仮想サーバーを用意して導入するオンプレミスはソフトウェアの買い切りとなるため初期費用が高くなりがちですし、運用する社内の人件費も定期的にかかります。クラウドサービスは初期コストを押さえられるものの、毎月の固定利用料が発生します。発注数が少ない月も同額の料金がかかり、割高になることも考えられます。受発注管理システムを導入する際は、初期コスト・ランニングコストがそれぞれどれくらいかかるか必ず確認しましょう。 納期までに時間がかかる 3つ目のデメリットは、納品までに時間がかかることです。 システム化することで、受注から納品までのリードタイムが長引いてしまう場合があります。なぜなら、受注から納品までに多くの部署が関わる場合(受注管理から在庫管理、販売管理)さまざまな部署や担当者との連携が必要だからです。それまで手作業で住済んでいたことがシステム化することで逆に手間がかかり、納品に影響する場合もあります。導入後、想定外の時間が発生している、というギャップがないように、必ず事前にリードタイムに問題がないかを確認しましょう。 受発注管理システムの選び方 受発注管理システムの選び方について、以下3点を紹介します。 ・機能 ・操作性 ・コスト それでは、1つずつ見ていきましょう。 機能 1つ目の選び方は、機能です。一般的に受発注システムには豊富な機能が搭載されており、充実しているように見えます。 しかし、導入を失敗しないためにも、自社の受発注業務の課題を解決する機能が搭載されているか、既存のツールやExcelシートで行っていた業務内容を、新システムでも実現できるかなどをしっかりと確認しましょう。現状の業務視点から見て、問題がない機能かを見ていくことがポイントです。 たとえば、WebからデータをCSV 形式で一括ダウンロードできるか、受発注におけるデータの一元管理は可能か、各フローにおけるメール通知は可能か、データ連携や柔軟なカスタマイズができるかなどがあるでしょう。コストとの兼ね合いもあり、必要な機能が全部搭載できていない場合は、運用対応で代替できる手段はないかなど、細かく確認しましょう。 操作性 2つ目の選び方は操作性です。たとえば直感的な操作ができるか、管理者が簡単に設定できるかなどが挙げられます。実際に受発注システムを扱う社員が、操作性が簡単かを感じられることがポイントです。無料のトライアルや検証などで実際に業務を担当する担当者が使い続けられるシステムかを確認しましょう。また担当者が変わることも考えて、新人やその業務を知らない社員が担当することになっても問題ないかを見ていくことも大切です。 コスト 3つ目の選び方はコストです。システム導入にはコストがかかります。オンプレミスシステムの場合は自社がプラットフォームを用意する必要があるため、初期費用が高くなりますし、クラウドシステムの場合は毎月ランニングコストが発生します。さらに、運用やトラブル時を想定したシステム提供社側のサポート体制など、保守料金も発生するケースもあります。システム導入によって、どれくらいの効果が見込まれるかを試算し、料金と効果のバランスを見て、導入の必要があるか判断しましょう。 まとめ 本記事では、受発注管理について解説しました。受発注管理とは、受注と発注それぞれの業務を統合して管理していくことです。受発注業務にはいくつものステップがあるため、システムを導入して管理することをおすすめしますが、これまでの業務内容から大きく変わる可能性もあるため、メリット・デメリットを理解するだけでなく、現状の業務を見える化して新システムに移行する上での問題がないか、必ず確認しましょう。

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    製造管理とは?生産管理・品質管理との違いや必要性・システムを活用するメリットとともに解説

    製造作業工程は製造業においてコアな業務で、このクオリティが低いと生産活動全体に悪影響を与えます。ただ、類語である生産管理・品質管理との違いが、よくわからない方もいらっしゃるのかもしれません。また、近年では製造管理システムで製造管理を行うことが増えてきました。製造管理システムを活用するメリットも、併せて整理しておきたいところです。そこで本記事では、製造管理の意味とその必要性などを解説した後、製造管理システムのメリットについて解説していきます。製造管理とは製造作業工程を管理すること製造管理は、後述する生産管理の一部で、製造現場における作業工程を管理することを意味します。製品生産には、製造以外にも納期や品質も考慮しなければなりませんが、あくまでも製造管理では「製造」に着目するのです。製造管理・生産管理・品質管理の違いここからは、製造管理の類語について、以下2つを解説します。・生産管理・品質管理それでは、一つずつ見ていきましょう。生産管理類語の1つ目は、生産管理です。生産管理は、以下に示すQCDを最適化することで、生産計画に基づき製品生産を管理することです。・Quality=品質・Cost=原価・Delivery=納期生産管理では、「品質高く、コストを抑え、納期に間に合うよう生産」することが求められます。また、業務内容は幅広く、具体的には以下の業務を生産管理で行います。・生産計画立案・設計・資材調達・人員配置・設備配置・生産コントロール・品質管理・BOM、部品表作成・需要予測・在庫管理・購買なお、前述のとおり製造管理は生産管理の一部と言えます。生産管理は製造管理だけでなく、生産計画や納期管理など生産活動全体を、総合的に管理するものなのです。参考:生産管理とは?目的・効果・方法・手順を徹底解説!品質管理類語の2つ目は、品質管理です。品質管理は、コストや納期も満たしつつ、ユーザーが満足できる製品の品質を確保する役割の業務のことです。適切な品質を確保することで、不良品を減らしてコストや納期の確保にもよい影響を与えます。また、品質管理は製造段階で製品の品質を管理することなので、製造管理の一部と言えます。参考:品質管理・現場改善の基礎知識製造管理の仕事が必要とされる理由ここからは、製造管理の仕事が必要とされる理由について、以下3つ解説します。・製造現場は製造業のコア・製造工程の効率化・環境変化への対応それでは、一つずつ見ていきましょう。参考:国内製造業におけるDX導入とは?4つの課題と成功事例も紹介製造現場は製造業のコア理由の1つ目は、製造現場は製造業のコアであることです。製造業において、製造現場はコアとなる部分です。そのため、生産管理は製造現場全体を管理するのに対し、製造管理は製造ラインという製造業のコアに特化して管理することになります。そのため、生産管理と製造管理の片方ができる人物は、残りもできるとは限りません。特に、大企業では細分化が進んでいるので、生産管理と製造管理が別々の部署になり、部門間の専属性が強まります。その点でも、製造現場を熟知して製造管理を行うことが重要なのです。製造工程の効率化理由の2つ目は、製造工程の効率化です。製造業は、常に効率化や自動化を追い求めてきました。産業革命や内燃機関の開発はもちろん、近年ではICT技術の活用も見逃せません。これらの技術は、現状を上回る生産性向上をもたらしてきました。しかし、そもそもの製造管理が十分機能していないと、いくら優れた技術があっても、それが製造工程(生産工程)の効率化に結びつかないのです。参考:工程管理とは?目的・効果・方法・手順を徹底解説!環境変化への対応理由の3つ目は、環境変化への対応です。DXなどに伴う製造技術の発展に加えて、ニーズの多様化も無視できません。IT技術の普及で、各消費者のニーズが多様化した上に、それをより正確に把握できるようになりました。その分、製造現場では多様なニーズに応える重要性が増大し、製造プロセスが複雑化しているのです。また、少子高齢化と人口減少で、労働力確保も課題になってきました。海外からの労働者を受け入れる企業も、今や珍しくなくなってきました。これらの環境の変化にスムーズに対応し、確実に製造を行っていく体制を作ることも、製造管理のポイントなのです。製造管理にシステムを活用するメリット製造管理はエクセルなどでも可能ですが、 ERPなどのシステムを活用する方法がおすすめです。ここからは、製造管理にシステムを活用するメリットについて、以下3つ解説します。・人手不足への対応・大量のデータの活用・多品種生産への対応それでは、一つずつ見ていきましょう。参考:製造業がIoT導入で得られるメリット・導入の課題・事例をまとめて解説人手不足への対応メリットの1つ目は、人手不足への対応です。少子高齢化や人口減少に伴い、多くの産業で人手不足が課題になっています。製造業もその例外ではありません。経済産業省が公表した資料「令和3年度 ものづくり基盤技術の振興施策」では、2021年には「社会情勢の変化のうち、事業に影響があるもの」として、49.7%もの回答者が「人手不足」と回答していました。しかし、製造管理システムを用いれば、作業実績を自動収取・分析し、習熟度に関係なく一定以上の作業品質確保を後押ししてくれます。また、熟練技術者のスキルを数量化・可視化することで、優れた技を形式知化して従業員の技能向上にも活用できるだけでなく、作業時間短縮にもつながります。これらにより、人手不足に伴う悩みを解決してくれると期待されているのです。参考:令和3年度 ものづくり基盤技術の振興施策|経済産業省大量のデータの活用メリットの2つ目は、大量のデータの活用です。センサー技術や工作機械の発展により、製造現場ではこれまで以上に膨大なデータを得られるようになりました。しかし、情報の膨大化が進み、人間の手だけでは全てのデータを確認・収集して、実際に活用することが困難になってきました。そこで、製造管理システムを用いて、リアルタイムで大量のデータ処理を行い、製造プロセスを精度よく自動化することが求められているのです。また、データを一元管理できるので、必要なデータを他部署やサプライチェーンと連携して相互に提供できることも、システム化のメリットと言えます。多品種生産への対応メリットの3つ目は、多品種生産への対応です。顧客のニーズが多様化し、少品種大量生産よりも多品種少量生産が必要な場面が増えつつあります。また、会社によっては自社オリジナル商品ではなく受注生産を強みにしているところもあります。しかしそれには、製造現場で緻密なオペレーションが必要です。それを実現するためには、製造管理システムで製造管理システムを自動制御し、マスカスタマイゼーションで生産性と多品種への対応を同時に行うことが有効なのです。まとめ本記事では、製造管理の意味とその必要性などを解説した後、製造管理システムのメリットについて解説しました。製造管理は、製造作業工程に特化して管理するもので、生産管理の一部に位置付けられます。反対に、品質管理は製造管理の一部に当たります。製造作業工程は、製造業のコアと呼べる部分で、製造工程効率化や環境変化への対応の面でも重要です。また、近年は製造管理システムを用いることが増えてきました。人手不足やデータ活用、さらにはニーズの多様化の観点から、その重要性はますます増大するでしょう。

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    生産管理の課題を徹底解説!解決方法・システムの選び方も合わせて紹介

    生産管理の課題とその解決方法について調べている、企業ご担当者も多いかと思います。生産管理をスタートすると、さまざまな課題に直面することが想定されます。その際に、都度対策を打つよりも、事前に課題を把握して改善を図り、全体の最適化を目指すことが生産管理の成功への近道でしょう。そこで本記事では、生産管理の課題、解決方法、システムの選び方について、詳しく解説していきます。生産管理における課題生産管理における課題について、以下7点を説明します。・プロセス最適化・標準化活動・ヒューマンエラー防止・不良率改善・組織間連携・コスト削減・管理業務の属人化それでは、一つずつ見ていきましょう。プロセス最適化1つ目の課題は、プロセス最適化です。製造工程の業務内容として、原材料・部品の調達、製造ラインの作業などがありますが、全体として工程数が多く、プロセスの最適化を図ることが難しいとされています。たとえば、多種多様な製品を製造する際、工程が多いために、管理者が一つ一つの工程の進捗状況を把握することは困難でしょう。そうなると、どのようにプロセスを最適化すれば良いのか方法がわからなく最適化できない、という課題に直面してしまいます。生産管理では、製造工程の業務プロセスを最適化できずに生産性の低下につながってしまうこともあります。標準化活動2つ目の課題は、標準化活動です。製品を製造するための製造・生産ラインが複数ある場合、ライン毎に生産量が大きく異なることがあります。代表的な原因として作業員毎に作業の内容や進み具合など、対応品質が一定でないことが挙げられます。その結果納期にも影響したり、生産量や精度にもバラツキが生じることでしょう。作業管理者はバラツキの発生や業務にムダがあることを把握しているものの、生産ライン数や製造製品数が多いことや、多品種少量生産のケースもあると、各工程の問題点を詳細まで把握することは困難です。生産管理では、各工程で必要な作業の内容などを標準化できないことが、大きな課題として挙げられます。ヒューマンエラー防止3つ目の課題は、ヒューマンエラー防止です。たとえば生産業務の工程におけるチェック漏れや、ミスなどが挙げられます。誤発注の問題や、過剰在庫の発生にも繋がるでしょう。ヒューマンエラーを防止するためには、作業員を増やして抜け漏れがないかを二重チェックする対応もありますが、そもそも現場に作業員が足りないという問題もあり、大きな課題と言えます。不良率改善4つ目の課題は、不良率改善です。製造業の生産ラインで発生する、不良品発生率が改善しないことが課題として挙げられます。原因としては、前述した課題に含まれる人為的なミス、標準化ができていないことなどが挙げられるでしょう。不良率は、欠品が発生して生産計画で予定していた量に満たないケースもあり、出荷数にも影響するでしょう。顧客満足度にも関わってくるため、企業としてなんとしてでも発生率を下げたいものです。組織間連携5つ目の課題は、組織間連携です。たとえば、部署間・工場間での連携ができていないことが挙げられます。組織感連携ができていないと、製造プロセスのさまざまな問題発生にもつながるでしょう。製造工程の工程数、作業員数、工場数などが多いと、コミュニケーションの難易度も高くなるため、組織間連携の課題を感じやすいです。コスト削減6つ目の課題は、コスト削減です。生産計画において、業務適正な人員配置・原価管理・製造コスト管理が正確にできていないと、ムダなコストがかかってしまいます。製造業では、業務で日々発生するコストを削減したいものの、なかなかできないという課題を感じているところも多いです。管理業務の属人化7つ目の課題は、管理業務の属人化です。生産管理業務を担当している従業員が一人の場合、その従業員が不在の場合、管理業務ができないことがあります。数日程度であれば影響は少ないものの、異動・退職時には大きな問題となってしまうことでしょう。また、一人に生産管理を任せてしまうとその業務の内容を正確に評価することも難しいと言えます。企業にとって管理業務の属人化は大きな課題と言えます。生産管理の課題解決方法生産管理の課題解決方法について、以下5点を説明します。・シート管理による進捗状況の可視化・課題の明確化・改善点の洗い出し・ノウハウの共有・生産管理システムの導入それでは、一つずつ見ていきましょう。シート管理による進捗状況の可視化1つ目の解決方法は、シート管理による進捗状況の可視化です。工程管理シートを活用すれば、各工程の進捗状況がわかり、実際に関わっている作業員数の把握も容易に行えます。どの工程にどれくらいの費用、人的コストがかかっているのか、作業員数は適切かなどを把握することもできるでしょう。エクセルや専用ツールなどを使えば工程管理シートを効率的に作成することができます。課題の明確化2つ目の解決方法は、課題の明確化です。まずは、自社の生産管理目的が何かを知り、生産現場の現状を見て、課題が何かを明確にすることが大切です。生産現場を見れば、作業員それぞれが何かしらの課題を感じているでしょう。工程管理シートと現場を比較して、進捗が遅れているのはどの生産工程なのか、計画と実際の作業内容の違いは何か、改善しなければならない点はどこかなど課題が何かを明らかにしていきます。改善点の洗い出し3つ目の解決方法は、改善点の洗い出しです。工程管理シートの進捗状況と明確化した課題から、どの工程をどのように改善すべきかを洗い出していきます。改善案によってどれくらい効果がでるのかを検証し、優先順位をつけていくことも重要です。改善点を洗い出すことは、課題を確実に解決することに効果的といえるでしょう。ノウハウの共有4つ目の解決方法は、ノウハウの共有です。生産工程における改善点や生産活動で直面するさまざまな課題への対処法など、作業員や管理者が持つノウハウを、関係者に共有していきます。ノウハウを共有することで、作業担当者も都度調べる手間がなくなり業務効率もアップし生産性も向上するでしょう。また、他の部門に対しても容易にノウハウ提供ができ、部門間・組織間の連携強化も可能です。ノウハウ共有に特化したツールなどを使えば、引き継ぎも容易にでき、管理業務の属人化防止にも役立ちます。生産管理システムの導入5つ目の解決方法は、生産管理システム導入です。専用のITシステムを導入することで、生産管理の効率化を図ることができ、従業員の生産性も向上します。定型業務を自動化しているツールも多く、ヒューマンエラー防止、業務標準化、不良品の発生率削減など、生産管理で発生しがちな課題にも効果的です。生産管理システムには、生産工程に必要な機能が集約されています。生産管理の課題を解決するシステムの選び方生産管理の課題を解決するシステムの選び方について、以下3点を説明します。・導入方法・AIによる学習が可能か・他業務へも適用可能かそれでは、一つずつ見ていきましょう。導入方法1つ目の選び方は、導入方法です。システムを選定する際は、そのシステムをどのような手順で導入するのか、対応環境、コストなどを細かく確認する必要があります。自社に合った導入方法でないといざ導入しようとした際に、環境が合わずに導入できなくなる可能性があるからです。生産管理システムには、PCに直接入れるソフトウェア・物理サーバーの構築が必要なオンプレミスシステム・クラウド型のサービスなど、さまざまな種類があります。それぞれ、料金も支払い方法も異なるため、年間でどれくらいのコストがかかるか確認しましょう。AIによる学習が可能か2つ目の選び方は、AIによる学習が可能かどうかです。近年の生産管理システムでは、単純にデータを入力するような機能だけではなく、膨大なデータから学習して、オートメーションを実現できるものもあります。学習機能が搭載されていれば、各工程における効果的な改善点などを自動的に見つけてくれるため、人の手を介しての分析も不要となります。需要予測も自動化できるため、販売計画も立てやすくなるでしょう。システムを導入する際は、AIによる学習機能がある場合、より一層業務効率化が進む可能性があります。場合は、搭載しているかを確認することをおすすめします。その分、担当者は空いた時間を人材育成などの業務に割り当てられることでしょう。他業務へも適用可能か3つ目の選び方は、他業務へも適用可能かです。システムを導入する際は、他の基幹システムへの課題にも対処することができるか、生産管理業務以外のメリットがあるかを確認することもシステム導入を成功するためのポイントの一つです。そのため、どの業務でどのような課題があるかを特定してからシステムを選定することが重要といえます。ERPパッケージなどを担当している部門などにあらかじめ話を聞くこともおすすめです。まとめ本記事では、生産管理の課題と解決方法、システムの選び方について解説しました。企業が直面する生産管理の課題を解決するには、専用のシステムを選ぶことが効果的でしょう。導入前に、自社内のシステム方針やセキュリティなどに合った導入方法か、AIによる学習方法が搭載されているか、また、自社の他業務課題にも適用が可能かを確認してから、自社に適したシステムを選びましょう。業務管理ツールの2週間無料トライアル実施中!月額5500円(税込)〜使える業務管理ツールを導入してみませんか?アカウント登録し、ログインするだけで使えるので初期費用は0円です。2週間の無料トライアルをしたい方、もしくは詳しく情報を見たい、聞きたい方は下記をご確認ください!Mitsuri公式HP:https://supplier.mitsu-ri.net/5分で簡単に紹介している動画もご用意しておりますので、ぜひご覧ください!

  • 受注管理をエクセルではじめる方法・役立つ関数・メリット・デメリットを徹底解説!

    エクセル(Excel)は、注文情報の入力・納品・支払いまでを管理する受注管理としても使うことができます。これから受注管理をはじめたいと考えている担当者は、エクセルの活用方法や特徴、注意事項についてもしっかりと理解することで、運用後のリスクを減らすことができます。 そこで本記事では、受注管理をエクセルではじめる主な方法・役立つ関数・メリット・デメリットについて解説していきます。 受注管理をエクセルではじめる主な方法 まずは、受注管理をエクセルではじめる主な方法について、以下5点を解説します。 ・必要な項目を定める ・関数の活用 ・ピボットテーブルの活用 ・グラフ機能の活用 ・運用ルールの策定 それでは、1つずつ見ていきましょう。 必要な項目を定める 1つ目の方法は、必要な項目を定めることです。 エクセルで受注管理を開始する際、まずは必要な項目を決めていく必要があります。一般的によく使う項目として、以下の項目があるでしょう。 ・会社名/部署名/担当者名/電話番号/メールアドレス ・製品の分類/商品名/商品コード/バーコード情報/受注数量/単価/合計金額 ・発注・注文日/納期予定日/納品完了日/現在のステータス 受注管理に必要な情報を抜け漏れなく定めていきましょう。 関数の活用 2つ目の方法は、関数の活用です。 エクセル関数を使えば、受注管理に適したシートを作成することができます。たとえば、セルに単価と数量を入力するだけで合計値を出してくれる、条件に合った値を返してくれるなど、関数では受注管理に必要な計算を簡単にできます。値を入れて計算・管理する受注管理には、エクセル関数が必須といえるでしょう。 ピボットテーブルの活用 3つ目の方法は、ピボットテーブルの活用です。 ピボットテーブルとは、エクセルのデータ範囲から数値の合計・平均を算出する機能です。現在の進捗度合いの確認・期日の確認なども容易にできるため、受注管理にも役立つでしょう。受注状況・ステータスを見て、現在の進捗を確認することが可能です。 グラフ機能の活用 4つ目の方法は、グラフ機能の活用です。 セルに入力されているデータを棒などのグラフ形式に表示することができます。セル・表に入力した数値を視覚的にわかりやすく表現できるため、受注管理で使用すれば、年単位での合計値の比較なども簡単でしょう。 運用ルールの策定 5つ目の方法は、運用ルールの策定です。 受注管理シートを作成して、稼働したら終わりではありません。データ入力・更新作業はもちろん、運用途中で組織のルールや発注相手の情報が変わる可能性もあります。その際、誰がどのようなタイミングでデータを更新するべきかを運用ルールで定めておけば、スムーズに運用しやすいでしょう 受注管理に役立つエクセル関数 受注管理に役立つ主なエクセル関数を、以下6点紹介します。 ・IF ・SUMIF ・VLOOKUP ・INDIRECT ・ROUND ・IFERROR それでは、1つずつ見ていきましょう。 IF 1つ目は、IF関数です。 IF関数は、任意の値と期待値とを論理的に比較して、結果を返します。比較してヒットしたもののみを表示すること、マルやバツで返すことも可能です。受注管理で使えば、入力した商品を特定の条件と比較することもできるでしょう。 SUMIF 2つ目は、SUMIF関数です。 SUMIF関数は、指定した検索条件にヒットする、セルの数値の合計を算出します。受注管理では、特定の商品の合計値確認・売れ行きなどの確認に使うことができます。 VLOOKUP 3つ目は、VLOOKUP関数です。 VLOOKUP関数は、列を見て条件に一致するデータを抽出できます。エクセルの縦列のセルを検索して、指定したデータに一致する数値の取り出しが可能です。受注管理では、一致する値段の商品を取り出したいとき・指定した名称の商品を取り出したい時など、指定した値の合計数を出したい時に利用すると便利です。 INDIRECT 4つ目は、INDIRECT関数です。 INDIRECT関数は、文字列で指定したセル番地の値を表示することができます。エクセルは、ファイル内の同一シートだけでなく他のシートから値を持ってくることも可能なため、複数のシートで同じ商品・金額を使っている際、更新する手間がかかります。INDIRECT関数を使えば、一箇所を更新するだけで他のシートも全て更新することができるため、非常に便利です。 ROUND 5つ目は、ROUND関数です。 ROUND関数は、数値を指定した桁数への切り上げ・切り下げができます。主に金額の端数を区切ることに使われます。受注管理では、全ての商品の価格を一時的に改定するときなどに活用できるでしょう。 IFERROR 6つ目は、IFERROR関数です。 IFERROR関数は、数式がエラーとして評価される場合、指定した値を返します。本来入力されるべきではないエラー値を特定することができます。受注管理で使えば、入力ミスなどを防ぐこともできるでしょう。 受注管理をエクセルで実装するメリット 受注管理をエクセルで実装するメリットを、以下4点説明します。 ・コスト削減 ・導入のハードルが低い ・自由度の高さ ・他システムとの連携が容易 それでは、1つずつ見ていきましょう。 コスト削減 1つ目のメリットは、コスト削減です。 エクセルを導入する費用は、Microsoftのライセンス購入のみです。多くの企業で既に導入されているため、専用の受注管理システムなどと比較してもほとんどコストがかからないでしょう。エクセルの機能や関数もインターネット上に公開されており、自社で設定できるため、ベンダーに依頼する必要もありません。 導入のハードルが低い 2つ目のメリットは、導入のハードルが低いことです。 エクセルは、多くの従業員が一度は使ったことがあるツールであり、基本操作も簡単です。そのため、作成した受注管理シートのデータの入力・更新を容易に行うことができるでしょう。受注管理システムの導入にハードルを感じている方は、まずはエクセルで受注管理をはじめるというのも有効な手段です。 自由度の高さ 3つ目のメリットは、自由度の高さです。 エクセルでは、関数やマクロを使って担当者が好きなようにカスタマイズすることができます。受注管理シートを作成して、運用開始後に表の内容を少し変更したり、参照範囲を変えたり、といったこともすぐに対応できるでしょう。 他システムとの連携が容易 4つ目のメリットは、他システムとの連携が容易なことです。エクセルでは、入力したデータを各システムに合った型式に加工して、csvファイルなどに出力することができます。また逆に、エクセルで取り込むことができる形式で出力可能なシステムも多くあります。エクセルは、在庫管理・顧客管理・配送管理・その他基幹システムなど、外部のシステムとも連携しやすいツールです。各種システムと連携できれば、受注管理のための業務効率もアップすることでしょう。 受注管理をエクセルで行うデメリット 受注管理をエクセルで行うデメリットについて、以下6点を説明します。 ・入力ミスが発生しやすい ・ローカル管理になりがち ・データ量に伴う処理速度低下 ・エクセルのバージョンに依存することも ・手間がかかる ・知識が必要 それでは、1つずつ見ていきましょう。 入力ミスが発生しやすい 1つ目のデメリットは、入力ミスが発生しやすいことです。 エクセルは担当者が簡単に入力できるメリットがある一方で、文言や金額・数量を間違えて入力してしまう可能性も考えられます。入力ミスを防ぐためには入力規則を設定しておくなどの対応が必要です。 ローカル管理になりがち 2つ目のデメリットは、ローカル管理になりがち、ということです。 エクセルは主にパソコンのローカル環境で作成するため、複数人の同時編集や更新作業が難しい傾向にあります。エクセルをオンラインストレージなどにアップロードして共有することも可能ですが、オンライン上で膨大なデータを更新すると、処理が遅くなる傾向にあります。そのため、受注管理シートを管理する担当者がローカルでファイルを管理しがちになってしまいがちです。ローカル管理になると、常に最新版をアップロード・ダウンロードして共有・更新することに手間がかかってしまうため、さまざまな問題の発生につながる可能性があります。 データ量に伴う処理速度低下 3つ目のデメリットは、データ量に伴う処理速度低下です。 エクセルで扱うデータ量が多くなると、データ蓄積量も増え処理速度の低下につながります。そのため受注管理をするデータが増えると、エクセルファイルを操作するだけでも時間がかかってしまうかもしれません。処理速度低下を防ぐためには、一定期間で管理するファイルを分ける、過去のデータを定期的に消すなどの運用が必要です。 エクセルのバージョンに依存することも 4つ目のデメリットは、エクセルのバージョンに依存する場合があることです。 エクセルでは、バージョンが違うと対応しているマクロが一部違うことがあります。互換性の問題によって、たとえば古いバージョンで開いたらプログラムが動かない、表示が一部おかしいなどといったことが発生するかもしれません。 手間がかかる 5つ目のデメリットは、手間がかかることです。 エクセルで受注管理をする際、社内システムとの相性などによっては手間がかかる可能性があります。たとえば、社内システムとエクセルの両方でデータを管理したい場合、データ連携がスムーズにできなかったり、それぞれ入力が必要になったりするなどの手間が発生する可能性があります。 知識が必要 6つ目のデメリットは、知識が必要だということです。 エクセルで受注管理シートを作成する際、管理の規模が大きくなってくると、様々な関数やグラフ、場合によってはマクロ・VBAの知識が必要になる場合もあるでしょう。エクセルは導入のハードルは低いものの、エクセルの機能を使ってある程度の規模の受注データを管理・運用するためにはエクセルの機能に詳しくなる必要があります。 まとめ 本記事では、受注管理をエクセルで行う方法・役立つ関数・メリット・デメリットについて解説しました。エクセルを使えば受注管理を簡単に始められるものの、場合によって利用する関数や機能について詳しく勉強することが大切です。エクセルならではのメリットもありますが、ご紹介したデメリットにも注意しましょう。 業務管理ツールの2週間無料トライアル実施中! 月額5500円(税込)〜使える業務管理ツールを導入してみませんか? アカウント登録し、ログインするだけで使えるので初期費用は0円です。 2週間の無料トライアルをしたい方、もしくは詳しく情報を見たい、聞きたい方は下記をご確認ください! Mitsuri公式HP:https://supplier.mitsu-ri.net/ 5分で簡単に紹介している動画もご用意しておりますので、ぜひご覧ください!

  • 【製造業のサプライチェーンマネージメントとは?】SCMの仕組み、メリット・デメリット、ERPとの違い

    サプライチェーンとは、製品が原料の段階から完成品となって消費者に渡るまでの連鎖的に繋がる供給プロセスの流れのことです。サプライチェーンマネージメントは、このサプライチェーンに伴う原料や製品、金、情報などの流れを企業間の壁を超えて統合的に管理することで、サプライチェーンを効率化する手法です。 サプライチェーンマネージメントは、特に大企業にて多く導入されており、生産・流通の速度向上やコスト削減などに活用されてきました。しかし、コロナ禍における世界各地の工場の停止によって、その大企業のサプライチェーンが寸断される事態が起きており、サプライチェーンを強靭化するためにサプライチェーンマネージメントの見直しが始まっています。 この記事では、現在注目を集めるサプライチェーンマネージメントについて解説するとともに、そのメリット・デメリットやERP(企業資源計画)との違いについてもご紹介していきます。 サプライチェーンとは? サプライチェーンとは、製品の原材料・部品の「調達」から、「生産」、「流通」、「販売」、「消費」までの全体の流れのことです。その全体の流れの中には様々なリソースの流れが存在しますが、特に重要なリソースの流れは、生産側から消費側への「物」の流れと消費側から生産側への「金・情報」の流れです(上図参照)。 そして、各プロセス間の物・金・情報の流れは、以下のような企業の間や企業と消費者の間の受発注や入出荷といった取引から生み出されます。 ●サプライヤー…原材料を輸入して供給する商社や鉄鋼や樹脂などを生産して供給する材料の製造業者・卸売業者のことです。完成品メーカーにとっては、部品を供給する部品メーカーもサプライヤーに該当します。 ●メーカー…サプライヤーから原材料・部品を調達して製品を製造する業者のことです。製品は、在庫として保管・管理され、出荷されて、物流業者によって卸売業者や小売業者へ配送されます。 ●物流業者…メーカーによって生産された製品を卸売業者や小売業者へ配送する業者のことです。製品の保管や包装なども担うことがあります。 ●卸売業者…メーカーから製品を仕入れ、小売業者に卸す業者のことです。製品の保管や配送、本来小売業者が行う販売管理なども担うことがあります。 ●小売業者…メーカーや卸売業者から製品を仕入れ、消費者に販売する業者のことです。販売情報や顧客情報などを元にした販売管理も行います。 小売業者で収集された情報は、仕入れ量の増減という形で卸売業者やメーカーに流れていきます。その情報を元に、メーカーは、原材料・部品を調達して生産を行うとともに、在庫管理を行います。サプライヤーも同じように、メーカーからの受注を元に、原材料の輸入や部品の生産、在庫管理などを行います。 参考:製造業の生産管理を徹底解説 サプライチェーンマネージメントとは?SCMの仕組み サプライチェーンマネージメント(Supply Chain Management: SCM)とは、利益の最大化と売上高の増大を目的に、複数の企業が関わり合うサプライチェーンを統合的に管理して、最適化する経営管理手法のことです。調達から、生産、流通、販売までのサプライチェーンに関係する企業全体で情報を共有し、受発注や入出荷などの業務、生産や在庫などの管理に活用して、在庫の最適化や受発注業務の迅速化、キャッシュフローの向上、リードタイムの短縮、コスト削減などを実現します。 具体的には、以下の手順でSCMを導入します。 1. SCMの適用範囲を決定 2. 参加企業の選定 3. SCMのリーダー企業を選出 4. SCMのシステム構築 5. 情報共有とリスク共有 しかし、SCMを実行するとしても、現実問題として他企業までSCMの範囲に含めることは難しいでしょう。そこで、まずは、自社内とその取引先など、狭い範囲でのSCMの適用を考えます。 メーカーであれば、まず自社内の調達・生産・出荷に関する情報を収集して分析し、需要予測を作成して、原材料・部品、仕掛品および完成品といった全ての在庫の最適化を図ります。このとき、需要予測の精度向上のため、可能な限り取引先やエンドユーザーの情報を収集します。さらに、取引先のSCMの取組状況についても調査し、自社で展開するSCMと連結可能かどうか、連結するかどうかも検討します。 また、SCMは、業務間や部門間、企業間の情報共有が重要となるため、情報通信技術(ICT)と相性が良く、ICTを上手く活用することで高い効果を得ることが可能です。例えば、構築したSCMシステムにて、在庫量の履歴を保有し、その増減などを分析できるようにしておけば、需要予測の精度向上に役立ちます。 さらに、モノのインターネット(IoT)を利用すれば、リアルタイムなSCMの運用が可能です。例えば、メーカーにて、RFIDタグとセンシングデバイスを活用すれば、在庫を非接触かつ自動的に管理できるようになります。それにより、在庫状況の見える化や入出荷検品の効率化、作業負担の軽減などの実現が可能です。 参考:国内製造業におけるDX導入とは?4つの課題と成功事例も紹介 参考:製造業の生産性を見える化で改善するための重要視点 サプライチェーンマネージメント(SCM)のメリットと効果 SCMの最終的な目的は利益の最大化と売上高の増大ですが、その手段として実現するのが在庫管理の最適化とリードタイムの削減です。ここでは、在庫管理の最適化とリードタイムの削減について説明します。 在庫管理の最適化 SCMの実行によって在庫管理を最適化することで、在庫不足による機会損失や過剰在庫による収益悪化を防ぐことが可能です。 そもそも、在庫の最適化とは、原材料・部品、仕掛品および完成品などの在庫量を必要最小限にするということです。しかし、SCMでは、在庫を最適化するだけではなく、新製品の立ち上げや市場の変化などがあっても、常に在庫を最適量に維持できる在庫管理システムの構築を目指します。 必要な物を、必要な時に、必要な量だけ供給することで在庫を削減する「ジャストインタイム生産システム」は、SCMによる在庫管理手法の一つの到達点と言えるでしょう。 在庫管理の重要性は、在庫不足の場合や過剰在庫の場合を考えると分かります。在庫不足の場合は、欠品が生じますが、それは売上高の減少に繋がります。一方、過剰在庫の場合は、在庫の保管・管理費用の増大を招くとともに、在庫を廃棄せざるを得ない状況に陥ることもあります。それは利益が減少することを意味し、さらに過剰在庫が恒常化すると資金繰り(キャッシュフロー)が悪化します。 参考:ジャストインタイム3原則とは?デメリットやかんばん方式との違いを解説 リードタイムの削減 SCMの導入は、リードタイムの短縮に繋がります。なお、リードタイムとは、製造業では、受注から、生産、出荷までの所要時間のことです。 SCMでは、原材料・部品、仕掛品および完成品といった在庫の最適化を図ります。それは、必要な時に必要な量の原材料・部品を用意することであるため、リードタイムの大部分を占める待ち時間の削減に繋がります。 また、SCMにおいて、在庫の最適化をさらに進めるためには、リードタイムの短縮が必要です。それは、リードタイムが短いほど、受注から出荷までの時間が短くなるため、仕掛品や完成品の在庫削減に繋がるからです。つまり、在庫の最適化が進むほど、リードタイムは短縮し、リードタイムが短縮するほど、在庫の最適化も進むことを意味します。 そして、リードタイムの短縮は、工数削減に直結するため、利益が増加します。加えて、短納期生産が可能になるという効果もあるため、競争力の向上も期待できます。 参考:製造業の生産リードタイム基礎知識 コスト削減・売り上げの最大化 SCMにとって、在庫管理の最適化とリードタイムの削減は、SCMの目的を実現するための重要な手段です。上述したように、これらを実現することで、コスト削減が進んで利益が増加し、売り上げの増大も見込めます。手元資金も増加するため、経営の自由度が増すとともに、経営が安定します。 サプライチェーンマネージメント(SCM)のデメリットと課題 一方、SCMの導入には、多大な投資と労力、人員が必要です。 SCMを自社内という狭い範囲に適用するだけでも、受発注・入出荷・在庫などの情報収集や情報を一元化するシステムの構築、システム運用のための人員確保などが必要となります。 SCMの導入にあたっては、情報を分析して現状の在庫量を見える化し、需要予測を作成して、目標の在庫量を設定する必要がありますが、正確な需要予測を立てることは非常に困難です。また、理想的な在庫管理を実現するためには、在庫の発生要因を分析して、目標の在庫量で事業運営ができるように対策を立てる必要があります。 実現可能である場合でも、費用対効果を考慮する必要があり、費用対効果が見合わなければ、導入費用の削減や導入の保留、導入の中止も検討しなくてはなりません。 SCMの適用範囲を社外にまで拡大する場合には、さらに多くの課題があります。まず、企業間の円滑な情報の遣り取りには、参加企業全てにサプライチェーンのシステム構築が必要です。しかし、その投資を取引先に求めることになるため、グループ企業などの結び付きが強い企業同士でないと一貫したSCMの導入は難しいでしょう。 サプライチェーンマネージメント(SCM)とERPの違い SCMと混同しやすい経営管理手法に企業資源計画(Enterprise Resources Planning: ERP)があります。 ERPとは、企業の事業運営にて基本的な資材・設備・資金・人材・情報といった経営資源を統合的に管理して、最適に分配する経営管理手法のことです。経営資源を一元管理することで、どの部門にどの程度の資源が分配されているかを見える化し、経営戦略立案の参考にするとともに、策定された経営戦略に従って資源を分配します。 このERPの実現に用いられるのが、いわゆる「統合基幹業務システム」と呼ばれるソフトウェアパッケージです。統合基幹業務システムは、在庫管理システムや会計システム、生産管理システムなどのように業務毎に独立していたシステムとは異なり、全業務のデータを統合データベースで一元的に管理することが可能です(上図参照)。 以上がERPですが、具体的には、SCMと以下の点が違います。 ・SCMはサプライチェーンに関連する物・金・情報が主な管理対象であるのに対し、ERPは経営資源の全てを管理対象とします。 ・SCMはサプライチェーンを最適化の対象としますが、ERPは間接部門の業務なども含む全ての業務を最適化の対象とします。 ・SCMの適用範囲はサプライチェーンに関連する企業というように企業内に限定されていませんが、ERPの適用範囲は自社内に限ります。

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    ジャストインタイム3原則とは?デメリットやかんばん方式との違いを解説

    ジャストインタイムは、「必要なものを、必要なときに、必要な量だけ」生産するという考えの生産管理システムです。 もともと製造業で採用されていた方式ですが、作業効率や生産効率の向上が期待できることから、現在ではさまざまな業種で採用されています。 しかしジャストインタイムはメリットだけでなく、デメリットもある点には注意が必要です。 この記事では、ジャストインタイムに関する基礎知識やかんばん方式との違い、メリット・デメリットについて解説します。 ジャストインタイムとは? 「ジャストインタイム」とは、日本の自動車メーカーであるトヨタ自動車株式会社が採用している生産管理システムの一種で、別名「リーン生産方式」とも呼ばれています。 ジャストインタイムでは、生産現場の各工程にて「必要なものを、必要なときに、必要な量だけ」供給を行い、効率的な生産を実現します。 ジャストインタイムは完全受注生産とは違い、後工程において必要なときに必要な量だけ前工程から部品や製品を引き取り、その分だけ生産を行う「後工程引取方式」を採用しています。 後工程引取方式は、後工程から指示があった分だけを生産するので、在庫のムダを軽減することが可能です。 かんばん方式について 「かんばん方式」もジャストインタイムと同じく、トヨタ自動車株式会社の生産管理システムの一部であり、別名「スーパーマーケット方式」とも呼ばれています。 そもそも「かんばん」とは、製品名や品番などの情報が書かれた帳票のことを指します。 かんばん方式はスーパーマーケットと同じ方式を採用しており、かんばんから得た製品の情報をもとに、不足した部品などの補充を必要な分だけ行い、作業の効率化を図っています。 ジャストインタイムの3原則とは? ジャストインタイムを正しく取り入れるためには、以下に示す3つの原則を成立させる必要があります。 1.後工程引取方式 2.工程の流れ化 3.タクト調整 ここでは、ジャストインタイムの3原則とは、いったいどのようなものなのかを見てみましょう。 後工程引取方式 「後工程引取方式」とは、後工程にて「必要なモノを、必要なときに、必要なだけ」前工程から引き取る方式のことです。 前工程では、後工程で引き取られた分だけを生産し、補充を行います。この方式にて、かんばん方式が採用されています。 在庫を最小限に抑えたいのであれば、顧客からの完全受注生産を採用するのが一番です。しかし完全受注生産のデメリットは、顧客から受注を受けてから生産するため、納期が延びてしまう点にあります。そのため、顧客の満足度にも悪影響を及ぼします。 一方で後工程引取方式は、ある程度の見込み生産が発生するものの、後工程で使ったモノだけを前工程が生産します。これにより、工程間で発生する在庫を少なくすることが可能です。 工程の流れ化 「工程の流れ化」とは、部品などを前工程から後工程に送る際に、後戻りと停滞がないようにスムーズな流れを作ることを指します。 工程の流れが何かの要因によりうまく機能していないと、【ムダ・ムリ・ムラ】が発生してしまい、生産効率が低下してしまいます。上記の要因を正確に分析するには、生産ラインの見える化を行う必要もあります。 参考:製造業の3ム3M(ダラリ)をなくして現場改善 参考:製造業の生産性を見える化で改善するための重要視点 タクト調整 「タクト調整」とは、最適なタクトタイム(製品を作るのに必要な時間)を調整することです。 タクトタイムは、短いほど製品の必要数よりも余分に生産をしてしまい、時間と在庫のムダが発生します。逆にタクトタイムが長いと、製品の必要数に届かなくなり欠品するリスクをもたらします。 上記のムダや欠品のリスクをなるべく避けるためには、後工程や市場などからの受注に対して、最適なタクトタイムを調整する必要があります。 ジャストインタイムのメリット ジャストインタイムのメリットは、在庫を少なくできることでコストが軽減できること、生産リードタイム短縮による販売機会の損失を防止できることにあります。それぞれの詳細については下記の通りです。 在庫を少なくすることによるコストの軽減 在庫を抱えていると、その製品の運搬やメンテナンスを必要としたり、管理するのにコストがかかったりしてしまうものです。また、その在庫が受注に結びつかなかった場合、利益を生まないだけでなく、廃棄するコストが発生します。 しかしジャストインタイムを導入すれば、余分な在庫を作らないので、その分のコストを削減できます。ここでの「在庫」は、材料・部品・仕掛品・完成品なども含みます。 製造業では、先の受注を見込んだ生産を行うこともあるでしょう。しかし見込み生産は、万が一受注量に変化があった場合に在庫を抱えてしまうリスクを伴います。 ジャストインタイムでは、かんばん方式を使った方法でモノが流れるので、正確な製品情報をもとに生産が行えて、ムダな在庫を抱えることが少なくなります。 生産リードタイム短縮による販売機会損失の防止 ジャストインタイムは、必要最小限の作業で生産を行うもののため、生産リードタイムの短縮が期待できます。 生産リードタイムが短縮できることでスムーズに製品を提供でき、販売機会の損失を防止できるほか、顧客満足度の向上も期待できます。 参考:製造業の生産リードタイム基礎知識 ジャストインタイムのデメリット ジャストインタイムはメリットだけでなく、導入コストや品質管理コストの増加、在庫切れのリスクを伴う場合もあります。ジャストインタイムの導入を検討している方は、デメリットも把握しておく必要があります。 導入するのにコストがかかる ジャストインタイムを実行するには、かんばん方式を構築する必要があるほか、ムダ・ムラ・ムリをなくすために5S活動を取り入れたりと、仕組みを確立するのに手間やコストがかかります。 大企業の現場では、ジャストインタイムを実行するための基盤がある程度構築されている、または構築しやすい環境である傾向にありますが、中小企業の現場ではゼロからのスタートである場合が多く、コストが大きくかかってしまうケースもあります。 参考:製造業の5S活動とは?目的・目標・事例を学んで現場改善 品質管理のコスト増加 ジャストインタイムでは、各工程の流れをムダなくスムーズに行うものであるため、不良を増やしてしまわないように品質管理の面においても注力する必要があります。 もし仮に規格や仕様の満たさない製品が多く出てくると、必要な原材料や部品が足りなくなり、生産に遅れが出てくることもあるでしょう。また、不良品は修理やクレームの対応、廃棄などによるコストの増加も出てきます。 このような事態を避けるためにも、品質管理はジャストインタイム導入前よりもしっかりと行わなければなりません。 在庫切れのリスク ジャストインタイムは必要なモノを必要な分だけ生産する方式なので、突然受注量が増えた際の対応が難しくなる傾向にあります。 余分な在庫を抱えないようにすることで、部品や原材料の仕入れ先などにトラブルがあった場合、生産がストップしてしまうこともあるでしょう。

  • 受注生産とは?【3分でわかる】製造業の専門家がメリット・デメリットをわかりやすく解説してみた!

    受注生産という言葉を一度は聞いた事もある方も多いと思いますが、その言葉の意味となるとなんとなくは理解していても、詳しく説明するとなると難しいのではないでしょうか。 今回はそんな受注生産の仕組みや種類など、メリット・デメリットをご紹介していきます。 受注生産とは 受注生産は大量生産と違い在庫を持たずに顧客の希望に応じて、受注された数だけを取引先から指定された設計図面やデータを用いて個別に生産する製品の生産形態です。 日用品、建築、造船など大小さまざまな製品で行われ、購入者の為だけに生産される一般的なオーダーメイドとよく似ており、特に造船ではほとんどが受注生産が用いられています。 市場の需要を予想し生産される凡用品などは見込生産される事が多いのに対し、受注生産では在庫を持たずにその都度生産されます。さまざまな製品に採用されている受注生産ですが基本的に1つだけの個別生産が主で、多くても数個までという小ロットの生産方式です。 個別受注生産 個別受注生産は機械設備メーカーが代表的で、注文ごとに仕様が異なり個別に受注を受けてから開発、設計しながら製造する生産形態です。 量産される前の生産準備として、量産する為の生産設備や試作品を作るメーカーなどが該当します。 エンジンや産業機械など顧客により製品仕様が異なるので、加工内容、工程手順、機器、設備、生産期間、これら全てが一つ一つの製品により異り、個別なために生産管理システムがうまくいかないことが多くなります。 多品種少量生産形態や試作品などを製造する場面では、生産途中での仕様の変更などもあり納品短縮とコスト削減を要求されることも発生します。 繰返受注生産 繰返受注生産は大多数の製造業が採用している生産形態で、基本的には同じ製品仕様に基づき繰返製造する生産形態です。 一般的に最初の生産開始時に製品仕様の図面を提供もしくは設計し、それを元に製品を作り半年や1年という期間で生産される製品などの場合、顧客からの規格変更や仕様変更もありますが、基本的には同じ物を繰返し生産し、2回目以降はその図面を用いて製造を繰返します。 ロングセラー商品がいい例です。製品のサイクルが長いので仕様が変わることなく、多く製造されるという事は、仕様や図面や機器などの変更もなくコストも抑えら生産計画通り進めることができます。 見込み生産とは 見込み生産は受注生産の反対の意味で、あらかじめ需要予測し販売計画を立てそれを基いて生産する生産形態です。 凡用品などの大量生産品で多く、メリットとして生産計画通りに製品を生産でき、納品もすぐに行える一方で、部品や原材料は販売計画に基き調達し製品化され在庫を抱える事になります。 販売計画の過剰、過小が在庫に大きく影響し売れ残りの発生や売れる機会を失うというデメリットがあり、この在庫の過多や不足というのは多くの企業で発生している問題です。 住宅分野では建売で売られている家が例に挙げられます。例えば大規模な都市開発でいうと、更地に家を建てる際にその都市付近にはどういった世帯の人々が多いのか、収入がどれくらいあるのか、各分野をリサーチした上で家の大きさなどの販売計画を作り完成した家を販売するケースです。 受注生産のメリット 次に受注生産について売る側、買う側双方から見たメリットをそれぞれ解説していきます。 売る側のメリット お客様から受注を受けてから生産されるので、製品の在庫を持たなくても済むだけではなく、製品に使用される部品や原材料などまでも在庫も持たなくて済むことで無駄な費用が発生しません。 在庫を持たないので、需要変動が起こっても影響を受けずに済み、製品の売れ残り、売り切れというリスクも発生しません。 製品依頼を受けてから生産され、生産過程でも変更が加えられるため、最終的に唯一無二の製品を作る事ができ、お客様のニーズに対応することで顧客満足、信頼に繋がります。 受注を受ける会社は自社の強みを活かせ、生産事例などをアピールする事で受注を増やす機会を得ることができます。 買う側のメリット 製品依頼する時に既存の商品とは異なり、一から生産されることで購入者側の意見や予算をある程度反映することができます。 必要であれば製造の途中に経過報告も受けられることや、製品仕様の変更も可能であり、思い通りの製品を手にできます。 オーダーメイドスーツなどでは、自分の身体に合わせる事だけではなく、色、生地の選択、ボタンの形や配置なども自分好みにオーダーでき、生産途中で変更もできる点がメリットと言えます。 受注生産のデメリット メリットに対して売る側、買う側双方から見たデメリットをそれぞれ解説していきます。 売る側のデメリット 受注から納期まで時間がかかり、購入者に商品をすぐに納品することができず、それを改善するために納期を短縮する必要があるため、生産性をあげるための設計業務支援や生産の自動化が必要になります。 製造途中で購入者の要望や変更なども容易に想像され、そういった場合に生産計画通りに進まなくなります。 また、生産途中での仕様の変更が要求され、部品の変更があればコストが上がってしまったり、納期が遅れる場面もあります。 特殊な製品を受注生産を行う製造業者は、受注時点で正確な原価予想が難しく、製造途中で生産計画、仕様の変更も余儀なくされコストが上がることもあります。 受注してから部品などの仕入れを経て販売するまでのタイムラグにより、資金繰りに苦しめられる事例もあります。 買う側のデメリット オーダー後に生産するために受注から納期まで時間がかかり、既存の製品より高額になる可能性が高くなります。 既存の製品は作る側の生産計画に基づき作られるので、コスト面も計画に組み込んで大量生産されているのに対し、受注生産では購入者側の要望通り一つ一つ作り、部品なども一から調達する必要があるために、コストが上がってしまうケースが多くなります。 既存製品はあらかじめ製品を確認した上で購入できるのに対して、受注生産は現物を見て購入できないので思いどうりの製品にならない場合もあります。 まとめ 今回は受注生産をわかりやすく解説してきましたがいかがだったでしょうか。 生産と言えども、様々な生産形態があり生産方法があります。各生産形態にはメリット・デメリットがあり、製品に合わせて正しく選択する必要があることがご理解いただけたと思います。