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絞り加工

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    ステンレス板の曲げ加工について加工事例と共に徹底解説!

    ステンレスは、加工を施すことで、家庭用品や機械製品といった色々な製品に仕上がります。ステンレスの加工には、切断・曲げ・溶接・切削など様々な加工方法が存在しますが、中でも曲げ加工は、ステンレス加工の中でも高い技術が要求されます。今回は、そんなステンレスの曲げ加工についてご紹介します。ステンレスに興味がある方や、曲げ加工を金属加工メーカーに依頼しようと考えている方はぜひご一読くだざい。価格が安くなる図面の板金図面の書き方についてはこちら!板金加工における価格が安くなる図面の書き方を解説しています!40%ほどの低減につながる可能性がございますのでぜひご覧ください!6分ほどで視聴可能です!YouTubeにて、金属加工Mitsuriチャンネル運営中!こちらからご覧ください!ステンレスってどんな材料?ステンレスとは、正式にはステンレス鋼といい、ステンレススチールとも呼ばれます。ステンレスの本来の意味は、「錆びない」という意味です。その名の通り、ステンレスは非常に耐食性が高く、さびにくい特性を持っています。その理由は、表面上に、不動態被膜という微細な被膜が形成されているからです。不動態とは、金属の表面に酸化被膜が形成され、腐食に対する抵抗力が向上する状態のことです。酸化皮膜は、酸や溶液に漬けてもなくならないため、内部の金属を保護することができます。不動態被膜は化学的に安定しているため、ステンレスの表面が傷つき剥がれても、すぐに再生する特性があります。また、ステンレスは合金鋼といわれており、クロムやニッケルを含む金属で、様々な種類が存在します。ステンレスの種類は主に、①マルテンサイト系②フェライト系③オーステナイト系に区別されます。ステンレスの種類①マルテンサイト系②フェライト系③オーステナイト系①マルテンサイト系マルテンサイト系のステンレスは、マルテンサイトの組成をもつステンレスです。マルテンサイトとは、鉄鋼材料の組織の中で最も硬度が高く、脆い性質を持っている組織です。焼き入れという熱処理を施すことによってステンレスの中でも最硬度を持つことができます。マルテンサイト系のステンレスは、刃物やブレード系の部品に加工されることが多いステンレスです。②フェライト系フェライト系のステンレスは、フェライトの組成をもつステンレスです。フェライト系には様々な鋼種があり、チタンや銅等の合金元素が添加されます。フェライト系は、熱膨張が少なく、加熱後の冷却でも表面スケールが剥がれにくい特徴があります。また、磁性があり、磁性の必要な部品などにも使用されます。マルテンサイト系ステンレスとは異なり、焼き入れなどの熱処理をしても硬化はしません。③オーステナイト系オーステナイト系のステンレスは、常温でオーステナイトの組成をもつステンレスです。特徴は、他のステンレスよりも耐食性が高いことです。また、温度差が激しい環境でも他のステンレス鋼よりも強度低下が少ない性質を持ってます。そのため、低温環境や高温環境で使用する機器などの部品に使用されます。しかし、焼き入れ等の熱処理による硬度強化はできないため、マルテンサイト系より強度は落ちます。このように、ステンレスには、様々な種類があります。どのステンレスも特徴が違うため、曲げ加工を依頼する際は、仕上がる製品の用途を考えて選ぶことが大切です。また、素材によっては難加工のステンレスもあるため、注意が必要です。ステンレス曲げ加工についてステンレス曲げ加工は、特定の角度や形状に変化にさせる加工で、ベンダーと呼ばれる機械を用いてステンレスを曲げていきます。代表的な加工機械には、板専用のプレスブレーキや、U型など曲線に曲げるロールベンダー、ステンレス管を曲げるパイプベンダーなどがあります。曲げ加工では、金属材を機械フレームに溝が掘られた金型を用意し、溝に合う凸型を押し込むようにして曲げていくやり方が一般的です。曲げ加工には、次のような種類があります。●L字曲げ:アルファベットのL字型に曲げる引用元:板曲げ●角度曲げ:90°以外の角度に曲げる方法で、度曲げとも呼ばれる引用元:中本鉄工所●コの字曲げ:カタカナのコの字型に曲げる加工引用元:ミスミ●Z型曲げ:アルファベットのZのような断面を作る加工引用元:株式会社フカサワ●ハット型曲げ:帽子の断面のような仕上がりになる曲げ加工引用元:小寺工業株式会社●チャンネル曲げ:C型チャンネルと同じ形状に曲げる引用元:モノタロウ●箱型曲げ:四方を箱の様に曲げる方法で四方曲げとも呼ばれる引用元:NCネットワーク参考:【ステンレス加工】加工方法や加工実績について徹底解説!!ステンレス板の曲げ加工についてステンレス鋼は、曲げ加工が難しい素材と言われています。その理由は、スプリングバックが大きいからです。 スプリングバックとは、加工素材をプレスしても、プレス後に素材の持つ弾性によって、素材の形状が元に戻ってしまう特性です。ステンレス鋼は引張強さが高く、かつ伸びが大きいため、加工に要する圧力は、炭素鋼などの金属に比べ、約1.5倍ほど必要になってきます。スプリングバックが起きてしまうと、製品の寸法にずれが生じ、製品自体の質が落ちてしまう可能性があります。スプリングバックの原因は、加工素材に圧をかけることによって生まれる「ひずみ」です。そのため、金型製作時に精密な設計を行うことが重要です。また、スプリングバックは、ヤング率(縦弾性係数)で測ることが可能です。ステンレスは、曲げ加工がしづらい金属ですか、その種類によってもヤング率が若干異なります。マルテンサイト系ステンレスとフェライト系ステンレスが、同じ数値(200kN/mm2)なのに対し、オーステナイト系のステンレスは197kN/mm2と、他の2種類に比べ若干低いです。一般的に金属板の曲げ加工は、ベンダー曲げを行います。ベンダー曲げとは、金型とパンチに合わせて、加工素材をプレスする曲げ加工のことです。ベンダー曲げには、V曲げ・L曲げ・Z曲げ等の他にも様々な種類があります。その中でも、代表的な曲げ加工であるV曲げ加工には、①エアーベンディング②ボトミング③コイニングの3種類があります。①エアーベンディングエアーベンディングとは、加工素材を軽く金型に押し込む曲げ加工です。加工素材を金型に押さえつけないため、力がかかる部分は、型とパンチを合わせた合計3か所のみになります。このことから、エアーベンディングは、パーシャル(部分的)ベンディングとも呼ばれています。エアーベンディングでは、金型よりも鈍角な角度であれば全て曲げられます。そのため、使用する型によっては、様々な曲げ加工を行うことが可能です。しかし、エアーベンディングは、パンチの加減のみで加工するため、高い技術力が必要となります。②コイニングコイニングは、加工素材を型にしっかりと食い込ませ、プレスするベンダー曲げのことです。コイニングでは強い圧力が必要とされます。圧力は、他の曲げ加工と比較しても5倍ほどの力が必要とされており、高い技術力が必要です。コイニングは、大きな力が必要なため、加工できる板厚が薄く、加工限界は2㎜ほどになります。現在ではあまり使用されない方法です。③ボトミングボトミングとは、型に合わせて底押しするプレスのことです。ボトミングは、型の両側に、大きな圧力を加えます。その為、型の角度が90°のものを使用していていれば、加工素材を85°~89°ほどの幅で曲げることができます。この方法は、素材を型に押しつけないため、コイニングと比べて少ない力で曲げ加工を行えることが特徴です。また、エアーベンディング程の高い技術力もいらないため、多くの加工で使用されています。曲げ加工製品事例引用元:有限会社案浦製作所引用元:海内工業株式会社引用元:井上商事株式会社ステンレス曲げ加工のお見積りならお任せください!今回はステンレスの曲げ加工についてご紹介しました。ステンレスには様々な特徴があります。その特徴や性質を理解することで、依頼する際にも手間取らずに済みます。金属加工メーカーの中には、ステンレスの曲げ加工を依頼できない会社もある為、依頼する際には十分に調べたうえで、依頼することをおすすめします。この記事を読んで、今までステンレスの曲げ加工について知らなかった方や、知っていても疑問が残っていた方々のお役に立てれば幸いです。また、ステンレスの曲げ加工についてお悩みの時は、ぜひMitsuriにご相談下さい。Mitsuriは、日本全国に協力企業が250社ございます。そのため、お客様にとって最適な素材の選択に加えて、ステンレスの曲げ加工が得意な工場のご紹介も可能です。ステンレスの曲げ加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい!

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    3Dプリンタとは?3Dプリンタの基礎を丁寧に解説!

    一時期製造業に革命を起こしたと叫ばれ、世間を賑わせた3Dプリンタ。皆さんもテレビのニュースやネットなどで一度はその言葉を見聞きしたことがあるのではないでしょうか。発売当初は1台1000万円を超え、その高額すぎる値段に誰もが手を出せないでいた革命の品ですが、近年では1台数万円で済むほど安価になっている物もあるのはご存知でしょうか。今回の記事は、そんな個人でもお試しで購入できるようになった3Dプリンタについて紹介していきたいと思います。3Dプリンタとは?普段私たちが使うプリンタというと、コンビニなどにある文字を印刷する機械を想像するかと思います。内部の機器が小刻みに動いて独特な音とともに高速で印字がされていき、その速度は人間が書くスピードを軽く凌駕します。3Dプリンタはそれの物バージョンという感じです。パソコンで設計したデータを実物として形成し、設計通りの形状で再現できます。コンピュータで作ったものを現実にコピーするような感覚ですね。3Dプリンタはパソコンでデザインが描ければ後は自動で作ってくれるので、製作時間の短縮だけでなく、製作中も他の作業ができて非常に時間効率が良くなります。引用元:RICOH上の製品の画像は3Dプリンタで作られていますが、とても印刷されたとは思えないぐらい精巧な作りですね。これほど様々な製品がたった一台で、しかも短時間でできるのが3Dプリンタの魅力です。3Dプリンタは他の工業製品と比べて発売したばかりで、まだまだ発展途上ですが、その活用の幅にはすでに目を見張るものがあります。3Dプリンタの活用事例発売当初から幅広い活用方法が見込まれていた3Dプリンタ。その期待通り、工業だけでなく建築や医療、はたまた教育まで様々な分野で絶賛活躍中です。主な活用例としては、建築では建物の模型、医療では義手や臓器のモデル。教育の分野では実際に3Dプリンタを使った授業などに使われています。引用元:AERAdot. RICOHでは肝心の工業の分野ではどうでしょうか。工業の分野では、なんと製品を作る一連の流れ全体で、3Dプリンタの活躍が見られます。企画・設計の段階では製品の見本として模型や試作品が作られ、製造の段階では治具や金型として縁の下の力持ちの働きを見せ、製品化の段階では、少量ではありますが実際に3Dプリンタで作ったものが商品として売られているほどです。治具とは素材を加工する際に、素材を固定したり、寸法を統一するための目印に使ったりするものです。裁縫の時に使う待針のようなものですね。そして金型とは、金属を加工する際に形を一定にする原版のようなものです。子供が砂遊びをする時に、砂をコップに入れてひっくり返すことで形を作って遊びますが、そのコップのような役割をするのが金属加工で言う金型です。さらに、3Dプリンタでは個人で作った物も販売されています。たまにテレビやネットのニュースで取り上げられているものとして、3Dプリンタで作ったフィギュアやスマホケースがあります。3Dプリンタは大量生産こそ今の技術ではまだできませんが、質の方では負けず劣らず、高い品質の商品が市場で売り出されています。3Dプリンタは実用されてまだ間もないですが、活用の幅は非常に広く使われています。3Dプリンタの造形方法3Dプリンタの造形方法にはいくつかの種類があり、使用できる材料が造形方法により異なります。材料は一番よく使われているもので樹脂、加えて金属、ゴム、石膏など。個人向け用と業務用があり、個人向け用の3Dプリンタは造形方法が一つしかありませんが、業務用にはいくつか種類があり、使用できる材料も様々です。値段も業務用のは数百万しますが、個人用のは数万程度と、値段に比例して大きさや性能にも相応の開きがあります。個人向け用の3Dプリンタの造形方法個人向け用の3Dプリンタの造形方法は、熱溶解積層法(FDM)と呼ばれる1種類だけで、使える材料も樹脂しかありません。熱溶解積層法は固められた樹脂を熱で溶かして、糸のような細い線を積み重ねて形を作ります。そうして塔を作るように足元から上の方へと少しずつ樹脂を重ね、立体物へと作り上げていきます。機器が細かく忙しく動いている様子は、まるで早送りのビデオでカイコが繭を編み合わせていくようで、ある種の関心を覚えます。引用元:3DプリンタのJapanese Makersですが先ほども述べた通り、やはり安い装置だけあって精度はそれほどでもありません。業務用の高い3Dプリンタは期待通りの再現力を持ち、細かい文字や模様もくっきりと写し出せますが、安物の3Dプリンタですと細かい文字は潰れてしまっていたり、再現できる物の大きさも小さめの物しかできなかったりします。また、一つ作るだけでも製造に2~3時間掛かかったり、音がうるさい、3Dプリンタ自体が壊れやすいなどの難点もあります。個人でも安価で買えるようなった3Dプリンタですが、今の時代ではまだ使ってみてガッカリすることが多いかもしれませんね。業務用の3Dプリンタの造形方法一方、業務用の3Dプリンタは、やはり高いだけあってより綺麗な仕上がりにできます。主な造形方法は以下の通り。・インクジェット方式・光造形・粉末石膏造形・粉末焼結造形まだほかにも方法はありますが、今回は代表的なこれらを見ていきましょう。・インクジェット方式インクジェット方式は、私たちに馴染みのある、紙に印刷する通常のプリンタに一番近い方法で製品を形成します。普段見かける印刷機では、光を放っている機器が何度も左右を往復して印刷しますが、それと同様にインクではなく樹脂を噴射して形を成していきます。インクジェット方式は短い時間で複雑な形の物を作れることができ、表面を滑らかに仕上げられるのが利点です。インクジェット方式の材料も樹脂ですが、個人用のプリンタで使用されている樹脂とは少し違う種類を使います。業務用で使う樹脂の方が少しいい物のようですね。・光造形光造形という方法では液体の樹脂を筒状の機械に取り込んで、紫外線レーザーを浴びせることにより樹脂を固めて形を作っていくという方法をとります。3Dプリンタの最も古い造形法で、製造業でよく使用されます。使われる材料はこちらもインクジェット方式と同じくアクリル系やエポキシ系の樹脂。樹脂だけあって壊れやすいですが、精度が良く複雑な形状にすることも可能で、製品の模型を作るのに向いています。・粉末石膏造形粉末石膏造形は石膏を材料にして作る造形法です。石膏とは博物館に飾ってあるような白い像を作る材料で、3Dプリンタではきな粉のような白い砂にして使います。白い砂が敷き詰められた機械に接着剤を吹きかけたりレーザーを使って固めていき、完成すると周りの砂がなくなって完成品が出てきます。石膏は材料が安い反面、強度がもろいというデメリットがありますが、カラー着色ができるのが魅力です。博物館の像が倒れて割れてしまうVTRをテレビ見たことがありますが、3Dプリンタがあればまたすぐに作り直せるので安心ですね。・粉末焼結造形粉末焼結造形は金属や樹脂を材料としています。砂のように細かくなった金属や樹脂の粉末を箱いっぱいに敷き詰めてレーザーで固める方法をとります。金属が使えるぶん丈夫そうですが、表面が多少ざらつくのがデメリット。さらに出来上がった後に毎回砂を落とすことは手間に思えるでしょうか。ですが一回や二回なら地表から化石や宝物を掘り出すみたいで楽しそうですね。3Dプリンタがものづくりに与える影響(メリット・デメリットなど)3Dプリンタが世に生み出されたことで、製造業のものづくりにおける環境に少しずつ変化が出始めました。3Dプリンタを使うメリットとして、試作品を作る期間の短縮、開発コストの削減などがあげられます。また、従来の方法では難しかった複雑な製品を作れるようになったことも大きな利点でしょう。ただ、3Dプリンタを使うということは、当然3Dデータの作成をする必要があるという壁がありますね。これまで製造業に携わってきた作業員たちにとって、畑違いであるパソコンでのデータ作成は至難の業です。そこで、製造業における次世代の躍進の一歩として、学校教育で3Dプリンタが導入される動きが出始めています。特にアメリカやイギリスの動きがさかんで、すべての学校に3Dプリンタを導入することを目標にしたり、教育カリキュラムを変更して子供の頃から3Dデータを扱えるようにしたりと次世代の製造業を後押ししています。日本ではさすがに小中学校では導入できませんが、大学や専門学校ではすでに3Dデータの勉強が行われており、今の学生たちがものづくりを新しい時代へと発展させていく準備が進みつつある状況です。ですが、まだ現状では3Dプリンタを中心とした製造業の未来は遠いというのが正直なところでしょう。今の3Dプリンタのデメリットとして、製造物の耐久性が低いため、現状の技術では試作品を作る以外の使い方に乏しかったり、製造コストの面から大量生産が難しいなどの欠点があります。また、3Dプリンタ自体の導入コストが高く、その影響からあまり普及も進んでいないという背景もあり、3Dプリンタで作った製品を大量生産できるのはもう少し先の話になりそうです。それでも3Dプリンタが世に出てからこれまでの躍進は目覚ましいものがあります。もしかしたら10年後20年後には、3D技術を駆使した新時代のものづくりが中心となっているかもしれません。これから先、製造業の未来はどう変化していくのか。新しい技術をたずさえた若い世代に多いに期待したいものですね。3Dプリンタまとめ以上、今回は3Dプリンタの紹介でした。いつもの加工の技術や素材の歴史などの紹介よりも少し先進的な内容でしたね。この記事が新しい時代の先駆けとなれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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    ステンレス板の曲げ加工について加工事例と共に徹底解説!

    ステンレスは、加工を施すことで、家庭用品や機械製品といった色々な製品に仕上がります。ステンレスの加工には、切断・曲げ・溶接・切削など様々な加工方法が存在しますが、中でも曲げ加工は、ステンレス加工の中でも高い技術が要求されます。今回は、そんなステンレスの曲げ加工についてご紹介します。ステンレスに興味がある方や、曲げ加工を金属加工メーカーに依頼しようと考えている方はぜひご一読くだざい。価格が安くなる図面の板金図面の書き方についてはこちら!板金加工における価格が安くなる図面の書き方を解説しています!40%ほどの低減につながる可能性がございますのでぜひご覧ください!6分ほどで視聴可能です!YouTubeにて、金属加工Mitsuriチャンネル運営中!こちらからご覧ください!ステンレスってどんな材料?ステンレスとは、正式にはステンレス鋼といい、ステンレススチールとも呼ばれます。ステンレスの本来の意味は、「錆びない」という意味です。その名の通り、ステンレスは非常に耐食性が高く、さびにくい特性を持っています。その理由は、表面上に、不動態被膜という微細な被膜が形成されているからです。不動態とは、金属の表面に酸化被膜が形成され、腐食に対する抵抗力が向上する状態のことです。酸化皮膜は、酸や溶液に漬けてもなくならないため、内部の金属を保護することができます。不動態被膜は化学的に安定しているため、ステンレスの表面が傷つき剥がれても、すぐに再生する特性があります。また、ステンレスは合金鋼といわれており、クロムやニッケルを含む金属で、様々な種類が存在します。ステンレスの種類は主に、①マルテンサイト系②フェライト系③オーステナイト系に区別されます。ステンレスの種類①マルテンサイト系②フェライト系③オーステナイト系①マルテンサイト系マルテンサイト系のステンレスは、マルテンサイトの組成をもつステンレスです。マルテンサイトとは、鉄鋼材料の組織の中で最も硬度が高く、脆い性質を持っている組織です。焼き入れという熱処理を施すことによってステンレスの中でも最硬度を持つことができます。マルテンサイト系のステンレスは、刃物やブレード系の部品に加工されることが多いステンレスです。②フェライト系フェライト系のステンレスは、フェライトの組成をもつステンレスです。フェライト系には様々な鋼種があり、チタンや銅等の合金元素が添加されます。フェライト系は、熱膨張が少なく、加熱後の冷却でも表面スケールが剥がれにくい特徴があります。また、磁性があり、磁性の必要な部品などにも使用されます。マルテンサイト系ステンレスとは異なり、焼き入れなどの熱処理をしても硬化はしません。③オーステナイト系オーステナイト系のステンレスは、常温でオーステナイトの組成をもつステンレスです。特徴は、他のステンレスよりも耐食性が高いことです。また、温度差が激しい環境でも他のステンレス鋼よりも強度低下が少ない性質を持ってます。そのため、低温環境や高温環境で使用する機器などの部品に使用されます。しかし、焼き入れ等の熱処理による硬度強化はできないため、マルテンサイト系より強度は落ちます。このように、ステンレスには、様々な種類があります。どのステンレスも特徴が違うため、曲げ加工を依頼する際は、仕上がる製品の用途を考えて選ぶことが大切です。また、素材によっては難加工のステンレスもあるため、注意が必要です。ステンレス曲げ加工についてステンレス曲げ加工は、特定の角度や形状に変化にさせる加工で、ベンダーと呼ばれる機械を用いてステンレスを曲げていきます。代表的な加工機械には、板専用のプレスブレーキや、U型など曲線に曲げるロールベンダー、ステンレス管を曲げるパイプベンダーなどがあります。曲げ加工では、金属材を機械フレームに溝が掘られた金型を用意し、溝に合う凸型を押し込むようにして曲げていくやり方が一般的です。曲げ加工には、次のような種類があります。●L字曲げ:アルファベットのL字型に曲げる引用元:板曲げ●角度曲げ:90°以外の角度に曲げる方法で、度曲げとも呼ばれる引用元:中本鉄工所●コの字曲げ:カタカナのコの字型に曲げる加工引用元:ミスミ●Z型曲げ:アルファベットのZのような断面を作る加工引用元:株式会社フカサワ●ハット型曲げ:帽子の断面のような仕上がりになる曲げ加工引用元:小寺工業株式会社●チャンネル曲げ:C型チャンネルと同じ形状に曲げる引用元:モノタロウ●箱型曲げ:四方を箱の様に曲げる方法で四方曲げとも呼ばれる引用元:NCネットワーク参考:【ステンレス加工】加工方法や加工実績について徹底解説!!ステンレス板の曲げ加工についてステンレス鋼は、曲げ加工が難しい素材と言われています。その理由は、スプリングバックが大きいからです。 スプリングバックとは、加工素材をプレスしても、プレス後に素材の持つ弾性によって、素材の形状が元に戻ってしまう特性です。ステンレス鋼は引張強さが高く、かつ伸びが大きいため、加工に要する圧力は、炭素鋼などの金属に比べ、約1.5倍ほど必要になってきます。スプリングバックが起きてしまうと、製品の寸法にずれが生じ、製品自体の質が落ちてしまう可能性があります。スプリングバックの原因は、加工素材に圧をかけることによって生まれる「ひずみ」です。そのため、金型製作時に精密な設計を行うことが重要です。また、スプリングバックは、ヤング率(縦弾性係数)で測ることが可能です。ステンレスは、曲げ加工がしづらい金属ですか、その種類によってもヤング率が若干異なります。マルテンサイト系ステンレスとフェライト系ステンレスが、同じ数値(200kN/mm2)なのに対し、オーステナイト系のステンレスは197kN/mm2と、他の2種類に比べ若干低いです。一般的に金属板の曲げ加工は、ベンダー曲げを行います。ベンダー曲げとは、金型とパンチに合わせて、加工素材をプレスする曲げ加工のことです。ベンダー曲げには、V曲げ・L曲げ・Z曲げ等の他にも様々な種類があります。その中でも、代表的な曲げ加工であるV曲げ加工には、①エアーベンディング②ボトミング③コイニングの3種類があります。①エアーベンディングエアーベンディングとは、加工素材を軽く金型に押し込む曲げ加工です。加工素材を金型に押さえつけないため、力がかかる部分は、型とパンチを合わせた合計3か所のみになります。このことから、エアーベンディングは、パーシャル(部分的)ベンディングとも呼ばれています。エアーベンディングでは、金型よりも鈍角な角度であれば全て曲げられます。そのため、使用する型によっては、様々な曲げ加工を行うことが可能です。しかし、エアーベンディングは、パンチの加減のみで加工するため、高い技術力が必要となります。②コイニングコイニングは、加工素材を型にしっかりと食い込ませ、プレスするベンダー曲げのことです。コイニングでは強い圧力が必要とされます。圧力は、他の曲げ加工と比較しても5倍ほどの力が必要とされており、高い技術力が必要です。コイニングは、大きな力が必要なため、加工できる板厚が薄く、加工限界は2㎜ほどになります。現在ではあまり使用されない方法です。③ボトミングボトミングとは、型に合わせて底押しするプレスのことです。ボトミングは、型の両側に、大きな圧力を加えます。その為、型の角度が90°のものを使用していていれば、加工素材を85°~89°ほどの幅で曲げることができます。この方法は、素材を型に押しつけないため、コイニングと比べて少ない力で曲げ加工を行えることが特徴です。また、エアーベンディング程の高い技術力もいらないため、多くの加工で使用されています。曲げ加工製品事例引用元:有限会社案浦製作所引用元:海内工業株式会社引用元:井上商事株式会社ステンレス曲げ加工のお見積りならお任せください!今回はステンレスの曲げ加工についてご紹介しました。ステンレスには様々な特徴があります。その特徴や性質を理解することで、依頼する際にも手間取らずに済みます。金属加工メーカーの中には、ステンレスの曲げ加工を依頼できない会社もある為、依頼する際には十分に調べたうえで、依頼することをおすすめします。この記事を読んで、今までステンレスの曲げ加工について知らなかった方や、知っていても疑問が残っていた方々のお役に立てれば幸いです。また、ステンレスの曲げ加工についてお悩みの時は、ぜひMitsuriにご相談下さい。Mitsuriは、日本全国に協力企業が250社ございます。そのため、お客様にとって最適な素材の選択に加えて、ステンレスの曲げ加工が得意な工場のご紹介も可能です。ステンレスの曲げ加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい!

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    3Dプリンタとは?3Dプリンタの基礎を丁寧に解説!

    一時期製造業に革命を起こしたと叫ばれ、世間を賑わせた3Dプリンタ。皆さんもテレビのニュースやネットなどで一度はその言葉を見聞きしたことがあるのではないでしょうか。発売当初は1台1000万円を超え、その高額すぎる値段に誰もが手を出せないでいた革命の品ですが、近年では1台数万円で済むほど安価になっている物もあるのはご存知でしょうか。今回の記事は、そんな個人でもお試しで購入できるようになった3Dプリンタについて紹介していきたいと思います。3Dプリンタとは?普段私たちが使うプリンタというと、コンビニなどにある文字を印刷する機械を想像するかと思います。内部の機器が小刻みに動いて独特な音とともに高速で印字がされていき、その速度は人間が書くスピードを軽く凌駕します。3Dプリンタはそれの物バージョンという感じです。パソコンで設計したデータを実物として形成し、設計通りの形状で再現できます。コンピュータで作ったものを現実にコピーするような感覚ですね。3Dプリンタはパソコンでデザインが描ければ後は自動で作ってくれるので、製作時間の短縮だけでなく、製作中も他の作業ができて非常に時間効率が良くなります。引用元:RICOH上の製品の画像は3Dプリンタで作られていますが、とても印刷されたとは思えないぐらい精巧な作りですね。これほど様々な製品がたった一台で、しかも短時間でできるのが3Dプリンタの魅力です。3Dプリンタは他の工業製品と比べて発売したばかりで、まだまだ発展途上ですが、その活用の幅にはすでに目を見張るものがあります。3Dプリンタの活用事例発売当初から幅広い活用方法が見込まれていた3Dプリンタ。その期待通り、工業だけでなく建築や医療、はたまた教育まで様々な分野で絶賛活躍中です。主な活用例としては、建築では建物の模型、医療では義手や臓器のモデル。教育の分野では実際に3Dプリンタを使った授業などに使われています。引用元:AERAdot. RICOHでは肝心の工業の分野ではどうでしょうか。工業の分野では、なんと製品を作る一連の流れ全体で、3Dプリンタの活躍が見られます。企画・設計の段階では製品の見本として模型や試作品が作られ、製造の段階では治具や金型として縁の下の力持ちの働きを見せ、製品化の段階では、少量ではありますが実際に3Dプリンタで作ったものが商品として売られているほどです。治具とは素材を加工する際に、素材を固定したり、寸法を統一するための目印に使ったりするものです。裁縫の時に使う待針のようなものですね。そして金型とは、金属を加工する際に形を一定にする原版のようなものです。子供が砂遊びをする時に、砂をコップに入れてひっくり返すことで形を作って遊びますが、そのコップのような役割をするのが金属加工で言う金型です。さらに、3Dプリンタでは個人で作った物も販売されています。たまにテレビやネットのニュースで取り上げられているものとして、3Dプリンタで作ったフィギュアやスマホケースがあります。3Dプリンタは大量生産こそ今の技術ではまだできませんが、質の方では負けず劣らず、高い品質の商品が市場で売り出されています。3Dプリンタは実用されてまだ間もないですが、活用の幅は非常に広く使われています。3Dプリンタの造形方法3Dプリンタの造形方法にはいくつかの種類があり、使用できる材料が造形方法により異なります。材料は一番よく使われているもので樹脂、加えて金属、ゴム、石膏など。個人向け用と業務用があり、個人向け用の3Dプリンタは造形方法が一つしかありませんが、業務用にはいくつか種類があり、使用できる材料も様々です。値段も業務用のは数百万しますが、個人用のは数万程度と、値段に比例して大きさや性能にも相応の開きがあります。個人向け用の3Dプリンタの造形方法個人向け用の3Dプリンタの造形方法は、熱溶解積層法(FDM)と呼ばれる1種類だけで、使える材料も樹脂しかありません。熱溶解積層法は固められた樹脂を熱で溶かして、糸のような細い線を積み重ねて形を作ります。そうして塔を作るように足元から上の方へと少しずつ樹脂を重ね、立体物へと作り上げていきます。機器が細かく忙しく動いている様子は、まるで早送りのビデオでカイコが繭を編み合わせていくようで、ある種の関心を覚えます。引用元:3DプリンタのJapanese Makersですが先ほども述べた通り、やはり安い装置だけあって精度はそれほどでもありません。業務用の高い3Dプリンタは期待通りの再現力を持ち、細かい文字や模様もくっきりと写し出せますが、安物の3Dプリンタですと細かい文字は潰れてしまっていたり、再現できる物の大きさも小さめの物しかできなかったりします。また、一つ作るだけでも製造に2~3時間掛かかったり、音がうるさい、3Dプリンタ自体が壊れやすいなどの難点もあります。個人でも安価で買えるようなった3Dプリンタですが、今の時代ではまだ使ってみてガッカリすることが多いかもしれませんね。業務用の3Dプリンタの造形方法一方、業務用の3Dプリンタは、やはり高いだけあってより綺麗な仕上がりにできます。主な造形方法は以下の通り。・インクジェット方式・光造形・粉末石膏造形・粉末焼結造形まだほかにも方法はありますが、今回は代表的なこれらを見ていきましょう。・インクジェット方式インクジェット方式は、私たちに馴染みのある、紙に印刷する通常のプリンタに一番近い方法で製品を形成します。普段見かける印刷機では、光を放っている機器が何度も左右を往復して印刷しますが、それと同様にインクではなく樹脂を噴射して形を成していきます。インクジェット方式は短い時間で複雑な形の物を作れることができ、表面を滑らかに仕上げられるのが利点です。インクジェット方式の材料も樹脂ですが、個人用のプリンタで使用されている樹脂とは少し違う種類を使います。業務用で使う樹脂の方が少しいい物のようですね。・光造形光造形という方法では液体の樹脂を筒状の機械に取り込んで、紫外線レーザーを浴びせることにより樹脂を固めて形を作っていくという方法をとります。3Dプリンタの最も古い造形法で、製造業でよく使用されます。使われる材料はこちらもインクジェット方式と同じくアクリル系やエポキシ系の樹脂。樹脂だけあって壊れやすいですが、精度が良く複雑な形状にすることも可能で、製品の模型を作るのに向いています。・粉末石膏造形粉末石膏造形は石膏を材料にして作る造形法です。石膏とは博物館に飾ってあるような白い像を作る材料で、3Dプリンタではきな粉のような白い砂にして使います。白い砂が敷き詰められた機械に接着剤を吹きかけたりレーザーを使って固めていき、完成すると周りの砂がなくなって完成品が出てきます。石膏は材料が安い反面、強度がもろいというデメリットがありますが、カラー着色ができるのが魅力です。博物館の像が倒れて割れてしまうVTRをテレビ見たことがありますが、3Dプリンタがあればまたすぐに作り直せるので安心ですね。・粉末焼結造形粉末焼結造形は金属や樹脂を材料としています。砂のように細かくなった金属や樹脂の粉末を箱いっぱいに敷き詰めてレーザーで固める方法をとります。金属が使えるぶん丈夫そうですが、表面が多少ざらつくのがデメリット。さらに出来上がった後に毎回砂を落とすことは手間に思えるでしょうか。ですが一回や二回なら地表から化石や宝物を掘り出すみたいで楽しそうですね。3Dプリンタがものづくりに与える影響(メリット・デメリットなど)3Dプリンタが世に生み出されたことで、製造業のものづくりにおける環境に少しずつ変化が出始めました。3Dプリンタを使うメリットとして、試作品を作る期間の短縮、開発コストの削減などがあげられます。また、従来の方法では難しかった複雑な製品を作れるようになったことも大きな利点でしょう。ただ、3Dプリンタを使うということは、当然3Dデータの作成をする必要があるという壁がありますね。これまで製造業に携わってきた作業員たちにとって、畑違いであるパソコンでのデータ作成は至難の業です。そこで、製造業における次世代の躍進の一歩として、学校教育で3Dプリンタが導入される動きが出始めています。特にアメリカやイギリスの動きがさかんで、すべての学校に3Dプリンタを導入することを目標にしたり、教育カリキュラムを変更して子供の頃から3Dデータを扱えるようにしたりと次世代の製造業を後押ししています。日本ではさすがに小中学校では導入できませんが、大学や専門学校ではすでに3Dデータの勉強が行われており、今の学生たちがものづくりを新しい時代へと発展させていく準備が進みつつある状況です。ですが、まだ現状では3Dプリンタを中心とした製造業の未来は遠いというのが正直なところでしょう。今の3Dプリンタのデメリットとして、製造物の耐久性が低いため、現状の技術では試作品を作る以外の使い方に乏しかったり、製造コストの面から大量生産が難しいなどの欠点があります。また、3Dプリンタ自体の導入コストが高く、その影響からあまり普及も進んでいないという背景もあり、3Dプリンタで作った製品を大量生産できるのはもう少し先の話になりそうです。それでも3Dプリンタが世に出てからこれまでの躍進は目覚ましいものがあります。もしかしたら10年後20年後には、3D技術を駆使した新時代のものづくりが中心となっているかもしれません。これから先、製造業の未来はどう変化していくのか。新しい技術をたずさえた若い世代に多いに期待したいものですね。3Dプリンタまとめ以上、今回は3Dプリンタの紹介でした。いつもの加工の技術や素材の歴史などの紹介よりも少し先進的な内容でしたね。この記事が新しい時代の先駆けとなれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。