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引き抜き加工

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    【押し出し加工】とは?仕組みや特徴、種類、製品例について徹底解説!

    板金加工において、板金を好みの形に整形するために必要な「押出加工」。押出加工は金属特有の性質をフルに活用した加工方法なので、作業者の技術や経験が問われる加工方法でもあります。そんな押出加工に関して、こんなお悩みをお持ちではないでしょうか?「押出加工を依頼したいけれど、初めてでどこに頼めばいいかわからない……」「他の工場で断られてしまって、依頼先に困っている……」工場を探す中で、こんなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。その他にも、「小ロットでの発注を断られてしまった……」といったお悩みや、あるいは「いつも依頼している工場に小ロットで発注するのが申し訳ない……」とお悩みの方もいるでしょう。押出加工とは押出加工は押出成形(おしだしせいけい)とも言われます。英語ではextrusionと訳します。押出加工とは金属の塑性加工の一種で、耐圧性の型枠に被加工物(金属)を入れ、それに高い圧力を加え、一定断面形状のわずかな隙間から押し出すことで希望の形状に加工する技術のことです。押出加工の仕組み①型枠に被加工物を入れる②高い圧力を加える③わずかな隙間から押し出す④希望の形に成形されるいうなればところてんの製造のようなものですね。ところてんは細い筒状のところに寒天を押して絞り出しますよね。そのような仕組みのものといえます。押出加工の2つの種類~温間押出と冷間押出~押出加工には温間押出(おんかんおしだし)と冷間押出(れいかんおしだし)の2つがあります。温間押出とは?温間押出は、その文字が示す通り、被加工物(金属)の温度が常温よりも高い424℃~975℃で行う押出加工のことです。加工に必要な力や材料の展延性によっては扱いやすい温度で、常温より高温でありながら材料が再結晶化しない程度の温度内で行います。再結晶化してしまうと性質が変わってしまうので、そのギリギリのところで作業するのです。金属には伸びたり縮んだりする性質がありますよね。それを展延性といいます。延性は材料に引っ張る力を加えた際の変形する性質をいい、もっぱら針金状に延ばせるかどうかを判断材料とします。かたや展性は、圧力を加えたとき、材料が変形する性質をいいます。材料を鍛造や圧延などで加工し、薄いシート状に成形するときに示される性質を指します。この2つの性質を合わせて展延性といい、常温より高い温度で押出加工することを温間押出というのです。展性・延性とは?延性…「引っ張る」力を加えたときに変形する性質展性…「圧力」を加えたときに変形する性質冷間押出とは?文字通り、冷たい温度と言いたいところですが、さにあらず。絞り、引抜、圧延など金属の塑性加工を再結晶温度より低い温度で行うことです。常温加工とも言います。温間押出に対して使われる押出法で、材料の熱による変質などがないため寸法精度の高い加工に向いているものの、加工硬化(金属に応力を与えると塑性変形によって硬さが増す現象のこと。ひずみ硬化とも)が生じるのが難点でもあります。keyword加工硬化…塑性変形を行うことによって、硬さが増すこと冷間押出は、これまで加工時に発生する高い変形抵抗により、昔はアルミなど材料が軟質であることに限られていたものの、最近では材料の研究や加工台の開発などでこれまで難しいとされていた材料の加工ができるようになったのです。常温で材料を押出す冷間押出では、材料を加熱しないため、その強度低下を防げることや熱による膨張・変質がないことがメリット。また、酸化しにくく、高温で脆弱となる素材に適していることなどもメリットとして挙げられますね。押出加工の様々な種類前方押出押出加工のひとつに前方押出があります。直接押出とも言います。これはラムやステムと言われる押し出し機の進む方向と同じ方向に材料を押し出す工法のこと。まさにところてん製造機のようなものですね。この工法は非常に古くから知られていました。1797年イギリスでJ.Bramahなる人物が、鉄製のポットの中で鉛を溶かし、冷却凝固させながら管に押し出したのが始まりと言われています。引用元:モノタロウ後方押出後方押出は、間接押出とも言われます。これは、ラムやステムの進む方向とは逆の向きに材料を押し出す工法のこと。この工法では材料とラムやステム、ダイスなど加工機との間に摩擦力が発生しないので、直接押出に比べて、やや低い材料温度や比較的小さい押出力で稼働できるのがメリット。その結果、材料の変質が少なく、安定した品質の製品が生産可能になりました。引用元:モノタロウこのほかにも静水圧押出やストローのような中空状の形状を形成する加工なども可能です。いずれも材料の性質を知り尽くしていないことにはできない作業であることがお分かりいただけると思います。押出加工の使用製品例押出加工によって、現代では金属別にさまざまなものが形成されています。車のシャーシや部品などのほか、テレビや冷蔵庫などの家電の一部など、さまざまな用途で押出加工によって製品の部品が作り出されています。代表的な加工物としては針金状の金属でしょう。同様に中空状に穴の開いた形状の金属も作られます。比較的単純な形状のものに限られるように思われがちですが、金属の展延性を知り尽くした昨今では、たとえば軽い金属などで身の回りの製品のほとんどを作り出すことができるようになりました。まとめいかがでしたか? 押出加工の概略をご紹介いたしましたが、何となくわかっていただけたでしょうか。押出加工ときたら、まずはところてんの製造を思い出してください。寒天が金属です。圧力を加えることで金属が押し出されて思いの形として出てくる。これが押出加工の基本です。覚えておくとよいですね。

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    【押し出し加工】とは?仕組みや特徴、種類、製品例について徹底解説!

    板金加工において、板金を好みの形に整形するために必要な「押出加工」。押出加工は金属特有の性質をフルに活用した加工方法なので、作業者の技術や経験が問われる加工方法でもあります。そんな押出加工に関して、こんなお悩みをお持ちではないでしょうか?「押出加工を依頼したいけれど、初めてでどこに頼めばいいかわからない……」「他の工場で断られてしまって、依頼先に困っている……」工場を探す中で、こんなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。その他にも、「小ロットでの発注を断られてしまった……」といったお悩みや、あるいは「いつも依頼している工場に小ロットで発注するのが申し訳ない……」とお悩みの方もいるでしょう。押出加工とは押出加工は押出成形(おしだしせいけい)とも言われます。英語ではextrusionと訳します。押出加工とは金属の塑性加工の一種で、耐圧性の型枠に被加工物(金属)を入れ、それに高い圧力を加え、一定断面形状のわずかな隙間から押し出すことで希望の形状に加工する技術のことです。押出加工の仕組み①型枠に被加工物を入れる②高い圧力を加える③わずかな隙間から押し出す④希望の形に成形されるいうなればところてんの製造のようなものですね。ところてんは細い筒状のところに寒天を押して絞り出しますよね。そのような仕組みのものといえます。押出加工の2つの種類~温間押出と冷間押出~押出加工には温間押出(おんかんおしだし)と冷間押出(れいかんおしだし)の2つがあります。温間押出とは?温間押出は、その文字が示す通り、被加工物(金属)の温度が常温よりも高い424℃~975℃で行う押出加工のことです。加工に必要な力や材料の展延性によっては扱いやすい温度で、常温より高温でありながら材料が再結晶化しない程度の温度内で行います。再結晶化してしまうと性質が変わってしまうので、そのギリギリのところで作業するのです。金属には伸びたり縮んだりする性質がありますよね。それを展延性といいます。延性は材料に引っ張る力を加えた際の変形する性質をいい、もっぱら針金状に延ばせるかどうかを判断材料とします。かたや展性は、圧力を加えたとき、材料が変形する性質をいいます。材料を鍛造や圧延などで加工し、薄いシート状に成形するときに示される性質を指します。この2つの性質を合わせて展延性といい、常温より高い温度で押出加工することを温間押出というのです。展性・延性とは?延性…「引っ張る」力を加えたときに変形する性質展性…「圧力」を加えたときに変形する性質冷間押出とは?文字通り、冷たい温度と言いたいところですが、さにあらず。絞り、引抜、圧延など金属の塑性加工を再結晶温度より低い温度で行うことです。常温加工とも言います。温間押出に対して使われる押出法で、材料の熱による変質などがないため寸法精度の高い加工に向いているものの、加工硬化(金属に応力を与えると塑性変形によって硬さが増す現象のこと。ひずみ硬化とも)が生じるのが難点でもあります。keyword加工硬化…塑性変形を行うことによって、硬さが増すこと冷間押出は、これまで加工時に発生する高い変形抵抗により、昔はアルミなど材料が軟質であることに限られていたものの、最近では材料の研究や加工台の開発などでこれまで難しいとされていた材料の加工ができるようになったのです。常温で材料を押出す冷間押出では、材料を加熱しないため、その強度低下を防げることや熱による膨張・変質がないことがメリット。また、酸化しにくく、高温で脆弱となる素材に適していることなどもメリットとして挙げられますね。押出加工の様々な種類前方押出押出加工のひとつに前方押出があります。直接押出とも言います。これはラムやステムと言われる押し出し機の進む方向と同じ方向に材料を押し出す工法のこと。まさにところてん製造機のようなものですね。この工法は非常に古くから知られていました。1797年イギリスでJ.Bramahなる人物が、鉄製のポットの中で鉛を溶かし、冷却凝固させながら管に押し出したのが始まりと言われています。引用元:モノタロウ後方押出後方押出は、間接押出とも言われます。これは、ラムやステムの進む方向とは逆の向きに材料を押し出す工法のこと。この工法では材料とラムやステム、ダイスなど加工機との間に摩擦力が発生しないので、直接押出に比べて、やや低い材料温度や比較的小さい押出力で稼働できるのがメリット。その結果、材料の変質が少なく、安定した品質の製品が生産可能になりました。引用元:モノタロウこのほかにも静水圧押出やストローのような中空状の形状を形成する加工なども可能です。いずれも材料の性質を知り尽くしていないことにはできない作業であることがお分かりいただけると思います。押出加工の使用製品例押出加工によって、現代では金属別にさまざまなものが形成されています。車のシャーシや部品などのほか、テレビや冷蔵庫などの家電の一部など、さまざまな用途で押出加工によって製品の部品が作り出されています。代表的な加工物としては針金状の金属でしょう。同様に中空状に穴の開いた形状の金属も作られます。比較的単純な形状のものに限られるように思われがちですが、金属の展延性を知り尽くした昨今では、たとえば軽い金属などで身の回りの製品のほとんどを作り出すことができるようになりました。まとめいかがでしたか? 押出加工の概略をご紹介いたしましたが、何となくわかっていただけたでしょうか。押出加工ときたら、まずはところてんの製造を思い出してください。寒天が金属です。圧力を加えることで金属が押し出されて思いの形として出てくる。これが押出加工の基本です。覚えておくとよいですね。