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今回は真鍮とメッキについて詳しく解説していきます。真鍮とは黄銅ともよばれる、銅と亜鉛の合金で、導電性が非常に高く、また加工性も優れており、広く使われている素材の一つです。その優れた素材の真鍮にも表面が酸化により錆びたり黒く変色するというデメリットがあります。その対策としてメッキ処理が必要になります。真鍮にメッキをする際の注意点現在では、真鍮にはさまざまなメッキ処理が施されています。素材の特性やメッキの特性、組み合わせ、またメッキ前の洗浄工程でも注意点が多くみられます。今回はその中から、主な注意点を紹介します。アルカリ焼け引用元:株式会社 K&Kメッキの前処理工程では脱脂処理は必須です。脱脂剤の中で、pHの高い液に長時間浸漬するとアルカリ焼けの原因になります。上の画像に記されたPH値では、pH7~10では変色が見られませんが、pH11より変色が始まり、pH13.1では真っ黒にアルカリ焼けしています。アルカリ焼けを起こしたままメッキ処理を行うと、メッキ剥がれを起こす原因になるため注意が必要です。エッチングエッチングは、メッキ前工程の洗浄で発生する腐食のことです。メッキ前工程では、メッキを付きやすくするため、素材の活性化が不可欠で、その際に複数の酸が使用されています。真鍮に含まれる銅や亜鉛は塩酸に非常に弱く、腐食を進めます。エッチングされた状態のままメッキを施すと、密着不良、膨れ、剥がれの原因になります。ストライクメッキ真鍮は錆びにくい特徴を持った素材ですが、酸化被膜が発生します。酸化被膜に覆われるとメッキとの密着が悪くなりメッキ剥がれの原因に繋がります。メッキの密着を強化するためストライクメッキ(下地メッキ)を施し、素材とメッキの密着性を高めます。ストライクメッキにはさまざまな種類がありますが、その中でも銅、ニッケルによるストライクメッキがよく知られています。真鍮に向いているメッキ処理メッキの向き不向きについては、メッキ業者さんの技術にも左右されます。真鍮と相性の良いメッキは数多くありますが、その中でも一般的に多く使われているメッキを紹介しますので参考にしてみて下さい。無電解ニッケルメッキ無電解ニッケルメッキは”カニゼンメッキ”とも呼ばれています。下地メッキが不要とも言われ、真鍮とメッキの相性は非常に良いです。特徴としては、メッキの膜厚を管理することができ、複雑な形状や穴の内部に関しても均一に処理する事が可能な点です。電気メッキ電気メッキはさまざまなメッキがありますが、全般的に電気メッキと真鍮の相性は良いとされています。電気メッキの特徴としては、比較的に安価であり、また真鍮に欠けている、耐食性、耐摩耗性、また外観の見栄えを良くすることができます。まとめ真鍮とメッキについて詳しく説明してきましたが、いかがでしたか。近年では、真鍮も多種多様な用途が開発され、またそれと同様にメッキについても日々研究開発されています。素材や処理方法など、組み合わせや、機能が幅広いことから、全てを説明することはできませんが、メッキ選びの参考にしていただければと思います。
アクリル樹脂は、透明性や屈折率が高く、衝撃にも強いことが知られています。そのため、ガラスの代用品として日用品や乗り物の窓、道路標識など幅広く用いられています。実は、アクリル樹脂が焼付塗装に用いられる焼付塗料としても活躍していることはご存知でしょうか?そこで、今回の記事では、アクリル樹脂焼付塗装が何かというところからメリット・デメリット、また製品事例についてもご紹介していきます。「アクリル樹脂焼付塗装ってなに?」と思われている方はもちろん、アクリル樹脂焼付塗装の依頼を考えている方にも参考にしていただける記事ですので、ぜひ目を通していただきたいと思います。アクリル樹脂焼付塗装とはまず、焼付塗装についてご説明します。「塗装」と聞くと、色を付けることを思い浮かべる方が多いと思います。ですが、一般的には材料の表面に塗料を塗ることを指します。焼付塗装とは、焼付塗料に熱を加えて硬化させることによって塗装する方法です。そのため、焼付塗料とは熱を加えると硬化し、その後温度を変化させても個体の状態を維持し続ける熱硬化性を持つ樹脂でないといけません。また、加える熱は使用する樹脂によって異なりますが、100℃以上の熱を加えなければならないので、この高温に耐えることができる材料(主に金属)にのみ塗装することができます。そのため、焼付塗料として用いられることが多いのはメラミン樹脂やフッソ樹脂、そして今回ご紹介するアクリル樹脂です。アクリル樹脂を用いたアクリル樹脂焼付塗装は、一般的に用いられるメラミン樹脂焼付塗装と比べて耐候性や耐薬品性に優れているため、1ランク上の仕上がりになります。そのため、屋外だけでなく屋内用途にも用いることができます。ですが、注意点が1つあります。アクリル樹脂焼付塗装は、メラミン樹脂焼付塗装より高温の140℃~180℃で20~30分ほどの加熱乾燥が必要であるため、技術が必要になりすべての業者が扱っているわけではないです。アクリル樹脂焼付塗装を依頼するときには注意してください。メラミン樹脂焼付塗装との比較アクリル樹脂焼付塗装が、最も一般的な焼付塗装法であるメラミン樹脂焼付塗装と比較してどのような違いがあるのか見ていきましょう。●ガラス質であるアクリル樹脂焼付塗装とメラミン樹脂焼付塗装は共にプラスチックですが、アクリル樹脂焼付塗装はガラス質で高級感のある光沢を持ちます。●焼付温度が高いため耐熱性に優れる上述したように、アクリル樹脂焼付塗装では、焼付に140℃~180℃程度の高温が必要となるため、110℃~160℃程度で焼付可能なメラミン樹脂焼付塗装よりも焼付温度が高いです。そのため、耐熱性は、アクリル樹脂焼付塗装の方が高いと言えるでしょう。●初期コストが高いアクリル樹脂焼付塗装は、施工コストと塗料の価格が共にメラミン樹脂焼付塗装よりも高いです。●長持ちするため長期的コストは低い引用元:ナサ工業株式会社アクリル樹脂焼付塗装は、メラミン樹脂焼付塗装より、耐候性・耐食性・耐汚染性・耐薬品性に優れています。そのため、アクリル樹脂焼付塗装の方が長持ちし、長期的なコストは低いと言えるでしょう。なお、上の写真は、駅舎の設備部品で、ステンレスにアクリル樹脂焼付塗装を施したものです。●屋外使用に耐えるメラミン樹脂焼付塗装は、紫外線に弱く、年数が経つと退色が生じる上、表面に粉が吹いたような状態となるチョーキングが発生することがあります。一方、アクリル樹脂焼付塗装にはこのような経年劣化は起きないため、アクリル樹脂焼付塗装の方が屋外製品に向いています。●硬度が高いアクリル樹脂焼付塗装は、メラミン樹脂焼付塗装よりも硬いです。そのため、曲げると、アクリル樹脂焼付塗装は割れが生じますが、メラミン樹脂焼付塗装はしなります。ですが、アクリル樹脂焼付塗装の方がキズが付きにくいです。●密着性が高いアクリル樹脂焼付塗装は、メラミン樹脂焼付塗装よりも密着性が高く、剥がれにくいです。●塗膜を厚くできない引用元:双葉塗装株式会社アクリル樹脂焼付塗装とメラミン樹脂焼付塗装は、共に一回の塗装で10~15μm程度の膜厚が付きます。しかし、メラミン樹脂焼付塗装と異なり、アクリル樹脂焼付塗装は重ね塗りができません。そのため、アクリル樹脂焼付塗装は、塗膜を厚くできません。なお、上図は、メラミン樹脂焼付塗装を複数回行うことで膜厚を100μmとしたものです。厚くすることで、耐久性や耐水性、耐候性などが向上します。参考記事メラミン樹脂焼付塗装については、以下の記事に詳細がありますので、ご覧ください。⇒メラミン塗装とは【3分でわかる】専門家がわかりやすく解説します!アクリル樹脂焼付塗装のメリット・デメリット続いて、アクリル樹脂焼付塗装のメリット・デメリットについて見ていきましょう。アクリル樹脂焼付塗装のメリット透明性や屈折率が高い色付けできる高級感がある屋内だけでなく屋外用途にも使える塗装後、乾燥冷却して常温になればすぐに使える耐熱性に優れる耐候性に優れる耐食性に優れる耐汚染性に優れる耐薬品性に優れる耐久性に優れる硬度が高く、キズが付きにくい密着性が高く、剥がれにくいアクリル樹脂焼付塗装のデメリット熱を加えられない素材には塗装できない初期コストが高いヒビや割れが生じることがある重ね塗りができない膜厚が付きづらいアクリル樹脂焼付塗装はどんな製品に使われるの?アクリル樹脂焼付塗装は加工が容易で耐薬品性・耐候性・耐食性・耐錆性が高く、屋外暴露しにくいため、日用品から屋内・屋外用品まで幅広く用いられています。また、色艶を自由に選ぶことができる上に、焼き付けることで硬くなり、製品の装飾性および硬度が高くなります。さらに、焼付塗装は小さな部分の塗装にも向いていて、細部にまでこだわって色を指定することができます。そのため、金属製の工業製品や小物が多い装飾品にも用いられています。アクリル樹脂焼付塗装の製品事例アクリル樹脂焼付塗装がどのような製品に使用されているかお分かりいただいたところで、その具体例を見ていきましょう。自動販売機今や私たちの生活に欠かせない自動販売機。手軽に飲み物を買うことができて、本当に便利ですよね。屋内だけでなく、屋外にもたくさん設置されているため、高い耐候性が求められます。そのため、アクリル樹脂焼付塗装が用いられています。また、綺麗な自動販売機の方が飲み物の購買欲がそそられますよね。そういった面でも、装飾性にも優れているアクリル樹脂焼付塗装が用いられている理由となっています。こちらは主に機能塗料(機能性を上げるための塗料)として用いられています。ブレスレットやネックレス、指輪などのアクセサリー身にまとうだけで華やかさがプラスされたり、ガラッと印象を変えることができるアクセサリー。色の種類が豊富で、選ぶのも楽しいですよね。そのため、アクセサリーにも色と艶を自由に選択できるアクリル樹脂焼付塗装が用いられています。こちらは主にカラー塗料(色を付けるための塗装)として用いられています。上記2つの例のほかにも、自動車や電車の部品やエアコンなどの空調機器、ショーケースなど数多くの製品の機能性や装飾性を上げるためにアクリル樹脂焼付塗装が役立っています。まとめ今回は、塗装の中の1つである焼付塗装、そしてアクリル樹脂焼付塗装についてご紹介しました。アクリル樹脂焼付塗装は、材料の機能性(耐候性や耐薬品性など)や装飾性を高めるというメリットがありましたね。その一方で、金属のように150度前後の高温に耐えうる材料にのみ塗装できることや技術が必要であるため塗装を行っている業者が限られていることがデメリットでしたね。本記事を読んでいただいて、意外と自分の身近なところに、アクリル樹脂焼付塗装が使われている製品があると思ったのではないでしょうか?今回ご紹介した製品事例はほんの一例ですので、まだまだ自分の身の回りにもアクリル樹脂焼付塗装が使われているものを見つけられるかもしれませんね。材料の塗装にお困りでしたら、ぜひMituriにご相談ください。Mituriは日本全国に協力企業が170社以上ございます。お気軽にご相談ください。その他、加工のことでお困りでしたら、ぜひMituriにお任せください。
今回は真鍮とメッキについて詳しく解説していきます。真鍮とは黄銅ともよばれる、銅と亜鉛の合金で、導電性が非常に高く、また加工性も優れており、広く使われている素材の一つです。その優れた素材の真鍮にも表面が酸化により錆びたり黒く変色するというデメリットがあります。その対策としてメッキ処理が必要になります。真鍮にメッキをする際の注意点現在では、真鍮にはさまざまなメッキ処理が施されています。素材の特性やメッキの特性、組み合わせ、またメッキ前の洗浄工程でも注意点が多くみられます。今回はその中から、主な注意点を紹介します。アルカリ焼け引用元:株式会社 K&Kメッキの前処理工程では脱脂処理は必須です。脱脂剤の中で、pHの高い液に長時間浸漬するとアルカリ焼けの原因になります。上の画像に記されたPH値では、pH7~10では変色が見られませんが、pH11より変色が始まり、pH13.1では真っ黒にアルカリ焼けしています。アルカリ焼けを起こしたままメッキ処理を行うと、メッキ剥がれを起こす原因になるため注意が必要です。エッチングエッチングは、メッキ前工程の洗浄で発生する腐食のことです。メッキ前工程では、メッキを付きやすくするため、素材の活性化が不可欠で、その際に複数の酸が使用されています。真鍮に含まれる銅や亜鉛は塩酸に非常に弱く、腐食を進めます。エッチングされた状態のままメッキを施すと、密着不良、膨れ、剥がれの原因になります。ストライクメッキ真鍮は錆びにくい特徴を持った素材ですが、酸化被膜が発生します。酸化被膜に覆われるとメッキとの密着が悪くなりメッキ剥がれの原因に繋がります。メッキの密着を強化するためストライクメッキ(下地メッキ)を施し、素材とメッキの密着性を高めます。ストライクメッキにはさまざまな種類がありますが、その中でも銅、ニッケルによるストライクメッキがよく知られています。真鍮に向いているメッキ処理メッキの向き不向きについては、メッキ業者さんの技術にも左右されます。真鍮と相性の良いメッキは数多くありますが、その中でも一般的に多く使われているメッキを紹介しますので参考にしてみて下さい。無電解ニッケルメッキ無電解ニッケルメッキは”カニゼンメッキ”とも呼ばれています。下地メッキが不要とも言われ、真鍮とメッキの相性は非常に良いです。特徴としては、メッキの膜厚を管理することができ、複雑な形状や穴の内部に関しても均一に処理する事が可能な点です。電気メッキ電気メッキはさまざまなメッキがありますが、全般的に電気メッキと真鍮の相性は良いとされています。電気メッキの特徴としては、比較的に安価であり、また真鍮に欠けている、耐食性、耐摩耗性、また外観の見栄えを良くすることができます。まとめ真鍮とメッキについて詳しく説明してきましたが、いかがでしたか。近年では、真鍮も多種多様な用途が開発され、またそれと同様にメッキについても日々研究開発されています。素材や処理方法など、組み合わせや、機能が幅広いことから、全てを説明することはできませんが、メッキ選びの参考にしていただければと思います。
アクリル樹脂は、透明性や屈折率が高く、衝撃にも強いことが知られています。そのため、ガラスの代用品として日用品や乗り物の窓、道路標識など幅広く用いられています。実は、アクリル樹脂が焼付塗装に用いられる焼付塗料としても活躍していることはご存知でしょうか?そこで、今回の記事では、アクリル樹脂焼付塗装が何かというところからメリット・デメリット、また製品事例についてもご紹介していきます。「アクリル樹脂焼付塗装ってなに?」と思われている方はもちろん、アクリル樹脂焼付塗装の依頼を考えている方にも参考にしていただける記事ですので、ぜひ目を通していただきたいと思います。アクリル樹脂焼付塗装とはまず、焼付塗装についてご説明します。「塗装」と聞くと、色を付けることを思い浮かべる方が多いと思います。ですが、一般的には材料の表面に塗料を塗ることを指します。焼付塗装とは、焼付塗料に熱を加えて硬化させることによって塗装する方法です。そのため、焼付塗料とは熱を加えると硬化し、その後温度を変化させても個体の状態を維持し続ける熱硬化性を持つ樹脂でないといけません。また、加える熱は使用する樹脂によって異なりますが、100℃以上の熱を加えなければならないので、この高温に耐えることができる材料(主に金属)にのみ塗装することができます。そのため、焼付塗料として用いられることが多いのはメラミン樹脂やフッソ樹脂、そして今回ご紹介するアクリル樹脂です。アクリル樹脂を用いたアクリル樹脂焼付塗装は、一般的に用いられるメラミン樹脂焼付塗装と比べて耐候性や耐薬品性に優れているため、1ランク上の仕上がりになります。そのため、屋外だけでなく屋内用途にも用いることができます。ですが、注意点が1つあります。アクリル樹脂焼付塗装は、メラミン樹脂焼付塗装より高温の140℃~180℃で20~30分ほどの加熱乾燥が必要であるため、技術が必要になりすべての業者が扱っているわけではないです。アクリル樹脂焼付塗装を依頼するときには注意してください。メラミン樹脂焼付塗装との比較アクリル樹脂焼付塗装が、最も一般的な焼付塗装法であるメラミン樹脂焼付塗装と比較してどのような違いがあるのか見ていきましょう。●ガラス質であるアクリル樹脂焼付塗装とメラミン樹脂焼付塗装は共にプラスチックですが、アクリル樹脂焼付塗装はガラス質で高級感のある光沢を持ちます。●焼付温度が高いため耐熱性に優れる上述したように、アクリル樹脂焼付塗装では、焼付に140℃~180℃程度の高温が必要となるため、110℃~160℃程度で焼付可能なメラミン樹脂焼付塗装よりも焼付温度が高いです。そのため、耐熱性は、アクリル樹脂焼付塗装の方が高いと言えるでしょう。●初期コストが高いアクリル樹脂焼付塗装は、施工コストと塗料の価格が共にメラミン樹脂焼付塗装よりも高いです。●長持ちするため長期的コストは低い引用元:ナサ工業株式会社アクリル樹脂焼付塗装は、メラミン樹脂焼付塗装より、耐候性・耐食性・耐汚染性・耐薬品性に優れています。そのため、アクリル樹脂焼付塗装の方が長持ちし、長期的なコストは低いと言えるでしょう。なお、上の写真は、駅舎の設備部品で、ステンレスにアクリル樹脂焼付塗装を施したものです。●屋外使用に耐えるメラミン樹脂焼付塗装は、紫外線に弱く、年数が経つと退色が生じる上、表面に粉が吹いたような状態となるチョーキングが発生することがあります。一方、アクリル樹脂焼付塗装にはこのような経年劣化は起きないため、アクリル樹脂焼付塗装の方が屋外製品に向いています。●硬度が高いアクリル樹脂焼付塗装は、メラミン樹脂焼付塗装よりも硬いです。そのため、曲げると、アクリル樹脂焼付塗装は割れが生じますが、メラミン樹脂焼付塗装はしなります。ですが、アクリル樹脂焼付塗装の方がキズが付きにくいです。●密着性が高いアクリル樹脂焼付塗装は、メラミン樹脂焼付塗装よりも密着性が高く、剥がれにくいです。●塗膜を厚くできない引用元:双葉塗装株式会社アクリル樹脂焼付塗装とメラミン樹脂焼付塗装は、共に一回の塗装で10~15μm程度の膜厚が付きます。しかし、メラミン樹脂焼付塗装と異なり、アクリル樹脂焼付塗装は重ね塗りができません。そのため、アクリル樹脂焼付塗装は、塗膜を厚くできません。なお、上図は、メラミン樹脂焼付塗装を複数回行うことで膜厚を100μmとしたものです。厚くすることで、耐久性や耐水性、耐候性などが向上します。参考記事メラミン樹脂焼付塗装については、以下の記事に詳細がありますので、ご覧ください。⇒メラミン塗装とは【3分でわかる】専門家がわかりやすく解説します!アクリル樹脂焼付塗装のメリット・デメリット続いて、アクリル樹脂焼付塗装のメリット・デメリットについて見ていきましょう。アクリル樹脂焼付塗装のメリット透明性や屈折率が高い色付けできる高級感がある屋内だけでなく屋外用途にも使える塗装後、乾燥冷却して常温になればすぐに使える耐熱性に優れる耐候性に優れる耐食性に優れる耐汚染性に優れる耐薬品性に優れる耐久性に優れる硬度が高く、キズが付きにくい密着性が高く、剥がれにくいアクリル樹脂焼付塗装のデメリット熱を加えられない素材には塗装できない初期コストが高いヒビや割れが生じることがある重ね塗りができない膜厚が付きづらいアクリル樹脂焼付塗装はどんな製品に使われるの?アクリル樹脂焼付塗装は加工が容易で耐薬品性・耐候性・耐食性・耐錆性が高く、屋外暴露しにくいため、日用品から屋内・屋外用品まで幅広く用いられています。また、色艶を自由に選ぶことができる上に、焼き付けることで硬くなり、製品の装飾性および硬度が高くなります。さらに、焼付塗装は小さな部分の塗装にも向いていて、細部にまでこだわって色を指定することができます。そのため、金属製の工業製品や小物が多い装飾品にも用いられています。アクリル樹脂焼付塗装の製品事例アクリル樹脂焼付塗装がどのような製品に使用されているかお分かりいただいたところで、その具体例を見ていきましょう。自動販売機今や私たちの生活に欠かせない自動販売機。手軽に飲み物を買うことができて、本当に便利ですよね。屋内だけでなく、屋外にもたくさん設置されているため、高い耐候性が求められます。そのため、アクリル樹脂焼付塗装が用いられています。また、綺麗な自動販売機の方が飲み物の購買欲がそそられますよね。そういった面でも、装飾性にも優れているアクリル樹脂焼付塗装が用いられている理由となっています。こちらは主に機能塗料(機能性を上げるための塗料)として用いられています。ブレスレットやネックレス、指輪などのアクセサリー身にまとうだけで華やかさがプラスされたり、ガラッと印象を変えることができるアクセサリー。色の種類が豊富で、選ぶのも楽しいですよね。そのため、アクセサリーにも色と艶を自由に選択できるアクリル樹脂焼付塗装が用いられています。こちらは主にカラー塗料(色を付けるための塗装)として用いられています。上記2つの例のほかにも、自動車や電車の部品やエアコンなどの空調機器、ショーケースなど数多くの製品の機能性や装飾性を上げるためにアクリル樹脂焼付塗装が役立っています。まとめ今回は、塗装の中の1つである焼付塗装、そしてアクリル樹脂焼付塗装についてご紹介しました。アクリル樹脂焼付塗装は、材料の機能性(耐候性や耐薬品性など)や装飾性を高めるというメリットがありましたね。その一方で、金属のように150度前後の高温に耐えうる材料にのみ塗装できることや技術が必要であるため塗装を行っている業者が限られていることがデメリットでしたね。本記事を読んでいただいて、意外と自分の身近なところに、アクリル樹脂焼付塗装が使われている製品があると思ったのではないでしょうか?今回ご紹介した製品事例はほんの一例ですので、まだまだ自分の身の回りにもアクリル樹脂焼付塗装が使われているものを見つけられるかもしれませんね。材料の塗装にお困りでしたら、ぜひMituriにご相談ください。Mituriは日本全国に協力企業が170社以上ございます。お気軽にご相談ください。その他、加工のことでお困りでしたら、ぜひMituriにお任せください。