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  • 汎用旋盤(普通旋盤)の基礎|旋盤加工の概要、NC旋盤についても併せてご紹介!

    旋盤とは、金属加工で用いられる主要な工作機械の一つです。大根のかつら剥きのように、回転させた素材に刃物を押し当て、不要な部分を取り除き、目的の形状を削り出していく機械のことを指します。 旋盤には、コンピュータ制御によるものなど、様々な種類がありますが、手動で操作する汎用旋盤も製品によってはメリットが多く、まだまだ現役で使用されています。 そこで、今回の記事では、汎用旋盤の基礎的な知識やメリット・デメリットについて説明していきます。旋盤加工の概要、汎用旋盤のNC旋盤との違いについても併せてご紹介しますので、ぜひご覧ください。 汎用旋盤と旋盤加工の概要 汎用旋盤は、旋盤加工に用いられる工作機械です。旋盤加工機には、NC旋盤やタレット旋盤など、いくつかの種類がありますが、特に手動で操作する、標準的な構造を持った旋盤のことを汎用旋盤と言います。 単に「旋盤」と言う場合には、汎用旋盤を指すことが多く、また汎用旋盤を「普通旋盤」と呼ぶこともあります。 旋盤加工は「削る」ことを主眼においた加工 旋盤加工とは、材料を削ることで加工を行う切削加工の一種です。回転させた材料に「バイト」と呼ばれる切削工具を当てて材料の一部を削り取り、目的の形状を削り出していく加工方法のことを指します。 旋盤加工では、このバイトを加工法に合わせて交換することで様々な形状が加工可能となります。材料の外周を円形や先細形状(テーパ)に加工する、材料に内側からバイトを当てて内径を加工する、溝を掘り進めて材料の一部を切断するなど、専用バイトを使用することで多様な形状を実現することができます。 旋盤加工では、回転している材料を削るため、多くの場合材料には円形断面の棒材を用いています。しかし、材料を固定する「チャック」を変えることにより、四角形状の材料や、より歪な形状の材料も加工可能です。なお、下の写真は、4つの爪を持つチャックに四角形状の材料を固定したものです。 また、加工後の形状が回転軸に対して対称となるため、完成品の形状も円筒や円錐、皿形といった対称形になります。ただし、材料を脱着するなどして、材料の回転軸を変えて削れば、より複雑な形状に加工することが可能です。 汎用旋盤は手動で行う旋盤加工機 引用元:機械設計エンジニアの基礎知識 旋盤加工に使用される旋盤加工機の中でも、バイトの移動を「手動」で行うのが汎用旋盤です。 汎用旋盤では、上図のように、バイトの土台にハンドルやレバーなどが存在し、これらを手動操作することでバイトの位置を決定します。このバイトを動かし、固定位置で回転している材料に当てることで、材料を削っていきます。 なお、上図中のバイトの右方にある装置は、「心(芯)押し台」と呼ばれるものです。心押し台により、材料の回転中心を押して支えたり(下図参照)、ドリルやリーマなどを取り付けて穴加工を行ったりすることが可能となります。また、材料の回転中心を決定する「心出し」にも利用可能です。 引用元:国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 プログラムを利用するNC旋盤加工機との違い 手動で操作する汎用旋盤に対し、予めプログラムした手順通りにバイトを動かし、「自動」で加工していく旋盤加工機がNC旋盤です。 NC旋盤では、縦・横・高さの座標軸を設定してバイトの位置を数値に落とし込み、バイトの移動を機械が制御します。本体付属の操作パネルに数値を入力して操作するのが一般的ですが、現在では、コンピュータに接続して操作するNC旋盤もあります。そのようなNC旋盤は、特に「CNC旋盤」と呼ばれます。 NC旋盤では、プログラムを設定して材料をセットすれば、旋盤加工を全自動で行うことができます。この点、機械に張り付き、手作業で一つ一つ加工していく汎用旋盤とは異なります。また、加工は機械的に行われるため、作業員の技術や調子に依存することなく、高精度の加工を安定して行うことが可能です。 しかし、その一方で、汎用旋盤の場合にはない、事前のプログラム作成という工程が必要となります。そのため、NC旋盤は、特注品の製造には向いておらず、製品のロット数が少ない場合には、汎用旋盤よりも工数や全体としての製造時間が長くなることがあります。また、追加工などへの対応にも、その都度、プログラム作成が必要となることに注意が必要です。 とは言え、NC旋盤のプログラム作成には、バイトの送り量や材料への切り込み量、バイト交換のタイミングなど、汎用旋盤において手作業で行っていた全ての作業手順と操作をプログラムに落とし込まなければなりません。そのため、汎用旋盤は、作業者の技術教育のために現在でも重要な機械であり続けています。 参考:NC旋盤加工とは?NC旋盤加工の構成や工場もご紹介! 汎用旋盤のメリット・デメリット 汎用旋盤 メリット ・試作品や特注品の加工に向いている ・変更や修正、追加工が用意 ・バイト交換時における補正が不要 ・切り屑の状況や削った感触などが分かる 汎用旋盤 デメリット ・作業者の技術によって作業品質が変わる ・作業員が機械に張り付いている必要がある ・大量生産に向かない ・安全面に注意が必要 汎用旋盤のメリット①単品や試作品の加工に向いている 汎用旋盤では、NC旋盤では必要なプログラム作成の工程がないので、設計図さえあればすぐに加工を開始することができます。そのため、単品や特注品の加工に向いています。また、製造手順が定まっていなかったり、製作しながら微調整を繰り返したりする試作品の加工にも向いています。 汎用旋盤のメリット②変更や修正、追加工が容易 汎用旋盤では、一つ一つの加工を全て手作業で行います。そのため、変更があれば、その箇所の加工を変えれば良く、間違いなどがあれば、すぐに修正することができます。その点、NC旋盤を使用する場合には、加工終了までは間違い等を発見するのが難しく、発見しても変更・修正にプログラムの修正が必要となります。 追加工についても、追加工用の手順を加えれば良いだけで、容易に対応することができます。一方、NC旋盤では、追加工用のプログラム作成が必要となります。 汎用旋盤のメリット③バイト交換時における補正が不要 汎用旋盤では、目視しながら加工を行うので、バイトが摩耗した場合でも切り込み量などを調整することで問題なく加工を行うことができます。そのため、バイト交換によって、バイトのサイズが変わった場合でも手動による補正で対応可能です。 しかし、NC旋盤を使用する場合には、バイト交換やバイトの摩耗に合わせて、送り量や切り込み量などの補正値をプログラムに反映する必要があります。ただし、最近のNC旋盤では、このバイト交換に必要となる位置確認とプログラムへの補正値反映を自動で行う機能を持つものが多くなっています。そのため、むしろ汎用旋盤において手作業で行う方が実は手間になっているという側面もあります。 とは言え、超高精度な製品を製造する上では、このような補正調整作業も高度な技術を持つ作業者の手の感覚には敵わない部分があります。 汎用旋盤のメリット④切り屑の状況や削った感触などが分かる 機械に張り付き、手作業で加工を行うので、切り屑の状況や削った感触などをリアルタイムに知ることができます。切り屑がバイトなどに絡まった場合でもすぐに分かりますし、削った感触からバイトの状態などを知ることが可能です。そのため、切り屑が絡まった場合には除去する、バイトが切れなくなった場合には交換するなどの対応をすぐに取ることができます。 汎用旋盤のデメリット①作業者の技術によって作業品質が変わる 手作業で加工を行うため、作業者の技術によって品質や作業スピードに差異が生じてしまいます。 汎用旋盤のデメリット②作業員が機械に張り付いている必要がある 加工の全行程において作業員の手を必要とするため、その分の工数がかかります。 汎用旋盤のデメリット③大量生産に向かない 製品一つ一つに対し、加工はもちろん、バイト交換なども全て手作業で行うため、大量生産には向いていません。 汎用旋盤のデメリット④安全面に注意が必要 汎用旋盤加工の作業員は、常に機械に触っている状態にあります。そのため、作業員の安全面については十分な注意が必要です。重要な注意事項としては、以下のような点が挙げられます。 汎用旋盤 注意事項 ・チャックハンドル(材料・工具をチャックに固定するための工具)は付けたままにしない ・バイト交換や材料の測定は機械を停止してから行う ・材料の固定や工具の取り付けは確実に行う ・繊維が引っかかることがあるので、軍手はつけない 汎用旋盤で対応できる加工 汎用旋盤では、以下のような加工方法に対応することができます。 汎用旋盤で対応できる加工 外径加工 外周に対する加工方法 内径加工 材料に空いた穴の内周に対する加工方法 端面加工 材料の端面を削り、全長を短くする加工方法 溝入れ加工 外周に溝を入れる加工方法 突切り加工 溝入れ加工の溝を深くしていき、切断する加工方法 ねじ切り加工 雄ネジや雌ネジのネジ山を成形する加工方法 穴あけ加工 材料の回転中心に穴を空ける加工方法 テーパ加工 円錐など円周が変化していく形状の加工方法 ローレット加工 外周に凹凸を付ける加工方法 参考:旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! ただし、ねじ切り加工やテーパ加工を精度良く行うには、バイトの送り速度を一定にする「自動送り」という機能を使用する必要があります。その場合においても、加工形状に合わせた送り速度の計算や調整が必要です。そのため、ねじ切り加工やテーパ加工、また曲面を含む形状の加工には、NC旋盤が向いています。 下の写真は、汎用旋盤による加工事例で、外径・内径加工を施した後、内側に70個の溝入れ加工を施したものです。 汎用旋盤は、手動で操作する旋盤であり、大量生産には向かない工作機械です。しかし、一点物や試作品の製造を得意としており、まだまだ活躍の場はたくさんあります。 また、製作する製品によっては汎用旋盤の取り扱いを得意とする業者にご依頼するのも、製品の複雑性が増し、多品種少量生産が台頭している現在においては、メリットが多いのではないでしょうか。 Mitsuriは、日本全国250社以上の業者と提携しています。そのため、お客様のご要望に合わせた業者をご紹介できます。お見積りは複数社から可能です!旋盤加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにご相談ください。

  • 旋盤加工(ターニング加工)のメリット・デメリット!図面記号に関しても解説

    旋盤加工(ターニング加工)には、水平方向の軸を中心に材料を回転させる通常の旋盤加工とは異なる、水平面内で回転するテーブルに材料を乗せて加工する縦旋盤加工があります。 縦旋盤加工は、航空機のエンジンや船舶の部品、発電所のタービンなどの巨大な部品の製作に用いられ、エネルギー効率を上げるために近年ますます需要が高まっています。 今回の記事では、通常の旋盤加工と縦旋盤加工を併せてご紹介すると共に、その違いについても解説してきます。ターニング加工のメリット・デメリットについても説明しますので、ぜひご覧ください。 旋盤加工(ターニング加工)とは 旋盤加工とは、旋盤やNC旋盤と呼ばれる工作機械を用いる加工法です。回転する工作物にバイトと呼ばれる刃物状の工具を当て、工具を送ることで切削します。なお、NC旋盤は、工具の移動距離や送り速度などを数値制御して、自動化した旋盤のことです。 工作物を回転させながら削るため、主に円筒形状の材料が加工対象となり、完成品の形状も回転対称となります。ただし、旋盤から工作物を一度取り外して再度取り付け、軸を変えて削れば、より複雑な形状に加工可能です。また、多軸旋盤では、工作物を取り外すことなく、複雑な形状を実現できます。 横旋盤加工と縦旋盤加工 旋盤加工は、工作物の回転軸の向きにより、横旋盤加工と縦旋盤加工に分けることができます。 横旋盤加工は、回転軸が水平方向の旋盤(普通旋盤)を用いる加工法で、旋盤加工と言われると普通こちらを指します。 一方、垂直方向の回転軸を持った旋盤を用いる方法が縦旋盤加工です。縦旋盤加工では、水平面内で回転するテーブルに工作物を取り付け、テーブルごと工作物を回転させます。これに、上下左右に移動できる工具を当てることで切削します。このような旋盤を縦旋盤や立旋盤などと呼び、これらの加工機を使用した加工法を縦旋盤加工や立旋盤加工、ターニングなどと呼ぶことがあります。 旋盤加工機について 普通旋盤は、主に以下のような部分から構成されています。 普通旋盤を構成している主要要素 主軸(チャック):工作物を固定して回転させる部分 心押し台:主軸の反対側から工作物を保持したり、穴あけ加工などができる工具を取り付けたりする部分 往復台:工具を工作物の軸方向に送る部分 送り台:往復台の上に置かれ、様々な方向に動かして工具を送る部分 刃物台:往復台の上に置かれ、工具を取り付ける部分 ベッド:往復台をスライドさせる部分 主軸の回転数や回転方向を変えたり、往復台や送り台を移動して工具を送ったり、往復台に取り付ける工具を交換したりすることで多様な形状を削り出せるようになっています。 下図では、緑色の部分が心押し台、赤色の部分が送り台と刃物台、青色の部分が往復台に当たります。 続いて、下図右上のタレット旋盤は、タレットと呼ばれる旋回式の刃物台が装着された旋盤です。タレットを旋回させることで工具を切り替えることが可能で、工具交換の時間を短縮することができます。 引用元:コトバンク 一方、縦旋盤は、主に以下のような部分から構成されます。 縦旋盤(上図中で立て旋盤と記載)を構成している主要要素 テーブル:工作物を取り付け回転させる部分 正面刃物台:工作物を保持するセンタを取り付けたり、穴あけ加工などができる工具を取り付けたりする部分 横刃物台:外径加工などができる工具を取り付ける部分 クロスレール:正面刃物台を水平方向にスライドさせる部分 コラム:クロスレールや横刃物台を垂直方向にスライドさせる部分 コラム上でクロスレールをスライドさせたり、クロスレール上で正面刃物台をスライドさせたりすることで、工具の位置決めと送りを行うことができます。また、横刃物台は、コラム上をスライドさせることで垂直方向に移動し、工具を送ることが可能です。 上図では、緑色の部分が正面刃物台、上部に配置された青色の部分がクロスレールです。正面刃物台とクロスレールの間の赤色の部分は、サドルと呼ばれる部品です。下部に配置されている赤色と青色の部分は、横刃物台に当たります。また、正面刃物台と横刃物台のそれぞれに矢印が描かれていますが、これは、これらの刃物台が工具の送り機能も備えていることを示しています。 Mitsuriでは、多様な旋盤加工機を保有しているメーカーをご紹介できます。幅広いニーズにお応えできますので、ぜひご相談ください。 ターニング記号 引用元:株式会社キーエンス 続いて、旋盤加工で用いられる図面記号について説明します。 まず、図面では、面(曲面を含む)について上図の3種類の記号があります。中央の図は加工する必要があることを示しますが、左の記号は加工してもしなくてもよく、右の記号は加工してはならないことを示します。左と右の記号は、素材の面をそのまま残す場合などに用いられる記号です。 加工を要する記号の場合、加工方法や加工による筋目の方向、加工面の粗さなどを以下のように記述します。 引用元:機械設計エンジニアの基礎知識 加工方法には、外丸削りや面削りなどの加工方法の名称をそのまま記述するか、もしくは以下の記号を記述します。 旋盤加工の加工方法の記号 旋削:L 外丸削り:L テーパ削り:LTP 面削り:LFC ねじ切り:LTH 突切り:LCT 心立て:LCN 逃げみぞ切り:LRC 丸み付け:LRN スカイビング仕上げ:LSK 皮むき:LSC 穴あけ:D リーマ仕上げ:DR タップ立て:DT 中ぐり:B 工作機械の種類の種類も示したいときは、加工方法の記号の後にハイフンを用いて以下の工作機械の種類を表す記号を続けます。 旋盤加工機の種類を表す記号 旋盤:L 普通旋盤:LE または L 卓上旋盤:LBN タレット旋盤:LT 倣い旋盤:LCO 自動旋盤:LA 縦旋盤:LV 例えば、縦旋盤で面削りを行う場合は、「LFC-LV」と記述します。 参考記事 そのほか、筋目方向や加工面の粗さなどについては、旋盤加工に限ったものではなく、以下のサイトに詳細がありますので、ぜひご参照ください。 ⇒除去加工について専門家が解説!【製品事例についても掲載】 旋盤加工(ターニング加工)の種類 旋盤加工には、図面記号をご紹介したときに挙げたような様々な加工方法あります。これらの加工法は、工具を交換することで実現できます。例えば、外丸削りには片刃バイトや真剣バイトなどが用いられますし、ねじ切りにはおねじ切りバイトやめねじ切りバイト、穴あけにはドリルなどが使用されます。 参考記事 旋盤加工の種類については、以下のサイトで詳しく解説していますのでご覧ください。 ⇒旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! ターニング加工のメリット 旋盤には、普通旋盤や縦旋盤など、数種類の加工機がありますが、これらを用いた加工方法にはどのような違いがあるのでしょうか。 普通旋盤などについて詳しく知りたい方は先ほどの参考記事をご参照ください。ここではまず、比較的まだ知られていない縦旋盤加工のメリットを説明していきます。 1.大型の製品の加工に有利 縦旋盤加工は、工作物の自重だけで回転テーブルに密着するので、大型の製品を安定して加工することができます。テーブルの大きさに収まる直径の工作物まで加工可能で、直径20mもの材料を加工できるものがあります。 また、普通旋盤のように、チャックで固定するわけではなく、テーブルに置いて安定させてから固定するため、大物の材料でも安心して着脱することができます。 大型部品を必要とする航空エンジンや発電用タービンなどの加工に引き合いがあります。 2.異形状の製品の加工に有利 異形状の製品の加工にも有利です。バランスの取りづらい形状でも、テーブルと製品の間にシムスペーサーなどを挟めば安定させることができます。 3.加工の精度が良い 重力方向を基準に工作物を固定できるため、重力や遠心力による振れが少なくなり、普通旋盤と比べて加工の精度が良くなります。 4.省スペース 加工機の平面的な大きさは、テーブルの大きさとほぼ同等の加工可能な最大のサイズとなるため、加工対象となる製品の大きさを考慮すると省スペースであると言えるでしょう。 ターニング加工のデメリット 一方で、縦旋盤加工のデメリットは、以下の3点が挙げられます。 1.長物の加工は苦手 長物の加工は、苦手としています。縦旋盤加工では、軸方向に長い加工物ほど、テーブルに設置した際に不安定となります。また、軸方向の工具の送りは、重力に反して行うためにエネルギーを必要とし、垂直方向の工具の移動範囲もそれほど大きくありません。 2.切り屑がはけにくい 加工時、普通旋盤であれば、切り屑は自然とはけてくれますが、縦旋盤ではそうはいきません。特に穴あけや中ぐりなどをするときは、穴に切り屑が溜まっていってしまうため、定期的な切り屑の排出が必要となります。 3.稼働率が悪い 機械が大きく、工作物も大きいものを対象とするため、工具の交換時間や工作物の着脱に時間がかかってしまいます。そのため、機械の稼働率は、どうしても普通旋盤より低くなります。 しかし、最近の縦旋盤では、工具交換に関しては、自動的に交換できたり、複数の工具を取り付け可能であったりするものが多くあります。 ターニング加工の見積りを依頼するならMitsuri 縦旋盤加工は、通常の旋盤加工に比べれば、それほど知られていない加工法です。ですが、その需要は安定的に存在しており、縦旋盤加工機も進化を続けています。コンピュータによる数値制御はもちろん、マシニングセンタの機能も備えた加工機も販売されており、大型かつ高精度な部品製造を実現しているメーカーもあります。 Mitsuriでしたら、最新の縦旋盤を保有し、高度な旋盤加工技術を要したメーカーをご紹介できます。 Mitsuriは、日本全国250社以上の協力企業と提携しており、複数社からの相見積りをご提供できます。 ターニング加工をご依頼したい方は、ぜひMitsuriにお申し付けください!

  • 旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!

    金属の製品を作るときに欠かせない製造方法でもある旋盤加工。 自動車や機械の部品はもちろん、調理器具やアウトドア用品など、私たちの身の回りにも旋盤加工によって作られた製品はたくさんあります。 旋盤加工はミクロン単位で精度を出すこともできる加工方法ですので、きっちりと寸法が決まっている製品を製作するときに検討したい製造方法でもあります。 そこで本記事では、旋盤加工における加工方法の種類から、加工機の種類まで細かくご紹介しますので、金属加工の方法をお探しであれば、ぜひ読み進めて行ってください! 旋盤加工とは 旋盤加工とは、バイトと呼ばれる切削工具を使用して対象物を削り取る切削加工の一種で、回転する対象物を固定したバイトによって削り取る加工方法のことをそう呼んでいます。 反対に対象物を固定し、回転する切削工具を使って削り取る加工方法のことを「フライス加工」と呼びます。 参考記事 切削加工の種類については以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。 ⇒切削加工の種類【専門家が解説】フライス加工、旋盤加工について詳細をお伝えします! 旋盤加工は、加工物を回転する爪に固定するため、丸物の製品を作ることができます。対象物が回転し、ブレることなく製品を作り出せますので、寸法精度が出しやすいという特徴があります。 旋盤を構成している主な部品 主軸(チャック)・・・工作物を固定し、回転させる部分 心押し台・・・工作物を反対側から保持する部分 往復台・・・工具を水平に移動させる部分 ベッド・・・旋盤本体を構成し、往復台をスライドさせる部分 主軸の回転数や回転方向も任意で変えられ、加工したい形状や材料によって切削工具も自由に交換できるようになっています。 そのため様々な加工方法を組み合わせることで、より複雑な形状の製品を作り出せます。 旋盤加工の種類 旋盤加工は専用バイトに交換することによって、様々な形状に加工することができます。 ここでは、旋盤加工でよく用いられる代表的な以下五つの加工方法について順にご紹介します。 代表的な加工方法 外径加工 内径加工 ねじ切り加工 穴あけ加工 突切り加工 1.外径加工 回転している対象物に、外側からバイトを当てて外径を加工していく方法です。 りんごの皮むきのように、表面を綺麗に慣らす仕上げ加工に用いられたり、大きく削り落として任意の形状を成形したりと、最も多く用いられる方法です。 切削加工では必ず発生する「切りくず」は外側に飛ばされ、バイトに絡まってしまうこともあるため、注意が必要です。 切りくずがバイトに絡まると精度が狂う場合もありますので、あらかじめバイトの角度を調整し、切りくずが絡まらないように配慮する必要があります。 2.内径加工 回転している対象物に内側からバイトを当てて内径を加工する方法です。 加工距離に比例してバイトの長さも必要ですが、長い突き出し量のバイトは「たわみ」と「びびり」が発生しやすく、精度が狂いやすい特徴があります。 また、切りくずも内部に溜まりやすい特徴がありますので、頻繁に切りくずを除去しなければ、バイトの刃に詰まって切削できなくなります。 そのため刃の形状や加工速度を変え、切りくずが上手く加工物の外に排出されるような対策も講じられます。 3.ねじ切り加工 回転する対象物にバイトの刃を当て、ねじ山を作る加工のことを言います。 専用のバイトを付け替えることで、おねじとめねじ両方の加工が可能です。 おねじの製作…「おねじ切りバイト」を外側から当て、一定のスピードでバイトを送っていく めねじの製作…「めねじ切りバイト」を内側から当て、一定のスピードでバイトを送っていく ねじのピッチは等間隔であるため、バイトの移動は手送りで行うよりも、「自動送り機能」が用いられることが多いようです。 価格が安くなるねじ切り図面の書き方についてはこちら! 価格が安くなるねじ切り指示の書き方を解説しています! 20〜30%ほどの低減につながる可能性がございますのでぜひご覧ください! 合計8分ほどで視聴可能です! https://youtu.be/JNjOi0ZPUmM 【実は無駄だった!?】タップの指示で切削の見積もり金額こんなに変わるの? https://youtu.be/uKALkTgm1zs 【2分でわかる】高くなる穴加工【切削加工】 4.穴あけ加工 「ドリルチャック」と呼ばれるドリル刃を固定するための工具を用いて穴を開ける加工方法です。 回転する対象物に固定したドリル刃を押し当てて穴を開けます。 穴あけ加工は、内径加工を行う時に必要なバイトの刃が入るスペースを確保するために用いられたり、タップを切る下準備に行ったりと、様々な加工方法と組み合わせられます。 5.突切り加工 回転する対象物に外側から徐々にバイトを押し当て、不要な部分を切り落とす加工です。 陶芸などで最後に粘土から切り落とす工程と同じ方法で、加工面が綺麗に仕上がる特徴があります。 ただし突切りで使用するバイトは刃が細く、切断には手から伝わってくる振動や音などで確認しながら作業をしたりと、ある程度の技術が必要となります。 また、固い金属を切り落とす時は刃が折れないように工夫する必要があります。 例えば靱性(粘り)の高い刃を使用したり、回転数を落として切削油を給油しながら摩擦を小さくするなどの対策があります。 旋盤加工機について 一言で旋盤加工と言っても、たくさんの加工の種類があることがわかりました。 そのため、加工する材料の大きさや、作りたい製品の形状によって最適な加工機を選択する必要があります。 代表的な旋盤加工機は次の6種類があります。 代表的な旋盤加工機 汎用旋盤(普通旋盤) NC旋盤 卓上旋盤 正面旋盤 立旋盤 タレット旋盤 それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。 1.汎用旋盤(普通旋盤) 旋盤加工機の基本的な構造をしており、「旋盤」と言えばこちらを指すことが多いように思います。 工作物を主軸台で固定し、往復台上のバイトを押し当てて削ります。 心押し台にバイトやドリルチャックを取り付けたり、補助工具を組み合わせれば、様々な加工方法が行えます。 様々な加工方法ができる万能な旋盤のようにも見えますが、バイトの脱着を全て手作業で行わなければいけないため、加工に時間がかかる欠点があります。 そのため一つの製品に対して工数が必要な「試作品の製作」や、「オーダーメイド部品の製作」など、少量生産に使われることが多いようです。 2.NC旋盤 縦・横・高さの座標軸を設定し、あらかじめプログラムした手順通りにバイトを動かして自動的に加工する旋盤機です。 コンピュータによって制御管理を行うため、高精度な加工ができるのはもちろんですが、バイトの動きはサーボモーターで制御するため、正確かつ高速で製品を作り出すことができます。 一度材料をセットすれば、簡単に同じ製品を作ることができますので、大量生産の現場で活躍します。 また、加工物の材料や目的の形状に応じて回転速度やバイトを自由に調整できるため、急な形状変更にも迅速に対応できます。 近年工業製品の主流になりつつあるNC旋盤は、車や飛行機の部品をはじめ、ミシンや医療機器など、私たちの生活に関わる幅広い製品を製作しています。 3.卓上旋盤 基本的な構造は汎用旋盤と同じですが、別名「ベンチレース」とも呼ばれるくらいサイズが小さく、作業台の上にも設置できる特徴があります。 サイズ的にボルトの作成などと言った小物部品の加工が中心となります。 また、加工物を固定するチャック部分は、スクロールチャックからコレットチャックに変更すれば、薄肉の製品でも変形させず綺麗に加工できます。 汎用旋盤でも用いられるスクロールチャックを、コレットチャックに交換します。 コレットチャックを使用すれば、加工物をワンタッチで着脱できるため、作業効率が良く、大量生産の現場でも活躍します。さらに金属だけでなく、プラスチックなどの加工も可能であるため、汎用性が高い工作機械とも言えます。 置き場所の自由度も高いことから、個人で購入して設置することも可能ですので、最も手軽に使用できる旋盤機とも言えるでしょう。 4.正面旋盤 汎用旋盤の加工物固定部に面盤を取り付けた旋盤で、大きな製品でも加工することができます。 巨大な加工物をセットする時に精度が出しにくい欠点があるため、代わりに立旋盤の方が多く用いられます。 しかし正面旋盤は切りくずが下方に落ち、加工時に切りくずで傷を付けにくくなるため、立旋盤より連続加工がしやすいというメリットがあります。 5.立旋盤 一般的な旋盤は横向きで加工を行いますが、立旋盤は立向きで垂直方向に加工を行います。チャック部分は面盤になっており、比較的大きな製品でも加工ができます。 また、加工物を下方向に置いてセットするため、重量物や大きなものでも重力によって中心がズレることなく装着できます。 そのため汎用旋盤では加工できないような大型の製品を加工することもできます。 6.タレット旋盤 汎用旋盤でバイトや切削工具の脱着を行う時は、毎回付け替えをしなければいけませんでした。 しかしタレット旋盤では、心押し台の代わりに「タレット」と呼ばれる旋回式の刃物台が装着され、形状や材料によってタレットを回してワンタッチで刃物を変えることができます。 これによって複数の切削工具を使用して加工する時に、工具交換をせずに加工が行えますので、同一製品を複数作る時に活躍します。 現在では工具の交換やバイトの動きも自動で制御できるNC旋盤が普及してきたため、あまり目立たなくなってしまいましたが、試作部品や小ロットの製品を手作業で製作するシーンではまだまだ重宝される旋盤機です。 まとめ 旋盤加工の種類や、製作現場で多く使われる旋盤機についてご紹介しました。 旋盤加工で作られた製品は精度も高く、私たちの生活を支えている身近なものの中にもたくさん使用されています。旋盤加工は図面の読み方や工具の扱い方など、様々な専用知識が必要ですので、熟練した技術者でなければ加工ができません。また、NC旋盤などは特殊な数値制御も使用しているため、知識も持ち合わせていなければいけません。 そのため作りたい製品があっても、「旋盤加工で製作しよう」とすぐに決められないこともあると思います。 そんな時は是非Mitsuriをご活用ください! Mitsuriでは図面をアップロードすると、加工可能な登録工場が最適な加工で見積と加工を行います。図面をお持ちの方は下のボタンからご登録ください!

  • 汎用旋盤(普通旋盤)の基礎|旋盤加工の概要、NC旋盤についても併せてご紹介!

    旋盤とは、金属加工で用いられる主要な工作機械の一つです。大根のかつら剥きのように、回転させた素材に刃物を押し当て、不要な部分を取り除き、目的の形状を削り出していく機械のことを指します。 旋盤には、コンピュータ制御によるものなど、様々な種類がありますが、手動で操作する汎用旋盤も製品によってはメリットが多く、まだまだ現役で使用されています。 そこで、今回の記事では、汎用旋盤の基礎的な知識やメリット・デメリットについて説明していきます。旋盤加工の概要、汎用旋盤のNC旋盤との違いについても併せてご紹介しますので、ぜひご覧ください。 汎用旋盤と旋盤加工の概要 汎用旋盤は、旋盤加工に用いられる工作機械です。旋盤加工機には、NC旋盤やタレット旋盤など、いくつかの種類がありますが、特に手動で操作する、標準的な構造を持った旋盤のことを汎用旋盤と言います。 単に「旋盤」と言う場合には、汎用旋盤を指すことが多く、また汎用旋盤を「普通旋盤」と呼ぶこともあります。 旋盤加工は「削る」ことを主眼においた加工 旋盤加工とは、材料を削ることで加工を行う切削加工の一種です。回転させた材料に「バイト」と呼ばれる切削工具を当てて材料の一部を削り取り、目的の形状を削り出していく加工方法のことを指します。 旋盤加工では、このバイトを加工法に合わせて交換することで様々な形状が加工可能となります。材料の外周を円形や先細形状(テーパ)に加工する、材料に内側からバイトを当てて内径を加工する、溝を掘り進めて材料の一部を切断するなど、専用バイトを使用することで多様な形状を実現することができます。 旋盤加工では、回転している材料を削るため、多くの場合材料には円形断面の棒材を用いています。しかし、材料を固定する「チャック」を変えることにより、四角形状の材料や、より歪な形状の材料も加工可能です。なお、下の写真は、4つの爪を持つチャックに四角形状の材料を固定したものです。 また、加工後の形状が回転軸に対して対称となるため、完成品の形状も円筒や円錐、皿形といった対称形になります。ただし、材料を脱着するなどして、材料の回転軸を変えて削れば、より複雑な形状に加工することが可能です。 汎用旋盤は手動で行う旋盤加工機 引用元:機械設計エンジニアの基礎知識 旋盤加工に使用される旋盤加工機の中でも、バイトの移動を「手動」で行うのが汎用旋盤です。 汎用旋盤では、上図のように、バイトの土台にハンドルやレバーなどが存在し、これらを手動操作することでバイトの位置を決定します。このバイトを動かし、固定位置で回転している材料に当てることで、材料を削っていきます。 なお、上図中のバイトの右方にある装置は、「心(芯)押し台」と呼ばれるものです。心押し台により、材料の回転中心を押して支えたり(下図参照)、ドリルやリーマなどを取り付けて穴加工を行ったりすることが可能となります。また、材料の回転中心を決定する「心出し」にも利用可能です。 引用元:国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 プログラムを利用するNC旋盤加工機との違い 手動で操作する汎用旋盤に対し、予めプログラムした手順通りにバイトを動かし、「自動」で加工していく旋盤加工機がNC旋盤です。 NC旋盤では、縦・横・高さの座標軸を設定してバイトの位置を数値に落とし込み、バイトの移動を機械が制御します。本体付属の操作パネルに数値を入力して操作するのが一般的ですが、現在では、コンピュータに接続して操作するNC旋盤もあります。そのようなNC旋盤は、特に「CNC旋盤」と呼ばれます。 NC旋盤では、プログラムを設定して材料をセットすれば、旋盤加工を全自動で行うことができます。この点、機械に張り付き、手作業で一つ一つ加工していく汎用旋盤とは異なります。また、加工は機械的に行われるため、作業員の技術や調子に依存することなく、高精度の加工を安定して行うことが可能です。 しかし、その一方で、汎用旋盤の場合にはない、事前のプログラム作成という工程が必要となります。そのため、NC旋盤は、特注品の製造には向いておらず、製品のロット数が少ない場合には、汎用旋盤よりも工数や全体としての製造時間が長くなることがあります。また、追加工などへの対応にも、その都度、プログラム作成が必要となることに注意が必要です。 とは言え、NC旋盤のプログラム作成には、バイトの送り量や材料への切り込み量、バイト交換のタイミングなど、汎用旋盤において手作業で行っていた全ての作業手順と操作をプログラムに落とし込まなければなりません。そのため、汎用旋盤は、作業者の技術教育のために現在でも重要な機械であり続けています。 参考:NC旋盤加工とは?NC旋盤加工の構成や工場もご紹介! 汎用旋盤のメリット・デメリット 汎用旋盤 メリット ・試作品や特注品の加工に向いている ・変更や修正、追加工が用意 ・バイト交換時における補正が不要 ・切り屑の状況や削った感触などが分かる 汎用旋盤 デメリット ・作業者の技術によって作業品質が変わる ・作業員が機械に張り付いている必要がある ・大量生産に向かない ・安全面に注意が必要 汎用旋盤のメリット①単品や試作品の加工に向いている 汎用旋盤では、NC旋盤では必要なプログラム作成の工程がないので、設計図さえあればすぐに加工を開始することができます。そのため、単品や特注品の加工に向いています。また、製造手順が定まっていなかったり、製作しながら微調整を繰り返したりする試作品の加工にも向いています。 汎用旋盤のメリット②変更や修正、追加工が容易 汎用旋盤では、一つ一つの加工を全て手作業で行います。そのため、変更があれば、その箇所の加工を変えれば良く、間違いなどがあれば、すぐに修正することができます。その点、NC旋盤を使用する場合には、加工終了までは間違い等を発見するのが難しく、発見しても変更・修正にプログラムの修正が必要となります。 追加工についても、追加工用の手順を加えれば良いだけで、容易に対応することができます。一方、NC旋盤では、追加工用のプログラム作成が必要となります。 汎用旋盤のメリット③バイト交換時における補正が不要 汎用旋盤では、目視しながら加工を行うので、バイトが摩耗した場合でも切り込み量などを調整することで問題なく加工を行うことができます。そのため、バイト交換によって、バイトのサイズが変わった場合でも手動による補正で対応可能です。 しかし、NC旋盤を使用する場合には、バイト交換やバイトの摩耗に合わせて、送り量や切り込み量などの補正値をプログラムに反映する必要があります。ただし、最近のNC旋盤では、このバイト交換に必要となる位置確認とプログラムへの補正値反映を自動で行う機能を持つものが多くなっています。そのため、むしろ汎用旋盤において手作業で行う方が実は手間になっているという側面もあります。 とは言え、超高精度な製品を製造する上では、このような補正調整作業も高度な技術を持つ作業者の手の感覚には敵わない部分があります。 汎用旋盤のメリット④切り屑の状況や削った感触などが分かる 機械に張り付き、手作業で加工を行うので、切り屑の状況や削った感触などをリアルタイムに知ることができます。切り屑がバイトなどに絡まった場合でもすぐに分かりますし、削った感触からバイトの状態などを知ることが可能です。そのため、切り屑が絡まった場合には除去する、バイトが切れなくなった場合には交換するなどの対応をすぐに取ることができます。 汎用旋盤のデメリット①作業者の技術によって作業品質が変わる 手作業で加工を行うため、作業者の技術によって品質や作業スピードに差異が生じてしまいます。 汎用旋盤のデメリット②作業員が機械に張り付いている必要がある 加工の全行程において作業員の手を必要とするため、その分の工数がかかります。 汎用旋盤のデメリット③大量生産に向かない 製品一つ一つに対し、加工はもちろん、バイト交換なども全て手作業で行うため、大量生産には向いていません。 汎用旋盤のデメリット④安全面に注意が必要 汎用旋盤加工の作業員は、常に機械に触っている状態にあります。そのため、作業員の安全面については十分な注意が必要です。重要な注意事項としては、以下のような点が挙げられます。 汎用旋盤 注意事項 ・チャックハンドル(材料・工具をチャックに固定するための工具)は付けたままにしない ・バイト交換や材料の測定は機械を停止してから行う ・材料の固定や工具の取り付けは確実に行う ・繊維が引っかかることがあるので、軍手はつけない 汎用旋盤で対応できる加工 汎用旋盤では、以下のような加工方法に対応することができます。 汎用旋盤で対応できる加工 外径加工 外周に対する加工方法 内径加工 材料に空いた穴の内周に対する加工方法 端面加工 材料の端面を削り、全長を短くする加工方法 溝入れ加工 外周に溝を入れる加工方法 突切り加工 溝入れ加工の溝を深くしていき、切断する加工方法 ねじ切り加工 雄ネジや雌ネジのネジ山を成形する加工方法 穴あけ加工 材料の回転中心に穴を空ける加工方法 テーパ加工 円錐など円周が変化していく形状の加工方法 ローレット加工 外周に凹凸を付ける加工方法 参考:旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! ただし、ねじ切り加工やテーパ加工を精度良く行うには、バイトの送り速度を一定にする「自動送り」という機能を使用する必要があります。その場合においても、加工形状に合わせた送り速度の計算や調整が必要です。そのため、ねじ切り加工やテーパ加工、また曲面を含む形状の加工には、NC旋盤が向いています。 下の写真は、汎用旋盤による加工事例で、外径・内径加工を施した後、内側に70個の溝入れ加工を施したものです。 汎用旋盤は、手動で操作する旋盤であり、大量生産には向かない工作機械です。しかし、一点物や試作品の製造を得意としており、まだまだ活躍の場はたくさんあります。 また、製作する製品によっては汎用旋盤の取り扱いを得意とする業者にご依頼するのも、製品の複雑性が増し、多品種少量生産が台頭している現在においては、メリットが多いのではないでしょうか。 Mitsuriは、日本全国250社以上の業者と提携しています。そのため、お客様のご要望に合わせた業者をご紹介できます。お見積りは複数社から可能です!旋盤加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにご相談ください。

  • 旋盤加工(ターニング加工)のメリット・デメリット!図面記号に関しても解説

    旋盤加工(ターニング加工)には、水平方向の軸を中心に材料を回転させる通常の旋盤加工とは異なる、水平面内で回転するテーブルに材料を乗せて加工する縦旋盤加工があります。 縦旋盤加工は、航空機のエンジンや船舶の部品、発電所のタービンなどの巨大な部品の製作に用いられ、エネルギー効率を上げるために近年ますます需要が高まっています。 今回の記事では、通常の旋盤加工と縦旋盤加工を併せてご紹介すると共に、その違いについても解説してきます。ターニング加工のメリット・デメリットについても説明しますので、ぜひご覧ください。 旋盤加工(ターニング加工)とは 旋盤加工とは、旋盤やNC旋盤と呼ばれる工作機械を用いる加工法です。回転する工作物にバイトと呼ばれる刃物状の工具を当て、工具を送ることで切削します。なお、NC旋盤は、工具の移動距離や送り速度などを数値制御して、自動化した旋盤のことです。 工作物を回転させながら削るため、主に円筒形状の材料が加工対象となり、完成品の形状も回転対称となります。ただし、旋盤から工作物を一度取り外して再度取り付け、軸を変えて削れば、より複雑な形状に加工可能です。また、多軸旋盤では、工作物を取り外すことなく、複雑な形状を実現できます。 横旋盤加工と縦旋盤加工 旋盤加工は、工作物の回転軸の向きにより、横旋盤加工と縦旋盤加工に分けることができます。 横旋盤加工は、回転軸が水平方向の旋盤(普通旋盤)を用いる加工法で、旋盤加工と言われると普通こちらを指します。 一方、垂直方向の回転軸を持った旋盤を用いる方法が縦旋盤加工です。縦旋盤加工では、水平面内で回転するテーブルに工作物を取り付け、テーブルごと工作物を回転させます。これに、上下左右に移動できる工具を当てることで切削します。このような旋盤を縦旋盤や立旋盤などと呼び、これらの加工機を使用した加工法を縦旋盤加工や立旋盤加工、ターニングなどと呼ぶことがあります。 旋盤加工機について 普通旋盤は、主に以下のような部分から構成されています。 普通旋盤を構成している主要要素 主軸(チャック):工作物を固定して回転させる部分 心押し台:主軸の反対側から工作物を保持したり、穴あけ加工などができる工具を取り付けたりする部分 往復台:工具を工作物の軸方向に送る部分 送り台:往復台の上に置かれ、様々な方向に動かして工具を送る部分 刃物台:往復台の上に置かれ、工具を取り付ける部分 ベッド:往復台をスライドさせる部分 主軸の回転数や回転方向を変えたり、往復台や送り台を移動して工具を送ったり、往復台に取り付ける工具を交換したりすることで多様な形状を削り出せるようになっています。 下図では、緑色の部分が心押し台、赤色の部分が送り台と刃物台、青色の部分が往復台に当たります。 続いて、下図右上のタレット旋盤は、タレットと呼ばれる旋回式の刃物台が装着された旋盤です。タレットを旋回させることで工具を切り替えることが可能で、工具交換の時間を短縮することができます。 引用元:コトバンク 一方、縦旋盤は、主に以下のような部分から構成されます。 縦旋盤(上図中で立て旋盤と記載)を構成している主要要素 テーブル:工作物を取り付け回転させる部分 正面刃物台:工作物を保持するセンタを取り付けたり、穴あけ加工などができる工具を取り付けたりする部分 横刃物台:外径加工などができる工具を取り付ける部分 クロスレール:正面刃物台を水平方向にスライドさせる部分 コラム:クロスレールや横刃物台を垂直方向にスライドさせる部分 コラム上でクロスレールをスライドさせたり、クロスレール上で正面刃物台をスライドさせたりすることで、工具の位置決めと送りを行うことができます。また、横刃物台は、コラム上をスライドさせることで垂直方向に移動し、工具を送ることが可能です。 上図では、緑色の部分が正面刃物台、上部に配置された青色の部分がクロスレールです。正面刃物台とクロスレールの間の赤色の部分は、サドルと呼ばれる部品です。下部に配置されている赤色と青色の部分は、横刃物台に当たります。また、正面刃物台と横刃物台のそれぞれに矢印が描かれていますが、これは、これらの刃物台が工具の送り機能も備えていることを示しています。 Mitsuriでは、多様な旋盤加工機を保有しているメーカーをご紹介できます。幅広いニーズにお応えできますので、ぜひご相談ください。 ターニング記号 引用元:株式会社キーエンス 続いて、旋盤加工で用いられる図面記号について説明します。 まず、図面では、面(曲面を含む)について上図の3種類の記号があります。中央の図は加工する必要があることを示しますが、左の記号は加工してもしなくてもよく、右の記号は加工してはならないことを示します。左と右の記号は、素材の面をそのまま残す場合などに用いられる記号です。 加工を要する記号の場合、加工方法や加工による筋目の方向、加工面の粗さなどを以下のように記述します。 引用元:機械設計エンジニアの基礎知識 加工方法には、外丸削りや面削りなどの加工方法の名称をそのまま記述するか、もしくは以下の記号を記述します。 旋盤加工の加工方法の記号 旋削:L 外丸削り:L テーパ削り:LTP 面削り:LFC ねじ切り:LTH 突切り:LCT 心立て:LCN 逃げみぞ切り:LRC 丸み付け:LRN スカイビング仕上げ:LSK 皮むき:LSC 穴あけ:D リーマ仕上げ:DR タップ立て:DT 中ぐり:B 工作機械の種類の種類も示したいときは、加工方法の記号の後にハイフンを用いて以下の工作機械の種類を表す記号を続けます。 旋盤加工機の種類を表す記号 旋盤:L 普通旋盤:LE または L 卓上旋盤:LBN タレット旋盤:LT 倣い旋盤:LCO 自動旋盤:LA 縦旋盤:LV 例えば、縦旋盤で面削りを行う場合は、「LFC-LV」と記述します。 参考記事 そのほか、筋目方向や加工面の粗さなどについては、旋盤加工に限ったものではなく、以下のサイトに詳細がありますので、ぜひご参照ください。 ⇒除去加工について専門家が解説!【製品事例についても掲載】 旋盤加工(ターニング加工)の種類 旋盤加工には、図面記号をご紹介したときに挙げたような様々な加工方法あります。これらの加工法は、工具を交換することで実現できます。例えば、外丸削りには片刃バイトや真剣バイトなどが用いられますし、ねじ切りにはおねじ切りバイトやめねじ切りバイト、穴あけにはドリルなどが使用されます。 参考記事 旋盤加工の種類については、以下のサイトで詳しく解説していますのでご覧ください。 ⇒旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! ターニング加工のメリット 旋盤には、普通旋盤や縦旋盤など、数種類の加工機がありますが、これらを用いた加工方法にはどのような違いがあるのでしょうか。 普通旋盤などについて詳しく知りたい方は先ほどの参考記事をご参照ください。ここではまず、比較的まだ知られていない縦旋盤加工のメリットを説明していきます。 1.大型の製品の加工に有利 縦旋盤加工は、工作物の自重だけで回転テーブルに密着するので、大型の製品を安定して加工することができます。テーブルの大きさに収まる直径の工作物まで加工可能で、直径20mもの材料を加工できるものがあります。 また、普通旋盤のように、チャックで固定するわけではなく、テーブルに置いて安定させてから固定するため、大物の材料でも安心して着脱することができます。 大型部品を必要とする航空エンジンや発電用タービンなどの加工に引き合いがあります。 2.異形状の製品の加工に有利 異形状の製品の加工にも有利です。バランスの取りづらい形状でも、テーブルと製品の間にシムスペーサーなどを挟めば安定させることができます。 3.加工の精度が良い 重力方向を基準に工作物を固定できるため、重力や遠心力による振れが少なくなり、普通旋盤と比べて加工の精度が良くなります。 4.省スペース 加工機の平面的な大きさは、テーブルの大きさとほぼ同等の加工可能な最大のサイズとなるため、加工対象となる製品の大きさを考慮すると省スペースであると言えるでしょう。 ターニング加工のデメリット 一方で、縦旋盤加工のデメリットは、以下の3点が挙げられます。 1.長物の加工は苦手 長物の加工は、苦手としています。縦旋盤加工では、軸方向に長い加工物ほど、テーブルに設置した際に不安定となります。また、軸方向の工具の送りは、重力に反して行うためにエネルギーを必要とし、垂直方向の工具の移動範囲もそれほど大きくありません。 2.切り屑がはけにくい 加工時、普通旋盤であれば、切り屑は自然とはけてくれますが、縦旋盤ではそうはいきません。特に穴あけや中ぐりなどをするときは、穴に切り屑が溜まっていってしまうため、定期的な切り屑の排出が必要となります。 3.稼働率が悪い 機械が大きく、工作物も大きいものを対象とするため、工具の交換時間や工作物の着脱に時間がかかってしまいます。そのため、機械の稼働率は、どうしても普通旋盤より低くなります。 しかし、最近の縦旋盤では、工具交換に関しては、自動的に交換できたり、複数の工具を取り付け可能であったりするものが多くあります。 ターニング加工の見積りを依頼するならMitsuri 縦旋盤加工は、通常の旋盤加工に比べれば、それほど知られていない加工法です。ですが、その需要は安定的に存在しており、縦旋盤加工機も進化を続けています。コンピュータによる数値制御はもちろん、マシニングセンタの機能も備えた加工機も販売されており、大型かつ高精度な部品製造を実現しているメーカーもあります。 Mitsuriでしたら、最新の縦旋盤を保有し、高度な旋盤加工技術を要したメーカーをご紹介できます。 Mitsuriは、日本全国250社以上の協力企業と提携しており、複数社からの相見積りをご提供できます。 ターニング加工をご依頼したい方は、ぜひMitsuriにお申し付けください!

  • 旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!

    金属の製品を作るときに欠かせない製造方法でもある旋盤加工。 自動車や機械の部品はもちろん、調理器具やアウトドア用品など、私たちの身の回りにも旋盤加工によって作られた製品はたくさんあります。 旋盤加工はミクロン単位で精度を出すこともできる加工方法ですので、きっちりと寸法が決まっている製品を製作するときに検討したい製造方法でもあります。 そこで本記事では、旋盤加工における加工方法の種類から、加工機の種類まで細かくご紹介しますので、金属加工の方法をお探しであれば、ぜひ読み進めて行ってください! 旋盤加工とは 旋盤加工とは、バイトと呼ばれる切削工具を使用して対象物を削り取る切削加工の一種で、回転する対象物を固定したバイトによって削り取る加工方法のことをそう呼んでいます。 反対に対象物を固定し、回転する切削工具を使って削り取る加工方法のことを「フライス加工」と呼びます。 参考記事 切削加工の種類については以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。 ⇒切削加工の種類【専門家が解説】フライス加工、旋盤加工について詳細をお伝えします! 旋盤加工は、加工物を回転する爪に固定するため、丸物の製品を作ることができます。対象物が回転し、ブレることなく製品を作り出せますので、寸法精度が出しやすいという特徴があります。 旋盤を構成している主な部品 主軸(チャック)・・・工作物を固定し、回転させる部分 心押し台・・・工作物を反対側から保持する部分 往復台・・・工具を水平に移動させる部分 ベッド・・・旋盤本体を構成し、往復台をスライドさせる部分 主軸の回転数や回転方向も任意で変えられ、加工したい形状や材料によって切削工具も自由に交換できるようになっています。 そのため様々な加工方法を組み合わせることで、より複雑な形状の製品を作り出せます。 旋盤加工の種類 旋盤加工は専用バイトに交換することによって、様々な形状に加工することができます。 ここでは、旋盤加工でよく用いられる代表的な以下五つの加工方法について順にご紹介します。 代表的な加工方法 外径加工 内径加工 ねじ切り加工 穴あけ加工 突切り加工 1.外径加工 回転している対象物に、外側からバイトを当てて外径を加工していく方法です。 りんごの皮むきのように、表面を綺麗に慣らす仕上げ加工に用いられたり、大きく削り落として任意の形状を成形したりと、最も多く用いられる方法です。 切削加工では必ず発生する「切りくず」は外側に飛ばされ、バイトに絡まってしまうこともあるため、注意が必要です。 切りくずがバイトに絡まると精度が狂う場合もありますので、あらかじめバイトの角度を調整し、切りくずが絡まらないように配慮する必要があります。 2.内径加工 回転している対象物に内側からバイトを当てて内径を加工する方法です。 加工距離に比例してバイトの長さも必要ですが、長い突き出し量のバイトは「たわみ」と「びびり」が発生しやすく、精度が狂いやすい特徴があります。 また、切りくずも内部に溜まりやすい特徴がありますので、頻繁に切りくずを除去しなければ、バイトの刃に詰まって切削できなくなります。 そのため刃の形状や加工速度を変え、切りくずが上手く加工物の外に排出されるような対策も講じられます。 3.ねじ切り加工 回転する対象物にバイトの刃を当て、ねじ山を作る加工のことを言います。 専用のバイトを付け替えることで、おねじとめねじ両方の加工が可能です。 おねじの製作…「おねじ切りバイト」を外側から当て、一定のスピードでバイトを送っていく めねじの製作…「めねじ切りバイト」を内側から当て、一定のスピードでバイトを送っていく ねじのピッチは等間隔であるため、バイトの移動は手送りで行うよりも、「自動送り機能」が用いられることが多いようです。 価格が安くなるねじ切り図面の書き方についてはこちら! 価格が安くなるねじ切り指示の書き方を解説しています! 20〜30%ほどの低減につながる可能性がございますのでぜひご覧ください! 合計8分ほどで視聴可能です! https://youtu.be/JNjOi0ZPUmM 【実は無駄だった!?】タップの指示で切削の見積もり金額こんなに変わるの? https://youtu.be/uKALkTgm1zs 【2分でわかる】高くなる穴加工【切削加工】 4.穴あけ加工 「ドリルチャック」と呼ばれるドリル刃を固定するための工具を用いて穴を開ける加工方法です。 回転する対象物に固定したドリル刃を押し当てて穴を開けます。 穴あけ加工は、内径加工を行う時に必要なバイトの刃が入るスペースを確保するために用いられたり、タップを切る下準備に行ったりと、様々な加工方法と組み合わせられます。 5.突切り加工 回転する対象物に外側から徐々にバイトを押し当て、不要な部分を切り落とす加工です。 陶芸などで最後に粘土から切り落とす工程と同じ方法で、加工面が綺麗に仕上がる特徴があります。 ただし突切りで使用するバイトは刃が細く、切断には手から伝わってくる振動や音などで確認しながら作業をしたりと、ある程度の技術が必要となります。 また、固い金属を切り落とす時は刃が折れないように工夫する必要があります。 例えば靱性(粘り)の高い刃を使用したり、回転数を落として切削油を給油しながら摩擦を小さくするなどの対策があります。 旋盤加工機について 一言で旋盤加工と言っても、たくさんの加工の種類があることがわかりました。 そのため、加工する材料の大きさや、作りたい製品の形状によって最適な加工機を選択する必要があります。 代表的な旋盤加工機は次の6種類があります。 代表的な旋盤加工機 汎用旋盤(普通旋盤) NC旋盤 卓上旋盤 正面旋盤 立旋盤 タレット旋盤 それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。 1.汎用旋盤(普通旋盤) 旋盤加工機の基本的な構造をしており、「旋盤」と言えばこちらを指すことが多いように思います。 工作物を主軸台で固定し、往復台上のバイトを押し当てて削ります。 心押し台にバイトやドリルチャックを取り付けたり、補助工具を組み合わせれば、様々な加工方法が行えます。 様々な加工方法ができる万能な旋盤のようにも見えますが、バイトの脱着を全て手作業で行わなければいけないため、加工に時間がかかる欠点があります。 そのため一つの製品に対して工数が必要な「試作品の製作」や、「オーダーメイド部品の製作」など、少量生産に使われることが多いようです。 2.NC旋盤 縦・横・高さの座標軸を設定し、あらかじめプログラムした手順通りにバイトを動かして自動的に加工する旋盤機です。 コンピュータによって制御管理を行うため、高精度な加工ができるのはもちろんですが、バイトの動きはサーボモーターで制御するため、正確かつ高速で製品を作り出すことができます。 一度材料をセットすれば、簡単に同じ製品を作ることができますので、大量生産の現場で活躍します。 また、加工物の材料や目的の形状に応じて回転速度やバイトを自由に調整できるため、急な形状変更にも迅速に対応できます。 近年工業製品の主流になりつつあるNC旋盤は、車や飛行機の部品をはじめ、ミシンや医療機器など、私たちの生活に関わる幅広い製品を製作しています。 3.卓上旋盤 基本的な構造は汎用旋盤と同じですが、別名「ベンチレース」とも呼ばれるくらいサイズが小さく、作業台の上にも設置できる特徴があります。 サイズ的にボルトの作成などと言った小物部品の加工が中心となります。 また、加工物を固定するチャック部分は、スクロールチャックからコレットチャックに変更すれば、薄肉の製品でも変形させず綺麗に加工できます。 汎用旋盤でも用いられるスクロールチャックを、コレットチャックに交換します。 コレットチャックを使用すれば、加工物をワンタッチで着脱できるため、作業効率が良く、大量生産の現場でも活躍します。さらに金属だけでなく、プラスチックなどの加工も可能であるため、汎用性が高い工作機械とも言えます。 置き場所の自由度も高いことから、個人で購入して設置することも可能ですので、最も手軽に使用できる旋盤機とも言えるでしょう。 4.正面旋盤 汎用旋盤の加工物固定部に面盤を取り付けた旋盤で、大きな製品でも加工することができます。 巨大な加工物をセットする時に精度が出しにくい欠点があるため、代わりに立旋盤の方が多く用いられます。 しかし正面旋盤は切りくずが下方に落ち、加工時に切りくずで傷を付けにくくなるため、立旋盤より連続加工がしやすいというメリットがあります。 5.立旋盤 一般的な旋盤は横向きで加工を行いますが、立旋盤は立向きで垂直方向に加工を行います。チャック部分は面盤になっており、比較的大きな製品でも加工ができます。 また、加工物を下方向に置いてセットするため、重量物や大きなものでも重力によって中心がズレることなく装着できます。 そのため汎用旋盤では加工できないような大型の製品を加工することもできます。 6.タレット旋盤 汎用旋盤でバイトや切削工具の脱着を行う時は、毎回付け替えをしなければいけませんでした。 しかしタレット旋盤では、心押し台の代わりに「タレット」と呼ばれる旋回式の刃物台が装着され、形状や材料によってタレットを回してワンタッチで刃物を変えることができます。 これによって複数の切削工具を使用して加工する時に、工具交換をせずに加工が行えますので、同一製品を複数作る時に活躍します。 現在では工具の交換やバイトの動きも自動で制御できるNC旋盤が普及してきたため、あまり目立たなくなってしまいましたが、試作部品や小ロットの製品を手作業で製作するシーンではまだまだ重宝される旋盤機です。 まとめ 旋盤加工の種類や、製作現場で多く使われる旋盤機についてご紹介しました。 旋盤加工で作られた製品は精度も高く、私たちの生活を支えている身近なものの中にもたくさん使用されています。旋盤加工は図面の読み方や工具の扱い方など、様々な専用知識が必要ですので、熟練した技術者でなければ加工ができません。また、NC旋盤などは特殊な数値制御も使用しているため、知識も持ち合わせていなければいけません。 そのため作りたい製品があっても、「旋盤加工で製作しよう」とすぐに決められないこともあると思います。 そんな時は是非Mitsuriをご活用ください! Mitsuriでは図面をアップロードすると、加工可能な登録工場が最適な加工で見積と加工を行います。図面をお持ちの方は下のボタンからご登録ください!