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曲げ加工

  • ステンレスパイプの曲げ加工について解説!

    ステンレスパイプは、耐久性や耐食性が高いだけでなく洗練された外観で、工業製品をはじめ、日常生活の身近なところで幅広く使用されています。 各用途でステンレスパイプを活用するために、必要な形状に加工する「曲げ加工」が欠かせません。 加工が比較的難しい素材であるステンレスの性質を押さえて、用途や条件に応じて的確に曲げ加工するには、精密に仕上げる高い技術と経験によって磨かれた道具や装置の操作センスが必要です。 今回は、ステンレスパイプの曲げ加工によって対応できる形状の種類や、実際の曲げ加工事例についてご紹介します。ステンレスパイプの加工に興味がある方はぜひ最後まで読んでみてください。 対応可能な曲げ形状 ステンレスパイプの曲げ加工で対応できる形状には、次の6種類があります。 対応可能な曲げ形状 への字曲げ L型(90°)曲げ レ型(95~175°)曲げ U型(180°)曲げ コ型曲げ Z型曲げ 実際に曲げ加工で使用される加工法には、大きく分けて2種類あります。 パイプベンダ方式:機械や専用の器具を用いてステンレスパイプを曲げる方法で、ひずみやしわ寄せなどの変形がほとんどなく、精度が高い仕上がりになります。費用も比較的安く抑えられます。 ガス炙り手曲げ方式:ガスでパイプを炙って熱した後、柔らかくなったパイプを曲げるやり方で、3次元曲げ加工など難易度の高い加工が可能です。パイプベンダに比べて時間がかかり、加工作業の難易度も高くなるため、コストがかかります。 費用や生産性などの理由から、現在はステンレスパイプの曲げ加工の多くがパイプベンダ方式となっています。   への字曲げ への字曲げは、90°よりもゆるい角度で曲げて「への字」のような形状に加工する方法です。主な曲げ角度は、10°から85°の間で決めます。 曲げ加工時に重要な要素となるパイプにかかる力についてご説明します。下記図をご参照ください。 引用元:セキコーポレーション パイプを曲げた際、外側に生じる引張応力と、内側にかかる圧縮応力がパイプを変形させる要因です。 外側部分は引張応力によって厚みが減って、凹んでしまう恐れがあり、特に内側の曲げ半径である内曲げRの数値が小さいほど、引張応力が大きく素材に影響が出やすくなります。 場合によっては、割れる、あるいは内側に大きなシワができることもあり、こうした不具合を避けるために、最小曲げR値(パイプごとに耐えうる最小の内曲げR値)よりも大きい値で加工するようにしましょう。   L型(90°)曲げ  文字通り、アルファベットのL字の形状にステンレスパイプを曲げる加工です。一般的な曲げ加工の形状のひとつで、さまざまな場所で使用されています。 L字を含め曲げ加工全般において、90°ぴったりに曲げようとしても、素材が持つ圧力によって元に数度だけ戻ってしまう現象(スプリングバック)を考慮する必要があります。 ステンレスの90°ちょうどに曲げたい際には、数度大きく曲げることで、ステンレスパイプ自体は90°の曲げに仕上がります。素材やパイプの長さなどの条件によって、2〜3°の範囲前後でどのくらい大きくするか数値が異なります。   レ型(95~175°)曲げ  直角よりも狭い角度に曲げる方法がレ型と呼ばれ、主に95〜175°の範囲で加工されます。曲げる角度が急になっており、曲部が潰れないように加工するには適切なパイプベンダや操作スキルが必要になります。   U型(180°)曲げ  アルファベットのUの字のように曲げる加工のことで、パイプを180°曲げます。両側の曲げ始めの部分から少しずつ曲げ始め、徐々に中央部を曲げていきます。小さいR値でU型加工を施す場合は、高い技術が必要になるでしょう。   コ型曲げ  カタカナの「コの字の」形状に曲げ加工を行います。通常は、一箇所ずつL型に加工して仕上げます。   Z型曲げ  Z曲げ(ぜっとまげ)アルファベットのZ字のような形状に曲げ加工を行う方法です。 参考:ステンレスパイプ加工について解説! ステンレスパイプの曲げ加工事例 ここからは、実際にステンレスパイプの曲げ加工の事例をご紹介していきます。 引用元:株式会社ハセテック 直径0.66mmの超極細ステンレスパイプ(SUS304)の曲げ加工です。 引用元:株式会社ハセテック ステンレスパイプの3次元曲げ加工です。 引用元:星野重工業株式会社 ステンレスパイプ(SUSフェライト系素材)の複雑な曲げ加工です。L型やへの字、Z型などが組み合わさっています。 引用元:大和技研株式会社 直径25mm、厚さ2.0mmのステンレスパイプ(SUS304)にらせん状の曲げ加工を行った事例です。内側からパイプを通し、逆側に戻して仕上げています。 引用元:GENJIMIKI ステンレスパイプ(SUS304)のU字曲げ加工の部品です。 ステンレスパイプの曲げ加工は、条件にあったメーカー探しを ステンレスパイプの曲げ加工では、ステンレス素材が持つ特性を活かして、的確に加工するためには、機械加工であっても経験値と高い技術が要求されます。先に紹介した加工形状を複数組み合わせて仕上げるものも多く、パイプの長さや直径、材質などの条件に合った加工ができる業者に依頼する必要があるでしょう。

  • アルミパイプの曲げ加工ならMitsuri!【協力工場350社以上】

    「アルミパイプを曲げたいけど、どんな曲げ方ができるのかな?」 「実際に曲げ加工をするとどんな感じになるだろう?」 アルミパイプの曲げ加工を依頼する際に、このような疑問を抱く方は少なくないと思います。この記事では、そんな方に向けて、実際に行われている曲げ形状や加工事例を紹介していきます。 対応可能な曲げ形状 引用元:東備工業株式会社 アルミパイプを曲げるにあたり、「業者に依頼せず個人でやってみたい」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、力まかせに曲げようとするとストローを曲げた時のように曲げた部分がつぶれてしまいます。また、きれいに曲げようとするとパイプベンダーという装置が必要になりますが、通販サイトなどではφ25㎜程度までのものしかないので注意が必要です。φ80㎜程度まで対応している業者もあるので作りたいものに合わせて選びましょう。 アルミパイプの曲げ加工は以下の6つが基本になります。 ・への字曲げ ・L型(90°)曲げ ・レ型(95~175°)曲げ ・U型(180°)曲げ ・コ型曲げ ・Z型曲げ 以上の6つの形状であればアルミパイプの曲げ加工が簡単に見積もりできます。 しかし、6つ以外の形状でもMitsuriであれば、対応可能な複数の加工業者から見積もりできますので、是非Mitsuriにご相談ください。 への字曲げ 引用元:株式会社 春日井金型 ひらがなの「へ」の字ように、曲げたい部分を直角よりもゆるやかな角度(90°未満)で曲げる方法です。受け付けている角度は業者によって異なるので注意が必要です。 上の図では、曲げた際にかかる力について説明しています。 引張応力はパイプを曲げた時に曲げた部分の外側が引っ張られて生じる力を示しています。逆に内側は潰す方向に力が生じるので圧縮応力です。引張応力によって外側部分は板厚が減少し、場合によっては少し凹んでしまいます。内側曲げRとは内側の曲げ半径のことを示しています。 曲げRを小さくしようとすると引張応力が強くなり外側が割れる、もしくは内側にシワが発生する可能性があります。このシワの発生を抑えるためワイパーと呼ばれるシワ取りの金型を用います。パイプの表面を傷つけないようパイプ本体の材質よりも柔らかいものを用いるのが一般的です。 また、パイプが割れない範囲での内側曲げRが最も小さい寸法を最小曲げR(Rmin)と言います。曲げ加工が上手くいかない原因としては、最小曲げRよりも小さい半径で曲げようとたことによって起きる問題が最も多いです。 以上のことは他の曲げ形状の加工においても同様です。 L型(90°)曲げ 引用元:中央技研 アルファベットの「L」の字のように直角に曲げる方法です。 L字の曲げ加工を行う際に注意したいのは、曲げ加工を行うとき加工時の角度よりも角度が少し戻る方向へ開いてしまうスプリングバックという現象です。アルミはヤング率(弾性係数)が軟鋼鉄の約3分の1と弾性変形が大きいため、90°に曲げたい場合には90°以上で、且つ他金属よりも余計に大きく曲げる必要があります。そのため、狙った角度に曲げることが他金属以上に難しいので、熟練した加工技術が必要になります。 画像は角パイプですがもちろん丸パイプでもできます。 レ型(95~175°)曲げ 引用元:堀内パイプ工業 カタカナの「レ」の字のように直角よりも狭い角度で曲げる方法です。 「V字曲げ」と呼ばれることもあります。 画像は角パイプですが丸パイプもできます。 U型(180°)曲げ 引用元:Instazu アルファベットの「U」の字のように180°曲げる方法です。 U字曲げでは、先に両側の曲げ始めの部分から曲げてから中央部分を曲げます。こうすることで金型との接触を防ぐことが可能で、左右対称に作りやすいというメリットがあります。 コ型曲げ 引用元:株式会社アムキャン カタカナの「コ」の字のように曲げる方法です。 上記のL字曲げを二回行います。L字曲げを二回行う分、正確に角度を出すのはL字曲げよりも難しくなります。また、形状によっては一度目の曲げ部分がベンダーと干渉してしまう場合があるため注意が必要です。 Z型曲げ 引用元:株式会社 サトウパイプ アルファベットの「Z」の字のように曲げる方法です。 「Z」のように斜め線でなくともZ型に曲げると言います。 参考:【曲げ加工】の基礎やV曲げ/L曲げ加工について徹底解説!! アルミパイプの曲げ加工事例 実際にアルミパイプを曲げ加工したものやそれを使って製品用途をご紹介します。 (器具ハンドル) 引用元:山田軽金属製作所 (階段手すり) 引用元:株式会社ODK (アルミフレーム) 引用元:NISSIN (大型ハンガー) 引用元:白山工業株式会社 アルミニウムは鉄や銅に比べて軽く錆びにくいため様々な用途に使用することができます。 参考:【アルミの基礎】アルミとは?からメリット/デメリットまで解説! アルミパイプの曲げ加工まとめ この記事では、アルミパイプの曲げ加工が可能な形状や加工事例についてご紹介しました。 アルミパイプは様々な用途に使用することができ、非常に便利です。 個人で曲げ加工を行う際にはパイプベンダーを購入する必要があります。上の6つのような通常の曲げ加工でもパイプベンダーを購入するよりも安く済ませることができることがあるため一度見積もりを出してみることをおすすめします。 業者に依頼する際は、Mitsuriで見積もり依頼を出すことが可能です。 日本全国各地どちらからのご依頼でも案件のご依頼が可能ですので、アルミパイプの曲げ加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにご相談ください!

  • Mitsuri

    真鍮の曲げ加工ならMitsuri!

    「真鍮を曲げる加工時に特徴はあるのか?」 「真鍮の曲げ加工を依頼したいけど、どの板厚まで対応してもらえるのか?」 上記のようなお悩みをお持ちでしたら、是非この記事を参考にしてみてください。 この記事では、冷間加工や熱間加工における真鍮の曲げ加工時の特徴から、真鍮の曲げ加工の対応可能板厚まで詳しく解説していきます。 参考記事 真鍮のその他の加工については以下の記事で詳しく解説しています。 ⇒【真鍮(銅) 加工】真鍮の加工方法を加工実績と共に徹底紹介!! 真鍮の曲げ加工時の特徴 真鍮の曲げ加工としては、冷間加工と熱間加工の2通りの方法を選択できます。 なぜなら、真鍮は銅と亜鉛の合金で、展延性に優れているからです。 参考記事 銅、真鍮の素材については以下の記事で詳しく解説しています。 ⇒【銅】の基礎知識|身近な銅の特徴や用途・真鍮について解説! そのため、大きめのRをつけるなどの比較的簡単な加工は冷間加工で行い、小さめのR加工や波曲線のような複雑な加工は熱間加工で行うといったように、フレキシブルに加工方法を選択することができるのが特徴です。 では、冷間加工と熱間加工とは具体的にどういった加工方法なのかを次に解説していきます。 ①冷間加工 冷間加工は塑性変形を利用し、常温から再結晶温度未満で行う加工のことを指します。 棒材などに板材をハンマーで叩いて巻き付けるように曲げる加工は冷間加工になります。 冷間加工のメリットとして、常温から再結晶温度未満で加工を行うため、金属の変形抵抗が保たれています。そのため、素材の形状や精度が損なわれずに済むといったことが挙げられます。 デメリットとしては、冷間加工は常温から再結晶温度未満で加工を行うので、金属の変形抵抗が高いため、加工に大きな力が必要になる点が挙げられます。 ②熱間加工 熱間加工は、再結晶温度以上に加熱して金属の変形抵抗を下げることによって金属の変形能力を高める加工方法です。 熱間加工のメリットとして、変形抵抗が大幅に下がっているため加工がしやすく、スプリングのような螺旋形に見られる連続した曲げ加工も容易に行うことができます。 デメリットとして、変形抵抗の低下によって素材が本来備えていた形状や精度が損なわれてしまう点が挙げられます。 Mitsuriでは板厚t0.5mm~t9mmまでの真鍮の曲げ加工に対応しています。 t0.5mm~t1mm程度の真鍮製品の例としては、バスバー(主に配電盤や操作盤で使用される、大容量の電流を導電する部品)や電池端子などが挙げられます。 他にも、真鍮製の鉄道模型の車体部分やアクセサリーの装飾パーツなど、精度が必要な曲げ加工もお任せください。 真鍮曲げ加工の製品事例 引用元:株式会社 太洋 加工製品:真鍮丸管材 φ10.0mm×t1.5mm×複合R 引用元:有限会社 長井技研 加工製品:センサブラケット 材質:C2801P 板厚:t1.0mm 引用元:有限会社イシダ製作所 真鍮製 板厚:t2.0mm サイズ:60mm×20mm×R32mm 引用元:株式会社 岩津発条製作所 加工製品:引張バネ 材質:真鍮(黄銅線)C2600W-1/2H 線径:1.2mm 外径:20mm 公差:±0.1mm まとめ  真鍮は展延性が高く加工しやすい素材ですが、冷間加工が可能とはいえ自分で加工するには硬い素材です。専用の工具があったとしても骨の折れる作業になります。 また、熱間加工をするには機材が必要で、使用頻度が高くなければ機材をそろえる費用に頭を悩まされます。 さらに、曲げ加工の精度を求めると熟練の技術が必要になります。 そんなときは一度、Mitsuriにご相談ください! Mitsuriは100社以上の工場と提携しておりますので、ニーズに沿ったご提案をさせていただきます。

  • ステンレスパイプ加工について解説!

    耐食性が高く丈夫なステンレス製品は、日々の生活で数多く見かけます。便利で実用性の高いステンレス。しかし、ステンレスは「難削材」と言われ、比較的加工の難しい材質です。硬くねばりがある材質であり、切断や曲げ、穴あけ加工時に使用工具、機械に多くの負担をかけるため、加工者の技術と経験がコスト低減のカギとなります。 中でも、ステンレスパイプの加工は、手間のかかる作業です。使い慣れた加工業者に依頼したら、想像とは違ったものができてしまうこともありますので、ステンレスの加工を依頼する業者はしっかりと見極めることが重要です。 本記事では、ステンレスパイプの加工について詳しく説明しています。 「ステンレスパイプの加工って何ができるの?」 「ステンレスパイプ加工について詳しく知りたい」 と悩んでいる方は、参考情報としてご活用下さい。 どのような加工があるのか ステンレスパイプの加工といっても様々あります。 ステンレスパイプの加工において一番重要なのが、技術の正確性。ステンレスは、硬度や粘りが高い材質なので、寸法ズレや切断面、穴あけ面の仕上げが汚くなってしまうことがあります。バリや見た目などはやすり等でフォローすることができますが、寸法ずれが発生すると目も当てられません。検査で見つからなかった場合、最終組み立て時に気がつき大惨事になってしまうこともあるでしょう。 そのため、ステンレスパイプ扱うことに慣れた「知識」「経験」「技術」を兼ね備えた企業に加工を依頼する必要があります。 カット 引用元:株式会社レーザーテック 製品を作る上で一番始めに行う工程が「カット」です。ステンレスパイプのカットは鉄パイプカットと比較してカット断面がボロボロになりやすく精度が落ちやすい為、専用工具を使用しなくてはなりません。 ステンレスパイプをカットできる機器は「丸鋸」「旋盤」「レーザー」などが主に挙げられます。どの工法にもメリット・デメリットがあるので、簡単にご紹介します。 丸鋸 「丸鋸」はステンレスパイプをカットする代表的な機器です。ステンレスパイプをカットするには、専用の丸鋸刃が必須。専用の丸鋸刃では、カットにかかる手間も少なくコストを抑えて加工することが可能。しかし、バイスで固定するため、薄物の丸パイプは潰れてしまうリスクもあります。 旋盤 「旋盤」加工は、機械加工おいて代表的な機器です。旋盤加工をする場合にも、ステンレスパイプカットは専用の切削工具を設置しなければなりません。旋盤でカットするパイプは、寸法が正確で精度を±0.1以上に仕上げることもできます。その反面、一度にたくさんの量を加工できないため、他の加工よりコストが高くなりやすいのが難点です。 レーザー 「レーザー」加工は、レーザーを照射し溶融させてステンレスをカットする技術です。レーザーカット面はバリなどが出にくく、切子が飛び散らないため仕上がりがキレイなのが魅力的。加工コストは旋盤より安価ですが、加工対象を定盤の上に置く必要があり、丸パイプは専用治具等が無くては固定することができないため、通常のレーザー機器では、丸パイプをカットすることはできません。 また、板厚の厚いカットはレーザー出力の関係上、表面がギザギザになりやすいため、3mm程度までの薄物に適しています。ただし、熱の影響を受けやすいので、出力の高いレーザー機器が必要です。 曲げ 引用元:株式会社平川製作所 ステンレスパイプは主に「パイプベンダ」「ガス炙り手曲げ」の2種類で曲げられます。ここでは、メリット・デメリットを簡単に説明していきます。 パイプベンダ 「パイプベンダ」はパイプを曲げる王道の工法です。機械で曲げたり、専用機器で手動でパイプを曲げたりすることができます。パイプベンダを使用して手動でパイプを曲げるためには、職人の技術力は必須。硬いステンレスパイプでは、より一層の技術力が求められます。また、手動パイプベンダではパイプ内径が一部潰れてしまうというデメリットもあります。 そのため、多くのパイプ曲げは機械を使用したパイプベンダーで行われています。機械で行うパイプ曲げは、寸法精度が正確で製造コストが安価なのがメリットです。その代わり、曲げた部分が痩せてしまい、寸法が縮んでしまうのが難点です。 ガス炙り手曲げ 一方、「ガス炙り手曲げ」とはその名の通り、ガスでパイプを炙り、柔らかくなったパイプを曲げていく工法です。熱変形の激しいステンレスパイプを自在に曲げるためには、職人の技術力および多くの時間が必要。手曲げは、主に3次元のパイプ曲げなどの難易度が高い曲げ加工に必要です。そのため製造コストも割高になってしまいます。 バーリング 引用元:日経クロステック 「バーリング加工」とは、加工穴回りを立ち上がらせる加工のことです。薄物板材にネジ穴加工を施したい場合や、板自体の強度を高めたい時に用いられます。 丸パイプをバーリング加工するためには、まず抜きコアを作成してから下穴をあけます。そして、穴の周りに専用の抑え金具をセットしてから抜き、コアを引き抜くことで穴回りを立ち上がらせることができます。角パイプは、タレパンでもバーリング加工が可能です。ただし、タレパン専用機械にセットできるサイズの小さい角パイプでなくてはなりません。 穴あけ 引用元:有限会社大橋機械工業 ステンレスパイプの穴あけは鉄パイプと比較して非常に難易度が高く、失敗の多い工程です。特に丸パイプは穴あけ時、ドリルが外に逃げてしまい、穴位置がずれてしまいがちです。そのためステンレス丸パイプの穴あけは慎重かつ丁寧に行わなくてはなりません。 穴あけ工法は「ボール盤」「フライス」「レーザー」で加工することができます。ここでは、簡単にメリット・デメリットを説明します。 ボール盤 「ボール盤」加工は、テーブルの上に工作物を乗せ、固定したバイスで工作物を締め付けて回転しているドリルで穴を開けます。ボール盤加工はセットする時間も短く、工程が少ない為、最もコストがかからない工法です。しかし、穴あけ時に位置ズレしやすく、失敗する可能性が最も高いのでリスクも伴います。ステンレスパイプをボール盤で穴開けるには、専用のキリを使用し、熟練の技術力は必須と言えるでしょう。 フライス盤 「フライス盤」はX軸・Y軸と下のテーブルを動かし、ドリルを直接当てることによって様々な形の穴をあけることができます。ボール盤では長穴を開けることはできませんが、フライス盤は長穴加工は簡単です。精度が高い穴をあけことができるフライス盤ですが、コストが割高になりがちなのがデメリット。フライス盤加工でもドリルは、ステンレス用の物を使用します。 レーザー 「レーザー」はカットと同じく穴あけも可能です。ただし、レーザー穴あけはパイプ固定治具の関係上角パイプのみの対応ですのでご注意ください。 ステンレスパイプ 加工事例 引用元:株式会社ハセテック ステンレスパイプの曲げ加工。パイプベンダーでステンレスパイプを少ないRで曲げるには技術が必要です。 引用元:株式会社リプス・ワークス 極細ステンレスパイプに極小穴あけを施した例です。フライス盤と旋盤の技術が高くなければ、穴が潰れてしまいパイプがガタガタになってしまいます。 引用元:株式会社レーザーテック レーザー加工を用いたステンレスパイプの長穴スリットです。肉薄丸パイプにスリットを入れるには、特殊治具か3次元レーザーが必要になります。 引用元:荒木技研工業 巨大ステンレス丸パイプにバーリング加工を施した例です。穴径が大きいのにバーリングがきっちりされています。 まとめ 今回はステンレスパイプ加工についてご紹介しました。 ステンレスパイプは、鉄パイプと比較すると同じ加工でも難易度が大きく異なり、技術や設備が整っていなければ、正確で精度が高く綺麗な加工はできません。また、工法によって価格が大きく異なるため、最終的に求める製品精度によって適切な工法を選択する必要があります。 そのため安易に業者選定を行わず、依頼時には十分吟味したうえで製品発注することがおすすめです。

  • ベンダー加工とは?メリット・デメリットまで詳しく解説!

    「ベンダー曲げの加工工程について詳しく知りたい。」 「ベンダー曲げ加工を依頼したいが、種類まではよくわからない・・・」 曲げ加工を依頼する際に、このようなお悩みを持っている方は少なくないと思います。曲げ加工の中でも最もメジャーとされるベンダー曲げですが、実はその中にも種類があり様々な用途によって使い分けられています。 今回は、そんなベンダー曲げについて詳しくご紹介します。「ベンダー曲げってどんな工程で行うんだろう?」と疑問をお持ちの方や、これからベンダー曲げの依頼を頼もうと考えている方にも参考となる記事なので、是非ご一読ください。 ベンダーによる曲げ加工 ベンダー曲げとは、曲げ加工の方法の1つで、ベンダーブレーキというプレス機を使用して曲げ加工を行います。 ベンダーブレーキとは、ステンレスや鋼板などの薄い板金素材を曲げる際に使用する機械です。ベンダーブレーキは、他にもベンディングマシンやブレーキプレスとも言われています。また、板金以外にも管材加工においても使用されることが多いです。 ベンダー曲げは、ベンダーブレーキに往復運動を行うプレス部分(パンチ)と受け側に金型(ダイ)を設置したあとに、素材をプレスし曲げていきます。素材にかける圧力の調整や、金型の形状によって、思い通りの角度に曲げ加工が可能です。そのため、多くの製品の加工に使われています。 工程を説明すると、単純に聞こえますが、精密板金などの加工では、求められる精度が0.1mm単位とされているため、非常に繊細な加工です。 引用元:三芝イーシ工業株式会社 写真は、ベンダープレスに上型(パンチ)と下型(ダイ)を設置している図です。 下型のダイの溝がV字型なっており、上型のパンチが下に降りてくることによって、間に挟んでいる金属素材を曲げていく仕組みです。 ベンダー曲げは、プレス曲げとも呼ばれており、プレス機械を使用して素材を加工するため、他の曲げ加工と比べても、生産速度が速い特徴があります。また、比較的小さな部品の加工や、複雑な曲げ加工をすることも可能なため、大量生産は勿論、他の曲げ加工よりも幅広い対応をすることができます。しかし、その半面、加工できる金属板の厚みなどは、他の曲げ加工よりも、制限があることが多いです。 さらにベンダー曲げでは、金型の設計だけでなく、素材にかける圧力について細かな計算をしなくてはいけません。そのため、ベンダー曲げを依頼する際は、会社側に一度相談することをおすすめします。 ベンダー曲げで加工する金属は、主に鉄材・アルミ材・ステンレス材が使用されています。金属は、それぞれ特性を持っているので、その特性を理解しておくことで、より質の高い製品依頼をすることが可能です。 例えば、鉄材の特徴は、加工しやすく安価な点です。 アルミ材は軽量かつ装飾性の高いことが特徴です。 ステンレス材は、他の金属と比較すると、硬度や耐食性に優れています。 また、金属にはそれぞれ、弾性があり、中には、スプリングバックを起こしてしまう金属もあるので、依頼する際は、注意が必要です。 ベンダー曲げでは、様々な種類の曲げ加工がありますが、中でも最も加工されているのがV曲げ加工です。V曲げ加工の形状では、シンプルな曲げ加工からから複雑な多工程曲げまであり、技術者の技量で製品の質が大きく変わります。 また、V曲げ加工での圧力負荷によって、パーシャルベンディング・ボトミング・コイニングと呼び方が変わります。 1.パーシャルベンディング パーシャルベンディングとは、曲げ加工する金属の角度が90°に満たない際に使用される方法です。加工する素材を押さえつけないで圧力をかけていくため、力が加わる場所が、パンチの先端(C)とダイの両端(A、B)の合計三か所のみになります。このことからパーシャル(部分的)ベンディングと呼ばれています。また、ダイと金属素材の間に隙間ができるため、エアーベンディングとも呼ばれます。 このパーシャルベンディングの特徴は、曲げる際に圧力を調整することで、自由に角度を調整することが可能な点です。金型より鈍角であれば対応ができるので、自由度の高いベンダー曲げと言えます。 しかし、三か所のみに圧力を加えるために、スプリングバックなどの影響を大きく受けてしまい、曲げの精度が他の加工と比べ低下してしまう可能性があります。また、自由に角度を調整するには、高い技術力が必要になってくるため、依頼する際は加工技術の高い会社を選びましょう。 2.ボトミング ボトミングは、V曲げ加工の中でも最もメジャーとされている加工方法で、金型に合わせて底押しする曲げ加工です。ダイに金属素材が沿うほどの圧力をかけるため、金型の角度に合わせた曲げ加工を行うことができます。また、パーシャルベンディングに比べ、強い圧力を加えるため、より精度の高い曲げ加工を行うことができます。さらに、コイニングと比べると精度が若干落ちますが、小さなものでも加工することが可能なので、幅広いサイズの曲げ加工が可能です。 3.コイニング コイニングは、ボトミング以上に曲げ角度の精度を出したいときに使用される方法で、主に筐体板金の製造に使用されます。加工方法は、金属素材を極めて強い力でプレスします。そのため、ベンダー加工の中でも、最高の精度を生み出すことが可能です。しかし、その半面、強い圧力が必要とされ、ボトミングと比べても5倍以上の力でプレスしなくてはいけません。そのため、高い技術力が必要なだけでなく、板厚も薄いものしか加工することができません。(約2mm) 以上がV字曲げの加工方法になります。 ベンダー曲げには、V字曲げの他にもZ型やL字曲げなど様々なものがあり角度に応じた金型を設置することで、角度の違う曲げ加工を行うことが可能です。 ベンダー曲げのメリット・デメリット 曲げ加工には、プレス機械を用いるベンダー曲げのほかに、ロール曲げと板折曲げがあります。ここでは、ロール曲げや板折曲げと比べた、ベンダー曲げのメリット・デメリットについて説明します。 なお、ロール曲げは、下図左のように複数のローラーの間に被加工材(ワーク)を通して曲げる方法です。板折曲げは、下図右のように、ベースと上板の間にワークをはさみ、上板とつながった曲げ板を回転させて曲げる方法です。 引用元:株式会社フカサワ ベンダー曲げのメリット ベンダー曲げと、ロール曲げ・板折曲げとを比べたときにメリットとして挙げられるのは、複雑な形状の曲げ加工ができるということです。さらに、金型を製造、または用意すれば、生産速度も速く、大量生産が可能となります。また、金型は、ある程度の汎用性がありますので生産性も高いです。 メリット①複雑形状の曲げが可能 ベンダー曲げでは、金型があれば、およそどんな形状の加工も可能です。プレスすることしかできないという制約はありますが、金型の形状を工夫することで、小さな部品の加工や複雑な曲げ加工を行うことができます。 メリット②生産速度が速く、大量生産が可能 ベンダー曲げでは、プレス機械を使用するため、生産速度が速く、大量生産が可能です。材料送り装置とNCベンディングマシンを使用すれば、材料の設置から曲げ加工、取り出しまでを自動化することができます。 メリット③金型に汎用性があり、生産性に優れる ベンダー曲げの金型は、90°曲げ用、鋭角曲げ用、R曲げ用などの多様な汎用金型があり、使い回せることから生産性が高いです。また、汎用金型を組み合わせて使用すれば、多様な形状の曲げ加工が可能となります。 ベンダー曲げのデメリット ベンダー曲げと、ロール曲げ・板折曲げと比べたときにデメリットとして挙げられるのは、金型が必要なこと、加工できる厚さに制限があること、曲線曲げが困難なことなどが挙げられます。また、高精度の曲げ加工には、金型設計や圧力調整に高度な技術を必要とします。 デメリット①金型が必要 ベンダー曲げでは、プレス機械を用いるので、高コストな金型を製造、または購入しなければならないというデメリットがあります。そのため、金型の汎用性が低い場合には、金型に費やしたコストの回収が難しくなります。 デメリット②加工可能な板厚に制限 ベンダー曲げは、使用するプレス機械や金型、またはメーカーによって差はありますが、10mm程度の板厚までしか加工できないという欠点があります。 デメリット③曲線曲げが困難 ローラーを使用すると比較的容易な曲線形状の曲げ加工が、ベンダー曲げでは困難です。曲線曲げは、ベンダー曲げでもパーシャルベンディングを用いたり、R曲げ用の金型を使用したりすることでもある程度は可能です。しかし、曲線によっては何箇所も曲げ加工をする必要があることから、曲線がカクカクして綺麗な仕上がりにならない場合があります。 デメリット④精密な金型設計や機械調整が必要 ベンダー曲げでは、素材や曲げ加工の方法によりますが、スプリングバックが生じることがあります。このスプリングバックを防止、またはその効果を予想して曲げ加工を行う必要があるため、金型設計や機械調整に高度な技術が不可欠です。 Mitsuriでしたら、全国に140以上の協力工場がありますので、ベンダー曲げの多様なノウハウや高度な技術を持ったメーカーをご紹介できます。 ベンダー曲げでお困りの際は、ぜひご相談ください。 ベンダー曲げのコツを紹介 ベンダー曲げでは、曲げ加工の圧力が除かれると、曲げ角度が跳ね返ってくるスプリングバックが発生するため、曲げの精度が悪くなりがちです。ここでは、スプリングバックを防止し、曲げの精度を向上させるコツを紹介します。 コツ①2段曲げ スプリングバック防止策の一つに、一回のプレスで2回の曲げを行う2段曲げ方式があります。例えば90°に曲げたい場合、まず80°~90°に曲げて圧力を除き、故意にスプリングバックを起こします。次に、パンチを戻さず、再度圧力を加えることで90°の曲げ角度を出します。 コツ②ストライキング U曲げにおけるスプリングバック防止策に、ストライキング方式があります。この方式では、パンチの刃先の端にストライキングという出っ張りを設け、この部分を材料に食い込ませることでスプリングバックを防止します。 ただし、この方式では、特殊形状の金型が必要なことから高コストになってしまう、材料のストライキングを食い込ませた部分に欠けが発生しやすいなどの欠点があります。 コツ③Vノッチを設ける 材料の曲げ部分にあらかじめVノッチを設けることで、スプリングバックを防止する方法もあります。この方法では、曲げ加工の前工程でV字型のくぼみを付けておき、その部分にパンチの刃先がくるようにプレスすることでスプリングバックを防止します。 ただし、この方法では、曲げ部分の強度が低下するというデメリットがあります。 ベンダー曲げ加工事例 それでは、ベンダー曲げによる加工事例を紹介していきます。 下の写真は、板厚2mmのステンレス鋼をL字曲げ加工したものです。 引用元:TECH-JURNEY 次の写真は、Z字曲げの加工事例ですが、この曲げ加工を行ったメーカーでは鉄やステンレスは9mmまで、アルミは3mmまでの板厚に対応できるそうです。 引用元:株式会社NIMURA 続く写真は、1.5mmのステンレスをコの字曲げした製品です。 引用元:文化シヤッターテクノリフォーム・オンラインストア 以下の写真では、1で引き合いの多いフラットワイズ曲げ、2で難易度の高いエッジワイズ曲げ、3でL字曲げを行っています。 引用元:株式会社成光工業 以下の写真は、板金以外への曲げ加工の事例です。 引用元:ものづくり市場 ベンダーによる曲げ加工ならMitsuri!全国どこでもお受けいたします! 今回はベンダーによる曲げ加工についてご紹介しました。 ベンダー曲げには様々な方法があります。その方法や性質を理解することで、依頼する際にも手間取らずに済みます。 金属加工メーカーの中には、ベンダー曲げの加工を依頼できない会社もある為、依頼する際には十分に調べたうえで、依頼することをおすすめします。

  • ステンレス板の曲げ加工について加工事例と共に徹底解説!

    ステンレスは、加工を施すことで、家庭用品や機械製品といった色々な製品に仕上がります。ステンレスの加工には、切断・曲げ・溶接・切削など様々な加工方法が存在しますが、中でも曲げ加工は、ステンレス加工の中でも高い技術が要求されます。 今回は、そんなステンレスの曲げ加工についてご紹介します。ステンレスに興味がある方や、曲げ加工を金属加工メーカーに依頼しようと考えている方はぜひご一読くだざい。 価格が安くなる図面の板金図面の書き方についてはこちら! 板金加工における価格が安くなる図面の書き方を解説しています! 40%ほどの低減につながる可能性がございますのでぜひご覧ください! 6分ほどで視聴可能です! YouTubeにて、金属加工Mitsuriチャンネル運営中!こちらからご覧ください! ステンレスってどんな材料? ステンレスとは、正式にはステンレス鋼といい、ステンレススチールとも呼ばれます。ステンレスの本来の意味は、「錆びない」という意味です。その名の通り、ステンレスは非常に耐食性が高く、さびにくい特性を持っています。その理由は、表面上に、不動態被膜という微細な被膜が形成されているからです。不動態とは、金属の表面に酸化被膜が形成され、腐食に対する抵抗力が向上する状態のことです。酸化皮膜は、酸や溶液に漬けてもなくならないため、内部の金属を保護することができます。 不動態被膜は化学的に安定しているため、ステンレスの表面が傷つき剥がれても、すぐに再生する特性があります。 また、ステンレスは合金鋼といわれており、クロムやニッケルを含む金属で、様々な種類が存在します。 ステンレスの種類は主に、①マルテンサイト系②フェライト系③オーステナイト系に区別されます。 ステンレスの種類 ①マルテンサイト系 ②フェライト系 ③オーステナイト系 ①マルテンサイト系 マルテンサイト系のステンレスは、マルテンサイトの組成をもつステンレスです。マルテンサイトとは、鉄鋼材料の組織の中で最も硬度が高く、脆い性質を持っている組織です。焼き入れという熱処理を施すことによってステンレスの中でも最硬度を持つことができます。 マルテンサイト系のステンレスは、刃物やブレード系の部品に加工されることが多いステンレスです。 ②フェライト系 フェライト系のステンレスは、フェライトの組成をもつステンレスです。フェライト系には様々な鋼種があり、チタンや銅等の合金元素が添加されます。フェライト系は、熱膨張が少なく、加熱後の冷却でも表面スケールが剥がれにくい特徴があります。また、磁性があり、磁性の必要な部品などにも使用されます。マルテンサイト系ステンレスとは異なり、焼き入れなどの熱処理をしても硬化はしません。 ③オーステナイト系 オーステナイト系のステンレスは、常温でオーステナイトの組成をもつステンレスです。特徴は、他のステンレスよりも耐食性が高いことです。また、温度差が激しい環境でも他のステンレス鋼よりも強度低下が少ない性質を持ってます。そのため、低温環境や高温環境で使用する機器などの部品に使用されます。しかし、焼き入れ等の熱処理による硬度強化はできないため、マルテンサイト系より強度は落ちます。 このように、ステンレスには、様々な種類があります。どのステンレスも特徴が違うため、曲げ加工を依頼する際は、仕上がる製品の用途を考えて選ぶことが大切です。また、素材によっては難加工のステンレスもあるため、注意が必要です。 ステンレス曲げ加工について ステンレス曲げ加工は、特定の角度や形状に変化にさせる加工で、ベンダーと呼ばれる機械を用いてステンレスを曲げていきます。代表的な加工機械には、板専用のプレスブレーキや、U型など曲線に曲げるロールベンダー、ステンレス管を曲げるパイプベンダーなどがあります。 曲げ加工では、金属材を機械フレームに溝が掘られた金型を用意し、溝に合う凸型を押し込むようにして曲げていくやり方が一般的です。 曲げ加工には、次のような種類があります。 ●L字曲げ:アルファベットのL字型に曲げる 引用元:板曲げ ●角度曲げ:90°以外の角度に曲げる方法で、度曲げとも呼ばれる 引用元:中本鉄工所 ●コの字曲げ:カタカナのコの字型に曲げる加工 引用元:ミスミ ●Z型曲げ:アルファベットのZのような断面を作る加工 引用元:株式会社フカサワ ●ハット型曲げ:帽子の断面のような仕上がりになる曲げ加工 引用元:小寺工業株式会社 ●チャンネル曲げ:C型チャンネルと同じ形状に曲げる 引用元:モノタロウ ●箱型曲げ:四方を箱の様に曲げる方法で四方曲げとも呼ばれる 引用元:NCネットワーク 参考:【ステンレス加工】加工方法や加工実績について徹底解説!! ステンレス板の曲げ加工について ステンレス鋼は、曲げ加工が難しい素材と言われています。その理由は、スプリングバックが大きいからです。  スプリングバックとは、加工素材をプレスしても、プレス後に素材の持つ弾性によって、素材の形状が元に戻ってしまう特性です。ステンレス鋼は引張強さが高く、かつ伸びが大きいため、加工に要する圧力は、炭素鋼などの金属に比べ、約1.5倍ほど必要になってきます。 スプリングバックが起きてしまうと、製品の寸法にずれが生じ、製品自体の質が落ちてしまう可能性があります。スプリングバックの原因は、加工素材に圧をかけることによって生まれる「ひずみ」です。そのため、金型製作時に精密な設計を行うことが重要です。また、スプリングバックは、ヤング率(縦弾性係数)で測ることが可能です。 ステンレスは、曲げ加工がしづらい金属ですか、その種類によってもヤング率が若干異なります。マルテンサイト系ステンレスとフェライト系ステンレスが、同じ数値(200kN/mm2)なのに対し、オーステナイト系のステンレスは197kN/mm2と、他の2種類に比べ若干低いです。 一般的に金属板の曲げ加工は、ベンダー曲げを行います。ベンダー曲げとは、金型とパンチに合わせて、加工素材をプレスする曲げ加工のことです。 ベンダー曲げには、V曲げ・L曲げ・Z曲げ等の他にも様々な種類があります。その中でも、代表的な曲げ加工であるV曲げ加工には、①エアーベンディング②ボトミング③コイニングの3種類があります。 ①エアーベンディング エアーベンディングとは、加工素材を軽く金型に押し込む曲げ加工です。加工素材を金型に押さえつけないため、力がかかる部分は、型とパンチを合わせた合計3か所のみになります。このことから、エアーベンディングは、パーシャル(部分的)ベンディングとも呼ばれています。 エアーベンディングでは、金型よりも鈍角な角度であれば全て曲げられます。そのため、使用する型によっては、様々な曲げ加工を行うことが可能です。しかし、エアーベンディングは、パンチの加減のみで加工するため、高い技術力が必要となります。 ②コイニング コイニングは、加工素材を型にしっかりと食い込ませ、プレスするベンダー曲げのことです。コイニングでは強い圧力が必要とされます。圧力は、他の曲げ加工と比較しても5倍ほどの力が必要とされており、高い技術力が必要です。コイニングは、大きな力が必要なため、加工できる板厚が薄く、加工限界は2㎜ほどになります。現在ではあまり使用されない方法です。 ③ボトミング ボトミングとは、型に合わせて底押しするプレスのことです。ボトミングは、型の両側に、大きな圧力を加えます。その為、型の角度が90°のものを使用していていれば、加工素材を85°~89°ほどの幅で曲げることができます。この方法は、素材を型に押しつけないため、コイニングと比べて少ない力で曲げ加工を行えることが特徴です。また、エアーベンディング程の高い技術力もいらないため、多くの加工で使用されています。 曲げ加工製品事例 引用元:有限会社案浦製作所 引用元:海内工業株式会社 引用元:井上商事株式会社 ステンレス曲げ加工のお見積りならお任せください! 今回はステンレスの曲げ加工についてご紹介しました。 ステンレスには様々な特徴があります。その特徴や性質を理解することで、依頼する際にも手間取らずに済みます。 金属加工メーカーの中には、ステンレスの曲げ加工を依頼できない会社もある為、依頼する際には十分に調べたうえで、依頼することをおすすめします。 この記事を読んで、今までステンレスの曲げ加工について知らなかった方や、知っていても疑問が残っていた方々のお役に立てれば幸いです。 また、ステンレスの曲げ加工についてお悩みの時は、ぜひMitsuriにご相談下さい。 Mitsuriは、日本全国に協力企業が250社ございます。そのため、お客様にとって最適な素材の選択に加えて、ステンレスの曲げ加工が得意な工場のご紹介も可能です。 ステンレスの曲げ加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい!

  • ヘミング曲げとは【3分でわかる】専門家がわかりやすく解説します!

    今回ご紹介するヘミング曲げは、主に板金の端部に施される曲げ加工です。 板金加工において、曲げ加工は製品の形状を決める重要な加工です。材料をプレスし、V形、L形、Z形など、製品に適した形状に曲げます。 ヘミング曲げは、製品の形状を大きく左右する加工ではありません。しかし、安全面の強化や補強のために重要な役割を担う加工です。 今回の記事では、ヘミング曲げとは何か、どのような工程で行われるのかをわかりやすく解説し、どんな加工事例があるのかをご紹介します。 ※曲げ加工について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 板金加工における【曲げ加工】の基礎やV曲げ/L曲げ加工について徹底解説!! ヘミング曲げとは ヘミング曲げとは、板金を180°折り返した後、平らに押しつぶす加工です。アザ折り(あざ折り)、潰し曲げ(つぶし曲げ)とも呼ばれます。「折る」「つぶす」という言葉が含まれるので、これらの呼び方のほうが加工内容をイメージしやすいかもしれませんね。 引用元:日本電気化学株式会社 方法としては、板金の端をまるで紙のように細く折りたたんでつぶします。板金の端を処理する方法といえば、バリ取りやC面取りなどが一般的でしょう。しかしヘミング曲げには、単なるエッジ処理にはとどまらないメリットがあります。 ヘミング曲げのメリット ヘミング曲げには、3つのメリットがあります。 ①安全性の確保 ②補強 ③見栄えをよくする 具体的にどのようなことなのか、ひとつずつ見ていきましょう。 ①安全性の確保 ヘミング曲げをすると切り口が内側に折られ、曲げ部分が曲線になります。板金のエッジが鋭利でなくなるため、安全性が得られます。 板厚の薄い板金の場合、切り口をそのままにしておくとケガをする場合があります。ステンレスなどはまるでカミソリのように鋭利になり、大変危険です。 ヘミング曲げをしておけば鋭利な切り口に直接触れずに済むので、ケガの危険性がなくなります。 ②補強 ヘミング曲げをすることにより、折り曲げた部分の板厚が倍になるので補強になります。 ヘミング曲げを施すのは、主に板厚の薄い板金です。そのままだと強度の低い板金も、ヘミング曲げにより厚みが2倍になるので強度が増します。 板金の端部は、ほかのものに触れる機会が多いため、傷ついたり変形したりしやすくなります。ヘミング曲げをすることによって補強されるので、そのような事態を防げます。 ③見栄えをよくする ヘミング曲げをすると、板金の端が切りっぱなしの状態ではなくなり、見栄えがよくなります。 切断面が内側を向くのでエッジ部分が見えにくくなりますし、曲げ部分がなめらかな曲線になるので見た目も美しくなります。 曲げ部分が曲線になることにより、手触りもよくなります。 見栄えや手触りは製品の機能としてはそれほど重要ではないかもしれませんが、他の製品との差別化をはかれます。 ヘミング曲げのデメリット 一方で、ヘミング曲げにはデメリットもあります。ヘミング曲げをすると、曲げる、つぶすという工程が増えます。ヘミング曲げをする分工程が増えると加工に時間がかかり、人件費もかかります。結果として、製品そのものの価格が上がってしまいます。 ヘミング曲げをするとどれくらい工程が増えるのでしょうか。ヘミング曲げがどのような工程で行われるのか見ていきましょう。 ヘミング曲げの工程 ヘミング曲げには、材料を鋭角に曲げる、曲げた部分を押しつぶすという工程が必要になります。一度でどこまで加工するかによって、工程の数が変わります。 ①3工程加工 引用元:MiSUMi 1工程目でL曲げをし、2工程目で斜面を持ったパンチでL曲げした部分を曲げ込みます。3工程目で平潰しして密着させます。 この3工程加工はもっとも標準的な加工です。 ②2工程加工 引用元:MiSUMi 1工程目で材料を鋭角に曲げ、2工程目で平潰しして密着させます。 ヘミング曲げには金型を用います。ヘミング曲げで使われる金型には、「金型交換タイプ」と「ダブルデッキタイプ」の2種類があります。 「金型交換タイプ」は、第1工程用と第2工程用の二種類の金型を用意し、途中で金型を交換します。「ダブルデッキタイプ」は、1工程で180°の曲げを行い金型交換が不要なため、加工時間が短縮されます。 ヘミング曲げの事例 実際にヘミング曲げを施した製品の事例をご紹介します。端を折り曲げてエッジがなくなることによる安全性や、見栄えのよさをご覧ください。 水受け皿 材質:SUS304 引用元:精密板金タケウチ 材質:アルミ A5052 引用元:株式会社NIMURA ヘミング曲げならMitsuri!1コ〜お受けいたします! 今回は、ヘミング曲げについて解説していきました。ヘミング曲げにより、安全性が高まる・補強される・見栄えがよくなるというメリットがありますが、一方で工程が増えることによりコストがかさむというデメリットがあります。 「ヘミング曲げをしたいがコストは押さえたい…」 「小さな部品でもヘミング曲げをしてもらえるだろうか…」 そんなお悩みをお持ちの方は、Mitsuriにご相談ください!

  • ステンレスパイプの曲げ加工について解説!

    ステンレスパイプは、耐久性や耐食性が高いだけでなく洗練された外観で、工業製品をはじめ、日常生活の身近なところで幅広く使用されています。 各用途でステンレスパイプを活用するために、必要な形状に加工する「曲げ加工」が欠かせません。 加工が比較的難しい素材であるステンレスの性質を押さえて、用途や条件に応じて的確に曲げ加工するには、精密に仕上げる高い技術と経験によって磨かれた道具や装置の操作センスが必要です。 今回は、ステンレスパイプの曲げ加工によって対応できる形状の種類や、実際の曲げ加工事例についてご紹介します。ステンレスパイプの加工に興味がある方はぜひ最後まで読んでみてください。 対応可能な曲げ形状 ステンレスパイプの曲げ加工で対応できる形状には、次の6種類があります。 対応可能な曲げ形状 への字曲げ L型(90°)曲げ レ型(95~175°)曲げ U型(180°)曲げ コ型曲げ Z型曲げ 実際に曲げ加工で使用される加工法には、大きく分けて2種類あります。 パイプベンダ方式:機械や専用の器具を用いてステンレスパイプを曲げる方法で、ひずみやしわ寄せなどの変形がほとんどなく、精度が高い仕上がりになります。費用も比較的安く抑えられます。 ガス炙り手曲げ方式:ガスでパイプを炙って熱した後、柔らかくなったパイプを曲げるやり方で、3次元曲げ加工など難易度の高い加工が可能です。パイプベンダに比べて時間がかかり、加工作業の難易度も高くなるため、コストがかかります。 費用や生産性などの理由から、現在はステンレスパイプの曲げ加工の多くがパイプベンダ方式となっています。   への字曲げ への字曲げは、90°よりもゆるい角度で曲げて「への字」のような形状に加工する方法です。主な曲げ角度は、10°から85°の間で決めます。 曲げ加工時に重要な要素となるパイプにかかる力についてご説明します。下記図をご参照ください。 引用元:セキコーポレーション パイプを曲げた際、外側に生じる引張応力と、内側にかかる圧縮応力がパイプを変形させる要因です。 外側部分は引張応力によって厚みが減って、凹んでしまう恐れがあり、特に内側の曲げ半径である内曲げRの数値が小さいほど、引張応力が大きく素材に影響が出やすくなります。 場合によっては、割れる、あるいは内側に大きなシワができることもあり、こうした不具合を避けるために、最小曲げR値(パイプごとに耐えうる最小の内曲げR値)よりも大きい値で加工するようにしましょう。   L型(90°)曲げ  文字通り、アルファベットのL字の形状にステンレスパイプを曲げる加工です。一般的な曲げ加工の形状のひとつで、さまざまな場所で使用されています。 L字を含め曲げ加工全般において、90°ぴったりに曲げようとしても、素材が持つ圧力によって元に数度だけ戻ってしまう現象(スプリングバック)を考慮する必要があります。 ステンレスの90°ちょうどに曲げたい際には、数度大きく曲げることで、ステンレスパイプ自体は90°の曲げに仕上がります。素材やパイプの長さなどの条件によって、2〜3°の範囲前後でどのくらい大きくするか数値が異なります。   レ型(95~175°)曲げ  直角よりも狭い角度に曲げる方法がレ型と呼ばれ、主に95〜175°の範囲で加工されます。曲げる角度が急になっており、曲部が潰れないように加工するには適切なパイプベンダや操作スキルが必要になります。   U型(180°)曲げ  アルファベットのUの字のように曲げる加工のことで、パイプを180°曲げます。両側の曲げ始めの部分から少しずつ曲げ始め、徐々に中央部を曲げていきます。小さいR値でU型加工を施す場合は、高い技術が必要になるでしょう。   コ型曲げ  カタカナの「コの字の」形状に曲げ加工を行います。通常は、一箇所ずつL型に加工して仕上げます。   Z型曲げ  Z曲げ(ぜっとまげ)アルファベットのZ字のような形状に曲げ加工を行う方法です。 参考:ステンレスパイプ加工について解説! ステンレスパイプの曲げ加工事例 ここからは、実際にステンレスパイプの曲げ加工の事例をご紹介していきます。 引用元:株式会社ハセテック 直径0.66mmの超極細ステンレスパイプ(SUS304)の曲げ加工です。 引用元:株式会社ハセテック ステンレスパイプの3次元曲げ加工です。 引用元:星野重工業株式会社 ステンレスパイプ(SUSフェライト系素材)の複雑な曲げ加工です。L型やへの字、Z型などが組み合わさっています。 引用元:大和技研株式会社 直径25mm、厚さ2.0mmのステンレスパイプ(SUS304)にらせん状の曲げ加工を行った事例です。内側からパイプを通し、逆側に戻して仕上げています。 引用元:GENJIMIKI ステンレスパイプ(SUS304)のU字曲げ加工の部品です。 ステンレスパイプの曲げ加工は、条件にあったメーカー探しを ステンレスパイプの曲げ加工では、ステンレス素材が持つ特性を活かして、的確に加工するためには、機械加工であっても経験値と高い技術が要求されます。先に紹介した加工形状を複数組み合わせて仕上げるものも多く、パイプの長さや直径、材質などの条件に合った加工ができる業者に依頼する必要があるでしょう。

  • アルミパイプの曲げ加工ならMitsuri!【協力工場350社以上】

    「アルミパイプを曲げたいけど、どんな曲げ方ができるのかな?」 「実際に曲げ加工をするとどんな感じになるだろう?」 アルミパイプの曲げ加工を依頼する際に、このような疑問を抱く方は少なくないと思います。この記事では、そんな方に向けて、実際に行われている曲げ形状や加工事例を紹介していきます。 対応可能な曲げ形状 引用元:東備工業株式会社 アルミパイプを曲げるにあたり、「業者に依頼せず個人でやってみたい」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、力まかせに曲げようとするとストローを曲げた時のように曲げた部分がつぶれてしまいます。また、きれいに曲げようとするとパイプベンダーという装置が必要になりますが、通販サイトなどではφ25㎜程度までのものしかないので注意が必要です。φ80㎜程度まで対応している業者もあるので作りたいものに合わせて選びましょう。 アルミパイプの曲げ加工は以下の6つが基本になります。 ・への字曲げ ・L型(90°)曲げ ・レ型(95~175°)曲げ ・U型(180°)曲げ ・コ型曲げ ・Z型曲げ 以上の6つの形状であればアルミパイプの曲げ加工が簡単に見積もりできます。 しかし、6つ以外の形状でもMitsuriであれば、対応可能な複数の加工業者から見積もりできますので、是非Mitsuriにご相談ください。 への字曲げ 引用元:株式会社 春日井金型 ひらがなの「へ」の字ように、曲げたい部分を直角よりもゆるやかな角度(90°未満)で曲げる方法です。受け付けている角度は業者によって異なるので注意が必要です。 上の図では、曲げた際にかかる力について説明しています。 引張応力はパイプを曲げた時に曲げた部分の外側が引っ張られて生じる力を示しています。逆に内側は潰す方向に力が生じるので圧縮応力です。引張応力によって外側部分は板厚が減少し、場合によっては少し凹んでしまいます。内側曲げRとは内側の曲げ半径のことを示しています。 曲げRを小さくしようとすると引張応力が強くなり外側が割れる、もしくは内側にシワが発生する可能性があります。このシワの発生を抑えるためワイパーと呼ばれるシワ取りの金型を用います。パイプの表面を傷つけないようパイプ本体の材質よりも柔らかいものを用いるのが一般的です。 また、パイプが割れない範囲での内側曲げRが最も小さい寸法を最小曲げR(Rmin)と言います。曲げ加工が上手くいかない原因としては、最小曲げRよりも小さい半径で曲げようとたことによって起きる問題が最も多いです。 以上のことは他の曲げ形状の加工においても同様です。 L型(90°)曲げ 引用元:中央技研 アルファベットの「L」の字のように直角に曲げる方法です。 L字の曲げ加工を行う際に注意したいのは、曲げ加工を行うとき加工時の角度よりも角度が少し戻る方向へ開いてしまうスプリングバックという現象です。アルミはヤング率(弾性係数)が軟鋼鉄の約3分の1と弾性変形が大きいため、90°に曲げたい場合には90°以上で、且つ他金属よりも余計に大きく曲げる必要があります。そのため、狙った角度に曲げることが他金属以上に難しいので、熟練した加工技術が必要になります。 画像は角パイプですがもちろん丸パイプでもできます。 レ型(95~175°)曲げ 引用元:堀内パイプ工業 カタカナの「レ」の字のように直角よりも狭い角度で曲げる方法です。 「V字曲げ」と呼ばれることもあります。 画像は角パイプですが丸パイプもできます。 U型(180°)曲げ 引用元:Instazu アルファベットの「U」の字のように180°曲げる方法です。 U字曲げでは、先に両側の曲げ始めの部分から曲げてから中央部分を曲げます。こうすることで金型との接触を防ぐことが可能で、左右対称に作りやすいというメリットがあります。 コ型曲げ 引用元:株式会社アムキャン カタカナの「コ」の字のように曲げる方法です。 上記のL字曲げを二回行います。L字曲げを二回行う分、正確に角度を出すのはL字曲げよりも難しくなります。また、形状によっては一度目の曲げ部分がベンダーと干渉してしまう場合があるため注意が必要です。 Z型曲げ 引用元:株式会社 サトウパイプ アルファベットの「Z」の字のように曲げる方法です。 「Z」のように斜め線でなくともZ型に曲げると言います。 参考:【曲げ加工】の基礎やV曲げ/L曲げ加工について徹底解説!! アルミパイプの曲げ加工事例 実際にアルミパイプを曲げ加工したものやそれを使って製品用途をご紹介します。 (器具ハンドル) 引用元:山田軽金属製作所 (階段手すり) 引用元:株式会社ODK (アルミフレーム) 引用元:NISSIN (大型ハンガー) 引用元:白山工業株式会社 アルミニウムは鉄や銅に比べて軽く錆びにくいため様々な用途に使用することができます。 参考:【アルミの基礎】アルミとは?からメリット/デメリットまで解説! アルミパイプの曲げ加工まとめ この記事では、アルミパイプの曲げ加工が可能な形状や加工事例についてご紹介しました。 アルミパイプは様々な用途に使用することができ、非常に便利です。 個人で曲げ加工を行う際にはパイプベンダーを購入する必要があります。上の6つのような通常の曲げ加工でもパイプベンダーを購入するよりも安く済ませることができることがあるため一度見積もりを出してみることをおすすめします。 業者に依頼する際は、Mitsuriで見積もり依頼を出すことが可能です。 日本全国各地どちらからのご依頼でも案件のご依頼が可能ですので、アルミパイプの曲げ加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにご相談ください!

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    真鍮の曲げ加工ならMitsuri!

    「真鍮を曲げる加工時に特徴はあるのか?」 「真鍮の曲げ加工を依頼したいけど、どの板厚まで対応してもらえるのか?」 上記のようなお悩みをお持ちでしたら、是非この記事を参考にしてみてください。 この記事では、冷間加工や熱間加工における真鍮の曲げ加工時の特徴から、真鍮の曲げ加工の対応可能板厚まで詳しく解説していきます。 参考記事 真鍮のその他の加工については以下の記事で詳しく解説しています。 ⇒【真鍮(銅) 加工】真鍮の加工方法を加工実績と共に徹底紹介!! 真鍮の曲げ加工時の特徴 真鍮の曲げ加工としては、冷間加工と熱間加工の2通りの方法を選択できます。 なぜなら、真鍮は銅と亜鉛の合金で、展延性に優れているからです。 参考記事 銅、真鍮の素材については以下の記事で詳しく解説しています。 ⇒【銅】の基礎知識|身近な銅の特徴や用途・真鍮について解説! そのため、大きめのRをつけるなどの比較的簡単な加工は冷間加工で行い、小さめのR加工や波曲線のような複雑な加工は熱間加工で行うといったように、フレキシブルに加工方法を選択することができるのが特徴です。 では、冷間加工と熱間加工とは具体的にどういった加工方法なのかを次に解説していきます。 ①冷間加工 冷間加工は塑性変形を利用し、常温から再結晶温度未満で行う加工のことを指します。 棒材などに板材をハンマーで叩いて巻き付けるように曲げる加工は冷間加工になります。 冷間加工のメリットとして、常温から再結晶温度未満で加工を行うため、金属の変形抵抗が保たれています。そのため、素材の形状や精度が損なわれずに済むといったことが挙げられます。 デメリットとしては、冷間加工は常温から再結晶温度未満で加工を行うので、金属の変形抵抗が高いため、加工に大きな力が必要になる点が挙げられます。 ②熱間加工 熱間加工は、再結晶温度以上に加熱して金属の変形抵抗を下げることによって金属の変形能力を高める加工方法です。 熱間加工のメリットとして、変形抵抗が大幅に下がっているため加工がしやすく、スプリングのような螺旋形に見られる連続した曲げ加工も容易に行うことができます。 デメリットとして、変形抵抗の低下によって素材が本来備えていた形状や精度が損なわれてしまう点が挙げられます。 Mitsuriでは板厚t0.5mm~t9mmまでの真鍮の曲げ加工に対応しています。 t0.5mm~t1mm程度の真鍮製品の例としては、バスバー(主に配電盤や操作盤で使用される、大容量の電流を導電する部品)や電池端子などが挙げられます。 他にも、真鍮製の鉄道模型の車体部分やアクセサリーの装飾パーツなど、精度が必要な曲げ加工もお任せください。 真鍮曲げ加工の製品事例 引用元:株式会社 太洋 加工製品:真鍮丸管材 φ10.0mm×t1.5mm×複合R 引用元:有限会社 長井技研 加工製品:センサブラケット 材質:C2801P 板厚:t1.0mm 引用元:有限会社イシダ製作所 真鍮製 板厚:t2.0mm サイズ:60mm×20mm×R32mm 引用元:株式会社 岩津発条製作所 加工製品:引張バネ 材質:真鍮(黄銅線)C2600W-1/2H 線径:1.2mm 外径:20mm 公差:±0.1mm まとめ  真鍮は展延性が高く加工しやすい素材ですが、冷間加工が可能とはいえ自分で加工するには硬い素材です。専用の工具があったとしても骨の折れる作業になります。 また、熱間加工をするには機材が必要で、使用頻度が高くなければ機材をそろえる費用に頭を悩まされます。 さらに、曲げ加工の精度を求めると熟練の技術が必要になります。 そんなときは一度、Mitsuriにご相談ください! Mitsuriは100社以上の工場と提携しておりますので、ニーズに沿ったご提案をさせていただきます。

  • ステンレスパイプ加工について解説!

    耐食性が高く丈夫なステンレス製品は、日々の生活で数多く見かけます。便利で実用性の高いステンレス。しかし、ステンレスは「難削材」と言われ、比較的加工の難しい材質です。硬くねばりがある材質であり、切断や曲げ、穴あけ加工時に使用工具、機械に多くの負担をかけるため、加工者の技術と経験がコスト低減のカギとなります。 中でも、ステンレスパイプの加工は、手間のかかる作業です。使い慣れた加工業者に依頼したら、想像とは違ったものができてしまうこともありますので、ステンレスの加工を依頼する業者はしっかりと見極めることが重要です。 本記事では、ステンレスパイプの加工について詳しく説明しています。 「ステンレスパイプの加工って何ができるの?」 「ステンレスパイプ加工について詳しく知りたい」 と悩んでいる方は、参考情報としてご活用下さい。 どのような加工があるのか ステンレスパイプの加工といっても様々あります。 ステンレスパイプの加工において一番重要なのが、技術の正確性。ステンレスは、硬度や粘りが高い材質なので、寸法ズレや切断面、穴あけ面の仕上げが汚くなってしまうことがあります。バリや見た目などはやすり等でフォローすることができますが、寸法ずれが発生すると目も当てられません。検査で見つからなかった場合、最終組み立て時に気がつき大惨事になってしまうこともあるでしょう。 そのため、ステンレスパイプ扱うことに慣れた「知識」「経験」「技術」を兼ね備えた企業に加工を依頼する必要があります。 カット 引用元:株式会社レーザーテック 製品を作る上で一番始めに行う工程が「カット」です。ステンレスパイプのカットは鉄パイプカットと比較してカット断面がボロボロになりやすく精度が落ちやすい為、専用工具を使用しなくてはなりません。 ステンレスパイプをカットできる機器は「丸鋸」「旋盤」「レーザー」などが主に挙げられます。どの工法にもメリット・デメリットがあるので、簡単にご紹介します。 丸鋸 「丸鋸」はステンレスパイプをカットする代表的な機器です。ステンレスパイプをカットするには、専用の丸鋸刃が必須。専用の丸鋸刃では、カットにかかる手間も少なくコストを抑えて加工することが可能。しかし、バイスで固定するため、薄物の丸パイプは潰れてしまうリスクもあります。 旋盤 「旋盤」加工は、機械加工おいて代表的な機器です。旋盤加工をする場合にも、ステンレスパイプカットは専用の切削工具を設置しなければなりません。旋盤でカットするパイプは、寸法が正確で精度を±0.1以上に仕上げることもできます。その反面、一度にたくさんの量を加工できないため、他の加工よりコストが高くなりやすいのが難点です。 レーザー 「レーザー」加工は、レーザーを照射し溶融させてステンレスをカットする技術です。レーザーカット面はバリなどが出にくく、切子が飛び散らないため仕上がりがキレイなのが魅力的。加工コストは旋盤より安価ですが、加工対象を定盤の上に置く必要があり、丸パイプは専用治具等が無くては固定することができないため、通常のレーザー機器では、丸パイプをカットすることはできません。 また、板厚の厚いカットはレーザー出力の関係上、表面がギザギザになりやすいため、3mm程度までの薄物に適しています。ただし、熱の影響を受けやすいので、出力の高いレーザー機器が必要です。 曲げ 引用元:株式会社平川製作所 ステンレスパイプは主に「パイプベンダ」「ガス炙り手曲げ」の2種類で曲げられます。ここでは、メリット・デメリットを簡単に説明していきます。 パイプベンダ 「パイプベンダ」はパイプを曲げる王道の工法です。機械で曲げたり、専用機器で手動でパイプを曲げたりすることができます。パイプベンダを使用して手動でパイプを曲げるためには、職人の技術力は必須。硬いステンレスパイプでは、より一層の技術力が求められます。また、手動パイプベンダではパイプ内径が一部潰れてしまうというデメリットもあります。 そのため、多くのパイプ曲げは機械を使用したパイプベンダーで行われています。機械で行うパイプ曲げは、寸法精度が正確で製造コストが安価なのがメリットです。その代わり、曲げた部分が痩せてしまい、寸法が縮んでしまうのが難点です。 ガス炙り手曲げ 一方、「ガス炙り手曲げ」とはその名の通り、ガスでパイプを炙り、柔らかくなったパイプを曲げていく工法です。熱変形の激しいステンレスパイプを自在に曲げるためには、職人の技術力および多くの時間が必要。手曲げは、主に3次元のパイプ曲げなどの難易度が高い曲げ加工に必要です。そのため製造コストも割高になってしまいます。 バーリング 引用元:日経クロステック 「バーリング加工」とは、加工穴回りを立ち上がらせる加工のことです。薄物板材にネジ穴加工を施したい場合や、板自体の強度を高めたい時に用いられます。 丸パイプをバーリング加工するためには、まず抜きコアを作成してから下穴をあけます。そして、穴の周りに専用の抑え金具をセットしてから抜き、コアを引き抜くことで穴回りを立ち上がらせることができます。角パイプは、タレパンでもバーリング加工が可能です。ただし、タレパン専用機械にセットできるサイズの小さい角パイプでなくてはなりません。 穴あけ 引用元:有限会社大橋機械工業 ステンレスパイプの穴あけは鉄パイプと比較して非常に難易度が高く、失敗の多い工程です。特に丸パイプは穴あけ時、ドリルが外に逃げてしまい、穴位置がずれてしまいがちです。そのためステンレス丸パイプの穴あけは慎重かつ丁寧に行わなくてはなりません。 穴あけ工法は「ボール盤」「フライス」「レーザー」で加工することができます。ここでは、簡単にメリット・デメリットを説明します。 ボール盤 「ボール盤」加工は、テーブルの上に工作物を乗せ、固定したバイスで工作物を締め付けて回転しているドリルで穴を開けます。ボール盤加工はセットする時間も短く、工程が少ない為、最もコストがかからない工法です。しかし、穴あけ時に位置ズレしやすく、失敗する可能性が最も高いのでリスクも伴います。ステンレスパイプをボール盤で穴開けるには、専用のキリを使用し、熟練の技術力は必須と言えるでしょう。 フライス盤 「フライス盤」はX軸・Y軸と下のテーブルを動かし、ドリルを直接当てることによって様々な形の穴をあけることができます。ボール盤では長穴を開けることはできませんが、フライス盤は長穴加工は簡単です。精度が高い穴をあけことができるフライス盤ですが、コストが割高になりがちなのがデメリット。フライス盤加工でもドリルは、ステンレス用の物を使用します。 レーザー 「レーザー」はカットと同じく穴あけも可能です。ただし、レーザー穴あけはパイプ固定治具の関係上角パイプのみの対応ですのでご注意ください。 ステンレスパイプ 加工事例 引用元:株式会社ハセテック ステンレスパイプの曲げ加工。パイプベンダーでステンレスパイプを少ないRで曲げるには技術が必要です。 引用元:株式会社リプス・ワークス 極細ステンレスパイプに極小穴あけを施した例です。フライス盤と旋盤の技術が高くなければ、穴が潰れてしまいパイプがガタガタになってしまいます。 引用元:株式会社レーザーテック レーザー加工を用いたステンレスパイプの長穴スリットです。肉薄丸パイプにスリットを入れるには、特殊治具か3次元レーザーが必要になります。 引用元:荒木技研工業 巨大ステンレス丸パイプにバーリング加工を施した例です。穴径が大きいのにバーリングがきっちりされています。 まとめ 今回はステンレスパイプ加工についてご紹介しました。 ステンレスパイプは、鉄パイプと比較すると同じ加工でも難易度が大きく異なり、技術や設備が整っていなければ、正確で精度が高く綺麗な加工はできません。また、工法によって価格が大きく異なるため、最終的に求める製品精度によって適切な工法を選択する必要があります。 そのため安易に業者選定を行わず、依頼時には十分吟味したうえで製品発注することがおすすめです。

  • ベンダー加工とは?メリット・デメリットまで詳しく解説!

    「ベンダー曲げの加工工程について詳しく知りたい。」 「ベンダー曲げ加工を依頼したいが、種類まではよくわからない・・・」 曲げ加工を依頼する際に、このようなお悩みを持っている方は少なくないと思います。曲げ加工の中でも最もメジャーとされるベンダー曲げですが、実はその中にも種類があり様々な用途によって使い分けられています。 今回は、そんなベンダー曲げについて詳しくご紹介します。「ベンダー曲げってどんな工程で行うんだろう?」と疑問をお持ちの方や、これからベンダー曲げの依頼を頼もうと考えている方にも参考となる記事なので、是非ご一読ください。 ベンダーによる曲げ加工 ベンダー曲げとは、曲げ加工の方法の1つで、ベンダーブレーキというプレス機を使用して曲げ加工を行います。 ベンダーブレーキとは、ステンレスや鋼板などの薄い板金素材を曲げる際に使用する機械です。ベンダーブレーキは、他にもベンディングマシンやブレーキプレスとも言われています。また、板金以外にも管材加工においても使用されることが多いです。 ベンダー曲げは、ベンダーブレーキに往復運動を行うプレス部分(パンチ)と受け側に金型(ダイ)を設置したあとに、素材をプレスし曲げていきます。素材にかける圧力の調整や、金型の形状によって、思い通りの角度に曲げ加工が可能です。そのため、多くの製品の加工に使われています。 工程を説明すると、単純に聞こえますが、精密板金などの加工では、求められる精度が0.1mm単位とされているため、非常に繊細な加工です。 引用元:三芝イーシ工業株式会社 写真は、ベンダープレスに上型(パンチ)と下型(ダイ)を設置している図です。 下型のダイの溝がV字型なっており、上型のパンチが下に降りてくることによって、間に挟んでいる金属素材を曲げていく仕組みです。 ベンダー曲げは、プレス曲げとも呼ばれており、プレス機械を使用して素材を加工するため、他の曲げ加工と比べても、生産速度が速い特徴があります。また、比較的小さな部品の加工や、複雑な曲げ加工をすることも可能なため、大量生産は勿論、他の曲げ加工よりも幅広い対応をすることができます。しかし、その半面、加工できる金属板の厚みなどは、他の曲げ加工よりも、制限があることが多いです。 さらにベンダー曲げでは、金型の設計だけでなく、素材にかける圧力について細かな計算をしなくてはいけません。そのため、ベンダー曲げを依頼する際は、会社側に一度相談することをおすすめします。 ベンダー曲げで加工する金属は、主に鉄材・アルミ材・ステンレス材が使用されています。金属は、それぞれ特性を持っているので、その特性を理解しておくことで、より質の高い製品依頼をすることが可能です。 例えば、鉄材の特徴は、加工しやすく安価な点です。 アルミ材は軽量かつ装飾性の高いことが特徴です。 ステンレス材は、他の金属と比較すると、硬度や耐食性に優れています。 また、金属にはそれぞれ、弾性があり、中には、スプリングバックを起こしてしまう金属もあるので、依頼する際は、注意が必要です。 ベンダー曲げでは、様々な種類の曲げ加工がありますが、中でも最も加工されているのがV曲げ加工です。V曲げ加工の形状では、シンプルな曲げ加工からから複雑な多工程曲げまであり、技術者の技量で製品の質が大きく変わります。 また、V曲げ加工での圧力負荷によって、パーシャルベンディング・ボトミング・コイニングと呼び方が変わります。 1.パーシャルベンディング パーシャルベンディングとは、曲げ加工する金属の角度が90°に満たない際に使用される方法です。加工する素材を押さえつけないで圧力をかけていくため、力が加わる場所が、パンチの先端(C)とダイの両端(A、B)の合計三か所のみになります。このことからパーシャル(部分的)ベンディングと呼ばれています。また、ダイと金属素材の間に隙間ができるため、エアーベンディングとも呼ばれます。 このパーシャルベンディングの特徴は、曲げる際に圧力を調整することで、自由に角度を調整することが可能な点です。金型より鈍角であれば対応ができるので、自由度の高いベンダー曲げと言えます。 しかし、三か所のみに圧力を加えるために、スプリングバックなどの影響を大きく受けてしまい、曲げの精度が他の加工と比べ低下してしまう可能性があります。また、自由に角度を調整するには、高い技術力が必要になってくるため、依頼する際は加工技術の高い会社を選びましょう。 2.ボトミング ボトミングは、V曲げ加工の中でも最もメジャーとされている加工方法で、金型に合わせて底押しする曲げ加工です。ダイに金属素材が沿うほどの圧力をかけるため、金型の角度に合わせた曲げ加工を行うことができます。また、パーシャルベンディングに比べ、強い圧力を加えるため、より精度の高い曲げ加工を行うことができます。さらに、コイニングと比べると精度が若干落ちますが、小さなものでも加工することが可能なので、幅広いサイズの曲げ加工が可能です。 3.コイニング コイニングは、ボトミング以上に曲げ角度の精度を出したいときに使用される方法で、主に筐体板金の製造に使用されます。加工方法は、金属素材を極めて強い力でプレスします。そのため、ベンダー加工の中でも、最高の精度を生み出すことが可能です。しかし、その半面、強い圧力が必要とされ、ボトミングと比べても5倍以上の力でプレスしなくてはいけません。そのため、高い技術力が必要なだけでなく、板厚も薄いものしか加工することができません。(約2mm) 以上がV字曲げの加工方法になります。 ベンダー曲げには、V字曲げの他にもZ型やL字曲げなど様々なものがあり角度に応じた金型を設置することで、角度の違う曲げ加工を行うことが可能です。 ベンダー曲げのメリット・デメリット 曲げ加工には、プレス機械を用いるベンダー曲げのほかに、ロール曲げと板折曲げがあります。ここでは、ロール曲げや板折曲げと比べた、ベンダー曲げのメリット・デメリットについて説明します。 なお、ロール曲げは、下図左のように複数のローラーの間に被加工材(ワーク)を通して曲げる方法です。板折曲げは、下図右のように、ベースと上板の間にワークをはさみ、上板とつながった曲げ板を回転させて曲げる方法です。 引用元:株式会社フカサワ ベンダー曲げのメリット ベンダー曲げと、ロール曲げ・板折曲げとを比べたときにメリットとして挙げられるのは、複雑な形状の曲げ加工ができるということです。さらに、金型を製造、または用意すれば、生産速度も速く、大量生産が可能となります。また、金型は、ある程度の汎用性がありますので生産性も高いです。 メリット①複雑形状の曲げが可能 ベンダー曲げでは、金型があれば、およそどんな形状の加工も可能です。プレスすることしかできないという制約はありますが、金型の形状を工夫することで、小さな部品の加工や複雑な曲げ加工を行うことができます。 メリット②生産速度が速く、大量生産が可能 ベンダー曲げでは、プレス機械を使用するため、生産速度が速く、大量生産が可能です。材料送り装置とNCベンディングマシンを使用すれば、材料の設置から曲げ加工、取り出しまでを自動化することができます。 メリット③金型に汎用性があり、生産性に優れる ベンダー曲げの金型は、90°曲げ用、鋭角曲げ用、R曲げ用などの多様な汎用金型があり、使い回せることから生産性が高いです。また、汎用金型を組み合わせて使用すれば、多様な形状の曲げ加工が可能となります。 ベンダー曲げのデメリット ベンダー曲げと、ロール曲げ・板折曲げと比べたときにデメリットとして挙げられるのは、金型が必要なこと、加工できる厚さに制限があること、曲線曲げが困難なことなどが挙げられます。また、高精度の曲げ加工には、金型設計や圧力調整に高度な技術を必要とします。 デメリット①金型が必要 ベンダー曲げでは、プレス機械を用いるので、高コストな金型を製造、または購入しなければならないというデメリットがあります。そのため、金型の汎用性が低い場合には、金型に費やしたコストの回収が難しくなります。 デメリット②加工可能な板厚に制限 ベンダー曲げは、使用するプレス機械や金型、またはメーカーによって差はありますが、10mm程度の板厚までしか加工できないという欠点があります。 デメリット③曲線曲げが困難 ローラーを使用すると比較的容易な曲線形状の曲げ加工が、ベンダー曲げでは困難です。曲線曲げは、ベンダー曲げでもパーシャルベンディングを用いたり、R曲げ用の金型を使用したりすることでもある程度は可能です。しかし、曲線によっては何箇所も曲げ加工をする必要があることから、曲線がカクカクして綺麗な仕上がりにならない場合があります。 デメリット④精密な金型設計や機械調整が必要 ベンダー曲げでは、素材や曲げ加工の方法によりますが、スプリングバックが生じることがあります。このスプリングバックを防止、またはその効果を予想して曲げ加工を行う必要があるため、金型設計や機械調整に高度な技術が不可欠です。 Mitsuriでしたら、全国に140以上の協力工場がありますので、ベンダー曲げの多様なノウハウや高度な技術を持ったメーカーをご紹介できます。 ベンダー曲げでお困りの際は、ぜひご相談ください。 ベンダー曲げのコツを紹介 ベンダー曲げでは、曲げ加工の圧力が除かれると、曲げ角度が跳ね返ってくるスプリングバックが発生するため、曲げの精度が悪くなりがちです。ここでは、スプリングバックを防止し、曲げの精度を向上させるコツを紹介します。 コツ①2段曲げ スプリングバック防止策の一つに、一回のプレスで2回の曲げを行う2段曲げ方式があります。例えば90°に曲げたい場合、まず80°~90°に曲げて圧力を除き、故意にスプリングバックを起こします。次に、パンチを戻さず、再度圧力を加えることで90°の曲げ角度を出します。 コツ②ストライキング U曲げにおけるスプリングバック防止策に、ストライキング方式があります。この方式では、パンチの刃先の端にストライキングという出っ張りを設け、この部分を材料に食い込ませることでスプリングバックを防止します。 ただし、この方式では、特殊形状の金型が必要なことから高コストになってしまう、材料のストライキングを食い込ませた部分に欠けが発生しやすいなどの欠点があります。 コツ③Vノッチを設ける 材料の曲げ部分にあらかじめVノッチを設けることで、スプリングバックを防止する方法もあります。この方法では、曲げ加工の前工程でV字型のくぼみを付けておき、その部分にパンチの刃先がくるようにプレスすることでスプリングバックを防止します。 ただし、この方法では、曲げ部分の強度が低下するというデメリットがあります。 ベンダー曲げ加工事例 それでは、ベンダー曲げによる加工事例を紹介していきます。 下の写真は、板厚2mmのステンレス鋼をL字曲げ加工したものです。 引用元:TECH-JURNEY 次の写真は、Z字曲げの加工事例ですが、この曲げ加工を行ったメーカーでは鉄やステンレスは9mmまで、アルミは3mmまでの板厚に対応できるそうです。 引用元:株式会社NIMURA 続く写真は、1.5mmのステンレスをコの字曲げした製品です。 引用元:文化シヤッターテクノリフォーム・オンラインストア 以下の写真では、1で引き合いの多いフラットワイズ曲げ、2で難易度の高いエッジワイズ曲げ、3でL字曲げを行っています。 引用元:株式会社成光工業 以下の写真は、板金以外への曲げ加工の事例です。 引用元:ものづくり市場 ベンダーによる曲げ加工ならMitsuri!全国どこでもお受けいたします! 今回はベンダーによる曲げ加工についてご紹介しました。 ベンダー曲げには様々な方法があります。その方法や性質を理解することで、依頼する際にも手間取らずに済みます。 金属加工メーカーの中には、ベンダー曲げの加工を依頼できない会社もある為、依頼する際には十分に調べたうえで、依頼することをおすすめします。

  • ステンレス板の曲げ加工について加工事例と共に徹底解説!

    ステンレスは、加工を施すことで、家庭用品や機械製品といった色々な製品に仕上がります。ステンレスの加工には、切断・曲げ・溶接・切削など様々な加工方法が存在しますが、中でも曲げ加工は、ステンレス加工の中でも高い技術が要求されます。 今回は、そんなステンレスの曲げ加工についてご紹介します。ステンレスに興味がある方や、曲げ加工を金属加工メーカーに依頼しようと考えている方はぜひご一読くだざい。 価格が安くなる図面の板金図面の書き方についてはこちら! 板金加工における価格が安くなる図面の書き方を解説しています! 40%ほどの低減につながる可能性がございますのでぜひご覧ください! 6分ほどで視聴可能です! YouTubeにて、金属加工Mitsuriチャンネル運営中!こちらからご覧ください! ステンレスってどんな材料? ステンレスとは、正式にはステンレス鋼といい、ステンレススチールとも呼ばれます。ステンレスの本来の意味は、「錆びない」という意味です。その名の通り、ステンレスは非常に耐食性が高く、さびにくい特性を持っています。その理由は、表面上に、不動態被膜という微細な被膜が形成されているからです。不動態とは、金属の表面に酸化被膜が形成され、腐食に対する抵抗力が向上する状態のことです。酸化皮膜は、酸や溶液に漬けてもなくならないため、内部の金属を保護することができます。 不動態被膜は化学的に安定しているため、ステンレスの表面が傷つき剥がれても、すぐに再生する特性があります。 また、ステンレスは合金鋼といわれており、クロムやニッケルを含む金属で、様々な種類が存在します。 ステンレスの種類は主に、①マルテンサイト系②フェライト系③オーステナイト系に区別されます。 ステンレスの種類 ①マルテンサイト系 ②フェライト系 ③オーステナイト系 ①マルテンサイト系 マルテンサイト系のステンレスは、マルテンサイトの組成をもつステンレスです。マルテンサイトとは、鉄鋼材料の組織の中で最も硬度が高く、脆い性質を持っている組織です。焼き入れという熱処理を施すことによってステンレスの中でも最硬度を持つことができます。 マルテンサイト系のステンレスは、刃物やブレード系の部品に加工されることが多いステンレスです。 ②フェライト系 フェライト系のステンレスは、フェライトの組成をもつステンレスです。フェライト系には様々な鋼種があり、チタンや銅等の合金元素が添加されます。フェライト系は、熱膨張が少なく、加熱後の冷却でも表面スケールが剥がれにくい特徴があります。また、磁性があり、磁性の必要な部品などにも使用されます。マルテンサイト系ステンレスとは異なり、焼き入れなどの熱処理をしても硬化はしません。 ③オーステナイト系 オーステナイト系のステンレスは、常温でオーステナイトの組成をもつステンレスです。特徴は、他のステンレスよりも耐食性が高いことです。また、温度差が激しい環境でも他のステンレス鋼よりも強度低下が少ない性質を持ってます。そのため、低温環境や高温環境で使用する機器などの部品に使用されます。しかし、焼き入れ等の熱処理による硬度強化はできないため、マルテンサイト系より強度は落ちます。 このように、ステンレスには、様々な種類があります。どのステンレスも特徴が違うため、曲げ加工を依頼する際は、仕上がる製品の用途を考えて選ぶことが大切です。また、素材によっては難加工のステンレスもあるため、注意が必要です。 ステンレス曲げ加工について ステンレス曲げ加工は、特定の角度や形状に変化にさせる加工で、ベンダーと呼ばれる機械を用いてステンレスを曲げていきます。代表的な加工機械には、板専用のプレスブレーキや、U型など曲線に曲げるロールベンダー、ステンレス管を曲げるパイプベンダーなどがあります。 曲げ加工では、金属材を機械フレームに溝が掘られた金型を用意し、溝に合う凸型を押し込むようにして曲げていくやり方が一般的です。 曲げ加工には、次のような種類があります。 ●L字曲げ:アルファベットのL字型に曲げる 引用元:板曲げ ●角度曲げ:90°以外の角度に曲げる方法で、度曲げとも呼ばれる 引用元:中本鉄工所 ●コの字曲げ:カタカナのコの字型に曲げる加工 引用元:ミスミ ●Z型曲げ:アルファベットのZのような断面を作る加工 引用元:株式会社フカサワ ●ハット型曲げ:帽子の断面のような仕上がりになる曲げ加工 引用元:小寺工業株式会社 ●チャンネル曲げ:C型チャンネルと同じ形状に曲げる 引用元:モノタロウ ●箱型曲げ:四方を箱の様に曲げる方法で四方曲げとも呼ばれる 引用元:NCネットワーク 参考:【ステンレス加工】加工方法や加工実績について徹底解説!! ステンレス板の曲げ加工について ステンレス鋼は、曲げ加工が難しい素材と言われています。その理由は、スプリングバックが大きいからです。  スプリングバックとは、加工素材をプレスしても、プレス後に素材の持つ弾性によって、素材の形状が元に戻ってしまう特性です。ステンレス鋼は引張強さが高く、かつ伸びが大きいため、加工に要する圧力は、炭素鋼などの金属に比べ、約1.5倍ほど必要になってきます。 スプリングバックが起きてしまうと、製品の寸法にずれが生じ、製品自体の質が落ちてしまう可能性があります。スプリングバックの原因は、加工素材に圧をかけることによって生まれる「ひずみ」です。そのため、金型製作時に精密な設計を行うことが重要です。また、スプリングバックは、ヤング率(縦弾性係数)で測ることが可能です。 ステンレスは、曲げ加工がしづらい金属ですか、その種類によってもヤング率が若干異なります。マルテンサイト系ステンレスとフェライト系ステンレスが、同じ数値(200kN/mm2)なのに対し、オーステナイト系のステンレスは197kN/mm2と、他の2種類に比べ若干低いです。 一般的に金属板の曲げ加工は、ベンダー曲げを行います。ベンダー曲げとは、金型とパンチに合わせて、加工素材をプレスする曲げ加工のことです。 ベンダー曲げには、V曲げ・L曲げ・Z曲げ等の他にも様々な種類があります。その中でも、代表的な曲げ加工であるV曲げ加工には、①エアーベンディング②ボトミング③コイニングの3種類があります。 ①エアーベンディング エアーベンディングとは、加工素材を軽く金型に押し込む曲げ加工です。加工素材を金型に押さえつけないため、力がかかる部分は、型とパンチを合わせた合計3か所のみになります。このことから、エアーベンディングは、パーシャル(部分的)ベンディングとも呼ばれています。 エアーベンディングでは、金型よりも鈍角な角度であれば全て曲げられます。そのため、使用する型によっては、様々な曲げ加工を行うことが可能です。しかし、エアーベンディングは、パンチの加減のみで加工するため、高い技術力が必要となります。 ②コイニング コイニングは、加工素材を型にしっかりと食い込ませ、プレスするベンダー曲げのことです。コイニングでは強い圧力が必要とされます。圧力は、他の曲げ加工と比較しても5倍ほどの力が必要とされており、高い技術力が必要です。コイニングは、大きな力が必要なため、加工できる板厚が薄く、加工限界は2㎜ほどになります。現在ではあまり使用されない方法です。 ③ボトミング ボトミングとは、型に合わせて底押しするプレスのことです。ボトミングは、型の両側に、大きな圧力を加えます。その為、型の角度が90°のものを使用していていれば、加工素材を85°~89°ほどの幅で曲げることができます。この方法は、素材を型に押しつけないため、コイニングと比べて少ない力で曲げ加工を行えることが特徴です。また、エアーベンディング程の高い技術力もいらないため、多くの加工で使用されています。 曲げ加工製品事例 引用元:有限会社案浦製作所 引用元:海内工業株式会社 引用元:井上商事株式会社 ステンレス曲げ加工のお見積りならお任せください! 今回はステンレスの曲げ加工についてご紹介しました。 ステンレスには様々な特徴があります。その特徴や性質を理解することで、依頼する際にも手間取らずに済みます。 金属加工メーカーの中には、ステンレスの曲げ加工を依頼できない会社もある為、依頼する際には十分に調べたうえで、依頼することをおすすめします。 この記事を読んで、今までステンレスの曲げ加工について知らなかった方や、知っていても疑問が残っていた方々のお役に立てれば幸いです。 また、ステンレスの曲げ加工についてお悩みの時は、ぜひMitsuriにご相談下さい。 Mitsuriは、日本全国に協力企業が250社ございます。そのため、お客様にとって最適な素材の選択に加えて、ステンレスの曲げ加工が得意な工場のご紹介も可能です。 ステンレスの曲げ加工でお困りの際は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい!

  • ヘミング曲げとは【3分でわかる】専門家がわかりやすく解説します!

    今回ご紹介するヘミング曲げは、主に板金の端部に施される曲げ加工です。 板金加工において、曲げ加工は製品の形状を決める重要な加工です。材料をプレスし、V形、L形、Z形など、製品に適した形状に曲げます。 ヘミング曲げは、製品の形状を大きく左右する加工ではありません。しかし、安全面の強化や補強のために重要な役割を担う加工です。 今回の記事では、ヘミング曲げとは何か、どのような工程で行われるのかをわかりやすく解説し、どんな加工事例があるのかをご紹介します。 ※曲げ加工について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 板金加工における【曲げ加工】の基礎やV曲げ/L曲げ加工について徹底解説!! ヘミング曲げとは ヘミング曲げとは、板金を180°折り返した後、平らに押しつぶす加工です。アザ折り(あざ折り)、潰し曲げ(つぶし曲げ)とも呼ばれます。「折る」「つぶす」という言葉が含まれるので、これらの呼び方のほうが加工内容をイメージしやすいかもしれませんね。 引用元:日本電気化学株式会社 方法としては、板金の端をまるで紙のように細く折りたたんでつぶします。板金の端を処理する方法といえば、バリ取りやC面取りなどが一般的でしょう。しかしヘミング曲げには、単なるエッジ処理にはとどまらないメリットがあります。 ヘミング曲げのメリット ヘミング曲げには、3つのメリットがあります。 ①安全性の確保 ②補強 ③見栄えをよくする 具体的にどのようなことなのか、ひとつずつ見ていきましょう。 ①安全性の確保 ヘミング曲げをすると切り口が内側に折られ、曲げ部分が曲線になります。板金のエッジが鋭利でなくなるため、安全性が得られます。 板厚の薄い板金の場合、切り口をそのままにしておくとケガをする場合があります。ステンレスなどはまるでカミソリのように鋭利になり、大変危険です。 ヘミング曲げをしておけば鋭利な切り口に直接触れずに済むので、ケガの危険性がなくなります。 ②補強 ヘミング曲げをすることにより、折り曲げた部分の板厚が倍になるので補強になります。 ヘミング曲げを施すのは、主に板厚の薄い板金です。そのままだと強度の低い板金も、ヘミング曲げにより厚みが2倍になるので強度が増します。 板金の端部は、ほかのものに触れる機会が多いため、傷ついたり変形したりしやすくなります。ヘミング曲げをすることによって補強されるので、そのような事態を防げます。 ③見栄えをよくする ヘミング曲げをすると、板金の端が切りっぱなしの状態ではなくなり、見栄えがよくなります。 切断面が内側を向くのでエッジ部分が見えにくくなりますし、曲げ部分がなめらかな曲線になるので見た目も美しくなります。 曲げ部分が曲線になることにより、手触りもよくなります。 見栄えや手触りは製品の機能としてはそれほど重要ではないかもしれませんが、他の製品との差別化をはかれます。 ヘミング曲げのデメリット 一方で、ヘミング曲げにはデメリットもあります。ヘミング曲げをすると、曲げる、つぶすという工程が増えます。ヘミング曲げをする分工程が増えると加工に時間がかかり、人件費もかかります。結果として、製品そのものの価格が上がってしまいます。 ヘミング曲げをするとどれくらい工程が増えるのでしょうか。ヘミング曲げがどのような工程で行われるのか見ていきましょう。 ヘミング曲げの工程 ヘミング曲げには、材料を鋭角に曲げる、曲げた部分を押しつぶすという工程が必要になります。一度でどこまで加工するかによって、工程の数が変わります。 ①3工程加工 引用元:MiSUMi 1工程目でL曲げをし、2工程目で斜面を持ったパンチでL曲げした部分を曲げ込みます。3工程目で平潰しして密着させます。 この3工程加工はもっとも標準的な加工です。 ②2工程加工 引用元:MiSUMi 1工程目で材料を鋭角に曲げ、2工程目で平潰しして密着させます。 ヘミング曲げには金型を用います。ヘミング曲げで使われる金型には、「金型交換タイプ」と「ダブルデッキタイプ」の2種類があります。 「金型交換タイプ」は、第1工程用と第2工程用の二種類の金型を用意し、途中で金型を交換します。「ダブルデッキタイプ」は、1工程で180°の曲げを行い金型交換が不要なため、加工時間が短縮されます。 ヘミング曲げの事例 実際にヘミング曲げを施した製品の事例をご紹介します。端を折り曲げてエッジがなくなることによる安全性や、見栄えのよさをご覧ください。 水受け皿 材質:SUS304 引用元:精密板金タケウチ 材質:アルミ A5052 引用元:株式会社NIMURA ヘミング曲げならMitsuri!1コ〜お受けいたします! 今回は、ヘミング曲げについて解説していきました。ヘミング曲げにより、安全性が高まる・補強される・見栄えがよくなるというメリットがありますが、一方で工程が増えることによりコストがかさむというデメリットがあります。 「ヘミング曲げをしたいがコストは押さえたい…」 「小さな部品でもヘミング曲げをしてもらえるだろうか…」 そんなお悩みをお持ちの方は、Mitsuriにご相談ください!