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【金属加工 Mitsuri】見積から発注までWEB完結!
今回は汎用フライス盤の種類や構造、特徴などについて解説します。 フライス盤は、テーブルにセットしたワークを、主軸に取り付けたフライスやエンドミルにて切削加工を行うための工作機械です。フライスは回転運動、ワークは送り運動をさせることで平面や溝加工を行います。 参考:フライス加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! 汎用フライス盤とは 汎用フライス盤とは、フライス盤の操作を手動で行うタイプのことを指します。 NCフライス盤に比べて導入コストが少なく済み、簡単な加工であればすぐに行える点がメリットです。ただし、ワークの段取りや機械の操作を手動で行うため、作業者のスキルに影響されやすい特徴があります。 汎用フライスの種類と加工用途 汎用フライス盤は、主軸の向きによっていくつかの種類に分けられています。 立型フライス盤 引用元:株式会社イワシタ 1#立フライス盤(ひざ形) 立型フライス盤は、主軸が地面に対して垂直かつ下向きのタイプです。市場に出回っているフライス盤の多くが立型のタイプになります。 立型フライス盤は、主に立方体のワークなどの平面加工やR面加工に適しています。 横型フライス盤 引用元:株式会社イワシタ 1#横フライス盤(ひざ形) 横型フライス盤は、主軸が地面に対して水平向きのタイプです。主に溝入れや切断加工に適しています。 万能フライス盤 引用元:有限会社浪速工機 株式会社九州機械センター 万能フライス盤 新潟 2UMD 万能フライス盤は、立型と横型フライス盤の基本機能に加えて、テーブルが水平方向に回転したり、主軸が180°回転したりするタイプです。 基本的なフライス盤の加工が可能なほか、歯車のような複雑な加工にも対応できます。 汎用フライス盤の仕組みと構造 引用元:フライス盤.com フライス盤の構造 汎用フライスの基本的な構造は上図の通りです。以下で各部分の役割について解説します。 主軸頭 主軸頭は、切削工具を取り付けて回転させる主軸を備えた部分で、モーターから主軸に動力を伝達する役割を持ちます。 コラム コラムは、汎用フライス盤の支柱となる部分で、モーターや送り機構を内蔵しています。 サドル サドルは、テーブルを支える台で、ベッドやニーの案内面上を移動します。 ベッド ベッドは、フライス盤の最下部に位置する部分で、コラムを中心に支える役割を持ちます。 ベッドを搭載したフライス盤は、「ベッド型」と呼ばれるタイプで、主軸が上下に動き、テーブルが前後・左右に動きます。 ニー ニーは、テーブルやサドルを支えている部分で、内部にはサドルやニーを送るためのモーターや駆動ねじを搭載しています。ニーを搭載したフライス盤は、「ヒザ型」と呼ばれるタイプで、主軸は固定されているものの、テーブルが上下・左右・前後に動きます。 汎用フライス盤とNCフライス盤の違い 汎用フライス盤は、機械の操作を手動で行うタイプです。一方NCフライス盤は、数値制御(NC:Numerical Control)の機能が付与されたフライス盤で、機械の操作をプログラムにて制御できます。 NCフライス盤は、汎用フライス盤に比べて導入コストが高く、操作やプログラムの知識を要するものの、高い精度の加工や複雑な加工にも対応できるほか、加工時の作業者の負担が少なくなるのもメリットです。 「フライス盤を使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
今回は横形マシニングセンタの構造や種類について解説します。 マシニングセンタは、ATC(工具を自動で交換できる機能)を有し、CNC(コンピュータ数値制御)によって、中ぐり・フライス削り・穴あけ・ねじ立てなどの加工を連続で行える機械です。マシニングセンタにはいくつかの種類がありますが、そのなかでも横形マシニングセンタは、主軸が水平方向に向いたタイプで、ワークを側面から加工します。 横型マシニングセンタの加工軸は、コラム・サドル・テーブルが可動することで、XYZの3軸に対応します。一部のモデルはテーブルの回転が可能で、計4軸での加工が行えるものもあります。 参考:マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説 参考:自動工具交換装置(ATC)とは?ATCの種類と構造 横形マシニングセンタの構造と仕組み 引用元:モノタロウ マシニングセンタの基礎講座 マシニングセンタの基本的な構造 横形マシニングセンタの構造は上図の通りです。 以下に横形マシニングセンタの主要構造の役割について解説します。 ●テーブル:ワークを取り付けるための台。サドル上を図中前後方向に移動します。モデルによってはテーブルが回転するものがあり、ワークをセットし直さなくても多方面の加工が可能です。 ●ベッド:本体を支えるための土台。テーブルのガイドとなる案内面が加工されていて、サドルが図中左右方向に移動できる仕組みです。 ●コラム:横形マシニングセンタの支柱となる部品。ボールねじの運動により主軸頭の縦方向の移動に対応します。 ●サドル:ベッドの上に配置されている部品。ベッドの案内面により左右方向へ移動できます。 ●主軸頭:主軸や駆動装置などを搭載している部品。 ●主軸:刃物工具を取り付け、回転運動を与える軸。 上記の構造は横形マシニングセンタの基本的な部品になりますが、製造メーカーやモデルによって内容が異なることもあります。 横形マシニングセンタの用途 引用元:モノタロウ マシニングセンタの基礎講座 自動化の仕組み:APC(オートマチック パレットチェンジャ、自動パレット交換装置) マシニングセンタは、金型や自動車部品の製造など、さまざまな産業にて活用されています。そのなかでも横形マシニングセンタは、自動化に適した構造のため、無人運転や大量生産の用途で用いられることがあります。 横形マシニングセンタは、重力により切り屑が落下するので、切削点に切り屑が溜まりにくい特徴があります。この構造は切り屑による切削不良が発生しにくいだけでなく、仕上げ面が傷つくのも防げます。 以上の特徴から、立形マシニングセンタよりも横形マシニングセンタのほうがAPC(自動パレット交換装置)を搭載するのに適しており、マシニングセンタの可動率を向上させることができます。 参考:パレットチェンジャー(APC)とは?種類と特徴を解説 横形マシニングセンタのメリット ●高さのあるワークの加工に適している。 横形マシニングセンタは、主軸が地面に対して横向きに取り付けられているため、高さのあるワークにも対応しやすい特徴があります。 ●切り屑が溜まりにくい。 横形マシニングセンタは、ワークを横から加工する構造上、切り屑が重力により落下します。これにより切削点に切り屑が溜まりにくく、切り屑によって仕上げ面が傷付くことが少なくなります。 ●テーブルが水平方向に回転する機種の場合、高い加工精度が得られる。 引用元:モノタロウ マシニングセンタの基礎講座 回転軸とは?(右手の法則その2) 横形マシニングセンタは、XYZ軸に加えてテーブルの回転軸が加わることで、手作業によるワークの加工面を変更する必要がなくなります。手作業でワークをセットし直す必要がなくなるので、高い加工精度を出すことができます。 ●APCを搭載することで加工の自動化に対応できる。 横形マシニングセンタは、切り屑の排出性に優れているため、APC(自動パレット交換装置)を利用するのに適しています。APCを搭載しているマシニングセンタは、外段取りにてワークの着脱が可能で、パレットを複数台装備すれば長時間の無人運転も可能になります。 横形マシニングセンタのデメリット ●平面に広いワークの加工には不向き。 横型マシニングセンタは、主軸が水平方向であることから、平面に広いワークだと加工しにくいデメリットがあります。 ●立形マシニングセンタに比べてコストが高い。 横形マシニングセンタと立形マシニングセンタを比較すると、横形マシニングセンタのほうが構造が複雑なため、コストが高い傾向にあります。 横形マシニングセンタの種類 横形マシニングセンタは、主軸のサイズにより、大きく分けて3つのタイプに分類されます。 30番 30番の主軸を搭載した横形マシニングセンタは、小型なモデルのため、省スペースでの配置が可能です。そのほかにも、高速回転や高速送りが可能で、加工時間の短縮にも寄与します。30番は大量生産に適したライン対応型のマシニングセンタとして利用されていることもあります。 40番 40番の主軸を搭載した横形マシニングセンタは、中型のモデルで金型の加工に多く採用されています。中ぐり加工に対応できるほか、大径カッターなどによる深穴加工も可能です。 50番 50番の主軸を搭載した横形マシニングセンタは、大型のモデルで鋳鉄などの大型ワークの重切削にて多く採用されています。また、切り屑の排出性に優れているので、大型金型の長時間加工も得意とします。 「横形マシニングセンタを使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
今回は立形マシニングセンタの構造や種類などについて解説します。 立形マシニングセンタは、主軸が地面に対して縦向きに取り付けられているマシニングセンタのことを指します。基本的な駆動軸はXYZの3軸で、構造や操作感はボール盤や汎用立てフライス盤と似ています。 立形マシニングセンタは、フライス・穴あけ・仕上げ加工などの幅広い加工に対応でき、汎用性に優れているほか、省スペースで導入しやすいことから、多くの加工業者に採用されています。 参考:マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説 参考:自動工具交換装置(ATC)とは?ATCの種類と構造 立形マシニングセンタの構造と仕組み 引用元:モノタロウ マシニングセンタの基礎講座 マシニングセンタの基本的な構造 立形マシニングセンタの主な構成については上図の通りです。 以下に基本的な各部品の役割について解説します。 ●テーブル:ワークを取り付けるための台。 ●ベッド:重量物のワークにも対応できる、本体を支えるための台。テーブルのガイドとなる案内面が加工されており、テーブルがY軸方向に移動できる仕組みです。 ●コラム:立形マシニングセンタの縦方向に伸びている部品。ベッドと統合されており、機器の支柱の役割を持ちます。 ●サドル:コラムの前面に配置され、ラムと連結している部品。サドルはX軸方向に動作します。サドルを頑丈にすることで、切削時の振動を受け止められます。 ●ラム:主軸ヘッドをZ軸方向に運動するための部品。 ●主軸ヘッド:刃物工具を取り付けるための部品。 これらの構造は立形マシニングセンタの基本的な部品になりますが、製造メーカーやモデルによっては異なる場合があります。 立形マシニングセンタの用途 立形マシニングセンタは、金属部品の加工用途として幅広い産業で活用されています。特に自動車産業においては、部品の研削や穴あけ、ボディ部品の金型製造などで活躍します。 また、昨今のIoTの拡大により、半導体などの電子部品を精密加工する用途としても多く利用されています。 立形マシニングセンタのメリット ●図面と切削工具の向きが同じで、加工内容が分かりやすい 立形マシニングセンタは、主軸が地面に対して垂直に取り付けられていることから、ワークの上面を加工します。そのため、図面と切削工具の向きが同じで、加工内容が直感的に分かります。 ●主軸が上下に動く構造のため、切削工具の刃先とワークの距離を把握しやすい 立形マシニングセンタは、横形マシニングセンタに比べて、主軸とワークの接近している距離が作業員の目線から判断しやすい特徴があります。 ●他のマシニングセンタと比べて省スペース 立形マシニングセンタは、横形や門形マシニングセンタと比べて本体が小型のため、設置スペースが少なく済みます。 立形マシニングセンタのデメリット ●切粉が溜まりやすい 立形マシニングセンタは、ワークの上面から加工を施すため、切粉が排出されずに溜まりやすい傾向にあります。そのため、圧縮空気や潤滑油剤にて随時取り除く必要があります。もし切粉が溜まったまま加工を続けていると、加工不良の原因となる場合があります。 立形マシニングセンタの種類 立形マシニングセンタは主軸の規格サイズにより、大きく分けて30番・40番・50番の3種類のタイプがあります。これらは、主軸に差し込むシャンクの大きさのことを表しています。 30番 30番の主軸を搭載した立形マシニングセンタは、小型ツールを使用しており、セットが簡単に行えます。また、高速回転や高速送りが可能で、加工時間の短縮が期待できます。その他にも、本体がコンパクトで設置スペースが少なく済み、コストも安い傾向にあります。 ただしシャンクの保持力に乏しく、パワーを要する重切削には不向きです。 40番 40番の主軸を搭載した立形マシニングセンタは、中型のサイズでシャンクの保持力と重量のバランスがよく、汎用性に優れたタイプです。金型加工や自動車部品の加工で多く採用されています。 50番 50番の主軸を搭載した立形マシニングセンタは、大型の機器であることから、シャンクの保持力に優れており、重切削を得意とします。そのため、大型ワークの重切削にて多く採用されています。 「立形マシニングセンタを使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
今回は研削盤の種類や、研削加工と切削加工の違いについて解説します。 研削盤は、砥石を使ってワークの表面を削り取り、仕上げを行うための工作機械です。研削盤は、硬度が高いものでも加工が可能かつ、精度が高くて表面をキレイに仕上げられるのが特徴です。 研削盤には大きく分けて、大型の機械である「機械研削盤」と、比較的小型の「自由研削盤」の2種類がありますが、今回は機械研削盤について解説していきます。 研削盤とは 研削盤とは、別名「グラインダー」とも呼ばれるもので、高速で回転する砥石をワークに当てて、表面を削り取ったり、仕上げたりする機械のことを指します。 引用元:研削盤・中古機械情報.net 研削盤について 砥石は、硬い鉱物質の粒(砥粒)を、結合剤にて固めて作られているほか、切り屑を保持するための気孔を有しています。研削盤では除去加工を行うのに砥石を使っている分、刃物と比べて削り取る量は少ないものの、加工面がキレイに仕上がる特徴があります。また、焼入れを施した硬度の高い金属に対しても、精度の高い加工が可能です。 研削盤の種類 一口に研削盤といっても、用途や研削の方式によってさまざまな種類があります。ここでは代表的な研削盤の種類について解説します。 平面研削盤 引用元:NAGASE 加工事例 平面研削 平面研削盤は、ワークの平面を研削する工作機械です。一般的に砥石の外周面方向に対してワークを平行に往復運動させて加工する、横軸往復テーブル型が採用されています。 そのほかにも、砥石の回転軸方向やテーブルの運動方向の違いにより、横軸回転テーブル型・立軸往復テーブル型・立軸回転テーブル型などに分類されます。 円筒研削盤 円筒研削盤は、円筒状の外径を研削できる工作機械で、センタレス研削盤に比べて高い精度で加工できます。 円筒研削盤には、砥石とワークの運動の関係により、プランジカットとトラバースカットの2種類の研削方法があります。 引用元:株式会社酒井鉄工所 円筒研削盤の特徴 プランジカットは力が伝わりやすく、能率的な研削が可能です。そのため量産部品の加工に多く採用されています。 引用元:株式会社酒井鉄工所 円筒研削盤の特徴 トラバースカットは、プランジカットよりも加工後の面粗さが優れており、鏡面加工も対応可能です。主に加工幅が砥石よりも広いワークや、段のないものへの加工に採用されています。 内面研削盤 内面研削盤は、円筒状の穴の内面を研削するための工作機械です。ものによっては、穴の軸芯と端面との直角度を出すために、端面研削できる場合もあります。 内面研削盤は、1つの砥石でさまざまな穴径に対応が可能で、使い勝手が良好です。 引用元:株式会社酒井鉄工所 ホーニング盤、穴仕上げのスペシャリスト 内面研削盤は、スティック状の砥石を全体的に内径に押し当てて仕上げる工作機械の「ホーニング盤」に比べて、1つの砥石で加工を行うことから、前加工に依存しない点が強みです。 また、ホーニング加工では、内径に溝があるものや、軸受けなどのような段差が多いものに対して加工できません。一方で内面研削は、砥石径と機械ストロークで研削できる大きさが決まることから、段形状の研削やテーパー状の研削にも対応が可能です。 内面研削盤には、主に普通形とプラネタリ形の2種類があります。 引用元:株式会社酒井鉄工所 内面研削盤の特徴と利点 普通形は、ワークの穴の中へ砥石を入れて、ワークと砥石を回転させ、砥石の前後の送りにより研削を行います。 引用元:株式会社酒井鉄工所 内面研削盤の特徴と利点 プラネタリ形は、砥石の軸に遊星運動を与えて研削を行う仕組みです。主にワークが大きい場合やバランスの取りにくいものに対して採用されています。 工具研削盤 工具研削盤は、特定の工具を研削するための工作機械です。研削する工具の種類によって、以下のような工具研削盤があります。 ドリル研削盤 ホブ研削盤 正面フライス研削盤 超硬バイト研削盤 ブローチ研削盤 シェービングカッタ研削盤 のこ歯研削盤 センタレス研削盤 引用元:株式会社ミヤサカ工業 センターレス研削加工 センタレス研削盤は、円筒状のワークをチャッキングなしで研削できる工作機械で、別名「芯なし研削盤」とも呼ばれています。上図のように、固定されたブレード・回転する研削砥石・調整砥石によりワークを支持して外周を研削します。 センタレス研削盤は、ワークの着脱にかかる時間が少なく、生産性に優れています。チャックを用いた研削に比べて取り付けの誤差がなく、一定の精度を保てるのもポイントです。 一方で円筒研削に比べてやや精度が落ちるほか、ワークの形状に制限があり、加工が困難になる場合があります。 NC研削盤 NC研削盤は、NC(数値制御)装置を搭載した研削盤です。あらかじめプログラミングしたデータをもとに自動で加工を行います。 成形研削盤 成形研削盤は、平面研削盤にドレッサーを搭載した工作機械のことです。ドレッサーとは、砥石などを削って切れ味を修復するための工具のことで、ダイヤモンドなどの高硬度の材料を用いて砥石などを加工します。 ジグ研削盤 ジグ研削盤は、ジグや抜き型、ゲージなどの穴の内面を加工するための工作機械です。 ジグ研削盤の砥石軸には、内面研削盤にて解説したプラネタリ形が採用されています。 また、ワークの位置決めや送りを高精度でこなす装置を搭載しており、穴の内径や円弧、直線部分の研削が可能です。 研削盤で行える研削加工の種類 研削盤で行える加工の種類は、円筒研削・内面研削・平面研削の3つです。 円筒研削 円筒研削は、円筒状のワークの外周を削る加工です。 円筒研削には、回転させたワークに砥石を垂直に押し当てて研削するプランジカットと、ワークを軸方向に動かして研削するトラバースカットがあります。 円筒研削は、円筒研削盤やセンタレス研削盤を用いて加工を行います。 内面研削 内面研削は、円筒状のワークの内面を削る加工です。固定したワークを回転させて、砥石の主軸を動かして内面を研削します。 内面研削は、内面研削盤やジグ研削盤を使って加工を行います。 平面研削 平面研削は、平らな面を削る加工です。ワークの厚みを整えられるほか、精密な平行度を出したい場合に適しています。 平面研削は、平面研削盤や成形研削盤を使って加工を行います。 参考:平面研削について専門家がご紹介!【平面研磨との違いも解説】 研削加工と切削加工の違い 研削加工・切削加工は、どちらもワークの不要な部分を削って目的の形状に加工する「除去加工」である点は共通しています。ただし、研削加工と切削加工では、削る方法と何のために削るかの目的に違いがあります。 引用元:SAKUSAKU 研削盤とは? 研削盤や研削加工の種類について解説 研削加工は、砥石の細かな粒子により表面を少しずつ削り取る除去加工です。切削加工よりも、加工する箇所の寸法精度や表面粗さなどを考慮して加工を行います。 引用元:SAKUSAKU 研削盤とは? 研削盤や研削加工の種類について解説 一方で切削加工は、目的の箇所をエンドミルやバイトなどの刃物により削る除去加工で、所定の形状を作るために行われます。 切削加工だけでもある程度の精度は得られますが、研削加工を行うことで、より高度な寸法精度や表面粗さを得ることができます。 参考:除去加工について専門家が解説!【製品事例についても掲載】 「研削盤を使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
複合加工機は、NC(数値制御)工作機械の一種で、ワークを取り替えることなく、複数の加工が可能です。NC工作機械には、マシニングセンタやターニングセンタなどもありますが、これらと複合加工機は何が違うのでしょうか。 そこで今回は、複合加工機とマシニングセンタなどの違いについて解説します。また、複合加工機のメリット・デメリット、複合加工機の種類についても併せてご紹介します。 参考:NC旋盤加工とは?NC旋盤加工の構成や工場もご紹介! 複合加工機とは 引用元:DMG MORI NTX 3000 2nd Generation 複合加工機とは、工具の自動交換機能を備え、なおかつワークの段取り替えなしに、フライス削りや旋削、穴あけなどの加工を行えるNC(数値制御)工作機械のことです。 汎用フライスや汎用旋盤などと違い、あらかじめプログラムで加工工程を指示する必要がありますが、複数の工程を同時かつ自動で行えます。また、コンピュータ制御で切削工具とワークを3次元で移動・回転させられることから、複雑な形状の加工にも対応します。 参考:自動工具交換装置(ATC)とは?ATCの種類と構造 参考として、JISに記載されている複合加工機の定義を以下に記載します。 複合加工機:回転工具主軸、連続割出し可能な工作主軸、及び工具マガジンを備え、工具を自動的に交換する機能をもち、工作物の段取り替えなしに、旋削、フライス削り、中ぐり、穴あけ、ねじ切り、ホブ加工などの複数の加工が行える数値制御工作機械。 引用元:JIS B 0105:2012 工作機械―名称に関する用語 複合加工機のメリットとデメリット メリット ●生産性の向上 複合加工機は、プログラミングにて加工の指令を出す必要があるものの、ワークを一度取り付けたあとは、自動で複数の加工を行えます。従来の汎用フライスや汎用旋盤は、工具の取り替えやワークの移動を人の手で行う必要があり、手間がかかります。複合加工機を利用すれば、複数の加工を自動で行う、または作業の手間を省くことができるため、生産性の向上が期待できます。 ●管理コストや人件費の削減 複数の工作機械を所有していると、そのぶんの維持コストがかかってしまいます。しかし複合加工機であれば、複数の工作機械を1台に集約できることから、管理コストを削減できます。 また、工作機械が少ないということは、機械を使用する人員や作業時間も少なく済み、人件費の削減に繫がります。 ●加工精度と品質の向上 従来の工作機械では、人の技術や経験の差により、製品の仕上がりに違いがでてしまいます。しかし複合加工機なら、複数の加工・工具の取り替え・ワークの移動などといった作業を機械が自動で行うため、安定して高い加工精度が得られます。 ●安全性に優れている 複合加工機は、ワークの移動や刃物の交換を機械が自動で行います。人の手でワークや刃物を触れる機会が少なくなることから、作業に伴う事故のリスクを軽減できます。 デメリット ●導入するのに高いコストがかかる 複合加工機は本体の費用が高価なほか、ソフトウェアやNC制御装置といった周辺設備などの導入コストもかかります。 ●プログラミングや加工の知識を要する 複合加工機は、コンピュータ数値制御にて加工を行う工作機械のため、汎用工作機械の知識に加えて、プログラミングの知識が求められます。また、ミーリングやターニングなどの複数の加工を行えるぶん、それぞれの加工の知識も必要です。 複合加工機の種類ごとの特徴 ターニングセンタベース複合加工機 引用元:DMG MORI ターニングセンタ:ターニングセンタ:NLX NLX 6000 | 1000 ターニングセンタベース複合加工機は、NC旋盤をベースにマシニングセンタの機能を付与した工作機械のことです。NC旋盤をベースに作られているので、円筒状のワークに対して加工を行うのに適しています。ターニングだけでなく、同時にミーリングなども自動で行えるため、段取り替えの手間なく加工できます。 マシニングセンタベース複合加工機 引用元:株式会社松浦機械製作所 マツウラのモノづくり 平成モノづくり30年史 マシニングセンタベース複合加工機は、マシニングセンタをベースにNC旋盤の機能を付与した工作機械のことです。回転する工具を3次元に動かして、テーブルに固定してあるワークを加工します。また、テーブルに回転機構を備えることにより、ターニングにも対応が可能です。 マシニングセンタベース複合加工機は、ターニングセンタベース複合加工機に比べて、テーブルが大きく、加工範囲も広いことから、大きいサイズのワークを加工するのに適しています。 小型の複合加工機 引用元:榎本工業株式会社 カスタム加工機ナビ 超小型6軸複合加工機 CVN-6000 複合加工機は、コンパクトな生産ライン向けの小型タイプもあります。通常の複合加工機と同様に、旋盤の旋削加工とフライス盤の切削加工、自動工具交換機能を搭載しています。小型タイプは、必要設置面積が少なく済むのがポイントです。ただし、対応できるワークのサイズが小さくなる傾向にあります。 マシニングセンタやターニングセンタ、5軸加工機との違い 複合加工機は、NC旋盤とマシニングセンタの機能を組み合わせたものの総称です。そのため、マシニングセンタ・ターニングセンタ・5軸加工機とは似た機能を有しています。 マシニングセンタは、自動工具交換機能を有しており、穴あけやフライス削りなどの切削加工を1台で行える機械です。また、XYZの3軸加工に対応するマシニングセンタに、回転と傾斜の2軸を加えたものを5軸加工機と呼びます。 一方、複合加工機は、フライス削りなどのほかにも旋削や研削などのさまざまな加工にも対応が可能です。 ターニングセンタは、NC旋盤をベースとしたものに、マシニングセンタの機能を付与した工作機械を表しているため、複合加工機の1種と言えます。 参考:マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説 参考:ターニングセンタとは?できる加工やメリット・デメリット 「複合加工機を使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
今回はターニングセンタが対応できる加工やメリット・デメリットなどについて解説します。 ターニングセンタとは、NC旋盤の機能をベースとしたものに、マシニングセンタの機能も付与した工作機械のことです。昨今では複雑な製品形状や高い寸法精度、工程の短縮化、コストの削減などが求められるため、段取り替えの手間が少なく、自動で複数の加工を行えるターニングセンタのニーズが高まっています。 参考:NC旋盤加工とは?NC旋盤加工の構成や工場もご紹介! 参考:マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説 参考:自動工具交換装置(ATC)とは?ATCの種類と構造 ターニングセンタとは 引用元:タカハシキカイ MICROSTAR LD1 精密NCターニングセンタ ターニングセンタとは、NC旋盤をベースとしたものに、マシニングセンタの機能も付与した工作機械のことで、別名「CNC(Computer Numerical Control)旋盤」や「旋盤形複合加工機」などとも呼ばれています。ターニングセンタは自動で工具を交換できる機能も備えており、1回ワークを取り付けるだけで、複数の加工が可能です。 ターニングセンタは、NC旋盤をベースに作られているため、円筒状の加工を得意とします。旋削加工だけでなく、同時にミーリングなども自動で行うため、段取り替えの手間がかかりません。 なお、ターニングセンタは、JIS規格で以下のように定義されています。 ターニングセンタ:回転工具主軸、割出し可能な工作主軸、及びタレット又は工具マガジンを備え、加工プログラムに従って工具を自動交換できる数値制御工作機械。 注記1:心押し台、第2刃物第、第2主軸台などを備えた機械がある。 注記2:機械の構造によって、主軸が水平の横型、垂直の立て形、及び立て形とは主軸の向きが上下逆の倒立形がある。 引用元:JIS B 0105:2021 工作機械―名称に関する用語 ターニングセンタでできる加工 ターニングセンタは、主である旋盤加工に加えて、フライス加工や穴開け加工、中ぐり加工にも対応が可能です。 旋盤加工は、回転させたワークに刃物を押し当てて削り出す加工を指します。一方、フライス加工は、固定したワークに回転させた刃物を当てて切削を行う加工方法です。中ぐりは小径の穴を繰り広げて大径の穴に加工することを指します。 参考:旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! 参考:フライス加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! 参考:穴開け加工とは【専門家が解説】タップ加工、リーマー加工との違いを説明! ターニングセンタのメリット・デメリット メリット ●管理コストや人件費の削減 複数の工作機械を所有していると、そのぶんの維持コストがかかってしまいますが、ターニングセンタは複数の工作機械で行う加工を1台に集約できるため、管理にかかるコストが削減できます。 また、工作機械が少ないということは、機械を使用する作業員も少なく済み、人件費の削減に繫がります。 ●工程の簡素化と生産性の向上 ターニングセンタは、複数の工作機械を使ってワークのセット・加工・取り外しといった工程を繰り返し行う必要がなく、一度ですべての工程を行えるため、工程の簡素化が可能です。工程が少ない分、生産性の向上にも繫がります。 ●安定して高品質の製品を製造できる ターニングセンタは、一度ワークを固定すれば、すべての加工を自動で行えます。ワークを加工ごとにセットし直す必要がなくなることから、ワークの位置ずれを防止できます。また、人の手で作業を行わずに機械で加工を行うため、加工精度が安定し、安定して優れた品質の製品を製造できます。 ●安全性に優れている ターニングセンタは、ワークの移動や刃物の交換を機械が自動で行うため、作業に伴う事故のリスクを軽減できます。 デメリット ●導入に高いコストがかかる ターニングセンタは複数の加工を一度で行える一方で、機械加工を行えるようになるまでにソフトウェアやNC制御装置といった周辺設備などの導入も必要です。そのため、1台あたりのコストが大きくかかる傾向にあります。 ●プログラミングの知識を要する ターニングセンタは、コンピュータ数値制御にて加工を行う工作機械のため、汎用工作機械の知識に加えて、プログラミングの知識が必要不可欠です。 マシニングセンタや旋盤との違い ターニングセンタは旋盤加工がベースであるのに対し、マシニングセンタはフライス加工をベースとしたNC工作機械です。 マシニングセンタは、固定したワークに対して回転させた刃物を3次元的に当てて加工を行うのがメインです。マシニングセンタは、テーブルの回転も行える5軸制御を行えるタイプも普及しており、複雑な加工にも対応します。 一方ターニングセンタは、回転させたワークに刃物を当てて加工を行う旋盤加工がメインです。 汎用旋盤との違いは、コンピュータ数値制御により自動で加工を行えるため、精度が高くて複雑な加工にも対応できる点です。また、ターニングセンタはフライス加工や穴開けなどの複数の加工に対応できるほか、自動工具交換機能も備えているので、工具交換の手間も省けます。 「ターニングセンタを使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
金属を切ったり削ったりする場合、対象となる金属よりも硬い素材を用いる必要があります。 木の棒を使っても金属は傷つけられませんが、ダイヤモンドをこすりつけると簡単に傷がついてしまうのは、ダイヤモンドが金属よりも硬いからに他なりません。 切削加工機に超硬加工が施されているのも、ウォータージェットで高圧ポンプを使用するのも、すべて金属よりも硬い状態を作り出すため。ただ、加工する素材が硬くなっていけばいくほど、対応が難しくなっていくのは言うまでもありません。 今回紹介する「放電加工機」は、そんな硬度の高い金属を加工するのに用いられる加工機。 金属加工機の一種で、放電の技術を活用することで、高硬度な金属を高精度に加工することができます。 切削加工機では対応できない素材でも簡単に思い通りの形状に加工することができる放電加工機の仕組みや技術、種類や構造などを詳しく紹介していきます。 放電加工機とは 放電加工機とは、アーク放電によって生じる熱で加工物を溶かして加工する機械のこと。地球上で最も硬い物質、「ダイヤモンド」と比較すると、鉄の硬さは半分程度です。そのため、鉄の加工に使うドリルには、鉄よりも硬く加工された素材を使用しています。 しかし、中には、ダイヤモンドに近い硬さを持つ超硬合金のようなものも存在します。超硬合金の加工は硬度が高すぎるため、切削加工機での加工が困難です。 一方、金属を溶かして加工する放電加工機なら、1000分の1mmという高い精度で加工することが可能です。 参考:放電加工(EDM)の基礎知識(原理、メリット・デメリット、電極) 放電加工機の種類 金属加工機にさまざまな種類があるように、電気のエネルギーを活用して超硬合金を加工できる放電加工機にも、さまざまな種類があります。中でも多く用いられているのが下記の5種類。それぞれに違った特徴を持っているので、簡単にご紹介します。 ●形彫り放電加工機 ●ワイヤ放電加工機 ●細穴放電加工機 ●NC放電加工機 ●小型放電加工機 形彫り放電加工機 形彫り放電加工機は、木に彫刻刀で版画を彫るように、超硬合金を決まった形状に削っていくことに特化した機械です。主に鉄などを流し込んで形を作る「型枠」の製造に使われています。型枠づくりに特化していることから「転写する加工法」とも呼ばれています。 加工したい金属に電極を押し付けることで、短時間に放電、溶解、爆発などを繰り返し、金属を目的の形状に変化させます。 ワイヤ放電加工機 細いワイヤー状の電極を用いることで、糸ノコで金属を切断するように超硬合金を分断していく放電加工機です。 鉄を溶かすほどの熱を生み出す放電加工は、対象の金属を削る際にワイヤー自体も消耗します。そのため、ワイヤーを巻き取り、常に新しいワイヤーから金属に放電を続ける仕組みになっています。 ワイヤーの直径は0.1mmほどで、銅やタングステン、グラファイトなどが使用されます。ちなみに、ワイヤーは種類によってコストだけでなく、強度や効率も変化します。 他にも、放電エネルギーや加工スピード、加工液の種類によって表面の粗さが変化します。そのため、電極にどんな素材を使い、どれくらいのエネルギーで、どれくらいのスピードで加工していくかが仕上がり面の美しさにも影響します。 <ワイヤーカットの表面粗さ(例)> 通称 カット 仕上げ面粗さ 粗 1stカット 15μm~18μm 中粗 2ndカット 10μm~13μm 仕上げ 3rdカット 3μm~5μm 鏡面 4thカット 1μm~2μm 細穴放電加工機 棒状もしくは、パイプ状の銅や真鍮などを使用し、対象となる金属に電極を近付けて放電する細穴加工機は、従来の機械では実現できないような細い穴を開けることができる加工機です。最小直径は0.1mm以下で、メーカーによっては0.02mmという微細な穴をあけることができる機械も開発されています。 しかも、その精度は高く、切削加工機ではドリルが滑ってしまうような斜面でも、求める深さや大きさの穴あけが可能です。 NC放電加工機 一般的に工作機械にロボットの動作を取り入れ、物体をX軸・Y軸・Z軸で数値制御しながら加工していく機械のことをNC装置と呼びます。この制御は放電加工機でも取り入れられていて、NC放電加工機と呼ばれています。 形彫り放電加工機の場合、目的の加工を実現させるため、事前に工具電極を加工しておく必要がありました。一方「NC形彫り放電加工機」は、物体に対し、加工機が自ら移動して放電加工を行うため、数値制御をしておくことでより精度の高い加工が可能となります。 小型放電加工機 重量約4~5kg。手に持って運ぶことができるコンパクトサイズの放電加工機です。 機械も加工物も完全固定されているわけではないので、0.1mmの精度が求められるような細かい調整はできませんが、どこでも簡単に持ち運びできる利便性があります。 一般的には、放電加工ではなく、超音波振動が使われている、いわゆる「超音波カッター」を指すケースが多いです。 放電加工機の構造 放電加工機は、大きく分けると金属を加工する加工機と、それをコントロールする制御装置、さらに、加工中に加工液を供給する加工液供給装置の3つに分かれています。 放電加工機本体 加工機には、金属を加工する電極があり、セットされた噴射ノズルから加工液を噴射しながら金属に電極を押し当てるようにして加工していきます。 さらに、放電加工が行われる部分に適量の加工液を満たしておく必要があるため、周辺を囲むように加工槽が設けられています。 加工槽に送られる加工液は液面調整装置などで管理され、加工液供給装置と連携をとりながら液量を一定に保っています。 加工制御装置 加工制御装置はNC工作機械に無くてはならない機能。加工機を人体で例えるなら、制御装置は脳の部分にあたります。加工プログラムにデータを入力することによって、まったく同じ加工製品を高い精度で作り続けることが可能になります。 加工制御装置があることで、大量生産の技術が飛躍的にアップしているのは言うまでもありません。 加工液供給装置 放電加工において重要な役割を担っているのが加工液。 切削加工であれば、液体を吹きかけなければ切削機が止まってしまい、うまく加工ができなくなってしまいます。しかし、放電加工はドリルを使用しないため、一見するとそれほど必要ないようにも思えます。 放電は絶縁状態の気体や液体に電気が流れる現象のことを言います。 そのため、加工液は絶縁体として機能し、なおかつ放電が発生した際に加工を手助けする役割を担っています。主に水が使用されますが、場合によって油が使用されるケースも増えています。 ただし、油を使用する場合、熱によって引火したり、臭気や肌荒れなどの被害があったりしたため、現在では加工性を維持しつつ、引火しにくく人体への影響が少ない加工液が求められるようになっています。 放電加工機は、高電圧の電気による感電や、高温の素材に成分の油が引火する危険性などがあるため、仕組みをきちんと理解した上で作業に臨むことが重要です。 「放電加工機を使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。放電加工の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
金属加工機械の基礎知識 金属加工機械の基礎知識です。最も多く用いられている旋盤から、フライス盤、マシニングセンタなど機械の種類と使用される場面を学習できます。 工作機械(工具)を学べる記事 ▶フェイスミル(正面フライス)について解説!加工機の選び方についても解説 ▶5軸加工機についてご紹介!3軸加工機との違いについても解説 ▶端子台メーカー7選!種類についてもご紹介! ▶ボールエンドミルの特徴、使い方を解説! マシニングセンタを学べる記事 ▶マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説 機械に関する記事をもっと見る:工作機械のカテゴリ|記事一覧 金属加工の基礎知識は下記の記事にまとまっています。 【保存版】金属加工の教科書|製造業の基礎を身につける
マシニングセンタは、品質の安定および効率良く金属加工をするのに便利な機械です。複雑な形状の切削加工にも自動で対応でき、多くの加工業者で採用されています。 しかし、一口にマシニングセンタと言っても、横型マシニングセンタや立型マシニングセンタなど、種類は豊富にあります。これらにはそれぞれメリットやデメリットがあるため、機械の導入や加工で利用する際は、特徴を理解したうえで選ぶ必要があります。 本記事では、マシニングセンタとNC工作機械の違いや、各マシニングセンタの種類、マシニングセンタを導入することのメリットについて解説していきます。 参考:【切削加工とは?】特徴・種類・注意点を動画と一緒にご紹介します! マシニングセンタとは?工具自動交換機能が特徴 マシニングセンタ(machining center:通称MC)とは、コンピューター制御によって工具を自動で交換できる機能(automatic tool changer:通称ATC)を有し、中ぐり・フライス削り・穴あけ・ねじ立てなどの加工を連続で行える機械のことを指します。 マシニングセンタは、フライス盤などのように機械の段取り替えをすることなく、加工を行えるのが特徴です。あらかじめ加工の段取りをプログラミングしておけば、人の手がかからずに加工できるのもポイントです。 参考:フライス加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! マシニングセンタとNC工作機械の違い NC工作機械の「NC」とは、「Numerical control(数値制御)」の意味を表します。従来の工作機械は、人力でハンドルを操作して切削加工を行っていましたが、NC工作機械ではプログラムを入力しておくことで、自動で刃物を移動・回転させることが可能です。これにより、人の手で加工することによる技術介入がなくなり、精度や品質が安定します。 上記の内容はマシニングセンタも同様のことが言えますが、NC工作機械との違いは工具自動交換機能(ATC)の有無となります。 マシニングセンタはATC機能を有しており、ドリル・エンドミル・正面フライスなど、複数の刃物を自動で交換して加工が可能です。刃物の交換時に発生する位置ズレも発生しにくく、精密な部品の製作に適しています。 一方で、NC工作機械はATCの機能を搭載していないことから、刃物の交換を手動で行う必要があります。そのぶんマシニングセンタよりもコストが安価なので、加工内容がシンプルなものであればNC工作機械を採用するなどの使い分けがされています。 参考:フライス加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! 参考:NC旋盤加工とは?NC旋盤加工の構成や工場もご紹介! マシニングセンタの種類 ここでは、代表的なマシニングセンタの種類を紹介します。それぞれで主軸の向きや特徴が異なり、加工の目的によって使い分けがされています。 横型マシニングセンタ 引用元:モノタロウ 横型マシニングセンタは、工具の主軸が水平に配置されているマシニングセンタです。X軸・Y軸・Z軸方向に稼働できるため、3次元で加工できます。また、テーブルが水平方向に回転するB軸を持つ横型マシニングセンタの場合は、4軸での制御も可能です。4軸の横型マシニングセンタは、材料の向きを変えずにあらゆる角度から加工できるため、傾斜面の加工が簡単かつ、高精度を実現しています。 また、ワークをセットしたパレットを加工機本体に搬送・搬出する、APC(automatic pallet changer)を使うことで、作業効率が向上できるのもポイントです。 横型マシニングセンタは主軸の方向が水平であるため、切粉が重力で落ちて溜まりにくいメリットがあります。一方で、ワークを支える力が必要なため、重たい材料の加工には適していません。 立型マシニングセンタ 引用元:モノタロウ 立型マシニングセンタは、工具の主軸が地面に対して垂直方向に配置されているマシニングセンタです。駆動軸はX軸・Y軸・Z軸の直線3軸で、ボール盤や立てフライス盤と似たような構造になっています。 立型マシニングセンタは主軸が縦向きであるぶん、加工している様子や刃物とワークの距離を確認しやすいのが特徴です。1面を削ることが多い材料に適しています。 また、横型マシニングセンタに比べて本体が小型であることから、設置スペースが小さいこともメリットとして挙げられます。 しかし、APCの取り付けがしにくいほか、切粉がたまりやすく、加工不良の原因となりやすいデメリットがあります。立型マシニングセンタは加工不良を避けるために、切削工具の回転速度を変更したり、切削油の噴射速度をあげたりする必要もあるため、大量生産には不向きです。 門型マシニングセンタと5軸制御マシニングセンタのメリット・デメリット 引用元:モノタロウ 門型マシニングセンタは、上図のように機械が門の形をしているのが特徴です。主軸は立型マシニングセンタと同様に、地面に対して垂直方向に配置されています。駆動軸はX軸・Y軸・Z軸の直線3軸です。 門型マシニングセンタは、テーブルが広く、門をくぐるようにして動かせられるため、通常のマシニングセンタには乗らない大型の製品を加工するのに適しています。また、直線の3軸に加えて、回転軸が2軸加わった5軸制御に対応するものもあります。 一方で、大型の製品を加工できるぶん、設備は大がかりなものとなります。 引用元:モノタロウ 5軸マシニングセンタも、立型マシニングセンタと同様に、地面に対して垂直方向に主軸が配置されています。他のマシニングセンタと異なる点は、主軸とテーブルの2つが回転させられるため、XYZの直線3軸と回転2軸の計5軸を備えていることから、5軸マシニングセンタと呼ばれています。 5軸マシニングセンタは、主軸またはテーブルを傾けることで、斜め方向からの加工も実現しています。ワークをワンチャッキングで加工できるため、効率よく加工することができます。 しかし制御する軸が多いぶん、扱いが困難です。 マシニングセンタを導入するメリット マシニングセンタを導入するメリットは以下の通りです。 ●品質の安定 手動で加工を行うと、作業員の熟練度に左右され、寸法精度にどうしても違いがでてしまいます。また、人間が手作業で加工をすると失敗する可能性もあるでしょう。しかし、マシニングセンタを利用すれば、工具の扱いの熟練度に関わらず、安定した品質で製品を生産することができます。 ●複雑な加工に対応できる マシニングセンタは、3軸や5軸といった複数の軸を同時に制御できるため、斜面やRの加工など、複雑な形状の加工にも対応できます。 ●作業時間と人件費の削減 マシニングセンタは、フライス加工や穴あけなどの、多種の加工を自動で行えるため、段取り替えなどの手間を省けます。マシニングセンタの種類によっては、ワークのセッティングを一度行うだけで加工ができる点もメリットです。これらのように、作業員が必要な作業を最小限に抑えられるため、人件費の削減にも寄与します。 ●安全性の向上 マシニングセンタは手動操作とは異なり、一度加工手順をプログラミングしておけば自動で加工できます。そのため、刃物に触れる機会が少なくなり、ケガのリスクも低減することが可能です。 「マシニングセンタを使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
部品加工や金型加工における形状の複雑化が進展し、多品種少量生産が求められている現在、多様かつ複雑な形状を高精度に加工できる5軸加工機のニーズが高まっています。 その一方で、それほど複雑な製品を製造するわけではないから、3軸制御のマシニングセンタで十分と考えている方もいるかも知れません。 そこで、今回の記事では、5軸加工機の詳細や種類、3軸加工機との違いについて解説します。5軸加工機特有の加工方法や導入することのメリット、5軸加工機を使用する際の問題点や注意点についても説明していきますので、ぜひ参考にしてください。 5軸加工機とは 引用元:モノマド 5軸加工機とは、3次元空間中で工具の位置決めをするX軸・Y軸・Z軸に加え、工具や加工物のXY面内での向きやZ軸方向に対する傾斜を変えることができる回転軸(C軸)と傾斜軸(B軸)を備えた切削加工機のことです(上図参照)。 そのほとんどは、フライス盤やボール盤、中ぐり盤などを兼ねた3軸制御マシニングセンタをベースに5軸としたもので、高速回転させた工具を加工物に当てることで加工します。マシニングセンタとは、工具を自動的に取り替え、多種類の加工を連続的に実行できる工作機械です。 旋削機能を付加した5軸加工機もあります。通常の5軸加工機におけるC軸は、加工物を緩やかに回転させたり、工具の向きをXY面内で変えたりすることで、加工面の変更や5軸の同時制御による複雑な形状加工を可能としています。これに加え、旋削機能付きの5軸加工機では、加工物の高速回転を可能とすることで、旋盤のように回転対称の形状加工も高速に行うことができます。 3軸加工機との違い 3軸加工機との違いは、回転軸と傾斜軸を備えていることです。 3軸加工機は、工具の位置を自由に決定可能ですが、工具の向きが一定であるため、加工面を変更することはできません。そのため、複数の面を加工する場合には、加工面を変更するために加工物を取り外し、固定し直す必要があります。このような作業は、時間がかかる上、固定位置に誤差を生じさせ、精度や形状に不均一性を発生させる原因となります。 一方、5軸加工機では、工具の向きを自由に変えたり、加工物を横に傾けて回転させたりすることが可能です。そのため、加工物を固定している面を除いた全ての面を連続的に加工することができます。 参考記事 切削加工全般に関しては、以下の記事に詳細がありますので、気になった方はぜひご覧ください。 ⇒【切削加工とは?】特徴・種類・注意点を動画と一緒にご紹介します! 5軸加工機の種類 5軸加工機は、回転軸と傾斜軸を、工具を固定するヘッドと加工物を固定するテーブルのどちらに追加するかによって3つの型に分類されます。 1.回転傾斜テーブル型 回転傾斜テーブル型は、テーブルに回転軸と傾斜軸を追加した5軸加工機です。テーブルを傾斜回転させることで、一定方向を向いた工具に固定面以外の全ての面を向けることができます。 これは、テーブルの制御とヘッドの制御を独立して実行できることを意味します。そのため、3軸制御マシニングセンタの使用経験しかなくても、加工面変更の手間を不要とした上で、3軸制御のものと同様な形で複数面を加工することができます。 このように、回転傾斜テーブル型は、3軸加工機の制御技術をそのまま活かすことができるので、初めて5軸加工機を導入する場合に最適です。 しかし、加工物を設置するテーブルを傾斜させるため、大物の加工には向いていません。加工機のサイズバリエーションも小~中型の部品加工に適したものが豊富です。 2.傾斜ヘッド回転テーブル型 傾斜ヘッド回転テーブル型は、テーブルに回転軸、ヘッドに傾斜軸を追加した5軸加工機です。ヘッドを傾斜させることで、斜め穴や横穴などの加工も可能です。さらに、テーブルを回転させれば、加工物の全側面を連続的に加工できます。 テーブルの回転中心を基準にすれば、直感的に理解しやすい制御プログラムを組むことが可能です。そのため、円筒をベースとした形状の加工に向いています。旋削機能が付いているのもこのタイプの5軸加工機が多くなっています。 また、テーブルが傾斜しないため、大物を安定して加工することができます。加工機のサイズとしては、中~大型のものが大部分です。加工機の多くが、高い剛性が必要な難削材や重切削にも対応しています。 3.回転傾斜ヘッド型 回転傾斜ヘッド型は、ヘッドに回転軸と傾斜軸を追加した5軸加工機です。加工物は完全に固定しますが、ヘッドは水平面内の360度全ての方向に向けることが可能で、垂直方向から90度程度まで傾けることができます。 加工物を動かすことがないため、大物や重量物の加工物に適しています。加工機のサイズも大型のものが多数を占めています。 5軸加工方法の種類 5軸加工機は、追加した2軸の使い方により、割り出し5軸加工と同時5軸加工に分けることができます。 割り出し5軸加工 割り出し5軸加工は、加工面の決定と変更に回転軸と傾斜軸を使用する方法です。加工の際には、残りの直交3軸のみを制御して切削します。 加工物を着脱する段取り換えが不要となるので、取付治具の削減や工数削減につながります。また、取り付け誤差の要因が低減するため、寸法精度の向上が見込めます。 3軸制御マシニングセンタで加工していた製品を短時間・高精度で加工することができるでしょう。特に、エンジン部材などの加工面が多い場合の加工に効果的です。 同時5軸加工 同時5軸加工は、全5軸を同時に動かして切削する加工法です。 複数面にまたがる曲面やアンダーカット(正面からは見えない陰となる部分)などの難加工形状の加工が可能となります。また、複数面を連続的に加工することで、継ぎ目の少ない仕上げ面を実現することが可能です。 インペラー(羽根車)やブレードなどの航空機部品、曲面を有した精密金型や人工関節などの加工に適しています。なお、下の写真は、同時5軸加工によって製造したインペラーです。 引用元:技研精機株式会社 Mitsuriでしたら、5軸加工機を保有する、同時5軸加工の高度な技術を有したメーカーをご紹介できます。難加工形状の切削加工を依頼したい場合は、ぜひMitsuriにご相談ください。 5軸加工のメリット 5軸加工のメリットとしては、以下が挙げられます。 1.品質が安定する 上述したように、5軸加工機では、加工物を脱着することなく複数の加工面を加工できます。そのため、同一製品を生産する場合には、取り付け誤差から生じる不均一性を低減でき、安定した品質が見込めます。 2.加工時間が短縮できる 5軸加工機では、複数面を自動的かつ連続的に加工することが可能です。加工物の脱着は、通常人手を必要とするため、時間がかかります。従って、5軸加工機を用いることで、加工時間の短縮に繋げることができます。 3.難加工形状の加工が可能 5軸加工機を使用すれば、複数面にまたがった曲面なども加工可能です。また、工具や加工物を傾ければ、3軸加工機では届かないアンダーカットなどの加工も可能となります。 4.加工精度が向上する 工具を回転させる転削加工では、回転中心である工具先端が回転していない(周速ゼロ点となる)ため、先端を当てている部分が押し切られてむしれが発生します。しかし、5軸加工機では、工具や加工物を傾ければ、下図のように工具先端を当てることなく加工可能ですので、周速ゼロ点によるむしれを回避することができます。 引用元:町工場で働く薬剤師ブログ また、5軸加工機では、工具を傾けたり加工物を回転させたりすることで、奥まった部位にも工具を差し込むことができます。そのため、下図のように、工具の突き出し量を短くすることが可能となります。それにより、工具のたわみやビビリを防止し、加工誤差を低減することができます。 引用元:DMG森精機株式会社 5.工具寿命が向上する 5軸加工では、工具を傾けて加工することができるため、工具の切削点を変化させながら加工することが可能です。それにより、工具の摩耗を抑制して、工具寿命を向上させることができます。 5軸加工機の注意点・問題点 5軸加工には、以下のような注意点や問題点があります。 1.加工機の型によっては重量物の加工に向かない 5軸加工機の中でも、回転傾斜テーブル型は、重量物の加工に向いていません。テーブルが傾斜するタイプの5軸加工機は、重量物を乗せると傾斜軸回りに大きなトルクがかかり、傾斜角を維持できなくなることがあります。そのため、回転傾斜テーブル型の5軸加工機は、加工物の重量に注意が必要です。 2.機械の制御が難しい 多軸加工機は、一般的に軸が増えるほど制御が難しくなり、制御するためのプログラムも複雑になります。 機械や工具、加工物などの間の干渉に注意しなくてはならず、機械の可動範囲を超えてしまうオーバートラベルなどにも気をつける必要があります。 これらを事前に確認するには、CAM等のソフトウェアを活用してシミュレーションなどを行う必要があります。 3.機械剛性が低い傾向がある 工作機械で加工を行う際には、工具や機械に反作用が働きます。また、重量物を乗せれば、機械に負荷がかかります。これらに対抗する性質が剛性であり、剛性が低い工作機械では、機械が劣化したり歪んだりしてしまいます。 機械剛性は、機械が大きく重いほど高くなりますが、同時に機械の複雑性が増すほど低くなる傾向があります。そのため、5軸加工機は、より単純な工作機械に比べて剛性が低いことがあります。 まとめ 5軸加工機には、いくつかの注意点や問題点もありますが、操作性や性能は日々向上しており、今やたくさんのメーカーが5軸加工機を導入しています。 また、切削加工をご依頼する予定の方には、高精度・高品質・短納期が期待できるので、ぜひ一度、5軸加工に対応しているメーカーへご相談してみていはいかがでしょうか。 「5軸加工機を使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
今回は汎用フライス盤の種類や構造、特徴などについて解説します。 フライス盤は、テーブルにセットしたワークを、主軸に取り付けたフライスやエンドミルにて切削加工を行うための工作機械です。フライスは回転運動、ワークは送り運動をさせることで平面や溝加工を行います。 参考:フライス加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! 汎用フライス盤とは 汎用フライス盤とは、フライス盤の操作を手動で行うタイプのことを指します。 NCフライス盤に比べて導入コストが少なく済み、簡単な加工であればすぐに行える点がメリットです。ただし、ワークの段取りや機械の操作を手動で行うため、作業者のスキルに影響されやすい特徴があります。 汎用フライスの種類と加工用途 汎用フライス盤は、主軸の向きによっていくつかの種類に分けられています。 立型フライス盤 引用元:株式会社イワシタ 1#立フライス盤(ひざ形) 立型フライス盤は、主軸が地面に対して垂直かつ下向きのタイプです。市場に出回っているフライス盤の多くが立型のタイプになります。 立型フライス盤は、主に立方体のワークなどの平面加工やR面加工に適しています。 横型フライス盤 引用元:株式会社イワシタ 1#横フライス盤(ひざ形) 横型フライス盤は、主軸が地面に対して水平向きのタイプです。主に溝入れや切断加工に適しています。 万能フライス盤 引用元:有限会社浪速工機 株式会社九州機械センター 万能フライス盤 新潟 2UMD 万能フライス盤は、立型と横型フライス盤の基本機能に加えて、テーブルが水平方向に回転したり、主軸が180°回転したりするタイプです。 基本的なフライス盤の加工が可能なほか、歯車のような複雑な加工にも対応できます。 汎用フライス盤の仕組みと構造 引用元:フライス盤.com フライス盤の構造 汎用フライスの基本的な構造は上図の通りです。以下で各部分の役割について解説します。 主軸頭 主軸頭は、切削工具を取り付けて回転させる主軸を備えた部分で、モーターから主軸に動力を伝達する役割を持ちます。 コラム コラムは、汎用フライス盤の支柱となる部分で、モーターや送り機構を内蔵しています。 サドル サドルは、テーブルを支える台で、ベッドやニーの案内面上を移動します。 ベッド ベッドは、フライス盤の最下部に位置する部分で、コラムを中心に支える役割を持ちます。 ベッドを搭載したフライス盤は、「ベッド型」と呼ばれるタイプで、主軸が上下に動き、テーブルが前後・左右に動きます。 ニー ニーは、テーブルやサドルを支えている部分で、内部にはサドルやニーを送るためのモーターや駆動ねじを搭載しています。ニーを搭載したフライス盤は、「ヒザ型」と呼ばれるタイプで、主軸は固定されているものの、テーブルが上下・左右・前後に動きます。 汎用フライス盤とNCフライス盤の違い 汎用フライス盤は、機械の操作を手動で行うタイプです。一方NCフライス盤は、数値制御(NC:Numerical Control)の機能が付与されたフライス盤で、機械の操作をプログラムにて制御できます。 NCフライス盤は、汎用フライス盤に比べて導入コストが高く、操作やプログラムの知識を要するものの、高い精度の加工や複雑な加工にも対応できるほか、加工時の作業者の負担が少なくなるのもメリットです。 「フライス盤を使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
今回は横形マシニングセンタの構造や種類について解説します。 マシニングセンタは、ATC(工具を自動で交換できる機能)を有し、CNC(コンピュータ数値制御)によって、中ぐり・フライス削り・穴あけ・ねじ立てなどの加工を連続で行える機械です。マシニングセンタにはいくつかの種類がありますが、そのなかでも横形マシニングセンタは、主軸が水平方向に向いたタイプで、ワークを側面から加工します。 横型マシニングセンタの加工軸は、コラム・サドル・テーブルが可動することで、XYZの3軸に対応します。一部のモデルはテーブルの回転が可能で、計4軸での加工が行えるものもあります。 参考:マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説 参考:自動工具交換装置(ATC)とは?ATCの種類と構造 横形マシニングセンタの構造と仕組み 引用元:モノタロウ マシニングセンタの基礎講座 マシニングセンタの基本的な構造 横形マシニングセンタの構造は上図の通りです。 以下に横形マシニングセンタの主要構造の役割について解説します。 ●テーブル:ワークを取り付けるための台。サドル上を図中前後方向に移動します。モデルによってはテーブルが回転するものがあり、ワークをセットし直さなくても多方面の加工が可能です。 ●ベッド:本体を支えるための土台。テーブルのガイドとなる案内面が加工されていて、サドルが図中左右方向に移動できる仕組みです。 ●コラム:横形マシニングセンタの支柱となる部品。ボールねじの運動により主軸頭の縦方向の移動に対応します。 ●サドル:ベッドの上に配置されている部品。ベッドの案内面により左右方向へ移動できます。 ●主軸頭:主軸や駆動装置などを搭載している部品。 ●主軸:刃物工具を取り付け、回転運動を与える軸。 上記の構造は横形マシニングセンタの基本的な部品になりますが、製造メーカーやモデルによって内容が異なることもあります。 横形マシニングセンタの用途 引用元:モノタロウ マシニングセンタの基礎講座 自動化の仕組み:APC(オートマチック パレットチェンジャ、自動パレット交換装置) マシニングセンタは、金型や自動車部品の製造など、さまざまな産業にて活用されています。そのなかでも横形マシニングセンタは、自動化に適した構造のため、無人運転や大量生産の用途で用いられることがあります。 横形マシニングセンタは、重力により切り屑が落下するので、切削点に切り屑が溜まりにくい特徴があります。この構造は切り屑による切削不良が発生しにくいだけでなく、仕上げ面が傷つくのも防げます。 以上の特徴から、立形マシニングセンタよりも横形マシニングセンタのほうがAPC(自動パレット交換装置)を搭載するのに適しており、マシニングセンタの可動率を向上させることができます。 参考:パレットチェンジャー(APC)とは?種類と特徴を解説 横形マシニングセンタのメリット ●高さのあるワークの加工に適している。 横形マシニングセンタは、主軸が地面に対して横向きに取り付けられているため、高さのあるワークにも対応しやすい特徴があります。 ●切り屑が溜まりにくい。 横形マシニングセンタは、ワークを横から加工する構造上、切り屑が重力により落下します。これにより切削点に切り屑が溜まりにくく、切り屑によって仕上げ面が傷付くことが少なくなります。 ●テーブルが水平方向に回転する機種の場合、高い加工精度が得られる。 引用元:モノタロウ マシニングセンタの基礎講座 回転軸とは?(右手の法則その2) 横形マシニングセンタは、XYZ軸に加えてテーブルの回転軸が加わることで、手作業によるワークの加工面を変更する必要がなくなります。手作業でワークをセットし直す必要がなくなるので、高い加工精度を出すことができます。 ●APCを搭載することで加工の自動化に対応できる。 横形マシニングセンタは、切り屑の排出性に優れているため、APC(自動パレット交換装置)を利用するのに適しています。APCを搭載しているマシニングセンタは、外段取りにてワークの着脱が可能で、パレットを複数台装備すれば長時間の無人運転も可能になります。 横形マシニングセンタのデメリット ●平面に広いワークの加工には不向き。 横型マシニングセンタは、主軸が水平方向であることから、平面に広いワークだと加工しにくいデメリットがあります。 ●立形マシニングセンタに比べてコストが高い。 横形マシニングセンタと立形マシニングセンタを比較すると、横形マシニングセンタのほうが構造が複雑なため、コストが高い傾向にあります。 横形マシニングセンタの種類 横形マシニングセンタは、主軸のサイズにより、大きく分けて3つのタイプに分類されます。 30番 30番の主軸を搭載した横形マシニングセンタは、小型なモデルのため、省スペースでの配置が可能です。そのほかにも、高速回転や高速送りが可能で、加工時間の短縮にも寄与します。30番は大量生産に適したライン対応型のマシニングセンタとして利用されていることもあります。 40番 40番の主軸を搭載した横形マシニングセンタは、中型のモデルで金型の加工に多く採用されています。中ぐり加工に対応できるほか、大径カッターなどによる深穴加工も可能です。 50番 50番の主軸を搭載した横形マシニングセンタは、大型のモデルで鋳鉄などの大型ワークの重切削にて多く採用されています。また、切り屑の排出性に優れているので、大型金型の長時間加工も得意とします。 「横形マシニングセンタを使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
今回は立形マシニングセンタの構造や種類などについて解説します。 立形マシニングセンタは、主軸が地面に対して縦向きに取り付けられているマシニングセンタのことを指します。基本的な駆動軸はXYZの3軸で、構造や操作感はボール盤や汎用立てフライス盤と似ています。 立形マシニングセンタは、フライス・穴あけ・仕上げ加工などの幅広い加工に対応でき、汎用性に優れているほか、省スペースで導入しやすいことから、多くの加工業者に採用されています。 参考:マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説 参考:自動工具交換装置(ATC)とは?ATCの種類と構造 立形マシニングセンタの構造と仕組み 引用元:モノタロウ マシニングセンタの基礎講座 マシニングセンタの基本的な構造 立形マシニングセンタの主な構成については上図の通りです。 以下に基本的な各部品の役割について解説します。 ●テーブル:ワークを取り付けるための台。 ●ベッド:重量物のワークにも対応できる、本体を支えるための台。テーブルのガイドとなる案内面が加工されており、テーブルがY軸方向に移動できる仕組みです。 ●コラム:立形マシニングセンタの縦方向に伸びている部品。ベッドと統合されており、機器の支柱の役割を持ちます。 ●サドル:コラムの前面に配置され、ラムと連結している部品。サドルはX軸方向に動作します。サドルを頑丈にすることで、切削時の振動を受け止められます。 ●ラム:主軸ヘッドをZ軸方向に運動するための部品。 ●主軸ヘッド:刃物工具を取り付けるための部品。 これらの構造は立形マシニングセンタの基本的な部品になりますが、製造メーカーやモデルによっては異なる場合があります。 立形マシニングセンタの用途 立形マシニングセンタは、金属部品の加工用途として幅広い産業で活用されています。特に自動車産業においては、部品の研削や穴あけ、ボディ部品の金型製造などで活躍します。 また、昨今のIoTの拡大により、半導体などの電子部品を精密加工する用途としても多く利用されています。 立形マシニングセンタのメリット ●図面と切削工具の向きが同じで、加工内容が分かりやすい 立形マシニングセンタは、主軸が地面に対して垂直に取り付けられていることから、ワークの上面を加工します。そのため、図面と切削工具の向きが同じで、加工内容が直感的に分かります。 ●主軸が上下に動く構造のため、切削工具の刃先とワークの距離を把握しやすい 立形マシニングセンタは、横形マシニングセンタに比べて、主軸とワークの接近している距離が作業員の目線から判断しやすい特徴があります。 ●他のマシニングセンタと比べて省スペース 立形マシニングセンタは、横形や門形マシニングセンタと比べて本体が小型のため、設置スペースが少なく済みます。 立形マシニングセンタのデメリット ●切粉が溜まりやすい 立形マシニングセンタは、ワークの上面から加工を施すため、切粉が排出されずに溜まりやすい傾向にあります。そのため、圧縮空気や潤滑油剤にて随時取り除く必要があります。もし切粉が溜まったまま加工を続けていると、加工不良の原因となる場合があります。 立形マシニングセンタの種類 立形マシニングセンタは主軸の規格サイズにより、大きく分けて30番・40番・50番の3種類のタイプがあります。これらは、主軸に差し込むシャンクの大きさのことを表しています。 30番 30番の主軸を搭載した立形マシニングセンタは、小型ツールを使用しており、セットが簡単に行えます。また、高速回転や高速送りが可能で、加工時間の短縮が期待できます。その他にも、本体がコンパクトで設置スペースが少なく済み、コストも安い傾向にあります。 ただしシャンクの保持力に乏しく、パワーを要する重切削には不向きです。 40番 40番の主軸を搭載した立形マシニングセンタは、中型のサイズでシャンクの保持力と重量のバランスがよく、汎用性に優れたタイプです。金型加工や自動車部品の加工で多く採用されています。 50番 50番の主軸を搭載した立形マシニングセンタは、大型の機器であることから、シャンクの保持力に優れており、重切削を得意とします。そのため、大型ワークの重切削にて多く採用されています。 「立形マシニングセンタを使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
今回は研削盤の種類や、研削加工と切削加工の違いについて解説します。 研削盤は、砥石を使ってワークの表面を削り取り、仕上げを行うための工作機械です。研削盤は、硬度が高いものでも加工が可能かつ、精度が高くて表面をキレイに仕上げられるのが特徴です。 研削盤には大きく分けて、大型の機械である「機械研削盤」と、比較的小型の「自由研削盤」の2種類がありますが、今回は機械研削盤について解説していきます。 研削盤とは 研削盤とは、別名「グラインダー」とも呼ばれるもので、高速で回転する砥石をワークに当てて、表面を削り取ったり、仕上げたりする機械のことを指します。 引用元:研削盤・中古機械情報.net 研削盤について 砥石は、硬い鉱物質の粒(砥粒)を、結合剤にて固めて作られているほか、切り屑を保持するための気孔を有しています。研削盤では除去加工を行うのに砥石を使っている分、刃物と比べて削り取る量は少ないものの、加工面がキレイに仕上がる特徴があります。また、焼入れを施した硬度の高い金属に対しても、精度の高い加工が可能です。 研削盤の種類 一口に研削盤といっても、用途や研削の方式によってさまざまな種類があります。ここでは代表的な研削盤の種類について解説します。 平面研削盤 引用元:NAGASE 加工事例 平面研削 平面研削盤は、ワークの平面を研削する工作機械です。一般的に砥石の外周面方向に対してワークを平行に往復運動させて加工する、横軸往復テーブル型が採用されています。 そのほかにも、砥石の回転軸方向やテーブルの運動方向の違いにより、横軸回転テーブル型・立軸往復テーブル型・立軸回転テーブル型などに分類されます。 円筒研削盤 円筒研削盤は、円筒状の外径を研削できる工作機械で、センタレス研削盤に比べて高い精度で加工できます。 円筒研削盤には、砥石とワークの運動の関係により、プランジカットとトラバースカットの2種類の研削方法があります。 引用元:株式会社酒井鉄工所 円筒研削盤の特徴 プランジカットは力が伝わりやすく、能率的な研削が可能です。そのため量産部品の加工に多く採用されています。 引用元:株式会社酒井鉄工所 円筒研削盤の特徴 トラバースカットは、プランジカットよりも加工後の面粗さが優れており、鏡面加工も対応可能です。主に加工幅が砥石よりも広いワークや、段のないものへの加工に採用されています。 内面研削盤 内面研削盤は、円筒状の穴の内面を研削するための工作機械です。ものによっては、穴の軸芯と端面との直角度を出すために、端面研削できる場合もあります。 内面研削盤は、1つの砥石でさまざまな穴径に対応が可能で、使い勝手が良好です。 引用元:株式会社酒井鉄工所 ホーニング盤、穴仕上げのスペシャリスト 内面研削盤は、スティック状の砥石を全体的に内径に押し当てて仕上げる工作機械の「ホーニング盤」に比べて、1つの砥石で加工を行うことから、前加工に依存しない点が強みです。 また、ホーニング加工では、内径に溝があるものや、軸受けなどのような段差が多いものに対して加工できません。一方で内面研削は、砥石径と機械ストロークで研削できる大きさが決まることから、段形状の研削やテーパー状の研削にも対応が可能です。 内面研削盤には、主に普通形とプラネタリ形の2種類があります。 引用元:株式会社酒井鉄工所 内面研削盤の特徴と利点 普通形は、ワークの穴の中へ砥石を入れて、ワークと砥石を回転させ、砥石の前後の送りにより研削を行います。 引用元:株式会社酒井鉄工所 内面研削盤の特徴と利点 プラネタリ形は、砥石の軸に遊星運動を与えて研削を行う仕組みです。主にワークが大きい場合やバランスの取りにくいものに対して採用されています。 工具研削盤 工具研削盤は、特定の工具を研削するための工作機械です。研削する工具の種類によって、以下のような工具研削盤があります。 ドリル研削盤 ホブ研削盤 正面フライス研削盤 超硬バイト研削盤 ブローチ研削盤 シェービングカッタ研削盤 のこ歯研削盤 センタレス研削盤 引用元:株式会社ミヤサカ工業 センターレス研削加工 センタレス研削盤は、円筒状のワークをチャッキングなしで研削できる工作機械で、別名「芯なし研削盤」とも呼ばれています。上図のように、固定されたブレード・回転する研削砥石・調整砥石によりワークを支持して外周を研削します。 センタレス研削盤は、ワークの着脱にかかる時間が少なく、生産性に優れています。チャックを用いた研削に比べて取り付けの誤差がなく、一定の精度を保てるのもポイントです。 一方で円筒研削に比べてやや精度が落ちるほか、ワークの形状に制限があり、加工が困難になる場合があります。 NC研削盤 NC研削盤は、NC(数値制御)装置を搭載した研削盤です。あらかじめプログラミングしたデータをもとに自動で加工を行います。 成形研削盤 成形研削盤は、平面研削盤にドレッサーを搭載した工作機械のことです。ドレッサーとは、砥石などを削って切れ味を修復するための工具のことで、ダイヤモンドなどの高硬度の材料を用いて砥石などを加工します。 ジグ研削盤 ジグ研削盤は、ジグや抜き型、ゲージなどの穴の内面を加工するための工作機械です。 ジグ研削盤の砥石軸には、内面研削盤にて解説したプラネタリ形が採用されています。 また、ワークの位置決めや送りを高精度でこなす装置を搭載しており、穴の内径や円弧、直線部分の研削が可能です。 研削盤で行える研削加工の種類 研削盤で行える加工の種類は、円筒研削・内面研削・平面研削の3つです。 円筒研削 円筒研削は、円筒状のワークの外周を削る加工です。 円筒研削には、回転させたワークに砥石を垂直に押し当てて研削するプランジカットと、ワークを軸方向に動かして研削するトラバースカットがあります。 円筒研削は、円筒研削盤やセンタレス研削盤を用いて加工を行います。 内面研削 内面研削は、円筒状のワークの内面を削る加工です。固定したワークを回転させて、砥石の主軸を動かして内面を研削します。 内面研削は、内面研削盤やジグ研削盤を使って加工を行います。 平面研削 平面研削は、平らな面を削る加工です。ワークの厚みを整えられるほか、精密な平行度を出したい場合に適しています。 平面研削は、平面研削盤や成形研削盤を使って加工を行います。 参考:平面研削について専門家がご紹介!【平面研磨との違いも解説】 研削加工と切削加工の違い 研削加工・切削加工は、どちらもワークの不要な部分を削って目的の形状に加工する「除去加工」である点は共通しています。ただし、研削加工と切削加工では、削る方法と何のために削るかの目的に違いがあります。 引用元:SAKUSAKU 研削盤とは? 研削盤や研削加工の種類について解説 研削加工は、砥石の細かな粒子により表面を少しずつ削り取る除去加工です。切削加工よりも、加工する箇所の寸法精度や表面粗さなどを考慮して加工を行います。 引用元:SAKUSAKU 研削盤とは? 研削盤や研削加工の種類について解説 一方で切削加工は、目的の箇所をエンドミルやバイトなどの刃物により削る除去加工で、所定の形状を作るために行われます。 切削加工だけでもある程度の精度は得られますが、研削加工を行うことで、より高度な寸法精度や表面粗さを得ることができます。 参考:除去加工について専門家が解説!【製品事例についても掲載】 「研削盤を使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
複合加工機は、NC(数値制御)工作機械の一種で、ワークを取り替えることなく、複数の加工が可能です。NC工作機械には、マシニングセンタやターニングセンタなどもありますが、これらと複合加工機は何が違うのでしょうか。 そこで今回は、複合加工機とマシニングセンタなどの違いについて解説します。また、複合加工機のメリット・デメリット、複合加工機の種類についても併せてご紹介します。 参考:NC旋盤加工とは?NC旋盤加工の構成や工場もご紹介! 複合加工機とは 引用元:DMG MORI NTX 3000 2nd Generation 複合加工機とは、工具の自動交換機能を備え、なおかつワークの段取り替えなしに、フライス削りや旋削、穴あけなどの加工を行えるNC(数値制御)工作機械のことです。 汎用フライスや汎用旋盤などと違い、あらかじめプログラムで加工工程を指示する必要がありますが、複数の工程を同時かつ自動で行えます。また、コンピュータ制御で切削工具とワークを3次元で移動・回転させられることから、複雑な形状の加工にも対応します。 参考:自動工具交換装置(ATC)とは?ATCの種類と構造 参考として、JISに記載されている複合加工機の定義を以下に記載します。 複合加工機:回転工具主軸、連続割出し可能な工作主軸、及び工具マガジンを備え、工具を自動的に交換する機能をもち、工作物の段取り替えなしに、旋削、フライス削り、中ぐり、穴あけ、ねじ切り、ホブ加工などの複数の加工が行える数値制御工作機械。 引用元:JIS B 0105:2012 工作機械―名称に関する用語 複合加工機のメリットとデメリット メリット ●生産性の向上 複合加工機は、プログラミングにて加工の指令を出す必要があるものの、ワークを一度取り付けたあとは、自動で複数の加工を行えます。従来の汎用フライスや汎用旋盤は、工具の取り替えやワークの移動を人の手で行う必要があり、手間がかかります。複合加工機を利用すれば、複数の加工を自動で行う、または作業の手間を省くことができるため、生産性の向上が期待できます。 ●管理コストや人件費の削減 複数の工作機械を所有していると、そのぶんの維持コストがかかってしまいます。しかし複合加工機であれば、複数の工作機械を1台に集約できることから、管理コストを削減できます。 また、工作機械が少ないということは、機械を使用する人員や作業時間も少なく済み、人件費の削減に繫がります。 ●加工精度と品質の向上 従来の工作機械では、人の技術や経験の差により、製品の仕上がりに違いがでてしまいます。しかし複合加工機なら、複数の加工・工具の取り替え・ワークの移動などといった作業を機械が自動で行うため、安定して高い加工精度が得られます。 ●安全性に優れている 複合加工機は、ワークの移動や刃物の交換を機械が自動で行います。人の手でワークや刃物を触れる機会が少なくなることから、作業に伴う事故のリスクを軽減できます。 デメリット ●導入するのに高いコストがかかる 複合加工機は本体の費用が高価なほか、ソフトウェアやNC制御装置といった周辺設備などの導入コストもかかります。 ●プログラミングや加工の知識を要する 複合加工機は、コンピュータ数値制御にて加工を行う工作機械のため、汎用工作機械の知識に加えて、プログラミングの知識が求められます。また、ミーリングやターニングなどの複数の加工を行えるぶん、それぞれの加工の知識も必要です。 複合加工機の種類ごとの特徴 ターニングセンタベース複合加工機 引用元:DMG MORI ターニングセンタ:ターニングセンタ:NLX NLX 6000 | 1000 ターニングセンタベース複合加工機は、NC旋盤をベースにマシニングセンタの機能を付与した工作機械のことです。NC旋盤をベースに作られているので、円筒状のワークに対して加工を行うのに適しています。ターニングだけでなく、同時にミーリングなども自動で行えるため、段取り替えの手間なく加工できます。 マシニングセンタベース複合加工機 引用元:株式会社松浦機械製作所 マツウラのモノづくり 平成モノづくり30年史 マシニングセンタベース複合加工機は、マシニングセンタをベースにNC旋盤の機能を付与した工作機械のことです。回転する工具を3次元に動かして、テーブルに固定してあるワークを加工します。また、テーブルに回転機構を備えることにより、ターニングにも対応が可能です。 マシニングセンタベース複合加工機は、ターニングセンタベース複合加工機に比べて、テーブルが大きく、加工範囲も広いことから、大きいサイズのワークを加工するのに適しています。 小型の複合加工機 引用元:榎本工業株式会社 カスタム加工機ナビ 超小型6軸複合加工機 CVN-6000 複合加工機は、コンパクトな生産ライン向けの小型タイプもあります。通常の複合加工機と同様に、旋盤の旋削加工とフライス盤の切削加工、自動工具交換機能を搭載しています。小型タイプは、必要設置面積が少なく済むのがポイントです。ただし、対応できるワークのサイズが小さくなる傾向にあります。 マシニングセンタやターニングセンタ、5軸加工機との違い 複合加工機は、NC旋盤とマシニングセンタの機能を組み合わせたものの総称です。そのため、マシニングセンタ・ターニングセンタ・5軸加工機とは似た機能を有しています。 マシニングセンタは、自動工具交換機能を有しており、穴あけやフライス削りなどの切削加工を1台で行える機械です。また、XYZの3軸加工に対応するマシニングセンタに、回転と傾斜の2軸を加えたものを5軸加工機と呼びます。 一方、複合加工機は、フライス削りなどのほかにも旋削や研削などのさまざまな加工にも対応が可能です。 ターニングセンタは、NC旋盤をベースとしたものに、マシニングセンタの機能を付与した工作機械を表しているため、複合加工機の1種と言えます。 参考:マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説 参考:ターニングセンタとは?できる加工やメリット・デメリット 「複合加工機を使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
今回はターニングセンタが対応できる加工やメリット・デメリットなどについて解説します。 ターニングセンタとは、NC旋盤の機能をベースとしたものに、マシニングセンタの機能も付与した工作機械のことです。昨今では複雑な製品形状や高い寸法精度、工程の短縮化、コストの削減などが求められるため、段取り替えの手間が少なく、自動で複数の加工を行えるターニングセンタのニーズが高まっています。 参考:NC旋盤加工とは?NC旋盤加工の構成や工場もご紹介! 参考:マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説 参考:自動工具交換装置(ATC)とは?ATCの種類と構造 ターニングセンタとは 引用元:タカハシキカイ MICROSTAR LD1 精密NCターニングセンタ ターニングセンタとは、NC旋盤をベースとしたものに、マシニングセンタの機能も付与した工作機械のことで、別名「CNC(Computer Numerical Control)旋盤」や「旋盤形複合加工機」などとも呼ばれています。ターニングセンタは自動で工具を交換できる機能も備えており、1回ワークを取り付けるだけで、複数の加工が可能です。 ターニングセンタは、NC旋盤をベースに作られているため、円筒状の加工を得意とします。旋削加工だけでなく、同時にミーリングなども自動で行うため、段取り替えの手間がかかりません。 なお、ターニングセンタは、JIS規格で以下のように定義されています。 ターニングセンタ:回転工具主軸、割出し可能な工作主軸、及びタレット又は工具マガジンを備え、加工プログラムに従って工具を自動交換できる数値制御工作機械。 注記1:心押し台、第2刃物第、第2主軸台などを備えた機械がある。 注記2:機械の構造によって、主軸が水平の横型、垂直の立て形、及び立て形とは主軸の向きが上下逆の倒立形がある。 引用元:JIS B 0105:2021 工作機械―名称に関する用語 ターニングセンタでできる加工 ターニングセンタは、主である旋盤加工に加えて、フライス加工や穴開け加工、中ぐり加工にも対応が可能です。 旋盤加工は、回転させたワークに刃物を押し当てて削り出す加工を指します。一方、フライス加工は、固定したワークに回転させた刃物を当てて切削を行う加工方法です。中ぐりは小径の穴を繰り広げて大径の穴に加工することを指します。 参考:旋盤加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! 参考:フライス加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! 参考:穴開け加工とは【専門家が解説】タップ加工、リーマー加工との違いを説明! ターニングセンタのメリット・デメリット メリット ●管理コストや人件費の削減 複数の工作機械を所有していると、そのぶんの維持コストがかかってしまいますが、ターニングセンタは複数の工作機械で行う加工を1台に集約できるため、管理にかかるコストが削減できます。 また、工作機械が少ないということは、機械を使用する作業員も少なく済み、人件費の削減に繫がります。 ●工程の簡素化と生産性の向上 ターニングセンタは、複数の工作機械を使ってワークのセット・加工・取り外しといった工程を繰り返し行う必要がなく、一度ですべての工程を行えるため、工程の簡素化が可能です。工程が少ない分、生産性の向上にも繫がります。 ●安定して高品質の製品を製造できる ターニングセンタは、一度ワークを固定すれば、すべての加工を自動で行えます。ワークを加工ごとにセットし直す必要がなくなることから、ワークの位置ずれを防止できます。また、人の手で作業を行わずに機械で加工を行うため、加工精度が安定し、安定して優れた品質の製品を製造できます。 ●安全性に優れている ターニングセンタは、ワークの移動や刃物の交換を機械が自動で行うため、作業に伴う事故のリスクを軽減できます。 デメリット ●導入に高いコストがかかる ターニングセンタは複数の加工を一度で行える一方で、機械加工を行えるようになるまでにソフトウェアやNC制御装置といった周辺設備などの導入も必要です。そのため、1台あたりのコストが大きくかかる傾向にあります。 ●プログラミングの知識を要する ターニングセンタは、コンピュータ数値制御にて加工を行う工作機械のため、汎用工作機械の知識に加えて、プログラミングの知識が必要不可欠です。 マシニングセンタや旋盤との違い ターニングセンタは旋盤加工がベースであるのに対し、マシニングセンタはフライス加工をベースとしたNC工作機械です。 マシニングセンタは、固定したワークに対して回転させた刃物を3次元的に当てて加工を行うのがメインです。マシニングセンタは、テーブルの回転も行える5軸制御を行えるタイプも普及しており、複雑な加工にも対応します。 一方ターニングセンタは、回転させたワークに刃物を当てて加工を行う旋盤加工がメインです。 汎用旋盤との違いは、コンピュータ数値制御により自動で加工を行えるため、精度が高くて複雑な加工にも対応できる点です。また、ターニングセンタはフライス加工や穴開けなどの複数の加工に対応できるほか、自動工具交換機能も備えているので、工具交換の手間も省けます。 「ターニングセンタを使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
金属を切ったり削ったりする場合、対象となる金属よりも硬い素材を用いる必要があります。 木の棒を使っても金属は傷つけられませんが、ダイヤモンドをこすりつけると簡単に傷がついてしまうのは、ダイヤモンドが金属よりも硬いからに他なりません。 切削加工機に超硬加工が施されているのも、ウォータージェットで高圧ポンプを使用するのも、すべて金属よりも硬い状態を作り出すため。ただ、加工する素材が硬くなっていけばいくほど、対応が難しくなっていくのは言うまでもありません。 今回紹介する「放電加工機」は、そんな硬度の高い金属を加工するのに用いられる加工機。 金属加工機の一種で、放電の技術を活用することで、高硬度な金属を高精度に加工することができます。 切削加工機では対応できない素材でも簡単に思い通りの形状に加工することができる放電加工機の仕組みや技術、種類や構造などを詳しく紹介していきます。 放電加工機とは 放電加工機とは、アーク放電によって生じる熱で加工物を溶かして加工する機械のこと。地球上で最も硬い物質、「ダイヤモンド」と比較すると、鉄の硬さは半分程度です。そのため、鉄の加工に使うドリルには、鉄よりも硬く加工された素材を使用しています。 しかし、中には、ダイヤモンドに近い硬さを持つ超硬合金のようなものも存在します。超硬合金の加工は硬度が高すぎるため、切削加工機での加工が困難です。 一方、金属を溶かして加工する放電加工機なら、1000分の1mmという高い精度で加工することが可能です。 参考:放電加工(EDM)の基礎知識(原理、メリット・デメリット、電極) 放電加工機の種類 金属加工機にさまざまな種類があるように、電気のエネルギーを活用して超硬合金を加工できる放電加工機にも、さまざまな種類があります。中でも多く用いられているのが下記の5種類。それぞれに違った特徴を持っているので、簡単にご紹介します。 ●形彫り放電加工機 ●ワイヤ放電加工機 ●細穴放電加工機 ●NC放電加工機 ●小型放電加工機 形彫り放電加工機 形彫り放電加工機は、木に彫刻刀で版画を彫るように、超硬合金を決まった形状に削っていくことに特化した機械です。主に鉄などを流し込んで形を作る「型枠」の製造に使われています。型枠づくりに特化していることから「転写する加工法」とも呼ばれています。 加工したい金属に電極を押し付けることで、短時間に放電、溶解、爆発などを繰り返し、金属を目的の形状に変化させます。 ワイヤ放電加工機 細いワイヤー状の電極を用いることで、糸ノコで金属を切断するように超硬合金を分断していく放電加工機です。 鉄を溶かすほどの熱を生み出す放電加工は、対象の金属を削る際にワイヤー自体も消耗します。そのため、ワイヤーを巻き取り、常に新しいワイヤーから金属に放電を続ける仕組みになっています。 ワイヤーの直径は0.1mmほどで、銅やタングステン、グラファイトなどが使用されます。ちなみに、ワイヤーは種類によってコストだけでなく、強度や効率も変化します。 他にも、放電エネルギーや加工スピード、加工液の種類によって表面の粗さが変化します。そのため、電極にどんな素材を使い、どれくらいのエネルギーで、どれくらいのスピードで加工していくかが仕上がり面の美しさにも影響します。 <ワイヤーカットの表面粗さ(例)> 通称 カット 仕上げ面粗さ 粗 1stカット 15μm~18μm 中粗 2ndカット 10μm~13μm 仕上げ 3rdカット 3μm~5μm 鏡面 4thカット 1μm~2μm 細穴放電加工機 棒状もしくは、パイプ状の銅や真鍮などを使用し、対象となる金属に電極を近付けて放電する細穴加工機は、従来の機械では実現できないような細い穴を開けることができる加工機です。最小直径は0.1mm以下で、メーカーによっては0.02mmという微細な穴をあけることができる機械も開発されています。 しかも、その精度は高く、切削加工機ではドリルが滑ってしまうような斜面でも、求める深さや大きさの穴あけが可能です。 NC放電加工機 一般的に工作機械にロボットの動作を取り入れ、物体をX軸・Y軸・Z軸で数値制御しながら加工していく機械のことをNC装置と呼びます。この制御は放電加工機でも取り入れられていて、NC放電加工機と呼ばれています。 形彫り放電加工機の場合、目的の加工を実現させるため、事前に工具電極を加工しておく必要がありました。一方「NC形彫り放電加工機」は、物体に対し、加工機が自ら移動して放電加工を行うため、数値制御をしておくことでより精度の高い加工が可能となります。 小型放電加工機 重量約4~5kg。手に持って運ぶことができるコンパクトサイズの放電加工機です。 機械も加工物も完全固定されているわけではないので、0.1mmの精度が求められるような細かい調整はできませんが、どこでも簡単に持ち運びできる利便性があります。 一般的には、放電加工ではなく、超音波振動が使われている、いわゆる「超音波カッター」を指すケースが多いです。 放電加工機の構造 放電加工機は、大きく分けると金属を加工する加工機と、それをコントロールする制御装置、さらに、加工中に加工液を供給する加工液供給装置の3つに分かれています。 放電加工機本体 加工機には、金属を加工する電極があり、セットされた噴射ノズルから加工液を噴射しながら金属に電極を押し当てるようにして加工していきます。 さらに、放電加工が行われる部分に適量の加工液を満たしておく必要があるため、周辺を囲むように加工槽が設けられています。 加工槽に送られる加工液は液面調整装置などで管理され、加工液供給装置と連携をとりながら液量を一定に保っています。 加工制御装置 加工制御装置はNC工作機械に無くてはならない機能。加工機を人体で例えるなら、制御装置は脳の部分にあたります。加工プログラムにデータを入力することによって、まったく同じ加工製品を高い精度で作り続けることが可能になります。 加工制御装置があることで、大量生産の技術が飛躍的にアップしているのは言うまでもありません。 加工液供給装置 放電加工において重要な役割を担っているのが加工液。 切削加工であれば、液体を吹きかけなければ切削機が止まってしまい、うまく加工ができなくなってしまいます。しかし、放電加工はドリルを使用しないため、一見するとそれほど必要ないようにも思えます。 放電は絶縁状態の気体や液体に電気が流れる現象のことを言います。 そのため、加工液は絶縁体として機能し、なおかつ放電が発生した際に加工を手助けする役割を担っています。主に水が使用されますが、場合によって油が使用されるケースも増えています。 ただし、油を使用する場合、熱によって引火したり、臭気や肌荒れなどの被害があったりしたため、現在では加工性を維持しつつ、引火しにくく人体への影響が少ない加工液が求められるようになっています。 放電加工機は、高電圧の電気による感電や、高温の素材に成分の油が引火する危険性などがあるため、仕組みをきちんと理解した上で作業に臨むことが重要です。 「放電加工機を使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。放電加工の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
金属加工機械の基礎知識 金属加工機械の基礎知識です。最も多く用いられている旋盤から、フライス盤、マシニングセンタなど機械の種類と使用される場面を学習できます。 工作機械(工具)を学べる記事 ▶フェイスミル(正面フライス)について解説!加工機の選び方についても解説 ▶5軸加工機についてご紹介!3軸加工機との違いについても解説 ▶端子台メーカー7選!種類についてもご紹介! ▶ボールエンドミルの特徴、使い方を解説! マシニングセンタを学べる記事 ▶マシニングセンタの基礎知識と導入メリットを解説 機械に関する記事をもっと見る:工作機械のカテゴリ|記事一覧 金属加工の基礎知識は下記の記事にまとまっています。 【保存版】金属加工の教科書|製造業の基礎を身につける
マシニングセンタは、品質の安定および効率良く金属加工をするのに便利な機械です。複雑な形状の切削加工にも自動で対応でき、多くの加工業者で採用されています。 しかし、一口にマシニングセンタと言っても、横型マシニングセンタや立型マシニングセンタなど、種類は豊富にあります。これらにはそれぞれメリットやデメリットがあるため、機械の導入や加工で利用する際は、特徴を理解したうえで選ぶ必要があります。 本記事では、マシニングセンタとNC工作機械の違いや、各マシニングセンタの種類、マシニングセンタを導入することのメリットについて解説していきます。 参考:【切削加工とは?】特徴・種類・注意点を動画と一緒にご紹介します! マシニングセンタとは?工具自動交換機能が特徴 マシニングセンタ(machining center:通称MC)とは、コンピューター制御によって工具を自動で交換できる機能(automatic tool changer:通称ATC)を有し、中ぐり・フライス削り・穴あけ・ねじ立てなどの加工を連続で行える機械のことを指します。 マシニングセンタは、フライス盤などのように機械の段取り替えをすることなく、加工を行えるのが特徴です。あらかじめ加工の段取りをプログラミングしておけば、人の手がかからずに加工できるのもポイントです。 参考:フライス加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! マシニングセンタとNC工作機械の違い NC工作機械の「NC」とは、「Numerical control(数値制御)」の意味を表します。従来の工作機械は、人力でハンドルを操作して切削加工を行っていましたが、NC工作機械ではプログラムを入力しておくことで、自動で刃物を移動・回転させることが可能です。これにより、人の手で加工することによる技術介入がなくなり、精度や品質が安定します。 上記の内容はマシニングセンタも同様のことが言えますが、NC工作機械との違いは工具自動交換機能(ATC)の有無となります。 マシニングセンタはATC機能を有しており、ドリル・エンドミル・正面フライスなど、複数の刃物を自動で交換して加工が可能です。刃物の交換時に発生する位置ズレも発生しにくく、精密な部品の製作に適しています。 一方で、NC工作機械はATCの機能を搭載していないことから、刃物の交換を手動で行う必要があります。そのぶんマシニングセンタよりもコストが安価なので、加工内容がシンプルなものであればNC工作機械を採用するなどの使い分けがされています。 参考:フライス加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります! 参考:NC旋盤加工とは?NC旋盤加工の構成や工場もご紹介! マシニングセンタの種類 ここでは、代表的なマシニングセンタの種類を紹介します。それぞれで主軸の向きや特徴が異なり、加工の目的によって使い分けがされています。 横型マシニングセンタ 引用元:モノタロウ 横型マシニングセンタは、工具の主軸が水平に配置されているマシニングセンタです。X軸・Y軸・Z軸方向に稼働できるため、3次元で加工できます。また、テーブルが水平方向に回転するB軸を持つ横型マシニングセンタの場合は、4軸での制御も可能です。4軸の横型マシニングセンタは、材料の向きを変えずにあらゆる角度から加工できるため、傾斜面の加工が簡単かつ、高精度を実現しています。 また、ワークをセットしたパレットを加工機本体に搬送・搬出する、APC(automatic pallet changer)を使うことで、作業効率が向上できるのもポイントです。 横型マシニングセンタは主軸の方向が水平であるため、切粉が重力で落ちて溜まりにくいメリットがあります。一方で、ワークを支える力が必要なため、重たい材料の加工には適していません。 立型マシニングセンタ 引用元:モノタロウ 立型マシニングセンタは、工具の主軸が地面に対して垂直方向に配置されているマシニングセンタです。駆動軸はX軸・Y軸・Z軸の直線3軸で、ボール盤や立てフライス盤と似たような構造になっています。 立型マシニングセンタは主軸が縦向きであるぶん、加工している様子や刃物とワークの距離を確認しやすいのが特徴です。1面を削ることが多い材料に適しています。 また、横型マシニングセンタに比べて本体が小型であることから、設置スペースが小さいこともメリットとして挙げられます。 しかし、APCの取り付けがしにくいほか、切粉がたまりやすく、加工不良の原因となりやすいデメリットがあります。立型マシニングセンタは加工不良を避けるために、切削工具の回転速度を変更したり、切削油の噴射速度をあげたりする必要もあるため、大量生産には不向きです。 門型マシニングセンタと5軸制御マシニングセンタのメリット・デメリット 引用元:モノタロウ 門型マシニングセンタは、上図のように機械が門の形をしているのが特徴です。主軸は立型マシニングセンタと同様に、地面に対して垂直方向に配置されています。駆動軸はX軸・Y軸・Z軸の直線3軸です。 門型マシニングセンタは、テーブルが広く、門をくぐるようにして動かせられるため、通常のマシニングセンタには乗らない大型の製品を加工するのに適しています。また、直線の3軸に加えて、回転軸が2軸加わった5軸制御に対応するものもあります。 一方で、大型の製品を加工できるぶん、設備は大がかりなものとなります。 引用元:モノタロウ 5軸マシニングセンタも、立型マシニングセンタと同様に、地面に対して垂直方向に主軸が配置されています。他のマシニングセンタと異なる点は、主軸とテーブルの2つが回転させられるため、XYZの直線3軸と回転2軸の計5軸を備えていることから、5軸マシニングセンタと呼ばれています。 5軸マシニングセンタは、主軸またはテーブルを傾けることで、斜め方向からの加工も実現しています。ワークをワンチャッキングで加工できるため、効率よく加工することができます。 しかし制御する軸が多いぶん、扱いが困難です。 マシニングセンタを導入するメリット マシニングセンタを導入するメリットは以下の通りです。 ●品質の安定 手動で加工を行うと、作業員の熟練度に左右され、寸法精度にどうしても違いがでてしまいます。また、人間が手作業で加工をすると失敗する可能性もあるでしょう。しかし、マシニングセンタを利用すれば、工具の扱いの熟練度に関わらず、安定した品質で製品を生産することができます。 ●複雑な加工に対応できる マシニングセンタは、3軸や5軸といった複数の軸を同時に制御できるため、斜面やRの加工など、複雑な形状の加工にも対応できます。 ●作業時間と人件費の削減 マシニングセンタは、フライス加工や穴あけなどの、多種の加工を自動で行えるため、段取り替えなどの手間を省けます。マシニングセンタの種類によっては、ワークのセッティングを一度行うだけで加工ができる点もメリットです。これらのように、作業員が必要な作業を最小限に抑えられるため、人件費の削減にも寄与します。 ●安全性の向上 マシニングセンタは手動操作とは異なり、一度加工手順をプログラミングしておけば自動で加工できます。そのため、刃物に触れる機会が少なくなり、ケガのリスクも低減することが可能です。 「マシニングセンタを使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。
部品加工や金型加工における形状の複雑化が進展し、多品種少量生産が求められている現在、多様かつ複雑な形状を高精度に加工できる5軸加工機のニーズが高まっています。 その一方で、それほど複雑な製品を製造するわけではないから、3軸制御のマシニングセンタで十分と考えている方もいるかも知れません。 そこで、今回の記事では、5軸加工機の詳細や種類、3軸加工機との違いについて解説します。5軸加工機特有の加工方法や導入することのメリット、5軸加工機を使用する際の問題点や注意点についても説明していきますので、ぜひ参考にしてください。 5軸加工機とは 引用元:モノマド 5軸加工機とは、3次元空間中で工具の位置決めをするX軸・Y軸・Z軸に加え、工具や加工物のXY面内での向きやZ軸方向に対する傾斜を変えることができる回転軸(C軸)と傾斜軸(B軸)を備えた切削加工機のことです(上図参照)。 そのほとんどは、フライス盤やボール盤、中ぐり盤などを兼ねた3軸制御マシニングセンタをベースに5軸としたもので、高速回転させた工具を加工物に当てることで加工します。マシニングセンタとは、工具を自動的に取り替え、多種類の加工を連続的に実行できる工作機械です。 旋削機能を付加した5軸加工機もあります。通常の5軸加工機におけるC軸は、加工物を緩やかに回転させたり、工具の向きをXY面内で変えたりすることで、加工面の変更や5軸の同時制御による複雑な形状加工を可能としています。これに加え、旋削機能付きの5軸加工機では、加工物の高速回転を可能とすることで、旋盤のように回転対称の形状加工も高速に行うことができます。 3軸加工機との違い 3軸加工機との違いは、回転軸と傾斜軸を備えていることです。 3軸加工機は、工具の位置を自由に決定可能ですが、工具の向きが一定であるため、加工面を変更することはできません。そのため、複数の面を加工する場合には、加工面を変更するために加工物を取り外し、固定し直す必要があります。このような作業は、時間がかかる上、固定位置に誤差を生じさせ、精度や形状に不均一性を発生させる原因となります。 一方、5軸加工機では、工具の向きを自由に変えたり、加工物を横に傾けて回転させたりすることが可能です。そのため、加工物を固定している面を除いた全ての面を連続的に加工することができます。 参考記事 切削加工全般に関しては、以下の記事に詳細がありますので、気になった方はぜひご覧ください。 ⇒【切削加工とは?】特徴・種類・注意点を動画と一緒にご紹介します! 5軸加工機の種類 5軸加工機は、回転軸と傾斜軸を、工具を固定するヘッドと加工物を固定するテーブルのどちらに追加するかによって3つの型に分類されます。 1.回転傾斜テーブル型 回転傾斜テーブル型は、テーブルに回転軸と傾斜軸を追加した5軸加工機です。テーブルを傾斜回転させることで、一定方向を向いた工具に固定面以外の全ての面を向けることができます。 これは、テーブルの制御とヘッドの制御を独立して実行できることを意味します。そのため、3軸制御マシニングセンタの使用経験しかなくても、加工面変更の手間を不要とした上で、3軸制御のものと同様な形で複数面を加工することができます。 このように、回転傾斜テーブル型は、3軸加工機の制御技術をそのまま活かすことができるので、初めて5軸加工機を導入する場合に最適です。 しかし、加工物を設置するテーブルを傾斜させるため、大物の加工には向いていません。加工機のサイズバリエーションも小~中型の部品加工に適したものが豊富です。 2.傾斜ヘッド回転テーブル型 傾斜ヘッド回転テーブル型は、テーブルに回転軸、ヘッドに傾斜軸を追加した5軸加工機です。ヘッドを傾斜させることで、斜め穴や横穴などの加工も可能です。さらに、テーブルを回転させれば、加工物の全側面を連続的に加工できます。 テーブルの回転中心を基準にすれば、直感的に理解しやすい制御プログラムを組むことが可能です。そのため、円筒をベースとした形状の加工に向いています。旋削機能が付いているのもこのタイプの5軸加工機が多くなっています。 また、テーブルが傾斜しないため、大物を安定して加工することができます。加工機のサイズとしては、中~大型のものが大部分です。加工機の多くが、高い剛性が必要な難削材や重切削にも対応しています。 3.回転傾斜ヘッド型 回転傾斜ヘッド型は、ヘッドに回転軸と傾斜軸を追加した5軸加工機です。加工物は完全に固定しますが、ヘッドは水平面内の360度全ての方向に向けることが可能で、垂直方向から90度程度まで傾けることができます。 加工物を動かすことがないため、大物や重量物の加工物に適しています。加工機のサイズも大型のものが多数を占めています。 5軸加工方法の種類 5軸加工機は、追加した2軸の使い方により、割り出し5軸加工と同時5軸加工に分けることができます。 割り出し5軸加工 割り出し5軸加工は、加工面の決定と変更に回転軸と傾斜軸を使用する方法です。加工の際には、残りの直交3軸のみを制御して切削します。 加工物を着脱する段取り換えが不要となるので、取付治具の削減や工数削減につながります。また、取り付け誤差の要因が低減するため、寸法精度の向上が見込めます。 3軸制御マシニングセンタで加工していた製品を短時間・高精度で加工することができるでしょう。特に、エンジン部材などの加工面が多い場合の加工に効果的です。 同時5軸加工 同時5軸加工は、全5軸を同時に動かして切削する加工法です。 複数面にまたがる曲面やアンダーカット(正面からは見えない陰となる部分)などの難加工形状の加工が可能となります。また、複数面を連続的に加工することで、継ぎ目の少ない仕上げ面を実現することが可能です。 インペラー(羽根車)やブレードなどの航空機部品、曲面を有した精密金型や人工関節などの加工に適しています。なお、下の写真は、同時5軸加工によって製造したインペラーです。 引用元:技研精機株式会社 Mitsuriでしたら、5軸加工機を保有する、同時5軸加工の高度な技術を有したメーカーをご紹介できます。難加工形状の切削加工を依頼したい場合は、ぜひMitsuriにご相談ください。 5軸加工のメリット 5軸加工のメリットとしては、以下が挙げられます。 1.品質が安定する 上述したように、5軸加工機では、加工物を脱着することなく複数の加工面を加工できます。そのため、同一製品を生産する場合には、取り付け誤差から生じる不均一性を低減でき、安定した品質が見込めます。 2.加工時間が短縮できる 5軸加工機では、複数面を自動的かつ連続的に加工することが可能です。加工物の脱着は、通常人手を必要とするため、時間がかかります。従って、5軸加工機を用いることで、加工時間の短縮に繋げることができます。 3.難加工形状の加工が可能 5軸加工機を使用すれば、複数面にまたがった曲面なども加工可能です。また、工具や加工物を傾ければ、3軸加工機では届かないアンダーカットなどの加工も可能となります。 4.加工精度が向上する 工具を回転させる転削加工では、回転中心である工具先端が回転していない(周速ゼロ点となる)ため、先端を当てている部分が押し切られてむしれが発生します。しかし、5軸加工機では、工具や加工物を傾ければ、下図のように工具先端を当てることなく加工可能ですので、周速ゼロ点によるむしれを回避することができます。 引用元:町工場で働く薬剤師ブログ また、5軸加工機では、工具を傾けたり加工物を回転させたりすることで、奥まった部位にも工具を差し込むことができます。そのため、下図のように、工具の突き出し量を短くすることが可能となります。それにより、工具のたわみやビビリを防止し、加工誤差を低減することができます。 引用元:DMG森精機株式会社 5.工具寿命が向上する 5軸加工では、工具を傾けて加工することができるため、工具の切削点を変化させながら加工することが可能です。それにより、工具の摩耗を抑制して、工具寿命を向上させることができます。 5軸加工機の注意点・問題点 5軸加工には、以下のような注意点や問題点があります。 1.加工機の型によっては重量物の加工に向かない 5軸加工機の中でも、回転傾斜テーブル型は、重量物の加工に向いていません。テーブルが傾斜するタイプの5軸加工機は、重量物を乗せると傾斜軸回りに大きなトルクがかかり、傾斜角を維持できなくなることがあります。そのため、回転傾斜テーブル型の5軸加工機は、加工物の重量に注意が必要です。 2.機械の制御が難しい 多軸加工機は、一般的に軸が増えるほど制御が難しくなり、制御するためのプログラムも複雑になります。 機械や工具、加工物などの間の干渉に注意しなくてはならず、機械の可動範囲を超えてしまうオーバートラベルなどにも気をつける必要があります。 これらを事前に確認するには、CAM等のソフトウェアを活用してシミュレーションなどを行う必要があります。 3.機械剛性が低い傾向がある 工作機械で加工を行う際には、工具や機械に反作用が働きます。また、重量物を乗せれば、機械に負荷がかかります。これらに対抗する性質が剛性であり、剛性が低い工作機械では、機械が劣化したり歪んだりしてしまいます。 機械剛性は、機械が大きく重いほど高くなりますが、同時に機械の複雑性が増すほど低くなる傾向があります。そのため、5軸加工機は、より単純な工作機械に比べて剛性が低いことがあります。 まとめ 5軸加工機には、いくつかの注意点や問題点もありますが、操作性や性能は日々向上しており、今やたくさんのメーカーが5軸加工機を導入しています。 また、切削加工をご依頼する予定の方には、高精度・高品質・短納期が期待できるので、ぜひ一度、5軸加工に対応しているメーカーへご相談してみていはいかがでしょうか。 「5軸加工機を使用した金属部品の調達に困っている」 「どの加工で依頼したらいいのかわからなくて困っている」 そのような方に向けてMitsuriでは、見積から発注までWEB上で行えるサービスを提供しております。お手持ちの図面を登録すると、加工可能な工場から見積が届きます。切削部品の調達でお困りの方は下のボタンから図面をご登録ください。