ticker
【金属加工 Mitsuri】無償でご利用いただけるキャンペーン実施中!
A5052はアルミニウムにマグネシウムを添加したアルミ合金です。A5052は扱いやすく、アルミ合金の中でも代表的な定番材料です。弊社の金属加工プラットフォームサービス「Mitsuri」で見積り依頼される案件の中でも、素材としてA5052が選ばれることが多々あります。具体的な見積り依頼実績数をご紹介します。Mitsuriで見積り依頼されたA5052の金属加工案件MitsuriでのA5052加工案件は多岐にわたりますが、その中でも一部抜粋して板金加工と切削加工をカウントするとこれだけあります。 A5052の板金加工のMitsuri見積り依頼207 A5052の切削加工のMitsuri見積り依頼103A5052はアルミ合金の中では、中程度の強度をもち、耐食性・溶接性に優れます。主に板材と丸棒が流通しており、特に板材の流通性が非常に高いため仕入れやすく、依頼に対する見積り回答も多くつきやすいです(*1)。(*1)「依頼に対する見積り回答も多くつきやすい」?→Mitsuriで金属加工の見積りを依頼すると、その依頼に対してMitsuri協力工場が見積り回答をお返しします。A5052の加工案件は複数の協力工場からの見積り回答がつきやすく、1回のご依頼で複数の相見積もりが取れます。Mitsuriで依頼可能なアルミ加工(一例)・切断加工・曲げ加工、板金加工・溶接・切削加工・プレス加工・線材加工一例となりますが、Mitsuriではさまざまなアルミ加工に対応しています。ご希望の加工内容によっては難しい場合もございますが、迷われた方は一度Mitsuriまでご相談ください。A5052の金属加工を依頼するならMitsuriまでお問い合わせください協力工場は日本全国350社以上ございます。A5052の金属加工をご検討中の方は、下のボタンをクリックしてぜひお気軽にお問い合わせください。
A1100とは、純度が99%以上の純アルミニウムとして分類される材料のことです。アルミニウムの性質をほぼ受け継いており、比較的軟らかいものの軽量で、導電性や熱伝導性に優れます。塑性加工に適した材料ですが、軟らかいゆえに切削加工は困難です。表面に形成される酸化皮膜によって高い耐食性を示し、アルマイト処理を施すことで耐食性のほか、耐摩耗性なども向上させることができる素材です。アルミ合金の中で、特に表面処理性が高く、アルマイト処理後の外観は良好です。日用品や導電材、建材など、幅広く用いられている材料で、私達の生活に欠かせないものとなっています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A1100の特徴、他のアルミ合金と比較A1100は、導電性や熱伝導性が高い上に、成形加工性や溶接性にも優れたアルミ合金です。空気中で表面に形成される酸化皮膜によって金属内部が保護されるため、耐食性にも優れます。反射性も高く、光や熱、電磁波などをよく反射します。鉄鋼やステンレス鋼と比べると強度に劣るものの、軽量であるために有用性の高い素材です。引用元:株式会社三和鍍金また、アルミ合金全般に言えることですが、A1100には、アルマイト処理と呼ばれる表面処理を行うことで、表面に分厚い酸化皮膜を形成させることが可能です。この酸化皮膜は、自然に形成される数ナノメートル程度の酸化皮膜と異なり、数十マイクロメートルにも達して、優れた耐食性と耐摩耗性を発揮します(上図)。A1100は、特に表面処理性が高く、あらかじめアルマイト処理が施されているものも販売されています。A1100の加工性について、鍛造や圧延、絞りなどの成形加工には適しているものの、切削加工には適していません。ただし、切削加工が不可能というわけではありません。工具が食い込んでしまうのを避けるために切り込み量を加減する、キズの原因となる切り屑の排出をスムーズにするなど、適切な対処を行うことで切削加工も可能です。参考:アルマイト処理について解説!アルマイト処理のメリットについても解説!他のアルミ合金との比較A1100は、1000番手系の中では、強度や切削加工性のバランスが良好でアルマイト処理を施した際の外観が良いという利点があります。A1050は、アルミニウムの純度が99.5%以上のアルミ合金で、A1100と比べると、導電性には優れるものの、軟らか過ぎる上に切削加工性にも劣ります。一方、A1200は、A1100と比較すると、機械的性質や切削性などに大きな違いはなく、表面処理性も特に良いわけではありません。そのため、電気的特性を重視する場合はA1050、A1050よりも強度が欲しい場合はA1100を選ぶと良いでしょう。A1100の2000~8000番手系のアルミ合金と比べたときの最も大きな違いは、その強度です。2000~8000番手系のアルミ合金は、銅(Cu)やマンガン(Mn)、シリコン(Si)、マグネシウム(Mg)などを加えることで、強度をはじめ、切削加工性や耐熱性、耐摩耗性などの様々な性質を改善したものです。例えば、ジュラルミンとして知られるA2017やアルミ缶の素材に使われるA5052は、焼なまし状態でも強度がA1100の倍以上あります。特に、A2017は、適切な熱処理が必要ですが、引張強さが400 MPaを上回ります。また、A5052は、切削加工性が良く、切削加工向けの材料として有用です。参考:アルミ材の種類について【専門家が語る】どのアルミ材を使えばいいか一目でわかる!A1100の化学成分(単位:%)材質名Si + FeCuMnZnその他Al個々合計A11000.95以下 0.05〜0.200.05以下0.10以下0.05以下0.15以下99.00以上A1100の化学成分は、JIS規格(JIS 4000:2014)によって上表のように規定されています。A1100は、純度99.00%以上のアルミに微量の銅(Cu)を加えたものです。添加された銅には、アルマイト処理後の光沢を良好にし、外観を白っぽくする効果があります。これは、A1050やA1200などの他の1000番手のアルミにはない特徴です。A1100の機械的性質材質名質別引張性質ブリネル硬させん断強さ(MPa) 疲れ強さ(MPa) 縦弾性係数×1000(kg/mm2)引張強さ(MPa) 耐力(MPa) 伸び(%)板(1.6mm厚)棒(12.7mmΦ)A1100O903535422360357.0H1211010512222870407.0H141251159183275507.0H161451406153885607.0H181651505134490607.0参照元:株式会社アルミネA1100の機械的性質は、上表の通りです。上表の「O」の性質は焼なましを施した最も軟らかい状態のもので、「H」の性質は冷間加工で生じた加工硬化によって強さが増加した状態のものです。「H」の後に続く数値には以下のような意味があります。・H12:1/4 硬質・H14:1/2 硬質・H16:3/4 硬質・H18:硬質金属は一般に加工硬化が進むと、展延性が低下して破断に至る可能性が高まります。そのため、硬化が進んだ金属に引き続き塑性加工を施すには、加熱して高温状態にし、軟化させる必要があります。A1100では、約200℃へ至るまでに段々と引張強さと耐力が減少して伸び率が増加し、約200℃を超えるとほぼ焼きなまし状態の機械的性質に戻ります。A1100の用途A1100は、日用品や電気機器、建材、タンク類、導電材など、幅広い用途があります。サビにくく腐食しにくい特性を持つことから、各種容器や家庭用品、台所などの器材など、身の回りの物に多く用いられています。高い熱伝導性を活かした熱交換器部品などの用途もあります。導電材料としての用途もあり、銅の代替材料として送電線や配電線にも使われています。反射性が高いことを活かして、照明器具やミラー、反射板などにも用いられます。建築用材料としての用途もありますが、強度が低いために構造材として使用することはできません。また、A1100は、耐食性が高いため、ジュラルミンを芯材として、A1100を外側に圧着したアルクラッド材の素材に使用されます。アルクラッド材は、芯材の高強度と外板の高耐食性を活かし、航空機材料などに利用されています。
A2011は、快削性合金と呼ばれ、高強度を示す2000番台のアルミ合金の中でも、特に切削加工性に優れる材質です。強度、被切削性に優れる一方で、耐食性に劣るという欠点もあり、使用環境によっては対策が必要です。A2011は、さまざまな機械・工業用部品として利用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A2011の特徴(強度、溶接性、耐食性、被切削性)A2011は、強度、被切削性に優れます。A2011は、銅(Cu)を含有するため、高い強度を示す一方で、耐食性は劣ります。また、A2011には鉛(Pb)とビスマス(Bi)が添加されているため、被切削性が良好です。ただし、A2011の溶融溶接性は低く、結合には主にリベット、ボルト接合、抵抗スポット溶接が用いられます。参考:アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!A2011の用途A2011は、ボリュームシャフト、光学部品、ネジ部品などに用いられています。A2011の化学成分<A2011の成分、組成(単位:%)>材料記号SiFeCuMnMgCrZnV, Bi, Pb, Zr, Ni などTiその他AlA20110.40以下0.7以下5.0~6.0ーーー0.30以下Bi 0.20~0.6,Pb 0.20~0.6ー0.05以下(計0.15以下)残部引用元:JISH4040:アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線A2011の化学成分を上表に示しました。A2011では、Cu(銅)を添加することで、引張強さ・硬さなど機械的性質を高めています。ただし、銅には耐食性を低下させるという欠点もあります。また、Pb(鉛)とBi(ビスマス)は切削加工性を向上させる目的で添加されています。A2011の機械的性質<A2011の機械的性質>質別引張性質ブリネル硬さ(HB W 10/500)せん断強さ(N/mm2)疲れ強さ(N/mm2)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)伸び(%)1.6mm 厚(L=50mm)12.5mm径(L=5D)T3380295ー1395220125T8405310ー10100240125引用元:株式会社UACJ「アルミポケットブック第2版」p38A2011の機械的性質は上表の通りです。A2011の物理的性質<A2011の物理的性質>質別密度(20℃)(Mg/m3)溶解温度範囲(℃)導電率(20℃)(IACS,%)熱伝導度(20℃)(kW/m•℃)縦弾性係数(kN/mm2)T32.82541〜638390.1570.6T8450.17引用元:株式会社UACJ「アルミポケットブック第2版」p50A2011の物理的性質は上表の通りです。A2011の使い方・選び方前述した通り、A2011は鉛(Pb)を0.2~0.6%含みます。鉛は、環境負荷物質として規制されている場合もあるため、選定時には注意が必要です。ただし、近年では非鉛快削アルミ合金として、鉛の代わりにスズ(Sn)を添加した材質も開発されているため、場合によってはこのような材料を選定すると良いでしょう。
A6061は、アルミニウム(Al)にマグネシウム(Mg)とシリコン(Si)を加えた【Al-Mg-Si(6000)系】のアルミ合金です。No.6000系のアルミ合金は、熱伝導率の関係で、溶接個所や周辺部位にまで熱による強度低下が起きるため、ボルトやナットなどの機械的な接合で用いられることが多い材料です。A6061も同様の特徴がある一方で、耐食性に優れているため、自動車用部品などに採用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A6061の特徴(耐食性)A6061は耐食性に優れていますが、溶接継手強度は低い特徴があります。しかし、T6処理(溶体化処理後、人工時効硬化処理を施したもの)を施すことで、引張強さは260N/mm2以上、耐力は240N/mm2以上まで強度を高めることが可能です。流通している材料の形状は、丸棒と板が一般的です。A6061の化学成分JIS規格の【JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線】にて記載されている化学成分は下記表の通りです。<A6061の化学成分(単位:%)>合金番号SiFeCuMnMgCrZnTiその他a)Al個々合計A60610.40~0.80.7以下0.15~0.400.15以下0.8~1.20.04~0.350.25以下0.15以下0.05以下0.15以下残部注記a):その他の元素とは、この表で示されていないが存在の予知される場合又は通常の分析過程において、規定の値を超えるおそれがある場合に、製造業者の判断によって分析する元素である。“個々”の値は、表で示されている元素以外の個々の成分値であり、“合計”の値は、個々の成分値を合計したものである。引用元:JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線A6061の機械的性質JIS規格の【JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線】にて記載されている機械的性質は下記表の通りです。<A6061の押出棒の機械的性質>合金番号質別a)引張試験径、厚さ又は対辺距離mm断面積cm2引張強さN/mm2耐力N/mm2伸びb)%A50mmA6061Oe)全て-145以下110以下16以上-T4d)T4511d)全て-180以上110以上16以上14以上T42f)全て-175以上85以上16以上-T6d)T62f)T6511d)6以下-260以上240以上8以上7以上6を超え-260以上240以上10以上9以上<A6061の引抜棒及び引抜線の機械的性質>合金番号質別a)引張試験径、厚さ又は対辺距離mm断面積cm2引張強さN/mm2耐力N/mm2伸びb)%A50mmA6061Oe)3以下-145以下---3を超え100以下-145以下-18以上-H133以上10以下-155以上205以下---H1810以下-210以上---T39d)6以下-310以上---6を超え-260以上---T43以下-205以上---3を超え100以下300以下205以上110以上18以上16以上T42f)3以下-205以上--3を超え100以下300以下205以上95以上18以上-T6T62f)3以下-290以上---3を超え100以下300以下290以上240以上10以上9以上T89d)6以下-300以上---注記a):質別は、JIS H 0001によるb):伸びの測定は、標点距離の異なる次の二つの方法のいずれかを採用する。特に、注文者からの指定がない場合は、A50mmによる。ただし、A50mmの規定がない場合は、Aによる。A50mm:50mm標点距離における伸びA:5.65√S0の標点距離における伸び(S0:試験片の平行部の断面積、mm2)d):押出後の冷却が制御され、室温で固溶状態が保たれた材料に適用してもよい。e):質別Oの材料は、質別T42又はT62の材料の基礎となるものであり、注文者からの要求がある場合は、注文者において適切な熱処理をした場合に、質別T42又はT62の材料の性能を保証しなければならない。f):質別T42の材料の機械的性質は、注文者が質別Oの材料を用いて溶体化処理後、十分な安定状態で自然時効硬化処理をした場合に適用する。また、質別T62の材料の機械的性質は、注文者が質別Oの材料を用いて溶体化処理後、人工時効硬化処理した場合に適用する。ただし、注文者において溶体化処理する前に何らかの冷間加工又は熱間加工をした場合には、規格値より低くなることがある。引用元:JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線A6061の物理的性質質別導電率(20℃, IACS,%)熱伝導率(25℃、kW/(m・℃))線膨張係数(20~100℃×10-⁶)縦弾性係数(×1000Kg/kgf/mm²)比重溶解温度範囲(℃)T4400.1523.67.002.70582~652T6430.1723.67.002.70582~652引用元:阪根商事株式会社A6061の用途A6061は耐食性に優れる一方で、溶接性に劣ることから以下のような用途に採用されています。用途例:ボルトやリベット接合の構造用材・自動車用部品などA6061の使い分けアルミ合金の代表的なものにA5052とA2017(ジュラルミン)があります。ここでは、これらの材料とA6061の使い分けをご紹介します。A6061とA5052の使い分けA5052は耐食性・溶接性に優れているのが特徴です。また、強度についてもアルミ合金のなかでは中程度の数値を示しています。A6061は耐食性が高く、T6処理を行うことで高い強度を得られますが、溶接継手強度が低い点はデメリットです。これらを比較すると、強度はA6061の方が優れており、溶接継手としてはA6061の方が不向きのため、強度を重視したい場合はA6061を、溶接が必要な製品を作る場合はA5052を用いるのがおすすめです。参考:A5052の化学成分、機械的性質、強度A6061とA2017(ジュラルミン)の使い分けA2017はアルミ合金のなかでも優れた強度を持ち、T6処理を施したA6061よりも強度が高い特徴があります。しかし耐食性に関しては劣るので、強度を重視したい場合はA2017を、ある程度の強度と耐食性を備えた材料を使いたい場合はA6061を使うのがおすすめです。参考:A2017(ジュラルミン)の強度|A2024・A7075との関係
A7075は、Al-Zn-Mg-Cu系の成分を持つアルミ合金です。A7075は、一般に「超々ジュラルミン」と呼ばれ、アルミ合金の中でもトップクラスの強度を有する材質の一つです。強度に優れる一方、応力腐食割れや耐食性に劣るという欠点があるものの、航空機、スポーツ用品、機械部品など、さまざまな分野で使用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A7075の特徴・用途、耐食性A7075の特徴は、非常に高い強度を持つことです。また、鉄鋼材料と比較して軽量であることから、さまざまな用途で使用されています。ただし、A7075は価格が高いため、多くの場合、強度が必要とされる箇所に限って使用されます。A7075の用途としては、航空機、人工衛星、ロケット、自動車部品、溶接構造材や各種金型などの工業用部品、スキー板や金属バットなどのスポーツ用品、自転車、ロボットなどが挙げられます。このように幅広い分野で利用されているA7075ですが、応力腐食割れや耐食性に劣るという難点があることから、使用環境によっては対策が必要です。参考:応力腐食割れをわかりやすく!3要素と対策方法A7075の化学成分<A7075の成分、組成(単位:%)>材料記号SiFeCuMnMgCrZnTiその他AlA70750.40以下0.50以下1.2~2.00.30以下2.1~2.90.18~0.285.1~6.10.20以下0.05以下(計0.15以下)残部引用元:JISH4000:アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条A7075の化学成分を上表に示しました。A7075は、Al-Zn-Mg-Cu系のアルミ合金です。A7075では、Zn(亜鉛)とMg(マグネシウム)に加え、Cu(銅)を添加することで、非常に高い強度を得ています。A7075の機械的性質(強度、硬度等)<A7075(質別:T6)の機械的性質>ブリネル硬さ(HB)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)せん断強さ(N/mm2)疲れ強さ(N/mm2)伸び(%)板伸び(%)棒150570505330160119A7075の機械的性質を上表に示しました。A7075は、アルミ合金の中でも、非常に高い強度を示す反面、溶接性や耐食性に劣ります。A7075の物理的性質<A7075の物理的性質>融点℃密度(g/cm3)ヤング率(縦弾性係数)GPa剛性率(横弾性係数)GPaポアソン比線膨張率(ppm/K)定圧比熱(J/kg•K)熱伝導率(W/m•K)約660.42.870.7260.3323.6962130A7075の物理的性質は上表の通りです。
A6063は、A6000系(Al-Mg-Si系)のなかでも代表的な押出用合金です。A6061より強度は劣るものの、押出加工性が良好で複雑な断面形状でも成形できるほか、耐食性と表面処理性にも優れています。主な用途としては、サッシなどの建築用材・土木用材・車両用材・家電製品などに採用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A6063の化学成分<合金番号6063の化学成分(単位:%)>合金番号SiFeCuMnMgCrZnTiその他Al個々合計60630.20~0.60.35以下0.10以下0.10以下0.45~0.90.10以下0.10以下0.10以下0.05以下0.15以下残部引用元:JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材A6063の機械的性質(引っ張り強さ、耐力、伸び等)<合金番号6063の機械的性質>合金番号質別a)引張試験硬さ試験試験箇所の肉厚(mm)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)伸びb)(%)試験箇所の肉厚(mm)HV5A50mmA6063T112以下120以上60以上12以上---12を超え25以下110以上55以上12以上---T4c)25以下130以上65以上12以上14以上--T5d)12以下150以上110以上8以上7以上0.8以上58以上12を超え25以下145以上105以上8以上7以上T6c)3以下205以上170以上8以上---3を超え25以下205以上170以上10以上---T64c)15以上180以上120以上10以上12以上--T66c)10以下245以上200以上6以上8以上--10を超え25以下225以上180以上6以上8以上--a):質別は、JIS H 0001による。b):伸びの測定は、標点距離の異なる次の二つの方法のいずれかを採用する。特に、注文者からの指定がない場合は、A50mmによる。ただし、A50mmの規定がない場合は、Aによる。A50mm:50mm標点距離における伸びA:5.65√S0の標点距離における伸び(S0:試験片の平行部の断面積、mm2)c):押出後び冷却が制御され、室温で固溶状態が保たれた材料に適用してもよい。d):質別T5の機械的性質は、引張試験又は硬さ試験のいずれかによる。引用元:JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材A6063の物理的性質(密度、比重等)<合金番号6063の物理的性質>質別導電率(20℃, IACS,%)熱伝導率(25℃、kW/(m・℃))線膨張係数(20~100℃×10-⁶)縦弾性係数(×1000Kg/kgf/mm²)比重溶解温度範囲(℃)T5550.2123.47.002.69625~655T6530.2023.47.002.69625~655引用元:阪根商事株式会社A6063の加工性(押出加工性、耐食性、溶接の継手効率)A6063はアルミ合金のなかでも代表的な押出用材料です。押出加工性に優れているため、高精度の製品を成形できます。また、アルミニウムの特徴である酸化皮膜を形成することから、耐食性も良好です。溶接に関しては継手効率が低く、ビスやリベット、ボルトナットなどによる接合を採用しているケースが多いです。参考:【押し出し加工】とは?仕組みや特徴、種類、製品例について徹底解説!参考:【アルミの基礎】アルミの加工上の特性やメリット/デメリットまで徹底解説!参考:アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!
A5052は、アルミ合金のなかでも、ちょうど中程度の強度をもった材料です。耐食性や成形性、溶接性に優れていることから、工作材料として幅広い用途で使われています。5000系のアルミ合金はマグネシウム(Mg)を多く添加しており、その比率に応じて性質が異なるものです。A5052は、5000系の扱いやすい材料であるため、代表的なアルミ合金として使われています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!参考:アルミ材の種類について【専門家が語る】どのアルミ材を使えばいいか一目でわかる!A5052の特徴(耐食性・溶接性・強度)A5052は耐食性・溶接性に優れているのが特徴です。また、強度についてもアルミ合金のなかでは中程度の数値を示しています。これらの内容から、曲げ加工や切削加工といった工作に適した材料とされ、建築用材・船舶材・車両用材・飲料缶などの幅広い用途で使われています。一般的に流通している材料は主に板材と丸棒が該当します。特に板材は流通量が多く、容易に入手が可能です。参考:アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!A5052の化学成分<合金番号5052の化学成分(単位:%)>合金番号SiFeCuMnMgCrZnその他Al個々合計50520.25以下0.40以下0.10以下0.10以下2.2~2.80.15~0.350.10以下0.05以下0.15以下残部引用元:JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条A5052の機械的性質<A5052(板、条、厚板及び円板)の機械的性質>記号質別引張試験曲げ試験厚さ(mm)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)伸び(%)A50mm厚さ(mm)内側半径A5052PH1124.0以上6.5以下195以上110以上9以上--6.5を超え13.0以下195以上110以上7以上13.0を超え50.0以下175以上65以上12以上50.0を超え75.0以下175以上65以上16以上O0.2以上0.3以下170以上215以下-14以上0.2以上0.8以下0.8を超え2.9以下2.9を超え6.0以下密着厚さの0.5倍厚さの1倍0.3を超え0.5以下65以上15以上0.5を超え0.8以下65以上17以上0.8を超え1.3以下65以上17以上1.3を超え2.9以下65以上19以上2.9を超え6.5以下65以上19以上6.5を超え75.0以下65以上18以上H12H22※)H320.2以上0.3以下215以上265以下-3以上0.2以上0.8以下0.8を超え2.9以下2.9を超え6.0以下厚さの0.5倍厚さの1倍厚さの1.5倍0.3を超え0.5以下-4以上0.5を超え0.8以下-5以上0.8を超え1.3以下155以上5以上1.3を超え2.9以下155以上7以上2.9を超え6.5以下155以上9以上6.5を超え12.0以下155以上11以上H14H24※)H340.2以上0.5以下235以上285以下180以上3以上0.2以上0.8以下0.8を超え2.9以下2.9を超え6.0以下厚さの1倍厚さの1.5倍厚さの2倍0.5を超え0.8以下4以上0.8を超え1.3以下4以上1.3を超え2.9以下6以上2.9を超え6.5以下6以上6.5を超え12.0以下10以上H16H26※)H360.2以上0.8以下255以上305以下-3以上0.2以上0.8以下0.8を超え1.3以下1.3を超え4.0以下厚さの2倍厚さの2.5倍厚さの3倍0.8を超え4.0以下205以上4以上H18H380.2以上0.8以下255以上3.5以下-3以上--0.8を超え3.0以下205以上4以上--H19H390.15以上0.5以下285以上-1以上--注記A50mm:50mm標点距離における伸び※)質別H22、H24、H26については、引張強さの上限及び耐力は適用しない。規定の厚さ以外の寸法の機械的性質は、受渡当事者間の協定による。耐力は、注文者の要求のある場合だけに適用する。曲げ試験は、注文者の要求のある場合だけに適用する。引用元:JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
「ジュラルミン(A2017)」とは、どのような材料かご存知でしょうか。世の中には「ジュラルミンケース」と呼ばれるトランクがあるため、名前を聞いたことがある方は多いと思います。ジュラルミンは、軽さと強度を両立した材料であるため、トランク以外にもさまざまな業界で使われている材料です。今回の記事では、ジュラルミン(A2017)について知りたい方向けに、基礎知識や用途について解説します。また、似た材料でジュラルミンと同様に活用されているシーンの多い、超ジュラルミン(A2024)・超々ジュラルミン(A7050)についても、併せてご紹介します。ジュラルミンの知識を深めたい方は、ぜひご一読ください。ジュラルミン(A2017)は、強度のあるアルミニウム合金ジュラルミンとは、アルミニウムAlに銅CuとマグネシウムMgを添加した、高強度の合金のこと。ジュラルミンには、さらに強度を高めた超ジュラルミンと超々ジュラルミンも存在します。ジュラルミンは、JIS規格ではA2017と呼ばれている材料で、比重2.79と非常に軽量でありながら、優れた強度と切削加工性を有しているのが特徴。比重は、ステンレスの7.93と比べると、半分以下の軽さです。ただし、他のアルミニウム材と比べて、耐食性と溶接性については劣ります。また、ジュラルミンは、銅3.5~4.5%、マグネシウム0.40~0.80%を含有しています。アルミニウムは銅を添加すると、強度が高くなる傾向にあります。しかし、酸化しやすくなる性質も付与されてしまい、耐食性は低下します。そのため、腐食しやすい環境でジュラルミンを使用する際は、アルマイト処理などの対策が必要です。参考:アルマイト処理について解説!アルマイト処理のメリットについても解説!アルミニウム合金は、番号で区別されるJIS規格では各アルミニウム合金を番号で区別しています。この番号は、AA(アメリカ・アルミニウム協会)で統一された「AAナンバー」と呼ばれています。今回ご紹介するジュラルミンはA2017に該当しますが、このアルファベットと数字にはそれぞれ意味があります。引用元:有限会社遠藤鋳造所それでは、上の番号を例にアルファベット・数字の意味を見てみましょう。1番目のAは、アルミニウムおよびアルミニウム合金を表す記号です。2番目の数字は、アルミニウム合金の系統を表しています。2の意味は銅Cuをメインに加えた合金を意味しますが、銅とは別の元素を含むものの場合は、異なる数字を用います。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!各種類の数字の意味については以下の表にまとめてみましたのでご参考ください。1 純アルミニウム2【Al-Cu系】アルミニウム+銅3【Al-Mn系】アルミニウム+マンガン4【Al-Si系】アルミニウム+ケイ素5【Al-Mg系】アルミニウム+マグネシウム6【Al-Mg-Si系】アルミニウム+マグネシウム+ケイ素7【Al-Zn-Mg系】アルミニウム+亜鉛+マグネシウム8【その他 Li添加系など】アルミニウム+リチウムなど9 予備3番目は、0から9までの数字が入り、0は基本合金・1~9までは合金の改良系といったように使い分けます。また、日本独自の合金、またはAA(アメリカ・アルミニウム協会)の規格以外の合金にはNを用います。4番目は、純アルミニウムの場合、アルミニウム純度の小数点2桁を表示します。また、アルミニウム合金の場合は、アルコアと呼ばれるアメリカのアルミニウム会社の規格記号(旧アルコア記号)をもとに付けられた数字を表示します。5番目のPは、板や管などの形状を表す記号です。管・棒・線・導体については、普通級と特殊級の2種類に分かれており、特殊級の場合にのみ形状記号の後ろにSが付随します。形状記号形状P板、条、円板PC合わせ板BE押出棒BD引抜棒W引抜線TE押出管TD引抜管TW溶接管TWAアーク溶接管S押出形材FD型打鍛造品FH自由鍛造品6番目は、質別記号と呼ばれるもので、調質の種類を表しています。詳細な内容については下記表を参照してください。質別記号内容F製造のままのものH加工硬化により強さを増加したものO焼なまししたものT3溶体化処理後、冷間加工を行い、更に自然時効させたものT351溶体化処理後、冷間加工を行い、残留応力を除去し、更に自然時効させたものT4溶体化処理後、自然時効させたものT451溶体化処理後、残留応力を除去し、更に自然時効させたものT5高温加工から冷却後、人工時効硬化処理したものT6溶体化処理後、焼戻しをしたものT651溶体化処理後、残留応力を除去し、更に人工時効硬化処理したものT7溶体化処理後、安定化処理したものT8溶体化処理後、冷間加工を行い、更に人工時効処理をしたものT9溶体化処理後、人工時効硬化処理を行い、更に冷間加工したもの参考:鋼の性質を変える【熱処理】とは?仕組みや種類について徹底解説!ジュラルミンの用途ジュラルミンは、優れた軽量性と強度を有します。用途としては、これらの特徴を要する、航空機・船舶用材料・金型、その他にネジやリベットといった部品にも用いられています。また、ジュラルミンは、軽量で持ち運びにも優れているため、スーツケースやアタッシュケース、アウトドア用品のテントやチェアのフレームなどにも採用されています。超ジュラルミン(A2024)、超々ジュラルミン(A7075)とは超ジュラルミン超ジュラルミンは、A2024の材料のこと。銅Cuの含有量が3.8~4.9%、マグネシウムMgの含有量が1.2~1.8%と、ジュラルミン(A2017)よりも多くなっています。これにより、強度と切削加工性がさらに向上していますが、耐食性についてはやや劣るのが特徴です。比重については、超ジュラルミンが2.78のため、ジュラルミンからほとんど変化はありません。超々ジュラルミン超々ジュラルミンは、A7075の材料です。銅Cuは1.2~2.0%、マグネシウムMgは2.1~2.9%、亜鉛Znは5.1~6.1%含有しています。主に亜鉛とマグネシウムを含有した7000系の材料で、アルミニウム合金のなかでも、非常に優れた強度を有します。その反面、難削材である点はデメリットです。また、応力腐食割れ(引張応力が加わった状態で、特定の腐食環境にさらされると割れる現象)を起こす心配もあるため、腐食環境での使用の際は注意が必要です。比重については、超々ジュラルミンが2.80と、他のジュラルミンと比べても同等の軽量性を有します。A2017・A2024・A7075の硬度と比重の比較材料硬度(単位:HB)比重アルミニウム(A5052)652.7ジュラルミン(A2017)1052.79超ジュラルミン(A2024)1202.78超々ジュラルミン(A7075)1602.80ステンレス(SUS304)1877.93上表は、ジュラルミン・超ジュラルミン・超々ジュラルミンに加え、使用頻度の多いA5052アルミニウムとSUS304ステンレスの硬度と比重を比較したものです。硬度の単位はすべてブリネル硬さとなります。上表を見てわかるように、ジュラルミン・超ジュラルミン・超々ジュラルミンは、アルミニウムと比べると、高い強度を有しています。これらは、ステンレスの硬度にやや劣りますが、その分比重の数値が小さいため、比強度(強度と重量の比)に優れています。ジュラルミンまとめジュラルミン(A2017)は、銅とマグネシウムを含有したアルミニウム合金で、軽量性と強度に優れた材料です。似た材料で、より強度に優れた超ジュラルミン(A2024)、超々ジュラルミン(A7075)がありますが、超々ジュラルミンは、アルミニウム合金のなかでも非常に高い強度を持つ材料です。ジュラルミンは、優れた軽量性と強度を持つことから、主に航空機や船舶用材料などに採用されています。ジュラルミンをはじめとした、アルミニウム合金の加工業者をお探しの場合は、ぜひMitsuriまでご相談ください。日本全国で250社以上の協力企業と提携しているので、お客様のご希望に沿う加工業者が見つかります。見積りは複数社から可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
アルミ板は、軽量かつ加工性や耐食性に優れていることから、電化製品・自動車部品・建築材などの幅広い分野で活躍しています。扱いやすい素材のため、DIYで利用している家庭も多く見受けられます。ただし、一口にアルミと言っても、純アルミニウムやアルミニウム合金など、種類が豊富にあるのをご存知でしょうか。また、アルミ板の加工の種類についても、どのようなものがあるのか知らない方も多いかと思われます。「アルミ板の種類を知りたい」「アルミ板の加工方法は何があるの?」本記事では、このような疑問をお持ちの方に向け、アルミ板の種類や加工方法(曲げ・プレス・切削)について、詳しくご紹介します。アルミ板についてお悩みの方は、ぜひご一読ください。アルミの特性とアルミ板の種類アルミは、鉄や銅よりも軽量で、熱伝導性・導電性・展延性が高いのが特徴です。また、表面に酸化被膜を形成するため、耐食性も良好です。しかし、柔らかい素材なので、強度を持たせるために他の金属を添加している場合もあります。アルミニウムは、純度が99.0%以上のものを「純アルミニウム」、他の金属を添加したものを「アルミニウム合金」と呼びます。これらは、「番手」と呼ばれる、アルファベットのAとその後ろにつく4桁の数字でグループ分けされ、数字によって特性が異なります。ここでは、代表的なアルミ板の種類を紹介していきます。・1000番台(例:A1050)・2000番台(例:A2017、A2024)・5000番台(例:A5052)・6000番台(例:A6061)1000番台は、アルミの純度が99.0%以上のものを指します。純度が高いため、アルミニウム本来の加工性の良さや、強度の低さが顕著に表れています。A1050はアルミニウム純度が99.5%で、強度が低い分、加工性に優れています。2000番台は、アルミに銅とマグネシウムを加えた合金です。A2017は「ジュラルミン」、A2024は「超ジュラルミン」とも呼ばれ、鉄鋼材料に匹敵する強度を有しています。ただし銅を含んでいるため、耐食性にやや難があります。5000番台は、アルミにマグネシウムを加えた合金。強度を向上しながらも、耐食性や加工性に優れた素材です。A5052は、アルミ合金のなかだと中間ほどの強度があり、幅広い分野で使用されています。6000番台は、アルミにマグネシウムとシリコンを加えた合金。強度と耐食性に優れているため、ボルトやナットなどの接合部品や、船舶や車両などの材料に使われています。参考記事アルミ板の特徴については、以下の記事でも解説しています。⇒アルミ板の種類と板厚が丸わかり! 買うべき板が見つかりますアルミ板加工【曲げ加工】曲げ加工とは曲げ加工は、被加工材を任意の角度に曲げたり、Rを付けたりする加工のこと。曲げ加工は主に、ロール曲げ・板折り曲げ・ベンダー曲げがあります。ロール曲げは、複数のローラーの間に板材を通して加工。板折り曲げは、被加工材をベースプレートと上板で固定してから、折り曲げる加工方法です。ベンダー曲げは、プレス加工の一種で、金型を使って被加工材をプレスすることで成形します。参考記事アルミ板の曲げ加工については、以下の記事で詳しく解説しています。⇒アルミ板の曲げ加工について専門家が徹底解説!3つの曲げを紹介!曲げ加工のメリット・デメリット曲げ加工は、ロール曲げや板折り曲げだと、金型が不要で成形できます。そのため、イニシャルコストもかからず、素早い対応が可能です。円筒状にも成形できるので、任意の直径に製作することも可能。切削とは違い、材料を削らないため、ムダが出ないこともメリットと言えます。しかし、曲げ加工をする上で「スプリングバック」と呼ばれる現象に注意しなければなりません。「スプリングバック」とは、被加工材が曲げ加工される前の形状に戻ろうとする力が働き、目的の形状とずれてしまうことを言います。この現象を防ぐために、設計者や作業者は対策を講じなければなりません。対策の仕方によって精度に違いが出るので、高精度の製品を依頼する方は、加工メーカーとよく相談しておきましょう。曲げ加工の製作事例アルミ板曲げ加工品(材質:A5052 板厚:5mm サイズ:110×35×70mm)引用元:株式会社上野製作所アルミ板曲げ加工品(板厚:1.5mm)引用元:株式会社NIMURAアルミ板材曲げ加工品(板厚:0.8mm)引用元:株式会社NIMURA参考記事曲げ加工の製作事例は、以下の記事でも詳しく紹介しています。⇒アルミ板の曲げ加工について専門家が徹底解説!3つの曲げを紹介!アルミ板加工【プレス加工】プレス加工とはプレス加工とは、専用のプレス機と金型を用いて、被加工材を変形、またはせん断する加工のこと。金型は上型と下型を用意する必要があり、そこに被加工材を挟み込むことで、任意の形に成形します。プレス加工は、曲げ加工・せん断加工・絞り加工の大きく3種に分けられます。曲げ加工は、被加工材をプレスして押し曲げること。せん断加工は、穴あけパンチ器のように、プレスして切り抜いたり切ったりすることを言います。絞り加工は、被加工材をプレスして、上型と下型に沿った形状に変形させる加工。例を挙げると、板材からボウルのような形状に成形するようなものです。プレス加工のメリット・デメリットプレス加工は、金型を用意することで、簡単に同一の製品を生産できます。作業員の手もあまりかからなくなることから、スキルの違いによる品質の差が生まれにくいのもメリットです。しかし、金型や製造ラインを用意するのにお金と時間がかかる点には注意が必要。また、仕様変更などで、製品の形状に変化を加えなければならない場合も、即座に対応するのは困難です。このことから、プレス加工は小ロットや試作品の製作よりも、単純な形状の部品などを大量生産するのに適しています。参考記事プレス加工の基礎知識や種類については、以下の記事にて詳しく解説しています。⇒プレス加工の基礎知識や種類について専門家が徹底解説!プレス加工の製作事例自動車部品(材質:A5083 板厚:1.2mm 絞り加工)引用元:株式会社エヌエープロテック自動車部品(板厚:0.6mm 精度:±0.1mm程度 絞り加工)引用元:株式会社エヌエープロテックアルミ絞り品(材質:A5052 板厚:0.5mm サイズ:214×122×25mm 絞り加工)引用元:株式会社西野精器製作所アルミ板加工【切削加工】切削加工とは切削加工とは、被加工材を切る、または削ることで成形する加工のこと。切削加工には大きく分けて、旋削加工・転削加工があります。旋削加工は、被加工材を回転させ、そこに刃物を当てることで削る加工方法。転削加工は、被加工材ではなく、刃物を回転させて削ります。参考記事切削加工の特徴や種類などの詳細は、以下の記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。⇒【切削加工とは?】特徴・種類・注意点を動画と一緒にご紹介します!切削加工のメリット・デメリット切削加工は、プレス加工と違い刃物を使って成形します。金型を用意する必要がないので、イニシャルコストを削減できるほか、小ロットであれば素早い対応も可能。また、構造が複雑かつ、高い精度の物を製作できるのもメリットです。ただし、材料を無垢の状態から削り出して成形するため、切粉が多く出たり、作業量も多くなることから、大量生産には比較的向いていません。また、アルミを切削加工すると、発生した熱によりアルミが溶けて、刃物に付着することもあります。アルミが刃物に付着すると、高い精度での加工ができません。これを防ぐためには、切粉を頻繁に取り除いたり、切削油を用いたりするなどの対策が必要です。切削加工の事例アルミ切削加工品(材質:A5052 サイズ:2×55×55mm)引用元:株式会社長濱製作所アルミ切削加工品(サイズ:450x150x10mm)引用元:株式会社タカヤマアルミ研磨プレート(材質:A5052 サイズ:30×200×300mm)引用元:プレート加工.com参考記事アルミ切削加工の特徴や製作事例については、以下の記事にて詳しく紹介しています。⇒アルミ切削加工ならMitsuri!1個からでもお受けいたします!アルミ板加工の見積り依頼をするならMitsuri今回はアルミ板加工について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。アルミは軽量で、熱伝導性・導電性・展延性・耐食性に優れています。ただし、柔らかい材質のため、さまざまな金属を添加して、強度を持たせた合金として使用することが多い材料です。アルミ板の加工は、主に曲げ加工・プレス加工・切削加工があります。アルミは加工しやすい素材ですが、熱で材料が溶けたり、加工中にキズが付きやすいといった点には注意しなければなりません。このことから、高い精度が求められる製品を作る場合は、加工メーカー選びも重要です。アルミ板加工メーカーをお探しの際は、ぜひMitsuriまでご相談ください。日本全国で250社以上の協力企業と提携しているので、お客様の希望に沿うアルミ板加工メーカーが見つかります。お見積りは複数社から可能ですので、気軽にお問い合わせください。
看板の材料や建材に幅広く用いられているアルミ複合板ですが、看板用のものはカッターで切断できてしまうことをご存知でしょうか。そのため、四角形などの簡単な形状の看板であれば、自ら加工して用いることも不可能ではありません。ですが、安全にDIYをするには、手順を踏む必要がありますし、いくつかの注意点もあります。そこで、今回の記事では、アルミ複合板の簡単な説明をした後に、アルミ複合板を自らカットする方法やその際の注意点について解説します。また、工場に依頼してカットしてもらう場合のメリットについてもご紹介しますので、参考にしてください。アルミ複合板とはアルミ複合板とは、発泡ポリエチレン(発泡プラスチック)を2枚のアルミ板で挟み、貼り合わせた板材のことです。表面材に用いられているアルミは、軽量でサビにくく、加工しやすい素材です。さらに、芯材の発泡ポリエチレンは、安価で衝撃に強く、アルミよりも軽量な素材として知られています。これらを積層することで、単なるアルミ板よりも安価で軽く、発泡ポリエチレンシートのみで使用するよりも高い強度と優れた耐候性を実現しています。また、発泡ポリエチレンは、発泡性を調整すれば硬度を変えることが可能で、無機フィラー(充填材)などを混ぜ合わせれば耐火性を付与することもできます。そのため、様々なメーカーから、多様な性質を持つ発泡ポリエチレンを芯材としたアルミ複合板が販売されています。参考記事アルミ複合板の詳細や特徴、種類については、以下の記事で解説していますのでご覧ください。⇒アルミ複合板とは?用途から加工法まで解説!アルミ複合板の用途アルミ複合板は、主に看板用の資材や建材として用いられています。耐候性が高く、日差しが当たる雨ざらしの場所に設置しても、伸縮したり反ったりしにくい素材です。また、その比重が0.8g/cm2程度で、最もよく用いられる3mm厚のものでは、1㎡の重量が3kg程度と軽量です。従って、屋外に使用しても長持ちする上、高所に設置しても落下したときの事故のリスクが低くなります。さらに、軽量なため、運搬や設置も容易です。このような特徴から、アルミ複合板は、看板の資材に適した材料です。また、耐火性を持たせたものは、住宅のエクステリアやインテリア、オフィスの天井材やパーティションパネル、建築物の外壁など、建材としての用途が多数あります。アルミ複合板のカットのやり方アルミ複合板は、アルミ板厚が薄いものであれば、カッターでもカットすることができます。例えば、直線状に切断する場合は、以下のような手順で行います。①寸法を測り、切断線を描く。引用元:株式会社ハクロマーク製作所②切断線に定規を当て、傷を付けるようにカッターで軽く切る。引用元:株式会社ハクロマーク製作所③定規を当てながら、軽く切る作業を繰り返して溝を作る。④溝ができた後は、定規なしで溝にカッターを滑らして切る。引用元:株式会社ハクロマーク製作所⑤切断できるまで、カッターを溝に滑らして切る作業を繰り返す。引用元:株式会社ハクロマーク製作所⑥バリやカエリが生じるので、ヤスリなどをかけて仕上げる。このように、アルミ複合板は、表面のアルミに溝を作ることができれば、後はカッターが溝に沿ってスルスルと動きます。そのため、溝を作った後は、切り込みを深くしていく作業を繰り返すことで切断が可能です。なお、穴を空けたい場合は、電動ドリルなどが必要となります。ただし、この場合でも、バリやカエリは発生してしまうので、ヤスリがけなどで取り除く必要があります。アルミ複合板のカット時の注意アルミ複合板をカッターでカットする際には、以下のような点に注意する必要があります。アルミ複合板カット時の注意点①カッターが定規からずれないよう、なるべく厚い定規を使用する。②カッターの進行方向に手を置かないようにする。(軍手などを着ければより安全)③カッターが切断線からずれると滑る危険性があるので、切るときは力を入れ過ぎないようにする。④切断後のアルミ部分で手を切ってしまうことがあるので、面取りを行うと共に軍手など着けて取り扱う。以上の点に注意すれば安全に切断できますし、電動ドリルなどがあれば穴を空けることもできます。しかし、カッターでは、綺麗に切断することは難しく、曲線や円などの複雑な形状は切断できません。また、電動ドリルを保有していないことも多いのではないでしょうか。工場によるアルミ複合板のカット専用の機械を用いれば、曲線や円などの複雑な形状のカットはもちろん、文字形状の切り抜きも高品質に行うことができます。看板加工の工場では、直線状の切断に丸鋸や断裁機(パネルソー)、曲線状の切断や文字形状の切り抜きに上の写真にあるようなルーター加工機を用います。特に複雑な形状の切断や文字形状の切り抜きは、手動ではなく数値制御やコンピュータ制御で行い、カット用のデータを用意して加工機に入力します。その上で、アルミ複合板を機械に設置して切断や切り抜きを行います。下の動画では、ルーター加工機による文字形状の切り抜きをデモンストレーションしています。引用元:コムネット株式会社カットや穴あけだけでなく、曲げ加工やパンチング加工に対応している工場もあります。その場合、カットや穴あけに併せて、一定の曲げ半径で曲げたり、均一のピッチで穴を空けたりすることが可能です。Mitsuriでしたら、看板加工に特化し、様々な加工に対応できる工場をご紹介できます。看板加工やアルミ複合板の加工にお悩みの方は、ぜひMitsuriにご相談ください。工場へ依頼する事のメリットアルミ複合板のカットを工場へ依頼することには、以下のようなメリットがあります。カットを工場に依頼するメリット①一定の寸法のカットが可能②高精度のカットが可能③複雑な形状のカットや文字形状の切り抜きが可能④特殊な形状でなければ比較的安価にカットを依頼できる看板加工の工場の多くは、アルミ複合板を自動でカットできる機械を保有しています。そのため、大量のアルミ複合板を一定の寸法に正確にカットすることが可能です。さらに、上述したように、カッターでカットすることが難しい、複雑な形状のカットや文字形状の切り抜きにも対応しています。また、加工の需要が多い、直線カットや角R加工(角を一定の半径で丸みを付ける)、穴あけ加工などは、1枚又は1箇所当たり数百円程度と比較的低価格で加工してくれます。アルミ複合板のカットの見積り依頼ならMitsuri今回解説したように、アルミ複合板は自らカットすることができますが、それは直線状に切断するなど、簡単な形状に限られます。しかし、工場に依頼すれば、複雑な形状のカットができますし、単純な形状のカットも低価格で可能です。怪我の危険性や自分でカットする労力などを考えれば、工場にご依頼することがオススメです。Mitsuriは現在、全国に協力企業が250社以上あり、アルミ複合板のカットを得意とするメーカー様とお付き合いがあります。そのため、お客様に最適なメーカーをご紹介することが可能です。お見積りは複数社から可能です!アルミ複合板のカットのお見積りでお困りの際は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい!
A5052はアルミニウムにマグネシウムを添加したアルミ合金です。A5052は扱いやすく、アルミ合金の中でも代表的な定番材料です。弊社の金属加工プラットフォームサービス「Mitsuri」で見積り依頼される案件の中でも、素材としてA5052が選ばれることが多々あります。具体的な見積り依頼実績数をご紹介します。Mitsuriで見積り依頼されたA5052の金属加工案件MitsuriでのA5052加工案件は多岐にわたりますが、その中でも一部抜粋して板金加工と切削加工をカウントするとこれだけあります。 A5052の板金加工のMitsuri見積り依頼207 A5052の切削加工のMitsuri見積り依頼103A5052はアルミ合金の中では、中程度の強度をもち、耐食性・溶接性に優れます。主に板材と丸棒が流通しており、特に板材の流通性が非常に高いため仕入れやすく、依頼に対する見積り回答も多くつきやすいです(*1)。(*1)「依頼に対する見積り回答も多くつきやすい」?→Mitsuriで金属加工の見積りを依頼すると、その依頼に対してMitsuri協力工場が見積り回答をお返しします。A5052の加工案件は複数の協力工場からの見積り回答がつきやすく、1回のご依頼で複数の相見積もりが取れます。Mitsuriで依頼可能なアルミ加工(一例)・切断加工・曲げ加工、板金加工・溶接・切削加工・プレス加工・線材加工一例となりますが、Mitsuriではさまざまなアルミ加工に対応しています。ご希望の加工内容によっては難しい場合もございますが、迷われた方は一度Mitsuriまでご相談ください。A5052の金属加工を依頼するならMitsuriまでお問い合わせください協力工場は日本全国350社以上ございます。A5052の金属加工をご検討中の方は、下のボタンをクリックしてぜひお気軽にお問い合わせください。
A1100とは、純度が99%以上の純アルミニウムとして分類される材料のことです。アルミニウムの性質をほぼ受け継いており、比較的軟らかいものの軽量で、導電性や熱伝導性に優れます。塑性加工に適した材料ですが、軟らかいゆえに切削加工は困難です。表面に形成される酸化皮膜によって高い耐食性を示し、アルマイト処理を施すことで耐食性のほか、耐摩耗性なども向上させることができる素材です。アルミ合金の中で、特に表面処理性が高く、アルマイト処理後の外観は良好です。日用品や導電材、建材など、幅広く用いられている材料で、私達の生活に欠かせないものとなっています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A1100の特徴、他のアルミ合金と比較A1100は、導電性や熱伝導性が高い上に、成形加工性や溶接性にも優れたアルミ合金です。空気中で表面に形成される酸化皮膜によって金属内部が保護されるため、耐食性にも優れます。反射性も高く、光や熱、電磁波などをよく反射します。鉄鋼やステンレス鋼と比べると強度に劣るものの、軽量であるために有用性の高い素材です。引用元:株式会社三和鍍金また、アルミ合金全般に言えることですが、A1100には、アルマイト処理と呼ばれる表面処理を行うことで、表面に分厚い酸化皮膜を形成させることが可能です。この酸化皮膜は、自然に形成される数ナノメートル程度の酸化皮膜と異なり、数十マイクロメートルにも達して、優れた耐食性と耐摩耗性を発揮します(上図)。A1100は、特に表面処理性が高く、あらかじめアルマイト処理が施されているものも販売されています。A1100の加工性について、鍛造や圧延、絞りなどの成形加工には適しているものの、切削加工には適していません。ただし、切削加工が不可能というわけではありません。工具が食い込んでしまうのを避けるために切り込み量を加減する、キズの原因となる切り屑の排出をスムーズにするなど、適切な対処を行うことで切削加工も可能です。参考:アルマイト処理について解説!アルマイト処理のメリットについても解説!他のアルミ合金との比較A1100は、1000番手系の中では、強度や切削加工性のバランスが良好でアルマイト処理を施した際の外観が良いという利点があります。A1050は、アルミニウムの純度が99.5%以上のアルミ合金で、A1100と比べると、導電性には優れるものの、軟らか過ぎる上に切削加工性にも劣ります。一方、A1200は、A1100と比較すると、機械的性質や切削性などに大きな違いはなく、表面処理性も特に良いわけではありません。そのため、電気的特性を重視する場合はA1050、A1050よりも強度が欲しい場合はA1100を選ぶと良いでしょう。A1100の2000~8000番手系のアルミ合金と比べたときの最も大きな違いは、その強度です。2000~8000番手系のアルミ合金は、銅(Cu)やマンガン(Mn)、シリコン(Si)、マグネシウム(Mg)などを加えることで、強度をはじめ、切削加工性や耐熱性、耐摩耗性などの様々な性質を改善したものです。例えば、ジュラルミンとして知られるA2017やアルミ缶の素材に使われるA5052は、焼なまし状態でも強度がA1100の倍以上あります。特に、A2017は、適切な熱処理が必要ですが、引張強さが400 MPaを上回ります。また、A5052は、切削加工性が良く、切削加工向けの材料として有用です。参考:アルミ材の種類について【専門家が語る】どのアルミ材を使えばいいか一目でわかる!A1100の化学成分(単位:%)材質名Si + FeCuMnZnその他Al個々合計A11000.95以下 0.05〜0.200.05以下0.10以下0.05以下0.15以下99.00以上A1100の化学成分は、JIS規格(JIS 4000:2014)によって上表のように規定されています。A1100は、純度99.00%以上のアルミに微量の銅(Cu)を加えたものです。添加された銅には、アルマイト処理後の光沢を良好にし、外観を白っぽくする効果があります。これは、A1050やA1200などの他の1000番手のアルミにはない特徴です。A1100の機械的性質材質名質別引張性質ブリネル硬させん断強さ(MPa) 疲れ強さ(MPa) 縦弾性係数×1000(kg/mm2)引張強さ(MPa) 耐力(MPa) 伸び(%)板(1.6mm厚)棒(12.7mmΦ)A1100O903535422360357.0H1211010512222870407.0H141251159183275507.0H161451406153885607.0H181651505134490607.0参照元:株式会社アルミネA1100の機械的性質は、上表の通りです。上表の「O」の性質は焼なましを施した最も軟らかい状態のもので、「H」の性質は冷間加工で生じた加工硬化によって強さが増加した状態のものです。「H」の後に続く数値には以下のような意味があります。・H12:1/4 硬質・H14:1/2 硬質・H16:3/4 硬質・H18:硬質金属は一般に加工硬化が進むと、展延性が低下して破断に至る可能性が高まります。そのため、硬化が進んだ金属に引き続き塑性加工を施すには、加熱して高温状態にし、軟化させる必要があります。A1100では、約200℃へ至るまでに段々と引張強さと耐力が減少して伸び率が増加し、約200℃を超えるとほぼ焼きなまし状態の機械的性質に戻ります。A1100の用途A1100は、日用品や電気機器、建材、タンク類、導電材など、幅広い用途があります。サビにくく腐食しにくい特性を持つことから、各種容器や家庭用品、台所などの器材など、身の回りの物に多く用いられています。高い熱伝導性を活かした熱交換器部品などの用途もあります。導電材料としての用途もあり、銅の代替材料として送電線や配電線にも使われています。反射性が高いことを活かして、照明器具やミラー、反射板などにも用いられます。建築用材料としての用途もありますが、強度が低いために構造材として使用することはできません。また、A1100は、耐食性が高いため、ジュラルミンを芯材として、A1100を外側に圧着したアルクラッド材の素材に使用されます。アルクラッド材は、芯材の高強度と外板の高耐食性を活かし、航空機材料などに利用されています。
A2011は、快削性合金と呼ばれ、高強度を示す2000番台のアルミ合金の中でも、特に切削加工性に優れる材質です。強度、被切削性に優れる一方で、耐食性に劣るという欠点もあり、使用環境によっては対策が必要です。A2011は、さまざまな機械・工業用部品として利用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A2011の特徴(強度、溶接性、耐食性、被切削性)A2011は、強度、被切削性に優れます。A2011は、銅(Cu)を含有するため、高い強度を示す一方で、耐食性は劣ります。また、A2011には鉛(Pb)とビスマス(Bi)が添加されているため、被切削性が良好です。ただし、A2011の溶融溶接性は低く、結合には主にリベット、ボルト接合、抵抗スポット溶接が用いられます。参考:アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!A2011の用途A2011は、ボリュームシャフト、光学部品、ネジ部品などに用いられています。A2011の化学成分<A2011の成分、組成(単位:%)>材料記号SiFeCuMnMgCrZnV, Bi, Pb, Zr, Ni などTiその他AlA20110.40以下0.7以下5.0~6.0ーーー0.30以下Bi 0.20~0.6,Pb 0.20~0.6ー0.05以下(計0.15以下)残部引用元:JISH4040:アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線A2011の化学成分を上表に示しました。A2011では、Cu(銅)を添加することで、引張強さ・硬さなど機械的性質を高めています。ただし、銅には耐食性を低下させるという欠点もあります。また、Pb(鉛)とBi(ビスマス)は切削加工性を向上させる目的で添加されています。A2011の機械的性質<A2011の機械的性質>質別引張性質ブリネル硬さ(HB W 10/500)せん断強さ(N/mm2)疲れ強さ(N/mm2)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)伸び(%)1.6mm 厚(L=50mm)12.5mm径(L=5D)T3380295ー1395220125T8405310ー10100240125引用元:株式会社UACJ「アルミポケットブック第2版」p38A2011の機械的性質は上表の通りです。A2011の物理的性質<A2011の物理的性質>質別密度(20℃)(Mg/m3)溶解温度範囲(℃)導電率(20℃)(IACS,%)熱伝導度(20℃)(kW/m•℃)縦弾性係数(kN/mm2)T32.82541〜638390.1570.6T8450.17引用元:株式会社UACJ「アルミポケットブック第2版」p50A2011の物理的性質は上表の通りです。A2011の使い方・選び方前述した通り、A2011は鉛(Pb)を0.2~0.6%含みます。鉛は、環境負荷物質として規制されている場合もあるため、選定時には注意が必要です。ただし、近年では非鉛快削アルミ合金として、鉛の代わりにスズ(Sn)を添加した材質も開発されているため、場合によってはこのような材料を選定すると良いでしょう。
A6061は、アルミニウム(Al)にマグネシウム(Mg)とシリコン(Si)を加えた【Al-Mg-Si(6000)系】のアルミ合金です。No.6000系のアルミ合金は、熱伝導率の関係で、溶接個所や周辺部位にまで熱による強度低下が起きるため、ボルトやナットなどの機械的な接合で用いられることが多い材料です。A6061も同様の特徴がある一方で、耐食性に優れているため、自動車用部品などに採用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A6061の特徴(耐食性)A6061は耐食性に優れていますが、溶接継手強度は低い特徴があります。しかし、T6処理(溶体化処理後、人工時効硬化処理を施したもの)を施すことで、引張強さは260N/mm2以上、耐力は240N/mm2以上まで強度を高めることが可能です。流通している材料の形状は、丸棒と板が一般的です。A6061の化学成分JIS規格の【JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線】にて記載されている化学成分は下記表の通りです。<A6061の化学成分(単位:%)>合金番号SiFeCuMnMgCrZnTiその他a)Al個々合計A60610.40~0.80.7以下0.15~0.400.15以下0.8~1.20.04~0.350.25以下0.15以下0.05以下0.15以下残部注記a):その他の元素とは、この表で示されていないが存在の予知される場合又は通常の分析過程において、規定の値を超えるおそれがある場合に、製造業者の判断によって分析する元素である。“個々”の値は、表で示されている元素以外の個々の成分値であり、“合計”の値は、個々の成分値を合計したものである。引用元:JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線A6061の機械的性質JIS規格の【JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線】にて記載されている機械的性質は下記表の通りです。<A6061の押出棒の機械的性質>合金番号質別a)引張試験径、厚さ又は対辺距離mm断面積cm2引張強さN/mm2耐力N/mm2伸びb)%A50mmA6061Oe)全て-145以下110以下16以上-T4d)T4511d)全て-180以上110以上16以上14以上T42f)全て-175以上85以上16以上-T6d)T62f)T6511d)6以下-260以上240以上8以上7以上6を超え-260以上240以上10以上9以上<A6061の引抜棒及び引抜線の機械的性質>合金番号質別a)引張試験径、厚さ又は対辺距離mm断面積cm2引張強さN/mm2耐力N/mm2伸びb)%A50mmA6061Oe)3以下-145以下---3を超え100以下-145以下-18以上-H133以上10以下-155以上205以下---H1810以下-210以上---T39d)6以下-310以上---6を超え-260以上---T43以下-205以上---3を超え100以下300以下205以上110以上18以上16以上T42f)3以下-205以上--3を超え100以下300以下205以上95以上18以上-T6T62f)3以下-290以上---3を超え100以下300以下290以上240以上10以上9以上T89d)6以下-300以上---注記a):質別は、JIS H 0001によるb):伸びの測定は、標点距離の異なる次の二つの方法のいずれかを採用する。特に、注文者からの指定がない場合は、A50mmによる。ただし、A50mmの規定がない場合は、Aによる。A50mm:50mm標点距離における伸びA:5.65√S0の標点距離における伸び(S0:試験片の平行部の断面積、mm2)d):押出後の冷却が制御され、室温で固溶状態が保たれた材料に適用してもよい。e):質別Oの材料は、質別T42又はT62の材料の基礎となるものであり、注文者からの要求がある場合は、注文者において適切な熱処理をした場合に、質別T42又はT62の材料の性能を保証しなければならない。f):質別T42の材料の機械的性質は、注文者が質別Oの材料を用いて溶体化処理後、十分な安定状態で自然時効硬化処理をした場合に適用する。また、質別T62の材料の機械的性質は、注文者が質別Oの材料を用いて溶体化処理後、人工時効硬化処理した場合に適用する。ただし、注文者において溶体化処理する前に何らかの冷間加工又は熱間加工をした場合には、規格値より低くなることがある。引用元:JIS H 4040:2015 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線A6061の物理的性質質別導電率(20℃, IACS,%)熱伝導率(25℃、kW/(m・℃))線膨張係数(20~100℃×10-⁶)縦弾性係数(×1000Kg/kgf/mm²)比重溶解温度範囲(℃)T4400.1523.67.002.70582~652T6430.1723.67.002.70582~652引用元:阪根商事株式会社A6061の用途A6061は耐食性に優れる一方で、溶接性に劣ることから以下のような用途に採用されています。用途例:ボルトやリベット接合の構造用材・自動車用部品などA6061の使い分けアルミ合金の代表的なものにA5052とA2017(ジュラルミン)があります。ここでは、これらの材料とA6061の使い分けをご紹介します。A6061とA5052の使い分けA5052は耐食性・溶接性に優れているのが特徴です。また、強度についてもアルミ合金のなかでは中程度の数値を示しています。A6061は耐食性が高く、T6処理を行うことで高い強度を得られますが、溶接継手強度が低い点はデメリットです。これらを比較すると、強度はA6061の方が優れており、溶接継手としてはA6061の方が不向きのため、強度を重視したい場合はA6061を、溶接が必要な製品を作る場合はA5052を用いるのがおすすめです。参考:A5052の化学成分、機械的性質、強度A6061とA2017(ジュラルミン)の使い分けA2017はアルミ合金のなかでも優れた強度を持ち、T6処理を施したA6061よりも強度が高い特徴があります。しかし耐食性に関しては劣るので、強度を重視したい場合はA2017を、ある程度の強度と耐食性を備えた材料を使いたい場合はA6061を使うのがおすすめです。参考:A2017(ジュラルミン)の強度|A2024・A7075との関係
A7075は、Al-Zn-Mg-Cu系の成分を持つアルミ合金です。A7075は、一般に「超々ジュラルミン」と呼ばれ、アルミ合金の中でもトップクラスの強度を有する材質の一つです。強度に優れる一方、応力腐食割れや耐食性に劣るという欠点があるものの、航空機、スポーツ用品、機械部品など、さまざまな分野で使用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A7075の特徴・用途、耐食性A7075の特徴は、非常に高い強度を持つことです。また、鉄鋼材料と比較して軽量であることから、さまざまな用途で使用されています。ただし、A7075は価格が高いため、多くの場合、強度が必要とされる箇所に限って使用されます。A7075の用途としては、航空機、人工衛星、ロケット、自動車部品、溶接構造材や各種金型などの工業用部品、スキー板や金属バットなどのスポーツ用品、自転車、ロボットなどが挙げられます。このように幅広い分野で利用されているA7075ですが、応力腐食割れや耐食性に劣るという難点があることから、使用環境によっては対策が必要です。参考:応力腐食割れをわかりやすく!3要素と対策方法A7075の化学成分<A7075の成分、組成(単位:%)>材料記号SiFeCuMnMgCrZnTiその他AlA70750.40以下0.50以下1.2~2.00.30以下2.1~2.90.18~0.285.1~6.10.20以下0.05以下(計0.15以下)残部引用元:JISH4000:アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条A7075の化学成分を上表に示しました。A7075は、Al-Zn-Mg-Cu系のアルミ合金です。A7075では、Zn(亜鉛)とMg(マグネシウム)に加え、Cu(銅)を添加することで、非常に高い強度を得ています。A7075の機械的性質(強度、硬度等)<A7075(質別:T6)の機械的性質>ブリネル硬さ(HB)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)せん断強さ(N/mm2)疲れ強さ(N/mm2)伸び(%)板伸び(%)棒150570505330160119A7075の機械的性質を上表に示しました。A7075は、アルミ合金の中でも、非常に高い強度を示す反面、溶接性や耐食性に劣ります。A7075の物理的性質<A7075の物理的性質>融点℃密度(g/cm3)ヤング率(縦弾性係数)GPa剛性率(横弾性係数)GPaポアソン比線膨張率(ppm/K)定圧比熱(J/kg•K)熱伝導率(W/m•K)約660.42.870.7260.3323.6962130A7075の物理的性質は上表の通りです。
A6063は、A6000系(Al-Mg-Si系)のなかでも代表的な押出用合金です。A6061より強度は劣るものの、押出加工性が良好で複雑な断面形状でも成形できるほか、耐食性と表面処理性にも優れています。主な用途としては、サッシなどの建築用材・土木用材・車両用材・家電製品などに採用されています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!A6063の化学成分<合金番号6063の化学成分(単位:%)>合金番号SiFeCuMnMgCrZnTiその他Al個々合計60630.20~0.60.35以下0.10以下0.10以下0.45~0.90.10以下0.10以下0.10以下0.05以下0.15以下残部引用元:JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材A6063の機械的性質(引っ張り強さ、耐力、伸び等)<合金番号6063の機械的性質>合金番号質別a)引張試験硬さ試験試験箇所の肉厚(mm)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)伸びb)(%)試験箇所の肉厚(mm)HV5A50mmA6063T112以下120以上60以上12以上---12を超え25以下110以上55以上12以上---T4c)25以下130以上65以上12以上14以上--T5d)12以下150以上110以上8以上7以上0.8以上58以上12を超え25以下145以上105以上8以上7以上T6c)3以下205以上170以上8以上---3を超え25以下205以上170以上10以上---T64c)15以上180以上120以上10以上12以上--T66c)10以下245以上200以上6以上8以上--10を超え25以下225以上180以上6以上8以上--a):質別は、JIS H 0001による。b):伸びの測定は、標点距離の異なる次の二つの方法のいずれかを採用する。特に、注文者からの指定がない場合は、A50mmによる。ただし、A50mmの規定がない場合は、Aによる。A50mm:50mm標点距離における伸びA:5.65√S0の標点距離における伸び(S0:試験片の平行部の断面積、mm2)c):押出後び冷却が制御され、室温で固溶状態が保たれた材料に適用してもよい。d):質別T5の機械的性質は、引張試験又は硬さ試験のいずれかによる。引用元:JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材A6063の物理的性質(密度、比重等)<合金番号6063の物理的性質>質別導電率(20℃, IACS,%)熱伝導率(25℃、kW/(m・℃))線膨張係数(20~100℃×10-⁶)縦弾性係数(×1000Kg/kgf/mm²)比重溶解温度範囲(℃)T5550.2123.47.002.69625~655T6530.2023.47.002.69625~655引用元:阪根商事株式会社A6063の加工性(押出加工性、耐食性、溶接の継手効率)A6063はアルミ合金のなかでも代表的な押出用材料です。押出加工性に優れているため、高精度の製品を成形できます。また、アルミニウムの特徴である酸化皮膜を形成することから、耐食性も良好です。溶接に関しては継手効率が低く、ビスやリベット、ボルトナットなどによる接合を採用しているケースが多いです。参考:【押し出し加工】とは?仕組みや特徴、種類、製品例について徹底解説!参考:【アルミの基礎】アルミの加工上の特性やメリット/デメリットまで徹底解説!参考:アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!
A5052は、アルミ合金のなかでも、ちょうど中程度の強度をもった材料です。耐食性や成形性、溶接性に優れていることから、工作材料として幅広い用途で使われています。5000系のアルミ合金はマグネシウム(Mg)を多く添加しており、その比率に応じて性質が異なるものです。A5052は、5000系の扱いやすい材料であるため、代表的なアルミ合金として使われています。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!参考:アルミ材の種類について【専門家が語る】どのアルミ材を使えばいいか一目でわかる!A5052の特徴(耐食性・溶接性・強度)A5052は耐食性・溶接性に優れているのが特徴です。また、強度についてもアルミ合金のなかでは中程度の数値を示しています。これらの内容から、曲げ加工や切削加工といった工作に適した材料とされ、建築用材・船舶材・車両用材・飲料缶などの幅広い用途で使われています。一般的に流通している材料は主に板材と丸棒が該当します。特に板材は流通量が多く、容易に入手が可能です。参考:アルミ溶接は難しい!?溶接方法を事例を用いて徹底解説!!A5052の化学成分<合金番号5052の化学成分(単位:%)>合金番号SiFeCuMnMgCrZnその他Al個々合計50520.25以下0.40以下0.10以下0.10以下2.2~2.80.15~0.350.10以下0.05以下0.15以下残部引用元:JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条A5052の機械的性質<A5052(板、条、厚板及び円板)の機械的性質>記号質別引張試験曲げ試験厚さ(mm)引張強さ(N/mm2)耐力(N/mm2)伸び(%)A50mm厚さ(mm)内側半径A5052PH1124.0以上6.5以下195以上110以上9以上--6.5を超え13.0以下195以上110以上7以上13.0を超え50.0以下175以上65以上12以上50.0を超え75.0以下175以上65以上16以上O0.2以上0.3以下170以上215以下-14以上0.2以上0.8以下0.8を超え2.9以下2.9を超え6.0以下密着厚さの0.5倍厚さの1倍0.3を超え0.5以下65以上15以上0.5を超え0.8以下65以上17以上0.8を超え1.3以下65以上17以上1.3を超え2.9以下65以上19以上2.9を超え6.5以下65以上19以上6.5を超え75.0以下65以上18以上H12H22※)H320.2以上0.3以下215以上265以下-3以上0.2以上0.8以下0.8を超え2.9以下2.9を超え6.0以下厚さの0.5倍厚さの1倍厚さの1.5倍0.3を超え0.5以下-4以上0.5を超え0.8以下-5以上0.8を超え1.3以下155以上5以上1.3を超え2.9以下155以上7以上2.9を超え6.5以下155以上9以上6.5を超え12.0以下155以上11以上H14H24※)H340.2以上0.5以下235以上285以下180以上3以上0.2以上0.8以下0.8を超え2.9以下2.9を超え6.0以下厚さの1倍厚さの1.5倍厚さの2倍0.5を超え0.8以下4以上0.8を超え1.3以下4以上1.3を超え2.9以下6以上2.9を超え6.5以下6以上6.5を超え12.0以下10以上H16H26※)H360.2以上0.8以下255以上305以下-3以上0.2以上0.8以下0.8を超え1.3以下1.3を超え4.0以下厚さの2倍厚さの2.5倍厚さの3倍0.8を超え4.0以下205以上4以上H18H380.2以上0.8以下255以上3.5以下-3以上--0.8を超え3.0以下205以上4以上--H19H390.15以上0.5以下285以上-1以上--注記A50mm:50mm標点距離における伸び※)質別H22、H24、H26については、引張強さの上限及び耐力は適用しない。規定の厚さ以外の寸法の機械的性質は、受渡当事者間の協定による。耐力は、注文者の要求のある場合だけに適用する。曲げ試験は、注文者の要求のある場合だけに適用する。引用元:JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
「ジュラルミン(A2017)」とは、どのような材料かご存知でしょうか。世の中には「ジュラルミンケース」と呼ばれるトランクがあるため、名前を聞いたことがある方は多いと思います。ジュラルミンは、軽さと強度を両立した材料であるため、トランク以外にもさまざまな業界で使われている材料です。今回の記事では、ジュラルミン(A2017)について知りたい方向けに、基礎知識や用途について解説します。また、似た材料でジュラルミンと同様に活用されているシーンの多い、超ジュラルミン(A2024)・超々ジュラルミン(A7050)についても、併せてご紹介します。ジュラルミンの知識を深めたい方は、ぜひご一読ください。ジュラルミン(A2017)は、強度のあるアルミニウム合金ジュラルミンとは、アルミニウムAlに銅CuとマグネシウムMgを添加した、高強度の合金のこと。ジュラルミンには、さらに強度を高めた超ジュラルミンと超々ジュラルミンも存在します。ジュラルミンは、JIS規格ではA2017と呼ばれている材料で、比重2.79と非常に軽量でありながら、優れた強度と切削加工性を有しているのが特徴。比重は、ステンレスの7.93と比べると、半分以下の軽さです。ただし、他のアルミニウム材と比べて、耐食性と溶接性については劣ります。また、ジュラルミンは、銅3.5~4.5%、マグネシウム0.40~0.80%を含有しています。アルミニウムは銅を添加すると、強度が高くなる傾向にあります。しかし、酸化しやすくなる性質も付与されてしまい、耐食性は低下します。そのため、腐食しやすい環境でジュラルミンを使用する際は、アルマイト処理などの対策が必要です。参考:アルマイト処理について解説!アルマイト処理のメリットについても解説!アルミニウム合金は、番号で区別されるJIS規格では各アルミニウム合金を番号で区別しています。この番号は、AA(アメリカ・アルミニウム協会)で統一された「AAナンバー」と呼ばれています。今回ご紹介するジュラルミンはA2017に該当しますが、このアルファベットと数字にはそれぞれ意味があります。引用元:有限会社遠藤鋳造所それでは、上の番号を例にアルファベット・数字の意味を見てみましょう。1番目のAは、アルミニウムおよびアルミニウム合金を表す記号です。2番目の数字は、アルミニウム合金の系統を表しています。2の意味は銅Cuをメインに加えた合金を意味しますが、銅とは別の元素を含むものの場合は、異なる数字を用います。参考:アルミ合金の種類や特徴、用途について詳しく解説【専門家が語る】適切なアルミ番がわかります!各種類の数字の意味については以下の表にまとめてみましたのでご参考ください。1 純アルミニウム2【Al-Cu系】アルミニウム+銅3【Al-Mn系】アルミニウム+マンガン4【Al-Si系】アルミニウム+ケイ素5【Al-Mg系】アルミニウム+マグネシウム6【Al-Mg-Si系】アルミニウム+マグネシウム+ケイ素7【Al-Zn-Mg系】アルミニウム+亜鉛+マグネシウム8【その他 Li添加系など】アルミニウム+リチウムなど9 予備3番目は、0から9までの数字が入り、0は基本合金・1~9までは合金の改良系といったように使い分けます。また、日本独自の合金、またはAA(アメリカ・アルミニウム協会)の規格以外の合金にはNを用います。4番目は、純アルミニウムの場合、アルミニウム純度の小数点2桁を表示します。また、アルミニウム合金の場合は、アルコアと呼ばれるアメリカのアルミニウム会社の規格記号(旧アルコア記号)をもとに付けられた数字を表示します。5番目のPは、板や管などの形状を表す記号です。管・棒・線・導体については、普通級と特殊級の2種類に分かれており、特殊級の場合にのみ形状記号の後ろにSが付随します。形状記号形状P板、条、円板PC合わせ板BE押出棒BD引抜棒W引抜線TE押出管TD引抜管TW溶接管TWAアーク溶接管S押出形材FD型打鍛造品FH自由鍛造品6番目は、質別記号と呼ばれるもので、調質の種類を表しています。詳細な内容については下記表を参照してください。質別記号内容F製造のままのものH加工硬化により強さを増加したものO焼なまししたものT3溶体化処理後、冷間加工を行い、更に自然時効させたものT351溶体化処理後、冷間加工を行い、残留応力を除去し、更に自然時効させたものT4溶体化処理後、自然時効させたものT451溶体化処理後、残留応力を除去し、更に自然時効させたものT5高温加工から冷却後、人工時効硬化処理したものT6溶体化処理後、焼戻しをしたものT651溶体化処理後、残留応力を除去し、更に人工時効硬化処理したものT7溶体化処理後、安定化処理したものT8溶体化処理後、冷間加工を行い、更に人工時効処理をしたものT9溶体化処理後、人工時効硬化処理を行い、更に冷間加工したもの参考:鋼の性質を変える【熱処理】とは?仕組みや種類について徹底解説!ジュラルミンの用途ジュラルミンは、優れた軽量性と強度を有します。用途としては、これらの特徴を要する、航空機・船舶用材料・金型、その他にネジやリベットといった部品にも用いられています。また、ジュラルミンは、軽量で持ち運びにも優れているため、スーツケースやアタッシュケース、アウトドア用品のテントやチェアのフレームなどにも採用されています。超ジュラルミン(A2024)、超々ジュラルミン(A7075)とは超ジュラルミン超ジュラルミンは、A2024の材料のこと。銅Cuの含有量が3.8~4.9%、マグネシウムMgの含有量が1.2~1.8%と、ジュラルミン(A2017)よりも多くなっています。これにより、強度と切削加工性がさらに向上していますが、耐食性についてはやや劣るのが特徴です。比重については、超ジュラルミンが2.78のため、ジュラルミンからほとんど変化はありません。超々ジュラルミン超々ジュラルミンは、A7075の材料です。銅Cuは1.2~2.0%、マグネシウムMgは2.1~2.9%、亜鉛Znは5.1~6.1%含有しています。主に亜鉛とマグネシウムを含有した7000系の材料で、アルミニウム合金のなかでも、非常に優れた強度を有します。その反面、難削材である点はデメリットです。また、応力腐食割れ(引張応力が加わった状態で、特定の腐食環境にさらされると割れる現象)を起こす心配もあるため、腐食環境での使用の際は注意が必要です。比重については、超々ジュラルミンが2.80と、他のジュラルミンと比べても同等の軽量性を有します。A2017・A2024・A7075の硬度と比重の比較材料硬度(単位:HB)比重アルミニウム(A5052)652.7ジュラルミン(A2017)1052.79超ジュラルミン(A2024)1202.78超々ジュラルミン(A7075)1602.80ステンレス(SUS304)1877.93上表は、ジュラルミン・超ジュラルミン・超々ジュラルミンに加え、使用頻度の多いA5052アルミニウムとSUS304ステンレスの硬度と比重を比較したものです。硬度の単位はすべてブリネル硬さとなります。上表を見てわかるように、ジュラルミン・超ジュラルミン・超々ジュラルミンは、アルミニウムと比べると、高い強度を有しています。これらは、ステンレスの硬度にやや劣りますが、その分比重の数値が小さいため、比強度(強度と重量の比)に優れています。ジュラルミンまとめジュラルミン(A2017)は、銅とマグネシウムを含有したアルミニウム合金で、軽量性と強度に優れた材料です。似た材料で、より強度に優れた超ジュラルミン(A2024)、超々ジュラルミン(A7075)がありますが、超々ジュラルミンは、アルミニウム合金のなかでも非常に高い強度を持つ材料です。ジュラルミンは、優れた軽量性と強度を持つことから、主に航空機や船舶用材料などに採用されています。ジュラルミンをはじめとした、アルミニウム合金の加工業者をお探しの場合は、ぜひMitsuriまでご相談ください。日本全国で250社以上の協力企業と提携しているので、お客様のご希望に沿う加工業者が見つかります。見積りは複数社から可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
アルミ板は、軽量かつ加工性や耐食性に優れていることから、電化製品・自動車部品・建築材などの幅広い分野で活躍しています。扱いやすい素材のため、DIYで利用している家庭も多く見受けられます。ただし、一口にアルミと言っても、純アルミニウムやアルミニウム合金など、種類が豊富にあるのをご存知でしょうか。また、アルミ板の加工の種類についても、どのようなものがあるのか知らない方も多いかと思われます。「アルミ板の種類を知りたい」「アルミ板の加工方法は何があるの?」本記事では、このような疑問をお持ちの方に向け、アルミ板の種類や加工方法(曲げ・プレス・切削)について、詳しくご紹介します。アルミ板についてお悩みの方は、ぜひご一読ください。アルミの特性とアルミ板の種類アルミは、鉄や銅よりも軽量で、熱伝導性・導電性・展延性が高いのが特徴です。また、表面に酸化被膜を形成するため、耐食性も良好です。しかし、柔らかい素材なので、強度を持たせるために他の金属を添加している場合もあります。アルミニウムは、純度が99.0%以上のものを「純アルミニウム」、他の金属を添加したものを「アルミニウム合金」と呼びます。これらは、「番手」と呼ばれる、アルファベットのAとその後ろにつく4桁の数字でグループ分けされ、数字によって特性が異なります。ここでは、代表的なアルミ板の種類を紹介していきます。・1000番台(例:A1050)・2000番台(例:A2017、A2024)・5000番台(例:A5052)・6000番台(例:A6061)1000番台は、アルミの純度が99.0%以上のものを指します。純度が高いため、アルミニウム本来の加工性の良さや、強度の低さが顕著に表れています。A1050はアルミニウム純度が99.5%で、強度が低い分、加工性に優れています。2000番台は、アルミに銅とマグネシウムを加えた合金です。A2017は「ジュラルミン」、A2024は「超ジュラルミン」とも呼ばれ、鉄鋼材料に匹敵する強度を有しています。ただし銅を含んでいるため、耐食性にやや難があります。5000番台は、アルミにマグネシウムを加えた合金。強度を向上しながらも、耐食性や加工性に優れた素材です。A5052は、アルミ合金のなかだと中間ほどの強度があり、幅広い分野で使用されています。6000番台は、アルミにマグネシウムとシリコンを加えた合金。強度と耐食性に優れているため、ボルトやナットなどの接合部品や、船舶や車両などの材料に使われています。参考記事アルミ板の特徴については、以下の記事でも解説しています。⇒アルミ板の種類と板厚が丸わかり! 買うべき板が見つかりますアルミ板加工【曲げ加工】曲げ加工とは曲げ加工は、被加工材を任意の角度に曲げたり、Rを付けたりする加工のこと。曲げ加工は主に、ロール曲げ・板折り曲げ・ベンダー曲げがあります。ロール曲げは、複数のローラーの間に板材を通して加工。板折り曲げは、被加工材をベースプレートと上板で固定してから、折り曲げる加工方法です。ベンダー曲げは、プレス加工の一種で、金型を使って被加工材をプレスすることで成形します。参考記事アルミ板の曲げ加工については、以下の記事で詳しく解説しています。⇒アルミ板の曲げ加工について専門家が徹底解説!3つの曲げを紹介!曲げ加工のメリット・デメリット曲げ加工は、ロール曲げや板折り曲げだと、金型が不要で成形できます。そのため、イニシャルコストもかからず、素早い対応が可能です。円筒状にも成形できるので、任意の直径に製作することも可能。切削とは違い、材料を削らないため、ムダが出ないこともメリットと言えます。しかし、曲げ加工をする上で「スプリングバック」と呼ばれる現象に注意しなければなりません。「スプリングバック」とは、被加工材が曲げ加工される前の形状に戻ろうとする力が働き、目的の形状とずれてしまうことを言います。この現象を防ぐために、設計者や作業者は対策を講じなければなりません。対策の仕方によって精度に違いが出るので、高精度の製品を依頼する方は、加工メーカーとよく相談しておきましょう。曲げ加工の製作事例アルミ板曲げ加工品(材質:A5052 板厚:5mm サイズ:110×35×70mm)引用元:株式会社上野製作所アルミ板曲げ加工品(板厚:1.5mm)引用元:株式会社NIMURAアルミ板材曲げ加工品(板厚:0.8mm)引用元:株式会社NIMURA参考記事曲げ加工の製作事例は、以下の記事でも詳しく紹介しています。⇒アルミ板の曲げ加工について専門家が徹底解説!3つの曲げを紹介!アルミ板加工【プレス加工】プレス加工とはプレス加工とは、専用のプレス機と金型を用いて、被加工材を変形、またはせん断する加工のこと。金型は上型と下型を用意する必要があり、そこに被加工材を挟み込むことで、任意の形に成形します。プレス加工は、曲げ加工・せん断加工・絞り加工の大きく3種に分けられます。曲げ加工は、被加工材をプレスして押し曲げること。せん断加工は、穴あけパンチ器のように、プレスして切り抜いたり切ったりすることを言います。絞り加工は、被加工材をプレスして、上型と下型に沿った形状に変形させる加工。例を挙げると、板材からボウルのような形状に成形するようなものです。プレス加工のメリット・デメリットプレス加工は、金型を用意することで、簡単に同一の製品を生産できます。作業員の手もあまりかからなくなることから、スキルの違いによる品質の差が生まれにくいのもメリットです。しかし、金型や製造ラインを用意するのにお金と時間がかかる点には注意が必要。また、仕様変更などで、製品の形状に変化を加えなければならない場合も、即座に対応するのは困難です。このことから、プレス加工は小ロットや試作品の製作よりも、単純な形状の部品などを大量生産するのに適しています。参考記事プレス加工の基礎知識や種類については、以下の記事にて詳しく解説しています。⇒プレス加工の基礎知識や種類について専門家が徹底解説!プレス加工の製作事例自動車部品(材質:A5083 板厚:1.2mm 絞り加工)引用元:株式会社エヌエープロテック自動車部品(板厚:0.6mm 精度:±0.1mm程度 絞り加工)引用元:株式会社エヌエープロテックアルミ絞り品(材質:A5052 板厚:0.5mm サイズ:214×122×25mm 絞り加工)引用元:株式会社西野精器製作所アルミ板加工【切削加工】切削加工とは切削加工とは、被加工材を切る、または削ることで成形する加工のこと。切削加工には大きく分けて、旋削加工・転削加工があります。旋削加工は、被加工材を回転させ、そこに刃物を当てることで削る加工方法。転削加工は、被加工材ではなく、刃物を回転させて削ります。参考記事切削加工の特徴や種類などの詳細は、以下の記事で解説しているので、ぜひチェックしてみてください。⇒【切削加工とは?】特徴・種類・注意点を動画と一緒にご紹介します!切削加工のメリット・デメリット切削加工は、プレス加工と違い刃物を使って成形します。金型を用意する必要がないので、イニシャルコストを削減できるほか、小ロットであれば素早い対応も可能。また、構造が複雑かつ、高い精度の物を製作できるのもメリットです。ただし、材料を無垢の状態から削り出して成形するため、切粉が多く出たり、作業量も多くなることから、大量生産には比較的向いていません。また、アルミを切削加工すると、発生した熱によりアルミが溶けて、刃物に付着することもあります。アルミが刃物に付着すると、高い精度での加工ができません。これを防ぐためには、切粉を頻繁に取り除いたり、切削油を用いたりするなどの対策が必要です。切削加工の事例アルミ切削加工品(材質:A5052 サイズ:2×55×55mm)引用元:株式会社長濱製作所アルミ切削加工品(サイズ:450x150x10mm)引用元:株式会社タカヤマアルミ研磨プレート(材質:A5052 サイズ:30×200×300mm)引用元:プレート加工.com参考記事アルミ切削加工の特徴や製作事例については、以下の記事にて詳しく紹介しています。⇒アルミ切削加工ならMitsuri!1個からでもお受けいたします!アルミ板加工の見積り依頼をするならMitsuri今回はアルミ板加工について紹介しましたがいかがでしたでしょうか。アルミは軽量で、熱伝導性・導電性・展延性・耐食性に優れています。ただし、柔らかい材質のため、さまざまな金属を添加して、強度を持たせた合金として使用することが多い材料です。アルミ板の加工は、主に曲げ加工・プレス加工・切削加工があります。アルミは加工しやすい素材ですが、熱で材料が溶けたり、加工中にキズが付きやすいといった点には注意しなければなりません。このことから、高い精度が求められる製品を作る場合は、加工メーカー選びも重要です。アルミ板加工メーカーをお探しの際は、ぜひMitsuriまでご相談ください。日本全国で250社以上の協力企業と提携しているので、お客様の希望に沿うアルミ板加工メーカーが見つかります。お見積りは複数社から可能ですので、気軽にお問い合わせください。
看板の材料や建材に幅広く用いられているアルミ複合板ですが、看板用のものはカッターで切断できてしまうことをご存知でしょうか。そのため、四角形などの簡単な形状の看板であれば、自ら加工して用いることも不可能ではありません。ですが、安全にDIYをするには、手順を踏む必要がありますし、いくつかの注意点もあります。そこで、今回の記事では、アルミ複合板の簡単な説明をした後に、アルミ複合板を自らカットする方法やその際の注意点について解説します。また、工場に依頼してカットしてもらう場合のメリットについてもご紹介しますので、参考にしてください。アルミ複合板とはアルミ複合板とは、発泡ポリエチレン(発泡プラスチック)を2枚のアルミ板で挟み、貼り合わせた板材のことです。表面材に用いられているアルミは、軽量でサビにくく、加工しやすい素材です。さらに、芯材の発泡ポリエチレンは、安価で衝撃に強く、アルミよりも軽量な素材として知られています。これらを積層することで、単なるアルミ板よりも安価で軽く、発泡ポリエチレンシートのみで使用するよりも高い強度と優れた耐候性を実現しています。また、発泡ポリエチレンは、発泡性を調整すれば硬度を変えることが可能で、無機フィラー(充填材)などを混ぜ合わせれば耐火性を付与することもできます。そのため、様々なメーカーから、多様な性質を持つ発泡ポリエチレンを芯材としたアルミ複合板が販売されています。参考記事アルミ複合板の詳細や特徴、種類については、以下の記事で解説していますのでご覧ください。⇒アルミ複合板とは?用途から加工法まで解説!アルミ複合板の用途アルミ複合板は、主に看板用の資材や建材として用いられています。耐候性が高く、日差しが当たる雨ざらしの場所に設置しても、伸縮したり反ったりしにくい素材です。また、その比重が0.8g/cm2程度で、最もよく用いられる3mm厚のものでは、1㎡の重量が3kg程度と軽量です。従って、屋外に使用しても長持ちする上、高所に設置しても落下したときの事故のリスクが低くなります。さらに、軽量なため、運搬や設置も容易です。このような特徴から、アルミ複合板は、看板の資材に適した材料です。また、耐火性を持たせたものは、住宅のエクステリアやインテリア、オフィスの天井材やパーティションパネル、建築物の外壁など、建材としての用途が多数あります。アルミ複合板のカットのやり方アルミ複合板は、アルミ板厚が薄いものであれば、カッターでもカットすることができます。例えば、直線状に切断する場合は、以下のような手順で行います。①寸法を測り、切断線を描く。引用元:株式会社ハクロマーク製作所②切断線に定規を当て、傷を付けるようにカッターで軽く切る。引用元:株式会社ハクロマーク製作所③定規を当てながら、軽く切る作業を繰り返して溝を作る。④溝ができた後は、定規なしで溝にカッターを滑らして切る。引用元:株式会社ハクロマーク製作所⑤切断できるまで、カッターを溝に滑らして切る作業を繰り返す。引用元:株式会社ハクロマーク製作所⑥バリやカエリが生じるので、ヤスリなどをかけて仕上げる。このように、アルミ複合板は、表面のアルミに溝を作ることができれば、後はカッターが溝に沿ってスルスルと動きます。そのため、溝を作った後は、切り込みを深くしていく作業を繰り返すことで切断が可能です。なお、穴を空けたい場合は、電動ドリルなどが必要となります。ただし、この場合でも、バリやカエリは発生してしまうので、ヤスリがけなどで取り除く必要があります。アルミ複合板のカット時の注意アルミ複合板をカッターでカットする際には、以下のような点に注意する必要があります。アルミ複合板カット時の注意点①カッターが定規からずれないよう、なるべく厚い定規を使用する。②カッターの進行方向に手を置かないようにする。(軍手などを着ければより安全)③カッターが切断線からずれると滑る危険性があるので、切るときは力を入れ過ぎないようにする。④切断後のアルミ部分で手を切ってしまうことがあるので、面取りを行うと共に軍手など着けて取り扱う。以上の点に注意すれば安全に切断できますし、電動ドリルなどがあれば穴を空けることもできます。しかし、カッターでは、綺麗に切断することは難しく、曲線や円などの複雑な形状は切断できません。また、電動ドリルを保有していないことも多いのではないでしょうか。工場によるアルミ複合板のカット専用の機械を用いれば、曲線や円などの複雑な形状のカットはもちろん、文字形状の切り抜きも高品質に行うことができます。看板加工の工場では、直線状の切断に丸鋸や断裁機(パネルソー)、曲線状の切断や文字形状の切り抜きに上の写真にあるようなルーター加工機を用います。特に複雑な形状の切断や文字形状の切り抜きは、手動ではなく数値制御やコンピュータ制御で行い、カット用のデータを用意して加工機に入力します。その上で、アルミ複合板を機械に設置して切断や切り抜きを行います。下の動画では、ルーター加工機による文字形状の切り抜きをデモンストレーションしています。引用元:コムネット株式会社カットや穴あけだけでなく、曲げ加工やパンチング加工に対応している工場もあります。その場合、カットや穴あけに併せて、一定の曲げ半径で曲げたり、均一のピッチで穴を空けたりすることが可能です。Mitsuriでしたら、看板加工に特化し、様々な加工に対応できる工場をご紹介できます。看板加工やアルミ複合板の加工にお悩みの方は、ぜひMitsuriにご相談ください。工場へ依頼する事のメリットアルミ複合板のカットを工場へ依頼することには、以下のようなメリットがあります。カットを工場に依頼するメリット①一定の寸法のカットが可能②高精度のカットが可能③複雑な形状のカットや文字形状の切り抜きが可能④特殊な形状でなければ比較的安価にカットを依頼できる看板加工の工場の多くは、アルミ複合板を自動でカットできる機械を保有しています。そのため、大量のアルミ複合板を一定の寸法に正確にカットすることが可能です。さらに、上述したように、カッターでカットすることが難しい、複雑な形状のカットや文字形状の切り抜きにも対応しています。また、加工の需要が多い、直線カットや角R加工(角を一定の半径で丸みを付ける)、穴あけ加工などは、1枚又は1箇所当たり数百円程度と比較的低価格で加工してくれます。アルミ複合板のカットの見積り依頼ならMitsuri今回解説したように、アルミ複合板は自らカットすることができますが、それは直線状に切断するなど、簡単な形状に限られます。しかし、工場に依頼すれば、複雑な形状のカットができますし、単純な形状のカットも低価格で可能です。怪我の危険性や自分でカットする労力などを考えれば、工場にご依頼することがオススメです。Mitsuriは現在、全国に協力企業が250社以上あり、アルミ複合板のカットを得意とするメーカー様とお付き合いがあります。そのため、お客様に最適なメーカーをご紹介することが可能です。お見積りは複数社から可能です!アルミ複合板のカットのお見積りでお困りの際は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい!