ticker
【金属加工 Mitsuri】無償でご利用いただけるキャンペーン実施中!
株式会社Catallaxy(本社:東京都港区、代表取締役:大石裕明)は、板金・金属加工受発注プラットフォームMitsuriの事業拡大を目指して新CM「ミツリちゃん登場篇」を2019年11月15日(金)より静岡県で放映開始いたします。MitsuriのCM概要「ミツリちゃん登場篇 30秒」社員が外から帰ってくると、なんだか社長が電話口で大型案件を受注しているような様子。「そんな大型案件を頼める工場どこにあるの??」「すぐに対応しますって言ってるけど納期は大丈夫??」と崩れ落ちる社員…。そこにミツリちゃんが登場し、「そんな時は、金属加工プラットフォームのMitsuri!」すると、社員のパソコンにMitsuriの画面が映し出され、「もう見積りが5社も来ている!」最後はイラストでMitsuriの説明をし、締めくくります。MitsuriのCM詳細CMタイトル:ミツリちゃん登場篇 30秒放映開始日:2019年11月15日(金)~放送エリア:静岡県出演:湯川玲菜、本間剛、大門崇☟ミツリちゃん役 湯川玲菜さんインタビュー記事はこちら【Mitsuriちゃん】CMで話題の女の子にインタビュー!!MitsuriについてMitsuriは一流の板金・金属加工業社を集めた金属加工受発注プラットフォームとして、金属加工を依頼したい人と受けたい人を繋ぐ場を提供しております。これまでに板金・金属加工の3,000件以上のご相談実績があり、2019年11月現在の登録加工業社は150社以上です。Mitsuriには3つの大きな特徴があります。①試作・設計段階から金属加工工場に相談可能Mitsuriでは、金属加工依頼者とMitsuriの登録金属加工工場とで直接やり取りをしていただきます。それにより、従来の営業担当者との煩わしいやり取りを排除し、プラットフォーム上で直接やり取りすることによって、時間・コストの削減を実現します。②完全無料で最適な工場をご案内Mitsuriは金属加工依頼者様から費用は一切いただきません。さらにMitsuriの技術担当が無料で最適な業者様をご案内いたします。設計に自信がない方でも安心してご利用いただけます。③複数社からのお見積もりをラクラク管理見積依頼を出した後は、Mitsuriの登録金属加工工場から来た見積りを一元管理し、金属加工依頼者様のご要望に合った工場とチャットでやり取りを開始します。見積もりが届いた工場を必ず契約しなければいけない訳ではありません。また、断る負担もありません。会社概要社名:株式会社Catallaxy(カタラクシー)会社HP:https://catallaxy.me/設立日:2015年7月9日所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門5-11 オランダヒルズ森タワーrop 601資本金:5000万円(資本準備金込)代表取締役:大石裕明(Hiroaki Ohishi)電話番号:03-4405-6976メール:info@catallaxy.me取得免許:東京都知事(1)第100285号
みなさんは、焼付塗装というものをご存じでしょうか?私達の身の回りや仕事先でも焼付塗装された製品はとても多くあります。今回は、そんな焼付塗装について詳しくご紹介いたします。また、焼付塗装の依頼ができる工場合わせて紹介していますので、ご依頼先にお困りの方は参考にしてください。焼付け塗装とは?焼付塗装(金属塗装)とは、金属パーツや金属部品等に強度の塗装をする方法の一つです。主に鉄・アルミ・ステン・真鍮・などの金属に対して、140℃~200℃で焼付乾燥させます。この焼付塗装の大きな目的は、装飾性と防錆性(防食性)を高めることです。この塗装をしないと、ほとんどの金属は、すぐに錆びてしまったり、汚れてしまったりします。その為、一般的に金属は焼付乾燥をする方が、硬度や耐薬品性にも優れた性質をもたらし、長持ちします。また、使用される焼付け塗料については、多くはメラミン・アクリル等ですが、 金属の種類によっては、100℃以内の乾燥温度におさめていないと変形してしまうものもあるので、塗装する金属には注意が必要です。焼付け塗料とは、高温の熱をかけることによって硬化する塗料のことです。この塗料にも、最適な乾燥をさせるための適温がありますが、100度ぐらいのものから200度以上のものまでと成分によって異なるため、一概に何℃が適温かと定めることは難しいです。様々な塗料がある焼付塗装ですが、特殊な塗装を除けば、主に①メラミン焼付塗装、②アクリル焼付塗装、③フッ素焼付塗装の3種類に分類することができます。①メラミン焼付塗装メラミン焼付塗装は、最も一般的な焼付塗装として知られています。合成樹脂焼付塗装とも呼ばれています。アミノ樹脂とアルキド樹脂で作られた塗料を静電塗装し、130~140℃の比較的低温で焼付乾燥させるという方法です。メラミン焼付塗装は、塗装の中でも比較的短時間で焼付が可能です。塗膜の性質は、保色性が良く耐候性・耐薬品性・耐磨耗性も平均レベルを有しています。②アクリル焼付塗装アクリル焼付は、メラニン焼付塗装に比べ、難易度の高い塗装方法になります。通常140度~180度、20分程の加熱乾燥が必要であり、乾燥温度が非常に高温になるため、取り扱いが難しく、焼付け塗装専門業者の中でも、すべての業者が扱っているものではありません。しかし、メラミン焼付塗装に比べると、耐候性、耐薬品性に優れますので、屋内用途にも幅広く使われています。外観も金属光沢が透けて見え、カラー色がついているため、独特の高級感のある塗装が可能です。デメリットは、耐用年数が短い点です。耐用年数は4~7年ほどなので早く劣化してしまいます。また、メラミン塗装と比較すると、膜厚がつきづらい特徴があります。アクリル焼き付けは、熱により硬化して本来の性能が発揮される塗料なので、熱を加えられない素材には使用できません。③フッ素焼付塗装フッ素焼付塗装は、フッ素樹脂塗料という焼付塗料を塗装します。この塗装は、高耐久性塗料とも呼ばれており、塗装の中でも耐候性が高く、長期の紫外線や雨風の影響を防ぎ、防汚染性能がついているものは綺麗な塗装を維持できます。色の変色や艶引けの面でも、他の樹脂と比べても美しく仕上がる為、六本木ヒルズなどの有名な建築物などにも使用されています。また、フッ素樹脂塗装は、耐用年数が長く(15年以上)、メンテナンスサイクルコストを抑えようと思っている方におすすめです。高性能なフッ素樹脂塗装ですが、価格が高いというデメリットがあります。フッ素は最も高級な塗料で、30坪の住宅でも100万円を超えるほどの施工金額になってしまいます。その為、短期的な使用に使うのには向かない塗料です。逆に長期間の美観を保持したい方には、おすすめできる塗料になります。フッ素樹脂塗装は、下処理、下塗り、中塗り、上塗りを基本として、どれが抜けたとしても塗装のもちが大幅に異なる塗装方法です。フッ素塗料の効果を確実に引き出せる優良業者を選ぶことが大切です。焼付塗装の対応が可能な工場3選!①日本ペイント株式会社引用元:日本ペイント株式会社基本情報本社:東京都品川区南品川4-7-16TEL: 03-5479-3600FAX:03-3740-1191設立:1881年3月14日加工:塗料関連製品の製造・調色・加工 等素材:鉄・アルミ 等HP:https://www.nipponpaint-holdings.com/日本ペイント株式会社は、全国に支店がある大手塗装メーカーです。様々な塗装をしているだけでなく、全国に支店があることから、全国の依頼に対応しています。また、日本ペイント株式会社は、国内で唯一、塗料と表面処理を総合的に扱うメーカーとして、幅広い技術・サービスをワンストップで提供しています。 その為、迅速な対応が可能です。②関西ペイント株式会社引用元:関西ペイント株式会社基本情報本社:大阪市中央区今橋二丁目6番14号TEL:06-6201-1116設立:1918年5月加工:塗料関連製品の製造・調色・加工 等素材:鉄・アルミ・ステンレス等HP:https://www.kansai.co.jp/100th/関西ペイント株式会社は、大阪に本社がある大手塗装会社です。建築用塗装から工業用塗装まで幅広い塗装が可能です。また、日本だけでなく海外でも拠点を置き、活躍の場を広げています。創立から100年経った今でも、常に先進の実験機器や分析機器を導入して精力的な研究を展開しており、進化し続ける会社として全国からも評価されています。③合資会社 加納塗装工業所引用元:加納塗装工業所基本情報本社:愛知県 名古屋市西区山木一丁目158番地TEL::052-501-6623設立:1963年加工:塗料関連製品の加工 等素材:鉄・アルミ・ステンレス 等HP:http://www.yakitsuketoso.com/加納塗装工業所は、焼付塗装を専門としている会社です。金属電着塗装をメインに、焼付塗装、粉体塗装、耐熱塗装など、幅広い塗装依頼を受けています。50年近く塗装業で大手製品取扱い実績と信頼を重ねており、質の高い塗装が可能です。また、試作品塗装といった小ロットや急ぎの案件にも、対応しています。焼付塗装の加工実績引用元:日本ペイント株式会社引用元:関西ペイント株式会社フッ素焼付塗装引用元:加納塗装工業所耐熱塗装 ストーブ部品焼付塗装ならMitsuri!全国どこでもお受けいたします!今回は焼付塗装についてご紹介させて頂きましたが、いかかでしたでしょうか。焼付塗装といっても、様々な種類があり、効果も違います。また、塗装の難易度が高いものは、依頼できる塗装会社も限られてきます。もし、焼付塗装についてお悩みの時は、Mitsuriにご相談下さい。Mitsuriは、日本全国に協力企業が100社ございます。そのため、お客様にとって最適な素材の選択に加えて、焼付塗装の得意な工場のご紹介も可能です。焼付塗装でお困りの時は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい!
アーク溶接の種類や原理、仕組みを解説しました。電圧設定や温度分布にも触れています。アーク溶接は最も幅広く利用されている溶接加工であるがゆえに、どの工場に頼むのが適切なのかわからないケースがとても多いです。お悩みの方は一度、Mitsuriまでお問い合わせください。アーク溶接の原理メカニズムと仕組みアーク溶接の原理メカニズム図1:アーク溶接の原理メカニズム ①2つの空間的に離れた電極に電圧をかけます。②空気の絶縁が破壊されると、電極の間に電流が流れます。③電流が流れるのに伴って、弧状の強い光(アーク)と高温の熱が発生します。④この高温の熱を用いて行う溶接を「アーク溶接」といいます。アーク溶接は「アーク放電」という気体中に生じる放電現象を利用した溶接方法です。「アーク放電」とは、電極に電流を流した状態で接触させ引き離すと起こるもので、非常に強い光と高熱を発するのが特徴です。例えば、身近なものでは電化製品のプラグをコンセントから引き抜いたときに発生するスパークが、アーク放電です。アーク放電は、溶接以外にプラズマ切断や放電加工にも用いられる放電現象です。溶接で使用するアーク放電は、高いもので太陽の表面温度を超える2万度ほどにもなり、あらゆる母材を溶融させることが可能です。放電現象を利用することから、基本的にアーク溶接の対象は電気伝導体のみです。そのためアーク溶接は電気溶接と言われることもありますが、その場合は抵抗溶接(スポット溶接)も含むのが一般的です。アーク溶接は超高温によってあらゆる母材を溶融させることができますが、その高温によってアーク放電を生み出す電極そのものも溶融することがあります。アーク溶接の電圧設定と温度アーク溶接においては、母材から電極へアークを起こす必要があります。電圧の設定は、電極(溶接棒)側がプラス電圧、母材側がマイナス電圧です。・出力電流:5A~1,000A・出力電圧:8~40V・アーク温度:5,000°C~20,000°Cアーク溶接の種類図2:アーク溶接の種類アーク溶接は、電極が溶融するか否かによって2種類に大別されます。 電極が溶融して消耗する消耗電極式溶接(溶極式)と、電極は溶融せず溶加材(溶接棒)を母材へ溶かし込む非消耗電極式溶接(非溶極式)です。消耗電極式溶接と非消耗電極式溶接は、それぞれ次の種類があります。消耗電極式溶接・被覆アーク溶接・炭酸ガスアーク溶接・マグ溶接(MAG溶接)・ミグ溶接(MIG溶接)・サブマージアーク溶接・セルフシールドアーク溶接・スタッド溶接非消耗電極式溶接・ティグ溶接(TIG溶接)・プラズマアーク溶接消耗電極式溶接の特徴!メリット&デメリット消耗電極式溶接(1)被覆アーク溶接(2)炭酸ガスアーク溶接(3)マグ溶接(4)ミグ溶接(5)サブマージアーク溶接(6)セルフシールドアーク溶接(7)スタッド溶接(1)被覆アーク溶接被覆アーク溶接は、被覆剤(フラックス)を塗布した溶接棒を電極にして、母材との間に発生したアークの熱を利用して溶接するものです。一般には、手溶接法と呼ばれています。被覆アーク溶接は溶接棒を使い分けることで、様々な母材に対応できる手軽さもあり、これまで主流の溶接法として活躍してきました。最近では、より効率のよい溶接法が利用されることも多く、利用範囲は減少傾向です。それでも現場溶接では手軽さが重宝される場面はまだ多く、活躍のシーンが完全になくなることはないと考えられます。被覆アーク溶接メリット①設備、装置が小型で安価なので導入しやすい②被覆剤が溶融して発生するガスやスラグ(*1)が母材を覆うことで、現場環境による影響を受けにくい(=シールド効果を得やすい)③手作業が前提となるため、素材や構造によらず溶接が可能デメリット①溶着効率が低く、溶接棒の交換やスラグ除去などの手間がかかる②多量のヒューム(*2)が発生する③溶接者の技量によって品質に差が生まれる(*1)スラグ:溶接の際に発生する、溶融した金属から分離して浮かぶかす。鉱滓、溶滓、のろなどとも呼ぶ。(*2)ヒューム:溶接の際に発生した金属蒸気が凝集して、微細な粒子となったもの。吸入すると、ヒューム熱などの原因となり得る。炭酸ガスアーク溶接アーク溶接する際、金属が酸化するのを防ぐためにガスをシールドとして利用するものを総称して「ガスシールドアーク溶接」と言います。その中でも、シールドガスに炭酸ガス、または炭酸ガスを中心とした混合ガスを用いるものを、炭酸ガスアーク溶接と呼びます。炭酸ガス(CO2)アーク溶接、ミグ溶接、マグ溶接の違いは、使用するガスの違いです。被覆炭酸ガスアーク溶接メリット①炭酸ガスが安価であるため経済的②薄板溶接に向いている③アークの状態を確認しながら作業ができるデメリット①厚板溶接には向いていない②作業者が発生した一酸化炭素を吸わないよう換気に注意が必要③スパッタ(*3)が比較的発生しやすく、接合面の外観が悪くなる④ガスを使用するため、風の影響を受けやすい(*3)スパッタ:溶接時に飛散する微粒子。塗装や溶接などの欠陥の原因になり、品質に悪影響を与える。参考:炭酸ガスアーク溶接とは?【3分でわかる】向いている金属もご紹介!炭酸ガスアーク溶接は、たいてい半自動溶接として使われる工法です。半自動溶接とは、消耗する電極を自動的に供給する溶接トーチを利用するものです。溶接棒の代わりに、コイル状に巻いた溶接ワイヤーを、送給ローラーでトーチ先端に送ります。ワイヤーはトーチ先端のコンタクトチップで通電され、炭酸ガスの雰囲気(*4)中で母材との間にアークを発生し、その熱で母材とワイヤーを溶かして接合します。炭酸ガスアーク溶接における「炭酸」とは二酸化炭素のことです。作業中に化学反応によって、一酸化炭素を生じます。そのため、作業者は一酸化炭素を吸い込まないように注意が必要です。(*4)ガスの雰囲気:シールドガスなどの特定の気体そのものの状態や、その気体の条件下にある状態を指すミグ溶接(MIG溶接)図3:マグ溶接とミグ溶接参考:ミグ溶接を徹底解説!【専門家が語る】素人でも3分で理解できます!シールドガスとして、炭酸ガスの代わりにアルゴンやヘリウムなどの不活性ガスのみを使用するものをミグ(Metal Inert Gas)溶接と呼びます。ミグ溶接もガスシールドアーク溶接の一種であり、工法は炭酸ガスアーク溶接と基本的に同様で、半自動溶接として使われます。ミグ溶接(MIG溶接)/ 不活性ガスのみメリット①溶接速度が速く、仕上がりが美しくなる②非鉄金属にも使用できるデメリット①不活性ガスが高価でコストが高い②不活性ガスはアークが広がりやすく、接合面の溶け込みが浅くなり溶け込み不良が発生しやすい。 ※溶け込み不良があると、強度低下、応力集中による亀裂発生などに繋がる可能性がある③ガスを使用するため、風の影響を受けやすいミグ溶接には、炭酸ガスアーク溶接に比べて仕上がりが美しくなるという特徴がありますが、日本ではアルゴンガスやヘリウムガスが高価なことから、高い精度品質を求められない場合は炭酸ガスアーク溶接が用いられることが多いです。これに対して、アメリカやヨーロッパでは不活性ガスが比較的安価なため、よく使われる傾向にあります。マグ溶接(MAG溶接)マグ溶接(MAG溶接)/ 不活性ガスと炭酸ガスの混合メリット①ミグ溶接よりも溶け込みが深くなる②炭酸ガス溶接よりもスパッタの発生が少ないデメリット①炭酸ガスを使用するため、非鉄金属(アルミニウムなど)には使用できない②ガスを使用するため、風の影響を受けやすい参考:マグ溶接を徹底解説!【専門家が語る】素人でも3分で理解できます!シールドガスとして、不活性ガスと炭酸ガスの混合ガスを使用するものをマグ(Metal Active Gas)溶接と呼びます。マグ溶接もまたガスシールドアーク溶接の一種であり、工法は炭酸ガスアーク溶接と同様で、通常は半自動溶接として用いられます。不活性ガスのみを用いるミグ溶接の場合、溶接面などの仕上がりが美しくなる一方で、アークが広がりやすく溶け込みが浅くなってしまいます。アークを細く集中させる作用のある炭酸ガスを混合し、溶け込みを深くさせるのがマグ溶接です。サブマージアーク溶接サブマージアーク溶接は、散布した粒状の被覆剤(フラックス)中にワイヤを自動送給して、ワイヤーと母材の間にアークを発生させて溶接する方法です。被覆アーク溶接における溶接棒の心線と被覆剤を分離させて、自動溶接を可能にしました。サブマージアーク溶接メリット①太いワイヤーと大電流を用い、スピーディな溶接が可能②溶け込みの深い溶接ができる③フラックス中でアークが発生するため遮光が不要④スパッタやヒュームの発生が少ない⑤風の影響をほとんど受けない⑥仕上がり品質が作業者の技量にほぼよらないデメリット①溶接時の姿勢が、下向き、水平、横向きに限られる②溶接面の形状が、直接かそれに近い曲線に限られる③フラックスの供給と回収、スラグの剥離が必要④溶接熱が大きくなりすぎると、影響部の軟化や脆化を生じることがあるセルフシールドアーク溶接CO2溶接・MIG溶接・MAG溶接といったガスシールドアーク溶接に対して、ガスを使用しない溶接法をセルフシールドアーク溶接(=ノーガスアーク溶接、ノンガスシールドアーク溶接)と呼びます。セルフシールドアーク溶接は、ガスシールドアーク溶接やサブマージアーク溶接とは違い、外部から被覆剤やガスを供給することなく溶接する方法です。チューブ状の溶接ワイヤーに脱酸材と被覆剤を装填してあり、アーク発生とともにアーク柱および溶融池を外気の酸素や窒素から保護して溶接します。セルフシールドアーク溶接メリット①ガスボンベ不要で手軽に溶接できる②ガスを使用しないため、風の影響を受けない デメリット①ガスシールドアーク溶接に比べ、スパッタやヒュームが多く出る②仕上がりは被覆アーク溶接と同程度③ボンベ不要な代わりに専用ワイヤーにコストがかかるスタッド溶接今回はアーク方式のスタッド溶接について解説します(*5)。(*5)通常、単に「スタッド溶接」と言った場合は、板の裏面に影響を及ぼさないCD方式、板厚に対して6~8倍のスタッドを接合できるショートサイクル方式、M6~M25のスタッドが接合できるアーク方式の3方式を含みます。スタッド溶接は、溶接棒や溶接ワイヤーを使いません。スタッドと呼ばれるピンを専用のガンに取り付けて、母材に押し当てた状態で電流を流して引き上げることで、アークを発生させて溶接します。スタッド溶接メリット①溶接時間が短く、母材に与える影響が少ない②溶接品質が技量によらない③生産性と接合強度が高い デメリット①溶接可能な箇所と不可能な箇所がある②明確な検査方法がない非消耗電極式溶接の特徴!メリットとデメリット非消耗電極式溶接ティグ溶接(TIG溶接)プラズマアーク溶接ティグ溶接(TIG溶接)図4:ティグ溶接ティグ溶接(TIG溶接)は、熱に強いタングステン電極と被溶接物との間にアークを発生させ、アーク部をアルゴンやヘリウムなどの不活性ガスでシールドして溶接する方法です。TIGは、Tungsten Inert Gasの略です。金属の中でも最も融点の高いタングステンを電極として使用することで、電極をほとんど消耗せずに溶接できます。電極が溶融しない代わりに、ごく薄板の場合を除いて、溶融部の金属を補うためにフィラーワイヤー(溶加棒)が使用されます。ティグ溶接法はあらゆる種類の金属の溶接が行えますが、ステンレスの溶接には直流が、アルミの溶接には交流の溶接電源が使用されます。ティグ溶接(TIG溶接)メリット①薄板、複雑な形状など精密な溶接が可能②溶接後の仕上がりが美しい③不活性ガスを用いるため、スパッタがほぼ出ない④電極の消耗がない(少ない)ため、長時間の連続溶接が可能デメリット①ガスを使用するため風の影響を受けやすい②溶接速度が遅く、大量生産などに向かない③速度が遅いせいもあり、不活性ガスのコストがかかる④仕上がりが作業者の熟練度によるプラズマアーク溶接図5:プラズマアーク溶接プラズマアーク溶接は、イオン化した不活性ガスをプラズマガスとしてノズル孔から噴出し、アークの導電体とする溶接法です。タングステン電極を用いる点はティグ溶接と同様ですが、より幅の狭いアークが発生するため、深い溶け込みが得られます。プラズマアーク溶接メリット①高エネルギーのアークで、高速かつ歪みの少ない溶接が可能②アークの指向性が高く、アーク蛇行せず仕上がりが美しくなる③スパッタが発生しない④電極の消耗がない(少ない)ため長時間の連続溶接が可能⑤薄板の溶接も可能デメリット①溶接トーチの操作にやや制約がある②装置の価格が高く、消耗部品が多い、ガス使用量が多いなどランニングコストがかかる③溶接制度が厳しいアーク溶接の資格アーク溶接は電気エネルギーを用いて、非常に強い光と高熱を発する溶接方法であるため、感電や爆発などといった重大な事故の原因となる危険性を秘めています。アーク溶接を業務として遂行するためには、その専門性・危険性から、アーク溶接に関する特別な講習を受けることが推奨(*6)されています。(*6)資格取得は"推奨"されていますが、資格なしでもアーク溶接することは可能です。アーク溶接の業務に係る特別教育アーク溶接特別教育講習を受講すると、修了証を得られます。他の溶接に関する資格ではペーパーテストで終わることも多いですが、アーク溶接の資格においては、講義と実技の両者を受講する必要があります。機器の取り扱いに伴う安全リスクが存在する溶接作業のため、熟練者の徹底した指導の下で認定を得る仕組みです。受講後には簡単な実技試験もあり、職業訓練センターでも行われています。<費用>アーク溶接の特別教育は各都道府県の企業や公的機関などで実施しており、受講する場所によって金額が異なります。目安としては、テキスト代を含め、消費税込みで10,000円から25,000円です。<講習内容及び日数>アーク溶接の特別教育は合計で11時間の学科と10時間以上の実技を受講することで修了です。学科のみであれば1日半、実技も加えると3日間の日数で講習が完了します。<一般的なアーク溶接特別教育の講習内容及び講習時間>溶接に関する知識1h溶接装置の知識3h溶接作業の知識6h関係法令1h実技教育(各事業所にて)10h以上アーク溶接作業者の資格は、アーク溶接の取扱に関する講習を受けた人であれば誰でも取得できます。また、アーク溶接作業者の資格には期限がないので更新の必要はなく、一度取得すれば一生有効になる資格です。アーク溶接の資格を活かせる仕事アーク溶接の資格は幅広い用途で利用することができ、あらゆる金属構造物を扱う仕事に役立ちます。代表的なものには、自動車や鉄道車両、船舶や航空機などの分野が挙げられます。また、金属構造物のみならず、建設・土木業や官工事業や解体工事業などにも必要不可欠な技術です。アーク溶接の資格は、プロの溶接工への第一歩として考えられています。アーク溶接のご依頼でお困りではありませんか?Mitsuriならご希望に沿う工場が見つかります。下の赤いボタンをクリックして、お問い合わせください!
SUS304やSUS430というのはステンレスのことを言います。記事のタイトルを見た時、この記号のようなものがステンレスのことだと知っている人はどれほどいらっしゃるでしょうか。製造業にたずさわる人でない限り、この英語と数字を見てパッと想像がつく人は少ないかもしれませんね。今回の記事ではそんな不可解なアルファベットや数字の意味も含めて、ステンレスについて細かく解説していきたいと思います。ステンレス材の選び方についてはこちら!材質として、SUS304とSUS430をどういう基準で選べばいいのかを簡単に動画で解説しています!4分程度でサクッと見れるので、お時間が無い方はぜひ!YouTubeにて、金属加工Mitsuriチャンネル運営中!こちらからご覧ください!ステンレスの加工に関する記事:【ステンレス加工】ステンレスの加工方法や加工実績について徹底解説!SUS304,SUS430とは?冒頭でも話した通り、SUS304やSUS430とはステンレスのことです。ステンレスというのは台所の洗面台やスプーン・フォークなどに使われる銀色の金属のことですね。ステンレスは同じような意味でステンレス鋼とも呼ばれ、日常的に私たちの生活に役立てられています。スプーンやフォークから想像しやすいと思いますが、ステンレスは錆びに強いため、水回りの製品に使われることが多い金属です。普通金属は、水や空気に触れるとすぐに腐食していく錆に弱い性質を持ちますが、溶かした鉄にクロムやニッケルなどの錆に強い金属を混ぜることで錆びにくい合金鋼(ごうきんこう)になります。ステンレスは混ぜられる金属の種類や量によって特徴や性質が変わり、その種類はなんと200種類以上にも及びます。その中でもSUS304は最もよく使用されており、世界中で使われているステンレスの約7割がSUS304の種類だったりします。ではここからは、もっとかみ砕いて説明してきましょう。まずはSUSと番号の意味から。SUSとは、『Steel Use Stainless』というステンレスを英語で表記した時の頭文字です。読み方はSUS304(サスさんまるよん)、SUS430(サスよんさんまる)、単純に数字だけで「さんまるよん」と略して呼ぶこともありますね。そして、番号の方はステンレスの種類を表します。ステンレスの番号はそれぞれ下3桁の数字で種類が分別されており、300番台が『オーステナイト系』、400番台が『フェライト系』か『マルテンサイト系』のステンレスに分類されています。ステンレスの分類を詳しく知りたい方向け参考:オーステナイト系ステンレス鋼の基礎知識まとめ参考:フェライト系ステンレス鋼の基礎知識まとめ参考:マルテンサイト系ステンレス鋼の基礎知識まとめSUS304は300番台なのでオーステナイト系のステンレス にあたりますね。400番台はマルテンサイト系もありますが、SUS430の種類はフェライト系のステンレスになります。その中でもSUS304はオーステナイト系の代表格で、SUS430はフェライト系の代表格と言われています。SUS304については先に述べましたが、SUS430も代表格と言われるだけあってそれだけよく使われている種類ということですね。以下はステンレスの種類のおおまかな分類です。ステンレスの種類200番台・・・(Cr-Ni-Mn系)オーステナイト系ステンレス鋼300番台・・・(Cr-Ni系)オーステナイト系ステンレス鋼400番台・・・(Cr系)フェライト系およびマルテンサイト系ステンレス鋼600番台・・・(PH系)析出硬化型ステンレス鋼オーステナイト系やらフェライト系やらの分類の違いは、どの種類の主要元素が入ってるかで変わります。主要元素とはクロム(Cr)やニッケル(Ni)などの鉄に混ぜられる金属のことです。300番台のオーステナイト系はクロムとニッケルが入っており、400番台はクロムのみが入っています。基本的にクロムのみのSUS430よりも、クロムとニッケルが混ぜられたSUS304の方が高価で優秀です。さすが世界の7割が使っているだけあって、やはりSUS304は使い勝手が良いです。SUS304とSUS430の特徴SUS304とSUS430はどちらも優秀で代表的なステンレス素材ですが、違う種類と定められているだけあってやはり性質や性能には違いがあります。同じステンレスでも結構違いがあるので、どう違うのか一つ一つ見ていきましょう。耐熱性SUS304もSUS430もどちらも優れた耐熱性を持っていますが、SUS304の方が高い耐熱性を持っています。特にSUS304は熱伝導率が低く、保温効果があるのでなかなか熱を逃がしません。そのため、温かい飲み物を入れても冷めにくくしたい、水筒やコップを作るのに適しています。耐食性耐食性とは腐食のしにくさ、金属で言うと錆びにくさを表します。ステンレスは元々錆びにくい性質を持つため、耐食性でもSUS304、SUS430と共に高い耐食性を持ちますが、こちらもSUS304の方が優れています。ニッケルには耐食性を高める役割があるので、それが含まれるオーステナイト系のステンレスがより錆びにくくなります。強度強度もSUS304が勝ります。ニッケルを混ぜると強度が高くなる働きもあるため、クロム単一のフェライト系はどうしても劣りますね。ただし、加工硬化という現象により、一度加工することで強度は上がるものの、ステンレスが硬くなって次の加工がしにくくなるというデメリットもあるため、加工する際には留意する必要があります。磁性オーステナイト系のSUS304は磁石にくっつかず、フェライト系のSUS430はくっつきます。これはオーステナイト系とフェライト系の原子の構造に違いがあり、オーステナイト系は磁性を打ち消し合う構造になっているためです。もともと鉄やクロム、そしてニッケルにも磁性があるものの、ニッケルは混ぜることにより構造が変化して、原子が磁石を打ち消し合う向きに並んでしまうんですね。ですが、一部の種類は加工の仕方により磁性を持つものも存在します。値段性能が高いだけあってSUS304の方が値段が高くなります。ニッケルが高価な素材であるため、その分がかさ増しされる感じですね。文章で説明したうえではSUS430がずいぶん劣っているようになってしまいましたが、実際にはそんなことありません。SUS430も耐久性にも加工性にも優れ、コストも安いので非常に使いやすい素材です。特に日本ではフェライト系ステンレスの普及や研究も進んでおり、従来ではオーステナイト系でないとできなかった複雑な加工ができるようになってきています。フェライト系で代用できるようになればコストが安い分、経営的に大助かりですので、将来的にはフェライト系が主流になっている未来もあるかもしれません。SUS304とSUS430の使い分け・用途SUS304もSUS430も優秀なだけあって非常に幅広い分野で使われています。ステンレスは重すぎず軽すぎず、丈夫さもそこそこある大変使い勝手の良い金属なので、身近な小物から想像以上に大きな産物にもなっていたりします。SUS304SUS304は優秀がゆえに役割も非常に重大です。高い耐熱性・耐食性そして丈夫さから、原子力機器や化学プラント設備などの重要な工業設備、私たちの身近なところでは、エレベーターの横の銀板や電車の外板などでも使用されています。さらに熱伝導率と保温性、衛生面の良さから食品を多く取り扱う工場や飲食店でも採用されており、私たちが生きるためになくてはならない存在となっています。また、SUS304はいろいろな方法で加工でき、その加工のしやすさから複雑な形状の製品も作り出すことができます。引用元:有限会社 荒木溶接工業所 株式会社イツワ工業画像のような曲がりくねった製品も加工性の良いSUS304であれば製造が可能です。身近なところでも縁遠いところでも、SUS304は世界中の端から端まで活躍しているんですね。SUS304をもっと知りたい!参考:SUS304とSUS304Lの違いと使い分け参考:SUS304L(ステンレス鋼)成分、比重、切削性、機械的性質参考:SUS304TP|jis規格の違いと使い分け、スケジュール番号参考:SUS304N2(ステンレス鋼)切削性、機械的性質、成分SUS430参考:SUS430(ステンレス鋼)成分、磁性、加工性フェライト系ステンレスは水回りの製品に使われていることが多い素材です。主にスプーンやフォークといった台所製品や業務用冷蔵庫や大きな鍋などの厨房製品、そしてポットや洗濯機などの家庭用電化製品。さらには自動車の排気管や建物の屋根など建築・土木の分野でも活用されています。錆びにくいため、いくら雨が降っても問題ないということですね。有名なところでは、プロ野球のオリックスバファローズの本拠地である大阪ドームの屋根がフェライト系のステンレスを使っています。引用元:Wikipediaステンレスは鉄ほどに重く硬くなく、アルミほど軽く柔らかくないバランスの取れた金属です。食器やおたまなどの小物から電車の外板やドームの屋根のような大きな物まで多彩な使われ方をしています。重さが手ごろで耐久性、耐食性があり、金属としての寿命が長いステンレスならではの活用の広さと言えるでしょう。その使い勝手の良さから、これからもますます新しい製品が生み出され、私たちの暮らしの役に立つでしょう。ステンレスに関する他の記事参考:【ステンレス溶接】溶接方法を製品事例を交えて徹底紹介!!参考:ステンレスのレーザー加工ならMitsuri!依頼先でお困りならご相談ください!参考:ステンレスのレーザー 加工ならMitsuri!【協力工場140社以上】最適な工場をご紹介します!
株式会社Catallaxy(本社:東京都港区、代表取締役:大石裕明)は、板金・金属加工受発注プラットフォームMitsuriの事業拡大を目指して新CM「ミツリちゃん登場篇」を2019年11月15日(金)より静岡県で放映開始いたします。MitsuriのCM概要「ミツリちゃん登場篇 30秒」社員が外から帰ってくると、なんだか社長が電話口で大型案件を受注しているような様子。「そんな大型案件を頼める工場どこにあるの??」「すぐに対応しますって言ってるけど納期は大丈夫??」と崩れ落ちる社員…。そこにミツリちゃんが登場し、「そんな時は、金属加工プラットフォームのMitsuri!」すると、社員のパソコンにMitsuriの画面が映し出され、「もう見積りが5社も来ている!」最後はイラストでMitsuriの説明をし、締めくくります。MitsuriのCM詳細CMタイトル:ミツリちゃん登場篇 30秒放映開始日:2019年11月15日(金)~放送エリア:静岡県出演:湯川玲菜、本間剛、大門崇☟ミツリちゃん役 湯川玲菜さんインタビュー記事はこちら【Mitsuriちゃん】CMで話題の女の子にインタビュー!!MitsuriについてMitsuriは一流の板金・金属加工業社を集めた金属加工受発注プラットフォームとして、金属加工を依頼したい人と受けたい人を繋ぐ場を提供しております。これまでに板金・金属加工の3,000件以上のご相談実績があり、2019年11月現在の登録加工業社は150社以上です。Mitsuriには3つの大きな特徴があります。①試作・設計段階から金属加工工場に相談可能Mitsuriでは、金属加工依頼者とMitsuriの登録金属加工工場とで直接やり取りをしていただきます。それにより、従来の営業担当者との煩わしいやり取りを排除し、プラットフォーム上で直接やり取りすることによって、時間・コストの削減を実現します。②完全無料で最適な工場をご案内Mitsuriは金属加工依頼者様から費用は一切いただきません。さらにMitsuriの技術担当が無料で最適な業者様をご案内いたします。設計に自信がない方でも安心してご利用いただけます。③複数社からのお見積もりをラクラク管理見積依頼を出した後は、Mitsuriの登録金属加工工場から来た見積りを一元管理し、金属加工依頼者様のご要望に合った工場とチャットでやり取りを開始します。見積もりが届いた工場を必ず契約しなければいけない訳ではありません。また、断る負担もありません。会社概要社名:株式会社Catallaxy(カタラクシー)会社HP:https://catallaxy.me/設立日:2015年7月9日所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門5-11 オランダヒルズ森タワーrop 601資本金:5000万円(資本準備金込)代表取締役:大石裕明(Hiroaki Ohishi)電話番号:03-4405-6976メール:info@catallaxy.me取得免許:東京都知事(1)第100285号
みなさんは、焼付塗装というものをご存じでしょうか?私達の身の回りや仕事先でも焼付塗装された製品はとても多くあります。今回は、そんな焼付塗装について詳しくご紹介いたします。また、焼付塗装の依頼ができる工場合わせて紹介していますので、ご依頼先にお困りの方は参考にしてください。焼付け塗装とは?焼付塗装(金属塗装)とは、金属パーツや金属部品等に強度の塗装をする方法の一つです。主に鉄・アルミ・ステン・真鍮・などの金属に対して、140℃~200℃で焼付乾燥させます。この焼付塗装の大きな目的は、装飾性と防錆性(防食性)を高めることです。この塗装をしないと、ほとんどの金属は、すぐに錆びてしまったり、汚れてしまったりします。その為、一般的に金属は焼付乾燥をする方が、硬度や耐薬品性にも優れた性質をもたらし、長持ちします。また、使用される焼付け塗料については、多くはメラミン・アクリル等ですが、 金属の種類によっては、100℃以内の乾燥温度におさめていないと変形してしまうものもあるので、塗装する金属には注意が必要です。焼付け塗料とは、高温の熱をかけることによって硬化する塗料のことです。この塗料にも、最適な乾燥をさせるための適温がありますが、100度ぐらいのものから200度以上のものまでと成分によって異なるため、一概に何℃が適温かと定めることは難しいです。様々な塗料がある焼付塗装ですが、特殊な塗装を除けば、主に①メラミン焼付塗装、②アクリル焼付塗装、③フッ素焼付塗装の3種類に分類することができます。①メラミン焼付塗装メラミン焼付塗装は、最も一般的な焼付塗装として知られています。合成樹脂焼付塗装とも呼ばれています。アミノ樹脂とアルキド樹脂で作られた塗料を静電塗装し、130~140℃の比較的低温で焼付乾燥させるという方法です。メラミン焼付塗装は、塗装の中でも比較的短時間で焼付が可能です。塗膜の性質は、保色性が良く耐候性・耐薬品性・耐磨耗性も平均レベルを有しています。②アクリル焼付塗装アクリル焼付は、メラニン焼付塗装に比べ、難易度の高い塗装方法になります。通常140度~180度、20分程の加熱乾燥が必要であり、乾燥温度が非常に高温になるため、取り扱いが難しく、焼付け塗装専門業者の中でも、すべての業者が扱っているものではありません。しかし、メラミン焼付塗装に比べると、耐候性、耐薬品性に優れますので、屋内用途にも幅広く使われています。外観も金属光沢が透けて見え、カラー色がついているため、独特の高級感のある塗装が可能です。デメリットは、耐用年数が短い点です。耐用年数は4~7年ほどなので早く劣化してしまいます。また、メラミン塗装と比較すると、膜厚がつきづらい特徴があります。アクリル焼き付けは、熱により硬化して本来の性能が発揮される塗料なので、熱を加えられない素材には使用できません。③フッ素焼付塗装フッ素焼付塗装は、フッ素樹脂塗料という焼付塗料を塗装します。この塗装は、高耐久性塗料とも呼ばれており、塗装の中でも耐候性が高く、長期の紫外線や雨風の影響を防ぎ、防汚染性能がついているものは綺麗な塗装を維持できます。色の変色や艶引けの面でも、他の樹脂と比べても美しく仕上がる為、六本木ヒルズなどの有名な建築物などにも使用されています。また、フッ素樹脂塗装は、耐用年数が長く(15年以上)、メンテナンスサイクルコストを抑えようと思っている方におすすめです。高性能なフッ素樹脂塗装ですが、価格が高いというデメリットがあります。フッ素は最も高級な塗料で、30坪の住宅でも100万円を超えるほどの施工金額になってしまいます。その為、短期的な使用に使うのには向かない塗料です。逆に長期間の美観を保持したい方には、おすすめできる塗料になります。フッ素樹脂塗装は、下処理、下塗り、中塗り、上塗りを基本として、どれが抜けたとしても塗装のもちが大幅に異なる塗装方法です。フッ素塗料の効果を確実に引き出せる優良業者を選ぶことが大切です。焼付塗装の対応が可能な工場3選!①日本ペイント株式会社引用元:日本ペイント株式会社基本情報本社:東京都品川区南品川4-7-16TEL: 03-5479-3600FAX:03-3740-1191設立:1881年3月14日加工:塗料関連製品の製造・調色・加工 等素材:鉄・アルミ 等HP:https://www.nipponpaint-holdings.com/日本ペイント株式会社は、全国に支店がある大手塗装メーカーです。様々な塗装をしているだけでなく、全国に支店があることから、全国の依頼に対応しています。また、日本ペイント株式会社は、国内で唯一、塗料と表面処理を総合的に扱うメーカーとして、幅広い技術・サービスをワンストップで提供しています。 その為、迅速な対応が可能です。②関西ペイント株式会社引用元:関西ペイント株式会社基本情報本社:大阪市中央区今橋二丁目6番14号TEL:06-6201-1116設立:1918年5月加工:塗料関連製品の製造・調色・加工 等素材:鉄・アルミ・ステンレス等HP:https://www.kansai.co.jp/100th/関西ペイント株式会社は、大阪に本社がある大手塗装会社です。建築用塗装から工業用塗装まで幅広い塗装が可能です。また、日本だけでなく海外でも拠点を置き、活躍の場を広げています。創立から100年経った今でも、常に先進の実験機器や分析機器を導入して精力的な研究を展開しており、進化し続ける会社として全国からも評価されています。③合資会社 加納塗装工業所引用元:加納塗装工業所基本情報本社:愛知県 名古屋市西区山木一丁目158番地TEL::052-501-6623設立:1963年加工:塗料関連製品の加工 等素材:鉄・アルミ・ステンレス 等HP:http://www.yakitsuketoso.com/加納塗装工業所は、焼付塗装を専門としている会社です。金属電着塗装をメインに、焼付塗装、粉体塗装、耐熱塗装など、幅広い塗装依頼を受けています。50年近く塗装業で大手製品取扱い実績と信頼を重ねており、質の高い塗装が可能です。また、試作品塗装といった小ロットや急ぎの案件にも、対応しています。焼付塗装の加工実績引用元:日本ペイント株式会社引用元:関西ペイント株式会社フッ素焼付塗装引用元:加納塗装工業所耐熱塗装 ストーブ部品焼付塗装ならMitsuri!全国どこでもお受けいたします!今回は焼付塗装についてご紹介させて頂きましたが、いかかでしたでしょうか。焼付塗装といっても、様々な種類があり、効果も違います。また、塗装の難易度が高いものは、依頼できる塗装会社も限られてきます。もし、焼付塗装についてお悩みの時は、Mitsuriにご相談下さい。Mitsuriは、日本全国に協力企業が100社ございます。そのため、お客様にとって最適な素材の選択に加えて、焼付塗装の得意な工場のご紹介も可能です。焼付塗装でお困りの時は、ぜひMitsuriにお申し付け下さい!
アーク溶接の種類や原理、仕組みを解説しました。電圧設定や温度分布にも触れています。アーク溶接は最も幅広く利用されている溶接加工であるがゆえに、どの工場に頼むのが適切なのかわからないケースがとても多いです。お悩みの方は一度、Mitsuriまでお問い合わせください。アーク溶接の原理メカニズムと仕組みアーク溶接の原理メカニズム図1:アーク溶接の原理メカニズム ①2つの空間的に離れた電極に電圧をかけます。②空気の絶縁が破壊されると、電極の間に電流が流れます。③電流が流れるのに伴って、弧状の強い光(アーク)と高温の熱が発生します。④この高温の熱を用いて行う溶接を「アーク溶接」といいます。アーク溶接は「アーク放電」という気体中に生じる放電現象を利用した溶接方法です。「アーク放電」とは、電極に電流を流した状態で接触させ引き離すと起こるもので、非常に強い光と高熱を発するのが特徴です。例えば、身近なものでは電化製品のプラグをコンセントから引き抜いたときに発生するスパークが、アーク放電です。アーク放電は、溶接以外にプラズマ切断や放電加工にも用いられる放電現象です。溶接で使用するアーク放電は、高いもので太陽の表面温度を超える2万度ほどにもなり、あらゆる母材を溶融させることが可能です。放電現象を利用することから、基本的にアーク溶接の対象は電気伝導体のみです。そのためアーク溶接は電気溶接と言われることもありますが、その場合は抵抗溶接(スポット溶接)も含むのが一般的です。アーク溶接は超高温によってあらゆる母材を溶融させることができますが、その高温によってアーク放電を生み出す電極そのものも溶融することがあります。アーク溶接の電圧設定と温度アーク溶接においては、母材から電極へアークを起こす必要があります。電圧の設定は、電極(溶接棒)側がプラス電圧、母材側がマイナス電圧です。・出力電流:5A~1,000A・出力電圧:8~40V・アーク温度:5,000°C~20,000°Cアーク溶接の種類図2:アーク溶接の種類アーク溶接は、電極が溶融するか否かによって2種類に大別されます。 電極が溶融して消耗する消耗電極式溶接(溶極式)と、電極は溶融せず溶加材(溶接棒)を母材へ溶かし込む非消耗電極式溶接(非溶極式)です。消耗電極式溶接と非消耗電極式溶接は、それぞれ次の種類があります。消耗電極式溶接・被覆アーク溶接・炭酸ガスアーク溶接・マグ溶接(MAG溶接)・ミグ溶接(MIG溶接)・サブマージアーク溶接・セルフシールドアーク溶接・スタッド溶接非消耗電極式溶接・ティグ溶接(TIG溶接)・プラズマアーク溶接消耗電極式溶接の特徴!メリット&デメリット消耗電極式溶接(1)被覆アーク溶接(2)炭酸ガスアーク溶接(3)マグ溶接(4)ミグ溶接(5)サブマージアーク溶接(6)セルフシールドアーク溶接(7)スタッド溶接(1)被覆アーク溶接被覆アーク溶接は、被覆剤(フラックス)を塗布した溶接棒を電極にして、母材との間に発生したアークの熱を利用して溶接するものです。一般には、手溶接法と呼ばれています。被覆アーク溶接は溶接棒を使い分けることで、様々な母材に対応できる手軽さもあり、これまで主流の溶接法として活躍してきました。最近では、より効率のよい溶接法が利用されることも多く、利用範囲は減少傾向です。それでも現場溶接では手軽さが重宝される場面はまだ多く、活躍のシーンが完全になくなることはないと考えられます。被覆アーク溶接メリット①設備、装置が小型で安価なので導入しやすい②被覆剤が溶融して発生するガスやスラグ(*1)が母材を覆うことで、現場環境による影響を受けにくい(=シールド効果を得やすい)③手作業が前提となるため、素材や構造によらず溶接が可能デメリット①溶着効率が低く、溶接棒の交換やスラグ除去などの手間がかかる②多量のヒューム(*2)が発生する③溶接者の技量によって品質に差が生まれる(*1)スラグ:溶接の際に発生する、溶融した金属から分離して浮かぶかす。鉱滓、溶滓、のろなどとも呼ぶ。(*2)ヒューム:溶接の際に発生した金属蒸気が凝集して、微細な粒子となったもの。吸入すると、ヒューム熱などの原因となり得る。炭酸ガスアーク溶接アーク溶接する際、金属が酸化するのを防ぐためにガスをシールドとして利用するものを総称して「ガスシールドアーク溶接」と言います。その中でも、シールドガスに炭酸ガス、または炭酸ガスを中心とした混合ガスを用いるものを、炭酸ガスアーク溶接と呼びます。炭酸ガス(CO2)アーク溶接、ミグ溶接、マグ溶接の違いは、使用するガスの違いです。被覆炭酸ガスアーク溶接メリット①炭酸ガスが安価であるため経済的②薄板溶接に向いている③アークの状態を確認しながら作業ができるデメリット①厚板溶接には向いていない②作業者が発生した一酸化炭素を吸わないよう換気に注意が必要③スパッタ(*3)が比較的発生しやすく、接合面の外観が悪くなる④ガスを使用するため、風の影響を受けやすい(*3)スパッタ:溶接時に飛散する微粒子。塗装や溶接などの欠陥の原因になり、品質に悪影響を与える。参考:炭酸ガスアーク溶接とは?【3分でわかる】向いている金属もご紹介!炭酸ガスアーク溶接は、たいてい半自動溶接として使われる工法です。半自動溶接とは、消耗する電極を自動的に供給する溶接トーチを利用するものです。溶接棒の代わりに、コイル状に巻いた溶接ワイヤーを、送給ローラーでトーチ先端に送ります。ワイヤーはトーチ先端のコンタクトチップで通電され、炭酸ガスの雰囲気(*4)中で母材との間にアークを発生し、その熱で母材とワイヤーを溶かして接合します。炭酸ガスアーク溶接における「炭酸」とは二酸化炭素のことです。作業中に化学反応によって、一酸化炭素を生じます。そのため、作業者は一酸化炭素を吸い込まないように注意が必要です。(*4)ガスの雰囲気:シールドガスなどの特定の気体そのものの状態や、その気体の条件下にある状態を指すミグ溶接(MIG溶接)図3:マグ溶接とミグ溶接参考:ミグ溶接を徹底解説!【専門家が語る】素人でも3分で理解できます!シールドガスとして、炭酸ガスの代わりにアルゴンやヘリウムなどの不活性ガスのみを使用するものをミグ(Metal Inert Gas)溶接と呼びます。ミグ溶接もガスシールドアーク溶接の一種であり、工法は炭酸ガスアーク溶接と基本的に同様で、半自動溶接として使われます。ミグ溶接(MIG溶接)/ 不活性ガスのみメリット①溶接速度が速く、仕上がりが美しくなる②非鉄金属にも使用できるデメリット①不活性ガスが高価でコストが高い②不活性ガスはアークが広がりやすく、接合面の溶け込みが浅くなり溶け込み不良が発生しやすい。 ※溶け込み不良があると、強度低下、応力集中による亀裂発生などに繋がる可能性がある③ガスを使用するため、風の影響を受けやすいミグ溶接には、炭酸ガスアーク溶接に比べて仕上がりが美しくなるという特徴がありますが、日本ではアルゴンガスやヘリウムガスが高価なことから、高い精度品質を求められない場合は炭酸ガスアーク溶接が用いられることが多いです。これに対して、アメリカやヨーロッパでは不活性ガスが比較的安価なため、よく使われる傾向にあります。マグ溶接(MAG溶接)マグ溶接(MAG溶接)/ 不活性ガスと炭酸ガスの混合メリット①ミグ溶接よりも溶け込みが深くなる②炭酸ガス溶接よりもスパッタの発生が少ないデメリット①炭酸ガスを使用するため、非鉄金属(アルミニウムなど)には使用できない②ガスを使用するため、風の影響を受けやすい参考:マグ溶接を徹底解説!【専門家が語る】素人でも3分で理解できます!シールドガスとして、不活性ガスと炭酸ガスの混合ガスを使用するものをマグ(Metal Active Gas)溶接と呼びます。マグ溶接もまたガスシールドアーク溶接の一種であり、工法は炭酸ガスアーク溶接と同様で、通常は半自動溶接として用いられます。不活性ガスのみを用いるミグ溶接の場合、溶接面などの仕上がりが美しくなる一方で、アークが広がりやすく溶け込みが浅くなってしまいます。アークを細く集中させる作用のある炭酸ガスを混合し、溶け込みを深くさせるのがマグ溶接です。サブマージアーク溶接サブマージアーク溶接は、散布した粒状の被覆剤(フラックス)中にワイヤを自動送給して、ワイヤーと母材の間にアークを発生させて溶接する方法です。被覆アーク溶接における溶接棒の心線と被覆剤を分離させて、自動溶接を可能にしました。サブマージアーク溶接メリット①太いワイヤーと大電流を用い、スピーディな溶接が可能②溶け込みの深い溶接ができる③フラックス中でアークが発生するため遮光が不要④スパッタやヒュームの発生が少ない⑤風の影響をほとんど受けない⑥仕上がり品質が作業者の技量にほぼよらないデメリット①溶接時の姿勢が、下向き、水平、横向きに限られる②溶接面の形状が、直接かそれに近い曲線に限られる③フラックスの供給と回収、スラグの剥離が必要④溶接熱が大きくなりすぎると、影響部の軟化や脆化を生じることがあるセルフシールドアーク溶接CO2溶接・MIG溶接・MAG溶接といったガスシールドアーク溶接に対して、ガスを使用しない溶接法をセルフシールドアーク溶接(=ノーガスアーク溶接、ノンガスシールドアーク溶接)と呼びます。セルフシールドアーク溶接は、ガスシールドアーク溶接やサブマージアーク溶接とは違い、外部から被覆剤やガスを供給することなく溶接する方法です。チューブ状の溶接ワイヤーに脱酸材と被覆剤を装填してあり、アーク発生とともにアーク柱および溶融池を外気の酸素や窒素から保護して溶接します。セルフシールドアーク溶接メリット①ガスボンベ不要で手軽に溶接できる②ガスを使用しないため、風の影響を受けない デメリット①ガスシールドアーク溶接に比べ、スパッタやヒュームが多く出る②仕上がりは被覆アーク溶接と同程度③ボンベ不要な代わりに専用ワイヤーにコストがかかるスタッド溶接今回はアーク方式のスタッド溶接について解説します(*5)。(*5)通常、単に「スタッド溶接」と言った場合は、板の裏面に影響を及ぼさないCD方式、板厚に対して6~8倍のスタッドを接合できるショートサイクル方式、M6~M25のスタッドが接合できるアーク方式の3方式を含みます。スタッド溶接は、溶接棒や溶接ワイヤーを使いません。スタッドと呼ばれるピンを専用のガンに取り付けて、母材に押し当てた状態で電流を流して引き上げることで、アークを発生させて溶接します。スタッド溶接メリット①溶接時間が短く、母材に与える影響が少ない②溶接品質が技量によらない③生産性と接合強度が高い デメリット①溶接可能な箇所と不可能な箇所がある②明確な検査方法がない非消耗電極式溶接の特徴!メリットとデメリット非消耗電極式溶接ティグ溶接(TIG溶接)プラズマアーク溶接ティグ溶接(TIG溶接)図4:ティグ溶接ティグ溶接(TIG溶接)は、熱に強いタングステン電極と被溶接物との間にアークを発生させ、アーク部をアルゴンやヘリウムなどの不活性ガスでシールドして溶接する方法です。TIGは、Tungsten Inert Gasの略です。金属の中でも最も融点の高いタングステンを電極として使用することで、電極をほとんど消耗せずに溶接できます。電極が溶融しない代わりに、ごく薄板の場合を除いて、溶融部の金属を補うためにフィラーワイヤー(溶加棒)が使用されます。ティグ溶接法はあらゆる種類の金属の溶接が行えますが、ステンレスの溶接には直流が、アルミの溶接には交流の溶接電源が使用されます。ティグ溶接(TIG溶接)メリット①薄板、複雑な形状など精密な溶接が可能②溶接後の仕上がりが美しい③不活性ガスを用いるため、スパッタがほぼ出ない④電極の消耗がない(少ない)ため、長時間の連続溶接が可能デメリット①ガスを使用するため風の影響を受けやすい②溶接速度が遅く、大量生産などに向かない③速度が遅いせいもあり、不活性ガスのコストがかかる④仕上がりが作業者の熟練度によるプラズマアーク溶接図5:プラズマアーク溶接プラズマアーク溶接は、イオン化した不活性ガスをプラズマガスとしてノズル孔から噴出し、アークの導電体とする溶接法です。タングステン電極を用いる点はティグ溶接と同様ですが、より幅の狭いアークが発生するため、深い溶け込みが得られます。プラズマアーク溶接メリット①高エネルギーのアークで、高速かつ歪みの少ない溶接が可能②アークの指向性が高く、アーク蛇行せず仕上がりが美しくなる③スパッタが発生しない④電極の消耗がない(少ない)ため長時間の連続溶接が可能⑤薄板の溶接も可能デメリット①溶接トーチの操作にやや制約がある②装置の価格が高く、消耗部品が多い、ガス使用量が多いなどランニングコストがかかる③溶接制度が厳しいアーク溶接の資格アーク溶接は電気エネルギーを用いて、非常に強い光と高熱を発する溶接方法であるため、感電や爆発などといった重大な事故の原因となる危険性を秘めています。アーク溶接を業務として遂行するためには、その専門性・危険性から、アーク溶接に関する特別な講習を受けることが推奨(*6)されています。(*6)資格取得は"推奨"されていますが、資格なしでもアーク溶接することは可能です。アーク溶接の業務に係る特別教育アーク溶接特別教育講習を受講すると、修了証を得られます。他の溶接に関する資格ではペーパーテストで終わることも多いですが、アーク溶接の資格においては、講義と実技の両者を受講する必要があります。機器の取り扱いに伴う安全リスクが存在する溶接作業のため、熟練者の徹底した指導の下で認定を得る仕組みです。受講後には簡単な実技試験もあり、職業訓練センターでも行われています。<費用>アーク溶接の特別教育は各都道府県の企業や公的機関などで実施しており、受講する場所によって金額が異なります。目安としては、テキスト代を含め、消費税込みで10,000円から25,000円です。<講習内容及び日数>アーク溶接の特別教育は合計で11時間の学科と10時間以上の実技を受講することで修了です。学科のみであれば1日半、実技も加えると3日間の日数で講習が完了します。<一般的なアーク溶接特別教育の講習内容及び講習時間>溶接に関する知識1h溶接装置の知識3h溶接作業の知識6h関係法令1h実技教育(各事業所にて)10h以上アーク溶接作業者の資格は、アーク溶接の取扱に関する講習を受けた人であれば誰でも取得できます。また、アーク溶接作業者の資格には期限がないので更新の必要はなく、一度取得すれば一生有効になる資格です。アーク溶接の資格を活かせる仕事アーク溶接の資格は幅広い用途で利用することができ、あらゆる金属構造物を扱う仕事に役立ちます。代表的なものには、自動車や鉄道車両、船舶や航空機などの分野が挙げられます。また、金属構造物のみならず、建設・土木業や官工事業や解体工事業などにも必要不可欠な技術です。アーク溶接の資格は、プロの溶接工への第一歩として考えられています。アーク溶接のご依頼でお困りではありませんか?Mitsuriならご希望に沿う工場が見つかります。下の赤いボタンをクリックして、お問い合わせください!
SUS304やSUS430というのはステンレスのことを言います。記事のタイトルを見た時、この記号のようなものがステンレスのことだと知っている人はどれほどいらっしゃるでしょうか。製造業にたずさわる人でない限り、この英語と数字を見てパッと想像がつく人は少ないかもしれませんね。今回の記事ではそんな不可解なアルファベットや数字の意味も含めて、ステンレスについて細かく解説していきたいと思います。ステンレス材の選び方についてはこちら!材質として、SUS304とSUS430をどういう基準で選べばいいのかを簡単に動画で解説しています!4分程度でサクッと見れるので、お時間が無い方はぜひ!YouTubeにて、金属加工Mitsuriチャンネル運営中!こちらからご覧ください!ステンレスの加工に関する記事:【ステンレス加工】ステンレスの加工方法や加工実績について徹底解説!SUS304,SUS430とは?冒頭でも話した通り、SUS304やSUS430とはステンレスのことです。ステンレスというのは台所の洗面台やスプーン・フォークなどに使われる銀色の金属のことですね。ステンレスは同じような意味でステンレス鋼とも呼ばれ、日常的に私たちの生活に役立てられています。スプーンやフォークから想像しやすいと思いますが、ステンレスは錆びに強いため、水回りの製品に使われることが多い金属です。普通金属は、水や空気に触れるとすぐに腐食していく錆に弱い性質を持ちますが、溶かした鉄にクロムやニッケルなどの錆に強い金属を混ぜることで錆びにくい合金鋼(ごうきんこう)になります。ステンレスは混ぜられる金属の種類や量によって特徴や性質が変わり、その種類はなんと200種類以上にも及びます。その中でもSUS304は最もよく使用されており、世界中で使われているステンレスの約7割がSUS304の種類だったりします。ではここからは、もっとかみ砕いて説明してきましょう。まずはSUSと番号の意味から。SUSとは、『Steel Use Stainless』というステンレスを英語で表記した時の頭文字です。読み方はSUS304(サスさんまるよん)、SUS430(サスよんさんまる)、単純に数字だけで「さんまるよん」と略して呼ぶこともありますね。そして、番号の方はステンレスの種類を表します。ステンレスの番号はそれぞれ下3桁の数字で種類が分別されており、300番台が『オーステナイト系』、400番台が『フェライト系』か『マルテンサイト系』のステンレスに分類されています。ステンレスの分類を詳しく知りたい方向け参考:オーステナイト系ステンレス鋼の基礎知識まとめ参考:フェライト系ステンレス鋼の基礎知識まとめ参考:マルテンサイト系ステンレス鋼の基礎知識まとめSUS304は300番台なのでオーステナイト系のステンレス にあたりますね。400番台はマルテンサイト系もありますが、SUS430の種類はフェライト系のステンレスになります。その中でもSUS304はオーステナイト系の代表格で、SUS430はフェライト系の代表格と言われています。SUS304については先に述べましたが、SUS430も代表格と言われるだけあってそれだけよく使われている種類ということですね。以下はステンレスの種類のおおまかな分類です。ステンレスの種類200番台・・・(Cr-Ni-Mn系)オーステナイト系ステンレス鋼300番台・・・(Cr-Ni系)オーステナイト系ステンレス鋼400番台・・・(Cr系)フェライト系およびマルテンサイト系ステンレス鋼600番台・・・(PH系)析出硬化型ステンレス鋼オーステナイト系やらフェライト系やらの分類の違いは、どの種類の主要元素が入ってるかで変わります。主要元素とはクロム(Cr)やニッケル(Ni)などの鉄に混ぜられる金属のことです。300番台のオーステナイト系はクロムとニッケルが入っており、400番台はクロムのみが入っています。基本的にクロムのみのSUS430よりも、クロムとニッケルが混ぜられたSUS304の方が高価で優秀です。さすが世界の7割が使っているだけあって、やはりSUS304は使い勝手が良いです。SUS304とSUS430の特徴SUS304とSUS430はどちらも優秀で代表的なステンレス素材ですが、違う種類と定められているだけあってやはり性質や性能には違いがあります。同じステンレスでも結構違いがあるので、どう違うのか一つ一つ見ていきましょう。耐熱性SUS304もSUS430もどちらも優れた耐熱性を持っていますが、SUS304の方が高い耐熱性を持っています。特にSUS304は熱伝導率が低く、保温効果があるのでなかなか熱を逃がしません。そのため、温かい飲み物を入れても冷めにくくしたい、水筒やコップを作るのに適しています。耐食性耐食性とは腐食のしにくさ、金属で言うと錆びにくさを表します。ステンレスは元々錆びにくい性質を持つため、耐食性でもSUS304、SUS430と共に高い耐食性を持ちますが、こちらもSUS304の方が優れています。ニッケルには耐食性を高める役割があるので、それが含まれるオーステナイト系のステンレスがより錆びにくくなります。強度強度もSUS304が勝ります。ニッケルを混ぜると強度が高くなる働きもあるため、クロム単一のフェライト系はどうしても劣りますね。ただし、加工硬化という現象により、一度加工することで強度は上がるものの、ステンレスが硬くなって次の加工がしにくくなるというデメリットもあるため、加工する際には留意する必要があります。磁性オーステナイト系のSUS304は磁石にくっつかず、フェライト系のSUS430はくっつきます。これはオーステナイト系とフェライト系の原子の構造に違いがあり、オーステナイト系は磁性を打ち消し合う構造になっているためです。もともと鉄やクロム、そしてニッケルにも磁性があるものの、ニッケルは混ぜることにより構造が変化して、原子が磁石を打ち消し合う向きに並んでしまうんですね。ですが、一部の種類は加工の仕方により磁性を持つものも存在します。値段性能が高いだけあってSUS304の方が値段が高くなります。ニッケルが高価な素材であるため、その分がかさ増しされる感じですね。文章で説明したうえではSUS430がずいぶん劣っているようになってしまいましたが、実際にはそんなことありません。SUS430も耐久性にも加工性にも優れ、コストも安いので非常に使いやすい素材です。特に日本ではフェライト系ステンレスの普及や研究も進んでおり、従来ではオーステナイト系でないとできなかった複雑な加工ができるようになってきています。フェライト系で代用できるようになればコストが安い分、経営的に大助かりですので、将来的にはフェライト系が主流になっている未来もあるかもしれません。SUS304とSUS430の使い分け・用途SUS304もSUS430も優秀なだけあって非常に幅広い分野で使われています。ステンレスは重すぎず軽すぎず、丈夫さもそこそこある大変使い勝手の良い金属なので、身近な小物から想像以上に大きな産物にもなっていたりします。SUS304SUS304は優秀がゆえに役割も非常に重大です。高い耐熱性・耐食性そして丈夫さから、原子力機器や化学プラント設備などの重要な工業設備、私たちの身近なところでは、エレベーターの横の銀板や電車の外板などでも使用されています。さらに熱伝導率と保温性、衛生面の良さから食品を多く取り扱う工場や飲食店でも採用されており、私たちが生きるためになくてはならない存在となっています。また、SUS304はいろいろな方法で加工でき、その加工のしやすさから複雑な形状の製品も作り出すことができます。引用元:有限会社 荒木溶接工業所 株式会社イツワ工業画像のような曲がりくねった製品も加工性の良いSUS304であれば製造が可能です。身近なところでも縁遠いところでも、SUS304は世界中の端から端まで活躍しているんですね。SUS304をもっと知りたい!参考:SUS304とSUS304Lの違いと使い分け参考:SUS304L(ステンレス鋼)成分、比重、切削性、機械的性質参考:SUS304TP|jis規格の違いと使い分け、スケジュール番号参考:SUS304N2(ステンレス鋼)切削性、機械的性質、成分SUS430参考:SUS430(ステンレス鋼)成分、磁性、加工性フェライト系ステンレスは水回りの製品に使われていることが多い素材です。主にスプーンやフォークといった台所製品や業務用冷蔵庫や大きな鍋などの厨房製品、そしてポットや洗濯機などの家庭用電化製品。さらには自動車の排気管や建物の屋根など建築・土木の分野でも活用されています。錆びにくいため、いくら雨が降っても問題ないということですね。有名なところでは、プロ野球のオリックスバファローズの本拠地である大阪ドームの屋根がフェライト系のステンレスを使っています。引用元:Wikipediaステンレスは鉄ほどに重く硬くなく、アルミほど軽く柔らかくないバランスの取れた金属です。食器やおたまなどの小物から電車の外板やドームの屋根のような大きな物まで多彩な使われ方をしています。重さが手ごろで耐久性、耐食性があり、金属としての寿命が長いステンレスならではの活用の広さと言えるでしょう。その使い勝手の良さから、これからもますます新しい製品が生み出され、私たちの暮らしの役に立つでしょう。ステンレスに関する他の記事参考:【ステンレス溶接】溶接方法を製品事例を交えて徹底紹介!!参考:ステンレスのレーザー加工ならMitsuri!依頼先でお困りならご相談ください!参考:ステンレスのレーザー 加工ならMitsuri!【協力工場140社以上】最適な工場をご紹介します!