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【金属加工 Mitsuri】無償でご利用いただけるキャンペーン実施中!
「加工メーカーを探しているがどんなところがあるのだろう・・・」「コスト見直しのために新しい業者にお願いしたい・・・」加工業者を新しく選ぶ際に、「自社事業にぴったりのメーカーを探すにはどうすればいいだろう」とお悩みの方も多いかと思います。せっかく新しく決める依頼先であれば、長くお付き合いできて頼りになるメーカーを見つけたいですよね。本記事はそんなお悩みをお持ちの方に是非ご一読いただきたい、メーカー探しををお手伝いできる記事です。今回は【高知】にフォーカスを当て、Mitsuriイチオシの凄腕の板金加工メーカー10社をご紹介します。各メーカーの強み・弱み、製品例もご紹介しますので、ぜひメーカー選びの参考にしてみてくださいね。【機械加工なら】有限会社中野精工引用元:有限会社中野精工基本情報本社:高知県高知市神田1400-1TEL:088-833-0450FAX:088-832-0250創業年:昭和40年加工:板金加工全般、組立素材:ステンレス、アルミ、鉄、鋳物URL:http://www.nakano-seiko.co.jp/①会社紹介金属製部品の切削加工を得意としている有限会社中野精工。縦型・横中ぐりマシニングセンター・NC旋盤など金属加工のための機械設備を数多く揃えているので、工程ごとに分けることなく一括で依頼ができます。量産加工から試作単品加工まで幅広く対応が可能です。参考記事切削加工については別の記事で詳細を書いていますので、合わせてチェックしてみてください!⇒【切削加工】切削加工の方法や特徴・種類を動画を交えてご紹介!!②メリット・デメリット旋盤加工やフライス加工、穴あけ加工、研磨などの工程を一括して発注することができるのが最大のメリット。自社製の加工機械を完備しているため、大型の製品に関しても対応が可能です。ただ、設計段階からの対応はしていないため、ゼロベースからの依頼に関しては正確な図面を用意する必要があります。③製品例(カム軸/材SS400/外径30mmの丸棒の外周に幅3.5mm、深さ4mmの螺旋溝を機械加工)(SUS製パター/材SUS304/角材から機械加工による全周削りだし)(アルミ製部品/材アルミ/角材からの機械加工による削り出し。ボーリング加工・掘り込み加工・タップ加工)【精密部品の製造なら】玉川鐵工有限会社引用元:玉川鐵工有限会社基本情報本社:高知県高知市一宮南町1-8-29TEL:088-845-0970FAX:088-845-4971創業年:昭和53年加工:板金加工全般、溶接、組立素材:鉄、ステンレス、アルミ、チタン、インコネル、ニッケルURL:http://www.tamagawa-tk.co.jp/pc/index.html①会社紹介NC旋盤・マシニングセンターによる精密部品の製造を得意とする玉川鐵工有限会社。三次元測定顕微鏡・輪郭形状測定器・面粗計を備え、5/1000mmの精度を誇ります。鉄・ステンレス・アルミを主な素材として産業用機械部品から金型用部品まで対応が可能です。②メリット・デメリット1個の試作の相談から量産への移行まで柔軟に対応してくれるのがメリット。メインとなる鉄・ステンレス・アルミだけでなく、チタン・インコネル・ニッケルなどの加工実績もあるため、他で加工不可だった材に関しても相談が可能です。デメリットとして、主な製品サイズが10~200mmなので、該当サイズ以外のものについては対応が難しい場合もあります。③製品例【一貫生産なら】MGM引用元:MGM基本情報MGM(Matsumura Group for Good Metal working)松村グループ有限会社 松村鉄工所本社:高知県南国市岡豊町中島378-11TEL:088-866-5525FAX:088-866-7013創業年:昭和22年高須工業株式会社本社:高知県南国市岡豊町中島378-15TEL:088-866-0666FAX:088-866-0511創業年:昭和36年PT.Matsumura Itano Indonesia (MII)本社:インドネシア東ジャワ州パスルアン県 PIER工業団地内創業年:平成28年加工:板金加工全般、溶接、レーザー、組立素材:アルミなどURL:http://www.maic.co.jp/①会社紹介有限会社松村鉄工所・高須工業株式会社、インドネシアに拠点を持つPT.Matsumura Itano Indonesiaの3社7工場がタッグを組む金属総合加工集団MGM。特に機動軸の長い丸棒の加工や大型ローリング鍛造品の歯切り加工において独自の技術を持ち、高品質・高生産性を可能にしています。②メリット・デメリット溶接や組立、研磨など各工場の専門性を活かす3社7工場で高効率な生産体制を確立、高品質・低コストだけでなく、短納期も実現しています。専門力を結集することで部品1個からの対応も可能です。塗装担当の工場はないため、塗装作業に関しては外注になりコストと時間が上乗せになる可能性があります。③製品例(ディーゼルエンジン部品)(農業機械部品)(軸受部品他)【部品・パーツ製造なら】株式会社エスイージー引用元:株式会社エスイージー基本情報本社:高知県南国市大埇甲1498TEL:088-863-3186FAX:088-863-0728 創業年:昭和38年加工:板金加工全般、レーザー、溶接、組立素材:ステンレス、鋼など URL:https://www.segnet.jp/①会社紹介農業機械用部品・建設機械用部品・ボイラー部品など、産業用機械部品製造の専業メーカーである株式会社エスイージー。部品製造専業メーカーとして50年の歴史を持ち、年間3万アイテム・400万部品納入の実績を誇る、その道のスペシャリストです。②メリット・デメリット自社設計した縦型溶接治具が、文部科学大臣「創意工夫功労者賞」を受賞するなど、チャレンジングな姿勢が評価されているメーカーです。四国でトップクラスの設備保有数を誇り、小ロットから量産まで幅広く対応が可能。塗装施設も備えており、表面仕上げまで一貫しておこなうことができるのが魅力。一方、農業機械用部品の製造を得意としているので、精密板金などの設計や試作に関しては不得意の傾向があります。発注する際には注意が必要です。【歯車のことなら】株式会社高知歯車引用元:株式会社高知歯車基本情報本社:高知県高知市布師田 3961番地1TEL:088-846-2388FAX:088-846-2700創業年:昭和32年加工:歯切り加工、歯車研削素材:鉄、鋼、アルミ、ステンレス、樹脂URL:http://www.kochihaguruma.jp/①会社紹介歯車一筋50年という実績を持つ株式会社高知歯車。熟練の技術者と充実した設備、長年のノウハウで数量1個でも材料から歯切り、歯研まで対応可能です。特にφ600からの大型歯車は歯切りの加工を得意としており、多くの信頼を得ています。②メリット・デメリット様々なサイズの治具を揃えるなど、単品加工・小ロットに強い設備を充実させることで1個からの製造を可能。短納期にも対応しています。Φ10~1800の幅広いサイズの歯切りが可能であり、Φ300までのものは材料からの一貫生産ができます。一方、歯車研削加工がメインとなるため、別の加工を伴う製品は依頼が難しいというデメリットがあります。③製品例(平歯車)(タイミングプーリー)(スプロケット)【設計開発から製造まで】株式会社栄光工業引用元:株式会社栄光工業基本情報本社:高知県南国市廿枝1307TEL:088-864-1116FAX:088-864-1119創業年:昭和55年加工:板金加工全般、切削加工、レーザー加工、溶接、塗装、組立など素材:ステンレスなどURL:https://eikous.jp/①会社紹介栄光工業は、金属部品の加工だけでなく、産業機械の完成品のOEM生産や自社製品の開発も行っている金属総合加工メーカーです。部品加工では、多品種少量生産に対応し、短納期で製品を提供できます。OEM生産では、設計開発から組立までの一貫した生産が可能で、数千点もの部品を自社内で全て製造し、完成品の組立までワンストップで対応することができます。②メリット・デメリット設計設備はもとより、レーザー加工機や板金加工機、溶接機械、塗装設備に至るまで多数の設備を所有していますので、お客様の幅広いニーズに対応可能です。また、産業機械に関しては、品質保証も含めた完成品の提供が可能ですので、製品の製造全体を任せることができるでしょう。ただし、企業規模の大きなメーカーだけに、小さな案件だと対応できない可能性がありますので、事前にご相談することをおすすめします。③製品例栄光工業の製品例をいくつかご紹介します。下の写真は、社内で製造した多種多様な部品で、これらの部品は組立を行い、完成品となって納品されます。引用元:高知求人ネット次の写真は、自社開発した「トマト台車01(ゼロワン)」で、トマト農家の相談を切っ掛けに製品化したそうです。引用元:高知県製造業ポータルサイト続く写真は、パンチング加工とレーザー加工を組み合わせることで製造したオブジェ作品です。なお、この作品の製造にあたり、「パンチングアートによる立体的造形物及びその製造方法」という名称で特許取得もしているそうです。引用元:高知県製造業ポータルサイト【精密切削加工なら】株式会社坂本技研引用元:株式会社坂本技研基本情報本社:高知県南国市小籠941-6TEL:088-864-4277FAX:088-864-4279創業年:昭和55年加工:切削加工、放電加工など素材:鉄鋼、ステンレス、チタン、インコネル、ハステロイなどURL:https://www.sakamotogiken.com/①会社紹介坂本技研は、金属加工及び精密部品の製造を行っているメーカーで、特に流体装置部品の製作に強みを持っています。充実したCAD・CAM設備を備えており、複雑形状の部品製作も対応可能です。また、マシニングセンタや複合旋盤、放電加工機を多数所有していますので、チタンなどの耐腐食性材料や析出硬化系ステンレス、耐熱鋼といった難削材でも高い精度で加工することができます。なお、流体装置部品については、複数の部品から構成されるユニット部品の設計・試作・製作・組立・評価までを行うことが可能です。②メリット・デメリット流体解析や応力解析のノウハウも持っているので、特殊な流体部品の設計や複雑形状部品の強度確保など、試作・試験・解析・評価を必要とする製品の開発も依頼することができます。ただし、加工方法に関しては切削加工に特化しており、板金加工の設備は所有していませんので、依頼の際はご注意ください。③製品例坂本技研の製品例をいくつかご紹介いたします。下の写真は、液体や気体の流れの制御に用いられるインペラ(羽根車)と呼ばれる流体部品です。次の写真に見られるような、プロペラも開発・製造しています。次の写真は、坂本技研が自社開発しているファインバブル発生器です。この装置は、水中に微細な気泡を発生させることで、液中に酸素を補給したり、液中に浸した部品の洗浄などを行うことができます。【大物のレーザー加工なら】有限会社大協工産引用元:有限会社大協工産基本情報本社:高知県南国市比江30-1TEL:088-856-8269FAX:088-856-8469創業年:昭和40年加工:レーザー加工、プラズマ加工、板金加工、溶接など素材:ステンレスなどURL:https://daikyo-kochi.com/①会社紹介大協工産は、工業製品の受注生産を中心としつつも、防災製品などのオリジナル商品の開発も行っているメーカーです。レーザー加工やプラズマ加工、プレス加工などにより、農機具や工作機械、防災機器、特殊車両等の部品製造を行っています。②メリット・デメリット大型のレーザー加工機やプレス機械、プレスブレーキなどによる板金加工が強みです。そのため、車両や工場設備の構造部材といった大物の加工を得意としています。一方、切削加工の設備をほとんど所有していないため、削り出しが必要となる製品には対応できないことがあります。③製品例大協工産の製品例を3つご紹介します。下の写真は、大型特殊車両のシャーシフレームです。次の写真に見られるようなダクトも製造しています。続く写真は、大型冷風乾燥機のフレームです。【板金加工と機械加工の複合案件なら】株式会社野本精工舎引用元:株式会社野本精工舎基本情報本社:高知県南国市双葉台8番地TEL:088-862-0332FAX:088-862-2277創業年:昭和44年加工:設計、板金加工、切削加工、溶接、塗装、組立素材:鉄、アルミ、ステンレスなどURL:https://www.s-nomoto.co.jp/①会社紹介野本精工舎は、OEM製品を中心に、設計から加工、組立までの全行程を社内だけで行うことができるメーカーです。板金加工や切削加工、レーザー加工、溶接の多様な設備を整えており、幅広いニーズに対応できます。②メリット・デメリット加工・生産の一貫体制を自社内だけで構築しているため、製品の開発から量産まで、まとめて任せることができます。試作、単品、小ロットにも対応しているので、小規模な案件にも応えてくれるでしょう。苦手とする素材や不得意とする加工法は特にありませんが、特殊であったり複雑であったりする案件には対応できないことがありますので、事前にお問い合わせすることをおすすめします。③製品例野本精工舎の製品例をいくつかご紹介します。下の写真は、籾摺り機に使用される脱穀選別ロールです。次の写真に見られるような、駐車場で使用される大きな機械台も製作しています。続く写真は、プラスチック押出機に用いられるシリンダーです。【アルミ、ステンレスの板金加工なら】進和鉄工株式会社引用元:進和鉄工株式会社基本情報高知工場:高知県宿毛市平田町戸内字扇3386番51TEL:0880-66-1166FAX:0880-66-1165創業年:昭和36年加工:板金加工、溶接、仕上げ加工など素材:鉄、アルミ、ステンレスなどURL:http://shinwa-works.co.jp/①会社紹介進和鉄工は、東大阪に本社を置く、板金加工技術をベースに筐体の設計や製造を行っているメーカーです。分電盤、制御パネル、鉄道や高速道路の表示板などの筐体を製作しています。進和鉄工では、手作業の加工に重きを置いており、機械による切断加工の後はほぼ人の手だけで加工。大量生産品とは一線を画す高品質な製品を提供しています。②メリット・デメリットステンレスの加工技術に強みを持っています。また、手に収まるような小さな箱から、鉄道の表示板のような大きな箱まで、大量生産できない特殊仕様の筐体を得意としています。ただし、筐体の製造を専門としているため、それ以外の製品は対応できない可能性があります。③製品例進和鉄工の製品例をいくつかご紹介します。下の写真に見られるような、制御盤や配電盤の筐体を製作しています。下の写真は、阪急電鉄梅田駅の電光掲示板ですが、この外装部分が進和鉄工の製品です。高知で金属加工メーカーの一括見積もりを依頼するなら【Mitsuri】いかがでしたでしょうか。高知では各メーカーごとに設備や得意とする加工技術など、独自の強みを活かして顧客獲得と信頼向上へ繋げていることがわかります。
金属の塑性加工(そせいかこう:物質に力を加えて塑性変形させ、意図する形状に加工すること)の代表的なものの一つに圧延(あつえん)があります。今回はこの圧延にフォーカスして、工法や種類、歴史などについてご紹介します。 圧延とは圧延とは回転している二本のロールの間に材料である金属を挿入し、長さ方向に材料を伸ばしながら所定の断面積にまで減少させる加工法のこと。そのためでしょう、英語ではrollingと訳します。引用元:モノタロウこの加工法は、金属には適度の力を加えると破壊することなく永久変形する性質(塑性)があることを利用したものです。圧延は連続的なロール加工ではあるものの、材料内部の組織の変化は、鍛造による不連続の衝撃に近しいものがあるとも言えます。さらに圧延は、連続的に一様な厚さにできるという点から大量生産に向いています。身近なもので例えるとしたら、麺棒で生地を伸ばす作業がぴったりかもしれません。麺棒で生地を伸ばす場合は下が平面になっているのでその点は少し違いますが、ロールで一様な厚さにできるというのは当たっていますよね。パスタ製造機では二つのロールの隙間にパスタの塊を押し込み、均一の力で生地を伸ばすということができます。単純な二重式ロールはまさにこの方式と言えそうです。 製品例圧延加工では厚鋼板、薄鋼板、棒鋼、形鋼(かたこう)、継目なし鋼管などの鋼材をはじめ、各種金属や合金の箔(はく)、板、棒、管などがこの方法で製造されています。言うなれば、一次加工品(原材料)の製造に用いられているといってもいいでしょう。圧延を実現する圧延機とは圧延によって多種多様な鋼板や継目なし鋼管が作られている現代。これを可能にしたのがさまざまな圧延機(rolling mill)の存在です。ロールの配置やロールの材質によって扱う材料(金属)や鋼板の仕上がりなどが異なってきます。 ロールの配置圧延機に配置されるロールの場所や本数によって加工結果が変わります。代表的なものを見てみましょう。代表的なロール配置1) 二重式ロール2) 三重式ロール3) 四重式ロール4) 六重式ロール5) 多重式ロール6) プラネタリーミル1) 二重式ロール:もっとも単純なロールの配置です。薄板圧延、粗圧延用などに用いられます。2) 三重式ロール:圧延機をコンパクトに設計することができます。また、中ロールを使って材料を往復して圧延することができるので、条鋼や鋼板の加工に用いられます。3) 四重式ロール:効率よく薄い幅広の帯鋼板の加工に適しています。4) 六重式ロール:硬くて薄い鋼板の圧延に適しています。5) 多重式ロール:ローラを多重構造にすることによって、硬い板を精度よく加工するのに使われます。6) プラネタリーミル:材料の回転を止める代わりにロールが公転ガイドの中を運動しながら材料の周囲をまわりって線材に加工します。 ロールの材質圧延機のロールには耐摩耗性・耐衝撃性・耐熱性を備え、強度が高く圧延中にロールが折れたりしないことなどが求められます。そのため鋼板の強度によって材質が異なります。ロールの材質1) 鋳鉄ロール2) 鋳鋼ロール3) 鍛鋼ロール1) 鋳鉄ロール:このカテゴリのロールの代表格には表面をチル加工したチルドロールがあります。チルドロールは表面が硬く耐摩耗性は高いものの強度はあまり高くないのが特徴です。2) 鋳鋼ロール:普通鋳鋼、特殊鋳鋼、球状黒鉛鋳鋼などがあげられます。耐摩耗性に優れ、耐熱性も高いことが特徴です。広い範囲の圧延に用いられます。3) 鍛鋼ロール:冷間圧延用のロールに用いられます。 圧延の種類圧延加工時には材料の温度により熱間圧延(熱延)と、冷間圧延(冷延)の二つに大きく分けられます。熱間圧延とは金属が加工による硬化を生じない再結晶温度以上の温度で圧延が行われるものを熱間圧延といいます。比較的小さいロール圧力で大きな変形加工ができるので、分塊圧延では、鋳塊の中にある気泡や粗大結晶組織をなくして均質な組織の鋼片を形成できます。ただし熱間圧延では、再結晶温度以下とはいえ、圧延中に高温の素材表面が大気中の酸素と化合して酸化膜(ミル・スケール)を作ってしまうため、製品の肌は粗く、金属光沢は失われ、寸法精度も低いのが難点でもあります。冷間圧延とは?冷間圧延は室温のまま、材料を圧延する方式のこと。室温で加工することから、製品の表面は平滑で、金属光沢があり、寸法精度もよいのが特徴です。冷間圧延と熱処理とを適切に組み合わせることによって、圧延製品の結晶組織を改善し、優れた機械的、物理的性質を与えることができ、出来栄えが大きく変わってきます。圧延の歴史もっとも単純な二重式ロールを見てもわかるように、圧延機は古くから存在していました。ヨーロッパで最初に実用化された金属圧延機は、中世教会のステンドグラス用鉛縁(H形断面)を成形加工する手動圧延機であったと言われています。鉛縁用およびスズ板用の2種の圧延機のスケッチをレオナルド・ダ・ビンチが残しているという点からも古くから圧延加工がなされていたことがわかります。16世紀前半からイタリアで、ついでフランス、オーストリアで銀貨素材板を手動圧延機で圧延することが始まり、17世紀後半および18世紀前半には形鉄および鉄板の熱間圧延がそれぞれドイツおよびイギリスで始まりました。圧延機をrolling machineではなくrolling millと呼ぶのもこうした歴史に依ります。動力はいずれも水車(mill)であったことから、圧延機をミルと呼ぶようになったのです。その後、圧延機の動力にも変化が現れます。例えば1784年に定められたヘンリー・コートの錬鉄製造法の要点は、石炭反射炉で製錬した錬鉄をただちに蒸気力駆動の圧延機で圧延することにあり、同法で製造された錬鉄の形材やレール、鉄板が産業革命時代の新工業材料となりました。 19世紀前半には蒸気力駆動の二重式圧延機によるブリキ板用薄鉄板の製造がイギリスで盛んになり、船底保護用などの広幅銅板も圧延されるようになりました。このように、時代に伴い産業が発達するとともに圧延技術も向上していったのです。20世紀に入ると、缶詰用ブリキ板や自動車車体用の薄鋼板の需要が急増したアメリカで、ストリップ・ミルとよばれる広幅帯鋼(ストリップ)の連続圧延方式が1920年代以降急速に発展しました。ストリップミルとは、厚い鋼板から帯状の薄い鋼板(ストリップ)を製造する連続式圧延機のこと。自動車生産の増加による薄鋼板需要の急増と品質の高度化の要求などにより発展しました。量産性、高寸法精度、高歩留りで低コストなどの特長を持っています。ホットストリップミル(熱間)で1.2mm程度に、コールドストリップミル(冷間)でさらに薄く圧延、両者の組合せにより鋼片から最小0.2mm程度のものが自動的に生産されます。日本での圧延の歴史日本には1941年(昭和16)最初のストリップ・ミルが導入されました。ただ、本格的な発展は戦闘機の軽量化などを目指すなどの観点から第二次世界大戦後になります。戦後は自動制御理論や塑性力学など工学理論も発展し、1960年代から自動板厚制御技術やロールに曲げを加えることによって圧延板の断面状形を制御するロール・ベンディング技術も開発されました。その後、計算機制御も1970年代から実装され、日本のストリップ・ミルは高度の技術水準に達しました。今日では幅2メートル以上の広幅薄鋼板が熱間圧延では毎分1300メートル、冷間圧延では毎分2500メートルの圧延速度で生産されています。このように圧延の歴史は産業の歴史そのものと言っても過言ではありません。技術が進歩すればするほど、それにこたえる一次加工の技術水準が出現したのだと言えます。 まとめいかがでしたか? 圧延加工をご紹介いたしましたが、概略をおわかりいただけたでしょうか。圧延加工にはまずは麺棒で生地を伸ばす作業を思い出してください。生地が金属です。圧力を加えることで金属が伸ばされて希望の形に変形します。圧延加工には熱間と冷間の二種類があり、金属の性質や変形させるターゲットによって変わってきます。覚えておくとよいですね。
「加工メーカーを探しているがどんなところがあるのだろう・・・」「コスト見直しのために新しい業者にお願いしたい・・・」加工業者を新しく選ぶ際に、「自社事業にぴったりのメーカーを探すにはどうすればいいだろう」とお悩みの方も多いかと思います。せっかく新しく決める依頼先であれば、長くお付き合いできて頼りになるメーカーを見つけたいですよね。本記事はそんなお悩みをお持ちの方に是非ご一読いただきたい、メーカー探しををお手伝いできる記事です。今回は【高知】にフォーカスを当て、Mitsuriイチオシの凄腕の板金加工メーカー10社をご紹介します。各メーカーの強み・弱み、製品例もご紹介しますので、ぜひメーカー選びの参考にしてみてくださいね。【機械加工なら】有限会社中野精工引用元:有限会社中野精工基本情報本社:高知県高知市神田1400-1TEL:088-833-0450FAX:088-832-0250創業年:昭和40年加工:板金加工全般、組立素材:ステンレス、アルミ、鉄、鋳物URL:http://www.nakano-seiko.co.jp/①会社紹介金属製部品の切削加工を得意としている有限会社中野精工。縦型・横中ぐりマシニングセンター・NC旋盤など金属加工のための機械設備を数多く揃えているので、工程ごとに分けることなく一括で依頼ができます。量産加工から試作単品加工まで幅広く対応が可能です。参考記事切削加工については別の記事で詳細を書いていますので、合わせてチェックしてみてください!⇒【切削加工】切削加工の方法や特徴・種類を動画を交えてご紹介!!②メリット・デメリット旋盤加工やフライス加工、穴あけ加工、研磨などの工程を一括して発注することができるのが最大のメリット。自社製の加工機械を完備しているため、大型の製品に関しても対応が可能です。ただ、設計段階からの対応はしていないため、ゼロベースからの依頼に関しては正確な図面を用意する必要があります。③製品例(カム軸/材SS400/外径30mmの丸棒の外周に幅3.5mm、深さ4mmの螺旋溝を機械加工)(SUS製パター/材SUS304/角材から機械加工による全周削りだし)(アルミ製部品/材アルミ/角材からの機械加工による削り出し。ボーリング加工・掘り込み加工・タップ加工)【精密部品の製造なら】玉川鐵工有限会社引用元:玉川鐵工有限会社基本情報本社:高知県高知市一宮南町1-8-29TEL:088-845-0970FAX:088-845-4971創業年:昭和53年加工:板金加工全般、溶接、組立素材:鉄、ステンレス、アルミ、チタン、インコネル、ニッケルURL:http://www.tamagawa-tk.co.jp/pc/index.html①会社紹介NC旋盤・マシニングセンターによる精密部品の製造を得意とする玉川鐵工有限会社。三次元測定顕微鏡・輪郭形状測定器・面粗計を備え、5/1000mmの精度を誇ります。鉄・ステンレス・アルミを主な素材として産業用機械部品から金型用部品まで対応が可能です。②メリット・デメリット1個の試作の相談から量産への移行まで柔軟に対応してくれるのがメリット。メインとなる鉄・ステンレス・アルミだけでなく、チタン・インコネル・ニッケルなどの加工実績もあるため、他で加工不可だった材に関しても相談が可能です。デメリットとして、主な製品サイズが10~200mmなので、該当サイズ以外のものについては対応が難しい場合もあります。③製品例【一貫生産なら】MGM引用元:MGM基本情報MGM(Matsumura Group for Good Metal working)松村グループ有限会社 松村鉄工所本社:高知県南国市岡豊町中島378-11TEL:088-866-5525FAX:088-866-7013創業年:昭和22年高須工業株式会社本社:高知県南国市岡豊町中島378-15TEL:088-866-0666FAX:088-866-0511創業年:昭和36年PT.Matsumura Itano Indonesia (MII)本社:インドネシア東ジャワ州パスルアン県 PIER工業団地内創業年:平成28年加工:板金加工全般、溶接、レーザー、組立素材:アルミなどURL:http://www.maic.co.jp/①会社紹介有限会社松村鉄工所・高須工業株式会社、インドネシアに拠点を持つPT.Matsumura Itano Indonesiaの3社7工場がタッグを組む金属総合加工集団MGM。特に機動軸の長い丸棒の加工や大型ローリング鍛造品の歯切り加工において独自の技術を持ち、高品質・高生産性を可能にしています。②メリット・デメリット溶接や組立、研磨など各工場の専門性を活かす3社7工場で高効率な生産体制を確立、高品質・低コストだけでなく、短納期も実現しています。専門力を結集することで部品1個からの対応も可能です。塗装担当の工場はないため、塗装作業に関しては外注になりコストと時間が上乗せになる可能性があります。③製品例(ディーゼルエンジン部品)(農業機械部品)(軸受部品他)【部品・パーツ製造なら】株式会社エスイージー引用元:株式会社エスイージー基本情報本社:高知県南国市大埇甲1498TEL:088-863-3186FAX:088-863-0728 創業年:昭和38年加工:板金加工全般、レーザー、溶接、組立素材:ステンレス、鋼など URL:https://www.segnet.jp/①会社紹介農業機械用部品・建設機械用部品・ボイラー部品など、産業用機械部品製造の専業メーカーである株式会社エスイージー。部品製造専業メーカーとして50年の歴史を持ち、年間3万アイテム・400万部品納入の実績を誇る、その道のスペシャリストです。②メリット・デメリット自社設計した縦型溶接治具が、文部科学大臣「創意工夫功労者賞」を受賞するなど、チャレンジングな姿勢が評価されているメーカーです。四国でトップクラスの設備保有数を誇り、小ロットから量産まで幅広く対応が可能。塗装施設も備えており、表面仕上げまで一貫しておこなうことができるのが魅力。一方、農業機械用部品の製造を得意としているので、精密板金などの設計や試作に関しては不得意の傾向があります。発注する際には注意が必要です。【歯車のことなら】株式会社高知歯車引用元:株式会社高知歯車基本情報本社:高知県高知市布師田 3961番地1TEL:088-846-2388FAX:088-846-2700創業年:昭和32年加工:歯切り加工、歯車研削素材:鉄、鋼、アルミ、ステンレス、樹脂URL:http://www.kochihaguruma.jp/①会社紹介歯車一筋50年という実績を持つ株式会社高知歯車。熟練の技術者と充実した設備、長年のノウハウで数量1個でも材料から歯切り、歯研まで対応可能です。特にφ600からの大型歯車は歯切りの加工を得意としており、多くの信頼を得ています。②メリット・デメリット様々なサイズの治具を揃えるなど、単品加工・小ロットに強い設備を充実させることで1個からの製造を可能。短納期にも対応しています。Φ10~1800の幅広いサイズの歯切りが可能であり、Φ300までのものは材料からの一貫生産ができます。一方、歯車研削加工がメインとなるため、別の加工を伴う製品は依頼が難しいというデメリットがあります。③製品例(平歯車)(タイミングプーリー)(スプロケット)【設計開発から製造まで】株式会社栄光工業引用元:株式会社栄光工業基本情報本社:高知県南国市廿枝1307TEL:088-864-1116FAX:088-864-1119創業年:昭和55年加工:板金加工全般、切削加工、レーザー加工、溶接、塗装、組立など素材:ステンレスなどURL:https://eikous.jp/①会社紹介栄光工業は、金属部品の加工だけでなく、産業機械の完成品のOEM生産や自社製品の開発も行っている金属総合加工メーカーです。部品加工では、多品種少量生産に対応し、短納期で製品を提供できます。OEM生産では、設計開発から組立までの一貫した生産が可能で、数千点もの部品を自社内で全て製造し、完成品の組立までワンストップで対応することができます。②メリット・デメリット設計設備はもとより、レーザー加工機や板金加工機、溶接機械、塗装設備に至るまで多数の設備を所有していますので、お客様の幅広いニーズに対応可能です。また、産業機械に関しては、品質保証も含めた完成品の提供が可能ですので、製品の製造全体を任せることができるでしょう。ただし、企業規模の大きなメーカーだけに、小さな案件だと対応できない可能性がありますので、事前にご相談することをおすすめします。③製品例栄光工業の製品例をいくつかご紹介します。下の写真は、社内で製造した多種多様な部品で、これらの部品は組立を行い、完成品となって納品されます。引用元:高知求人ネット次の写真は、自社開発した「トマト台車01(ゼロワン)」で、トマト農家の相談を切っ掛けに製品化したそうです。引用元:高知県製造業ポータルサイト続く写真は、パンチング加工とレーザー加工を組み合わせることで製造したオブジェ作品です。なお、この作品の製造にあたり、「パンチングアートによる立体的造形物及びその製造方法」という名称で特許取得もしているそうです。引用元:高知県製造業ポータルサイト【精密切削加工なら】株式会社坂本技研引用元:株式会社坂本技研基本情報本社:高知県南国市小籠941-6TEL:088-864-4277FAX:088-864-4279創業年:昭和55年加工:切削加工、放電加工など素材:鉄鋼、ステンレス、チタン、インコネル、ハステロイなどURL:https://www.sakamotogiken.com/①会社紹介坂本技研は、金属加工及び精密部品の製造を行っているメーカーで、特に流体装置部品の製作に強みを持っています。充実したCAD・CAM設備を備えており、複雑形状の部品製作も対応可能です。また、マシニングセンタや複合旋盤、放電加工機を多数所有していますので、チタンなどの耐腐食性材料や析出硬化系ステンレス、耐熱鋼といった難削材でも高い精度で加工することができます。なお、流体装置部品については、複数の部品から構成されるユニット部品の設計・試作・製作・組立・評価までを行うことが可能です。②メリット・デメリット流体解析や応力解析のノウハウも持っているので、特殊な流体部品の設計や複雑形状部品の強度確保など、試作・試験・解析・評価を必要とする製品の開発も依頼することができます。ただし、加工方法に関しては切削加工に特化しており、板金加工の設備は所有していませんので、依頼の際はご注意ください。③製品例坂本技研の製品例をいくつかご紹介いたします。下の写真は、液体や気体の流れの制御に用いられるインペラ(羽根車)と呼ばれる流体部品です。次の写真に見られるような、プロペラも開発・製造しています。次の写真は、坂本技研が自社開発しているファインバブル発生器です。この装置は、水中に微細な気泡を発生させることで、液中に酸素を補給したり、液中に浸した部品の洗浄などを行うことができます。【大物のレーザー加工なら】有限会社大協工産引用元:有限会社大協工産基本情報本社:高知県南国市比江30-1TEL:088-856-8269FAX:088-856-8469創業年:昭和40年加工:レーザー加工、プラズマ加工、板金加工、溶接など素材:ステンレスなどURL:https://daikyo-kochi.com/①会社紹介大協工産は、工業製品の受注生産を中心としつつも、防災製品などのオリジナル商品の開発も行っているメーカーです。レーザー加工やプラズマ加工、プレス加工などにより、農機具や工作機械、防災機器、特殊車両等の部品製造を行っています。②メリット・デメリット大型のレーザー加工機やプレス機械、プレスブレーキなどによる板金加工が強みです。そのため、車両や工場設備の構造部材といった大物の加工を得意としています。一方、切削加工の設備をほとんど所有していないため、削り出しが必要となる製品には対応できないことがあります。③製品例大協工産の製品例を3つご紹介します。下の写真は、大型特殊車両のシャーシフレームです。次の写真に見られるようなダクトも製造しています。続く写真は、大型冷風乾燥機のフレームです。【板金加工と機械加工の複合案件なら】株式会社野本精工舎引用元:株式会社野本精工舎基本情報本社:高知県南国市双葉台8番地TEL:088-862-0332FAX:088-862-2277創業年:昭和44年加工:設計、板金加工、切削加工、溶接、塗装、組立素材:鉄、アルミ、ステンレスなどURL:https://www.s-nomoto.co.jp/①会社紹介野本精工舎は、OEM製品を中心に、設計から加工、組立までの全行程を社内だけで行うことができるメーカーです。板金加工や切削加工、レーザー加工、溶接の多様な設備を整えており、幅広いニーズに対応できます。②メリット・デメリット加工・生産の一貫体制を自社内だけで構築しているため、製品の開発から量産まで、まとめて任せることができます。試作、単品、小ロットにも対応しているので、小規模な案件にも応えてくれるでしょう。苦手とする素材や不得意とする加工法は特にありませんが、特殊であったり複雑であったりする案件には対応できないことがありますので、事前にお問い合わせすることをおすすめします。③製品例野本精工舎の製品例をいくつかご紹介します。下の写真は、籾摺り機に使用される脱穀選別ロールです。次の写真に見られるような、駐車場で使用される大きな機械台も製作しています。続く写真は、プラスチック押出機に用いられるシリンダーです。【アルミ、ステンレスの板金加工なら】進和鉄工株式会社引用元:進和鉄工株式会社基本情報高知工場:高知県宿毛市平田町戸内字扇3386番51TEL:0880-66-1166FAX:0880-66-1165創業年:昭和36年加工:板金加工、溶接、仕上げ加工など素材:鉄、アルミ、ステンレスなどURL:http://shinwa-works.co.jp/①会社紹介進和鉄工は、東大阪に本社を置く、板金加工技術をベースに筐体の設計や製造を行っているメーカーです。分電盤、制御パネル、鉄道や高速道路の表示板などの筐体を製作しています。進和鉄工では、手作業の加工に重きを置いており、機械による切断加工の後はほぼ人の手だけで加工。大量生産品とは一線を画す高品質な製品を提供しています。②メリット・デメリットステンレスの加工技術に強みを持っています。また、手に収まるような小さな箱から、鉄道の表示板のような大きな箱まで、大量生産できない特殊仕様の筐体を得意としています。ただし、筐体の製造を専門としているため、それ以外の製品は対応できない可能性があります。③製品例進和鉄工の製品例をいくつかご紹介します。下の写真に見られるような、制御盤や配電盤の筐体を製作しています。下の写真は、阪急電鉄梅田駅の電光掲示板ですが、この外装部分が進和鉄工の製品です。高知で金属加工メーカーの一括見積もりを依頼するなら【Mitsuri】いかがでしたでしょうか。高知では各メーカーごとに設備や得意とする加工技術など、独自の強みを活かして顧客獲得と信頼向上へ繋げていることがわかります。
金属の塑性加工(そせいかこう:物質に力を加えて塑性変形させ、意図する形状に加工すること)の代表的なものの一つに圧延(あつえん)があります。今回はこの圧延にフォーカスして、工法や種類、歴史などについてご紹介します。 圧延とは圧延とは回転している二本のロールの間に材料である金属を挿入し、長さ方向に材料を伸ばしながら所定の断面積にまで減少させる加工法のこと。そのためでしょう、英語ではrollingと訳します。引用元:モノタロウこの加工法は、金属には適度の力を加えると破壊することなく永久変形する性質(塑性)があることを利用したものです。圧延は連続的なロール加工ではあるものの、材料内部の組織の変化は、鍛造による不連続の衝撃に近しいものがあるとも言えます。さらに圧延は、連続的に一様な厚さにできるという点から大量生産に向いています。身近なもので例えるとしたら、麺棒で生地を伸ばす作業がぴったりかもしれません。麺棒で生地を伸ばす場合は下が平面になっているのでその点は少し違いますが、ロールで一様な厚さにできるというのは当たっていますよね。パスタ製造機では二つのロールの隙間にパスタの塊を押し込み、均一の力で生地を伸ばすということができます。単純な二重式ロールはまさにこの方式と言えそうです。 製品例圧延加工では厚鋼板、薄鋼板、棒鋼、形鋼(かたこう)、継目なし鋼管などの鋼材をはじめ、各種金属や合金の箔(はく)、板、棒、管などがこの方法で製造されています。言うなれば、一次加工品(原材料)の製造に用いられているといってもいいでしょう。圧延を実現する圧延機とは圧延によって多種多様な鋼板や継目なし鋼管が作られている現代。これを可能にしたのがさまざまな圧延機(rolling mill)の存在です。ロールの配置やロールの材質によって扱う材料(金属)や鋼板の仕上がりなどが異なってきます。 ロールの配置圧延機に配置されるロールの場所や本数によって加工結果が変わります。代表的なものを見てみましょう。代表的なロール配置1) 二重式ロール2) 三重式ロール3) 四重式ロール4) 六重式ロール5) 多重式ロール6) プラネタリーミル1) 二重式ロール:もっとも単純なロールの配置です。薄板圧延、粗圧延用などに用いられます。2) 三重式ロール:圧延機をコンパクトに設計することができます。また、中ロールを使って材料を往復して圧延することができるので、条鋼や鋼板の加工に用いられます。3) 四重式ロール:効率よく薄い幅広の帯鋼板の加工に適しています。4) 六重式ロール:硬くて薄い鋼板の圧延に適しています。5) 多重式ロール:ローラを多重構造にすることによって、硬い板を精度よく加工するのに使われます。6) プラネタリーミル:材料の回転を止める代わりにロールが公転ガイドの中を運動しながら材料の周囲をまわりって線材に加工します。 ロールの材質圧延機のロールには耐摩耗性・耐衝撃性・耐熱性を備え、強度が高く圧延中にロールが折れたりしないことなどが求められます。そのため鋼板の強度によって材質が異なります。ロールの材質1) 鋳鉄ロール2) 鋳鋼ロール3) 鍛鋼ロール1) 鋳鉄ロール:このカテゴリのロールの代表格には表面をチル加工したチルドロールがあります。チルドロールは表面が硬く耐摩耗性は高いものの強度はあまり高くないのが特徴です。2) 鋳鋼ロール:普通鋳鋼、特殊鋳鋼、球状黒鉛鋳鋼などがあげられます。耐摩耗性に優れ、耐熱性も高いことが特徴です。広い範囲の圧延に用いられます。3) 鍛鋼ロール:冷間圧延用のロールに用いられます。 圧延の種類圧延加工時には材料の温度により熱間圧延(熱延)と、冷間圧延(冷延)の二つに大きく分けられます。熱間圧延とは金属が加工による硬化を生じない再結晶温度以上の温度で圧延が行われるものを熱間圧延といいます。比較的小さいロール圧力で大きな変形加工ができるので、分塊圧延では、鋳塊の中にある気泡や粗大結晶組織をなくして均質な組織の鋼片を形成できます。ただし熱間圧延では、再結晶温度以下とはいえ、圧延中に高温の素材表面が大気中の酸素と化合して酸化膜(ミル・スケール)を作ってしまうため、製品の肌は粗く、金属光沢は失われ、寸法精度も低いのが難点でもあります。冷間圧延とは?冷間圧延は室温のまま、材料を圧延する方式のこと。室温で加工することから、製品の表面は平滑で、金属光沢があり、寸法精度もよいのが特徴です。冷間圧延と熱処理とを適切に組み合わせることによって、圧延製品の結晶組織を改善し、優れた機械的、物理的性質を与えることができ、出来栄えが大きく変わってきます。圧延の歴史もっとも単純な二重式ロールを見てもわかるように、圧延機は古くから存在していました。ヨーロッパで最初に実用化された金属圧延機は、中世教会のステンドグラス用鉛縁(H形断面)を成形加工する手動圧延機であったと言われています。鉛縁用およびスズ板用の2種の圧延機のスケッチをレオナルド・ダ・ビンチが残しているという点からも古くから圧延加工がなされていたことがわかります。16世紀前半からイタリアで、ついでフランス、オーストリアで銀貨素材板を手動圧延機で圧延することが始まり、17世紀後半および18世紀前半には形鉄および鉄板の熱間圧延がそれぞれドイツおよびイギリスで始まりました。圧延機をrolling machineではなくrolling millと呼ぶのもこうした歴史に依ります。動力はいずれも水車(mill)であったことから、圧延機をミルと呼ぶようになったのです。その後、圧延機の動力にも変化が現れます。例えば1784年に定められたヘンリー・コートの錬鉄製造法の要点は、石炭反射炉で製錬した錬鉄をただちに蒸気力駆動の圧延機で圧延することにあり、同法で製造された錬鉄の形材やレール、鉄板が産業革命時代の新工業材料となりました。 19世紀前半には蒸気力駆動の二重式圧延機によるブリキ板用薄鉄板の製造がイギリスで盛んになり、船底保護用などの広幅銅板も圧延されるようになりました。このように、時代に伴い産業が発達するとともに圧延技術も向上していったのです。20世紀に入ると、缶詰用ブリキ板や自動車車体用の薄鋼板の需要が急増したアメリカで、ストリップ・ミルとよばれる広幅帯鋼(ストリップ)の連続圧延方式が1920年代以降急速に発展しました。ストリップミルとは、厚い鋼板から帯状の薄い鋼板(ストリップ)を製造する連続式圧延機のこと。自動車生産の増加による薄鋼板需要の急増と品質の高度化の要求などにより発展しました。量産性、高寸法精度、高歩留りで低コストなどの特長を持っています。ホットストリップミル(熱間)で1.2mm程度に、コールドストリップミル(冷間)でさらに薄く圧延、両者の組合せにより鋼片から最小0.2mm程度のものが自動的に生産されます。日本での圧延の歴史日本には1941年(昭和16)最初のストリップ・ミルが導入されました。ただ、本格的な発展は戦闘機の軽量化などを目指すなどの観点から第二次世界大戦後になります。戦後は自動制御理論や塑性力学など工学理論も発展し、1960年代から自動板厚制御技術やロールに曲げを加えることによって圧延板の断面状形を制御するロール・ベンディング技術も開発されました。その後、計算機制御も1970年代から実装され、日本のストリップ・ミルは高度の技術水準に達しました。今日では幅2メートル以上の広幅薄鋼板が熱間圧延では毎分1300メートル、冷間圧延では毎分2500メートルの圧延速度で生産されています。このように圧延の歴史は産業の歴史そのものと言っても過言ではありません。技術が進歩すればするほど、それにこたえる一次加工の技術水準が出現したのだと言えます。 まとめいかがでしたか? 圧延加工をご紹介いたしましたが、概略をおわかりいただけたでしょうか。圧延加工にはまずは麺棒で生地を伸ばす作業を思い出してください。生地が金属です。圧力を加えることで金属が伸ばされて希望の形に変形します。圧延加工には熱間と冷間の二種類があり、金属の性質や変形させるターゲットによって変わってきます。覚えておくとよいですね。