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静岡県の金属加工工場

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    切削加工の種類【専門家が解説】フライス加工、旋盤加工について詳細をお伝えします!

    皆さんは、切削加工をご存じでしょうか?金属加工メーカー等で働く人以外にはあまり聞きなれないものだと思います。今回はそんな切削加工についてご紹介させて頂きます。切削加工とはどういう加工なのかという説明はもちろん、その種類まで詳しく紹介させていただくので、「切削加工ってなに?」と疑問に思っている方や興味のある方も是非、ご一読いただきたいと思います。切削加工とは切削とは、工具を用いて加工する対象物から、その一部を削り取る加工のことです。この場合、大きくは「切削」と「送り」という二つの動きが必要となります。切削は対象物から一部を削り取る動きのことを言います。一方、送りとは工具を移動させて、ほかの部分の切削を可能にする動きのことです。たとえば、ある一直線上で切削を行った後、工具を切削方向と垂直に送ることで、新たな面の切削が可能となり、これを繰り返すと平面を生み出すことが可能になります。このように、切削加工は切削と送りを繰り返していくことで、工作物を加工していきます。フライス加工とはフライス加工とは切削加工の一種で、回転軸に取り付けたフライス盤という切削工具を回転させて行う加工です。設置した工作物に工具を当て続けていく切削を行うので、加工する工作物の表面を平面や曲面に加工できます。また、その他みぞ削りなどの多様な加工が可能です。フライス盤は、工具を取り付ける主軸の方向によって、横形と立形があるほか、本体が門のような形状をした門形など多数の種類があり、①正面フライス、②エンドミル、③溝フライスなどの工具を使うことによって、目的の形状に工作物を加工していきます。正面フライス正面フライスとは、フライス加工のなか最もよく使用される加工工具です。そのため、多数の工具が豊富に用意されています。正面フライスは広い平面を効率よく削るため外径が大きく、円周上に多数の刃(チップ)を等間隔に付けた構造をしています。 複数のチップを取り付けた正面フライスでは、刃が材料を削るときに、1回転で削れる量が増えていきます。つまり、外径が大きいほど、また刃数が増えるほど加工能率が高くなることになります。エンドミルエンドミルはフライス加工の切削工具の一つで、ドリルに類似した外観を持ちます。しかし、ドリルは軸方向に推進して円形の穴を空ける用途であるのに対して、エンドミルは側面の刃で切削し、軸に直交する方向に穴を削り広げる用途に用いられます。また、エンドミルは端面を平滑に仕上げる際にも用いられます。中心部の切れ刃が不完全であるため、ドリルのような単体での穴あけ加工には本来適しませんが、穴の中心にドリルなどで下穴を開けておくことで、軸方向へ推進して削り込むことも可能です。溝フライス上記で説明したエンドミルやメタルソー(金属製ののこ刃)の工具で、工作物の側面や端面に、溝を施す加工です。溝削りの場合、他の加工と比べて工作物との接触面が大きくなるため、切削速度・送り量・切り込み量を大きくすることは出来ません。フライス加工の機械についてフライス加工の機械は、主軸の向きによる種別と主軸とテーブルの移動方向による種別に分類されます。ですが、市場に出回っているフライス盤の8割程は立型フライス盤が占め、一般的にフライス盤といえば立型のフライス盤を指します。1,立型フライス盤主軸が地面に対して垂直(下向き)のフライス盤を縦型フライス盤といいます。また、縦型のフライス盤には、大きく分けて2種類の方があります。主軸頭が切込み運動を行い、テーブルが前後左右に動く「ベッド型(主軸頭移動型)」と、主軸頭が固定された「ヒザ型(主軸頭固定型)」があります。・ベッド型主軸頭が上下に動き、テーブルが前後左右に動くものを「ベッド型」といいます。「ヒザ型」より剛性があり、同じ製品を大量につくる場合は「ベッド型」が適しています。・ヒザ型フライス盤の中でもっとも汎用な機械が「ヒザ型」です。上下に運動するニーに支えられたテーブルが左右に動きます。「ベッド型」に比べると、目線の高さで加工できるため視認性が良く、軽い素材の加工や加工と測定を繰り返す細かい作業に適していいます。2、模型フライス盤主軸が地面に対して水平(横向き)のフライス盤を横型フライス盤といいます。溝入れや切断加工に適しています。また、板状の工作物の側面加工は、横型でなければ加工することが出来ません。3、万能フライス盤万能フライス盤は、膝型フライス盤の一種で構造的には横型フライス盤とほぼ同じですが、旋回台を設けてテーブルが水平面内に回転できる点が異なっています。主軸が180度動く立横兼用の万能フライス盤等もあります。フライス盤の加工機能に加え、歯車やドリルなどの複雑な加工が可能です。その他にも、マニシングセンタという目的に合わせてフライス削り、中ぐり、穴あけ、ねじ立てなどの異種の加工を1台で行うことができる数値制御工作機械があります。万能ではありますが、プログラムを設定しなくてはならないので、現物合わせで削りたい時には、やはりフライス(汎用フライス盤)のほうが素早い対応ができます。旋盤加工旋盤加工とは、工作物を高速で回転させ、その対象物に刃物を押し当てて削り出していく加工のことを言います。フライス加工が平面加工などをするのに対して、旋盤加工は棒のねじ切り等を加工します。旋盤加工する形状は基本的に丸モノとなり、マシニング加工に比べて、段取りや加工時間が少ないので素早い対応ができます。一見するとフライス加工との違いについては分かりにくいと思いますが、特徴は、回転する爪に金属素材を取り付けるということです。その取り付けた金属を回転させて旋削チップなどの機械工具で削っていきます。フライス盤は金属が回るのではなく、刃物が回転して削っていくという機械です。また、旋盤加工は製品が回転する事で加工を行うので、外径や内径の寸法が出しやすいという利点があります。通常は同芯で外径と内径を加工する事ができるので、ぶれる事がない製品を作り出す事が可能です。切削加工の良いところは、難しい依頼もフライス加工と旋盤加工を駆使していくことで、一つの部品を完成させることができる点です。まとめ今回は、主にフライス加工についてご紹介しました。切削加工には種類があり、加工方法も変わってきます。もし今回の記事を読んで、これから金属加工メーカーに依頼をすることを考えている方や切削加工に興味のある方の一助となれば幸いです。

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    【金型/IT/教育】3Sを実現する枚岡合金工具株式会社のお仕事!

    快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容について、お伺いさせてください。古芝氏弊社は、今年の4月19日で創業70周年になるような会社です。私で3代目になります。弊社は、金型事業部、IT事業部、教育事業部の3つの事業部に分かれています。金型が16名、ITが6名、教育が1名の全23名で構成されています。売上としては、金型が60%、ITが30%、教育が10%ですね。IT事業部は、15期目。教育事業部が、3期目を迎えております。金型事業部の商品は、冷間鍛造部品や冷間圧造部品の金型の設計、製造になります。弊社が取り扱っているのは超硬合金というとても硬い材料になります。これは、ダイヤモンドの次に硬いような材料でして。この材料を使ったボルトやナット、リベットを生産する金型。その製作から、弊社はスタートしています。ボルトとナットというのは、締め付けるので締結部品と呼ばれています。今でも、様々な産業部品で使用されていますよね。IT事業部の商品は、図面や書類などの管理ソフトです。情報の3S(整理・整頓・清掃)を推し進めています。ペーパレスで業務の効率化を図りましょうというのが、基本的な方向性です。紙がなくなれば、それを入れるファイルがいらない。ファイルがいらないなら、それをしまう棚もいらない。棚がなくなれば、労働環境がすっきりとします。単に業務の効率化につながるだけではなくて、労働環境にも貢献します。教育事業部は、私どもは3S活動のコンサルをする事業部になります。ご紹介いただいた山田製作所さんを含めた6社で、今から20年前に3S活動というものを始めました。3S活動を始めた当初は、瀕死の状態でした。どうやったら経営の回復ができるか。わらをもすがる思いで、3S活動に取り組みました。6社で切磋琢磨して、取り組んだ結果、それが会社の企業文化、風土になって、業績が回復しました。この3S活動を広める事業として、教育事業部を立ち上げたんですね。弊社は、事業部ごとにホームページを持っています。この中で、一番引き合いが多いのも教育事業部の3S活動のものですね。ありがとうございます。3S活動が、一番引き合い多いのはなぜなのでしょうか。古芝氏3Sは、業種を問わないからでしょうね。ホテル業の方、士業、サービス業、理美容業、病院、それから特養ホームの方などに来ていただいています。もちろん、製造業の方が一番多いですね。私どもが3S活動を始めた20年前は、小さな町工場がやるような活動ではありませんでした。どちらかといえば、100名以上の大手メーカーさまが職場をきれいにしましょうというような形で手がけられていましたね。ただ、私どもはそのような3S活動が経営をよくすると信じて、手がけてきました。リーマンショックの頃でしょうか、もう一回現場を見直す、事務所を見直すという機運が高まってきました。不景気になって仕事が少なくなってくると、社内の改善、内部統制の方に目を向けるんですね。弊社もリーマンショックの影響は大きくて、金型の受注がガクッと減りました。ただ、金型の受注は減ったけど、工場見学会は増えてきた。これまで工場見学は、9年ほど無料でやってきました。でも、これって知的財産ではないか。私どもの知識や経験が、そのまま商材になるのではないか。そう考えて、有料化に踏み切りました。有料化後も毎年700名の方に来ていただいています。そのような経緯で教育事業部を立ち上げられた。古芝氏そうですね。どうして教育事業部を立ち上げたかと申し上げますと、見学会に来られた方のためにお悩み相談室というものをやっているんです。当たり前ですけど、弊社の見学会に来られる方は、基本的に自社でも3S活動を始めたい。でも、どのように導入したらいいのか、わからない。導入してみたんだけど、なかなか定着しない。そういうお悩みの方が、結構多いんですね。先ほど申しあげたように弊社は、20年やって定着させました。会社自身も変革させました。皆さん、その秘訣を知りたくて、弊社の見学会にいらっしゃる。だから、知的財産なんです(笑)その秘訣を有料で教えるわけです。ですから、ある意味ではセミナー。見学会付きのセミナーと言っても過言ではありません。ここが、山田製作所さんとの違いですね。もともと、このようなセミナーをやるつもりはなかったんです。ただ、見学者の中から、枚岡さんに導入支援をして欲しい、定着支援をして欲しいという声がありまして。せっかくだから、そのようなニーズに答えてみようと始めたのが3年前のことです。この流れは、右肩上がりでして。特に最近では、海外インバウンドの効果もあって、海外からの見学者がとても増えてきていますね。国内のみならず、国外からのニーズも拾えるようになってきました。ありがとうございます。3S活動とIT事業部も強い関連性があると伺いました。古芝氏やはり、不景気になってくると社内の改善に目が向きます。文書書類・図面管理ソフトを導入する機運が、中小、特に中堅企業さんに高まってきたんですね。その流れの中で、IT事業部のデジタルドルフィンズという商材。この商材の引き合いが、とても増えました。金型の売り上げは減ったのですが、IT商品の売り上げが伸びたんです。もし、あの時金型事業部しかなかったらと思うと、ぞっとしますね。デジタルドルフィンズも3S活動から生まれました。3S活動を始めて2年後くらいだったでしょうか、書類の多さと情報を探す手間と時間がかかることに気がついたんです。この情報に関しては、あの人に聞かなければわからない。でも、つかまえられない。こういうことで、従業員1人当たり20分以上、欲しい情報を探し回っているような状況があったんです。ただの時間の無駄ですよね。実際に、現場の職人さんから、図面を探す時間がもったいない、書類を探す時間がもったいない、なんとかしてほしい。そういう声が上がったんです。そこで、弊社の会長が、2002年にデジタルドルフィンズを開発しました。そこから、国や府の助成金などを活用しながら、東京や大阪の大きな展示会に出展してPRを行いました。少しずつ浸透していきまして。今では、北海道から沖縄まで、全国各地のお客さまに使っていただいています。180社ほどのお客さまに導入していただいていますよ。デジタルドルフィンズの競合はリコーさん、富士ゼロックスさん、キーエンスさん、NTTデータさんなど、そうそうたる大手の方々の製品。もうブランド力が全然違いますから、当初はなかなか導入していただけませんでした。でも、弊社は3S活動をしていて、多くの企業さまが工場見学に来てくださっている。実際に、現場、事務所を見ていただけるわけです。デジタルドルフィンズの活用の効果を肌で体感できる。そこは、やはり説得力がありますよね。コストの面でも、大手さまよりも自信がある。これだったら、間違いないということで選んでいただいていますね。結局、現場を持っている強みが生きているんです。ご相談やお悩みに対して、地に足のついた回答をすることができます。で、納得していただける。ここは大手のセールスマンや営業さんにはわからないところ、できないところだと思っていますね。ありがとうございます。ものづくりには、ひとづくりが欠かせないと伺っています。御社の人の部分と3S活動の関係についてお伺いさせてください。古芝氏はい。3Sって、ただ現場がよくなる、業務効率がよくなるということだけではありません。1人1人の人間力、ライフスタイルにまでかかわってくると思っています。導入当初、コンサルタントの方に言われたのは、生産性を上げるため、品質を保証するため。そのために労働環境を整える。でも、10年やってみて思ったのですが、そういうことだけではない。徹底するということで、働き方自身が変わったんです。ものを出したら片付ける。汚れたらふく。ゴミが落ちていたら拾う。ある意味では、当たり前のことなのですが。当たり前のことを大切にして、大切なことを当たり前にする。そういう姿勢が、自然と身についてきました。でも、それは人間の基礎的な力でもあるんですよね。基礎的な力が、どれだけ身についたのか。その土台の上に、何をどれだけ積み上げることができているのか。そういう人間的成長を図るツールでもあります。そこから、気づきや発見のようなものが生まれる。新しい商材やサービスが生まれてくる。離職率も減りました。快適な環境になったおかげだと思います。新卒の雇用でも、今はそれほど苦労していません。なるほど。一般的に、製造業で担い手不足や後継者不足が叫ばれています。古芝さまのお話を伺っていると、単に人手不足だけが原因でないような気がしてきます。古芝氏そういう部分は、必ずあると思いますね。会社で働く時間は、人生の3分の1を占めます。そこを、汚い環境で過ごし続けるのかと言ったら嫌ですよね(笑)無駄だらけでストレスがたまるような職場も良くない。汚くて、無駄だらけの職場で働きたくないのは、誰でも同じだと思います。綺麗で効率的な職場であれば、気持ちよく働くことができる。気持ちよく働いていれば、新製品とかサービスとかも生まれやすいと思います。そもそも、我々はなぜ働くのか。給料をもらって、家族を養うため。自分の夢を実現するため。そんなものは、当たり前です。もっと高い目標を持って、モチベーション高く仕事しなければいけない。そう思って、弊社で話し合いをしたんですね。結論は、人の役に立ちたいよね、人に喜んでもらいたいよね、って。自分の仕事が誰かの役に立ってはじめて、働きがいが生まれます。この仕事をやっててよかった、みたいな。それは、人間の生きがいにまで発展すると考えていますね。人生の終わりに、ああ生まれてきてよかった、この仕事に就けてよかった、自分の人生最高だったって(笑)そこまで、発展して欲しい。たくさんお金を持っていたとしても、人生に対してどこか後ろ向きになっていたら、成功とは言えないと思います。山田製作所さんも、弊社も、要は3S活動を通じて幸せな人生を歩んでもらいたい。会社は、そのための場所。3Sの最終的なゴールは、会社をそういう場所にすること。枚岡では、3Sは幸せになるための手段だっていうことに行きつきました。そこまで行ったら、もうモチベーションは下がらないですよ。幸せになるために会社に来る、仕事をする。もっと幸せになろう。そのために環境を変えなければいけないなら、どんどん変えていこう。業務を効率的にしていこう。率先してアイデアを出していこう。相手に喜んでもらおう。社会に貢献していこう。ここまで来れば、職場も仕事も楽しいから、簡単には辞めません。工場に見学に来てもらえる。ここで働きたいと思ってもらえる。人で困るということはまずありませんね。ありがとうございます。先ほど、ITと3S活動の関係についてお話をいただきました。具体的にどのようにITを活用されて3S活動を展開されているのか、少しでいいのでお話を聞かせてください。古芝氏わかりました。毎月第1土曜日の午前中に全員参加の会議があります。そこを皮切りに、昼の12時50分から夕方の17時15分まで、3S改善活動を全員で行います。この日は、冠婚葬祭以外は絶対に全員参加です。社長や会長も、もちろん参加します。まず3S活動を始める前に、全員スマホを持って工場に集まります。工場ウォッチングというのですが、いいところと悪いところをパシャパシャ撮ります。それで、3S委員会宛にメールを送ります。3S委員会のITシステムで自動集計・整理します。そこで、場所別に仕分けがなされるので、どこがよくてどこが悪いのかが見える化します。じゃあ、今度はここを改善場所にしようというのを、3S委員会で毎月決めて、次月行うんですね。なるほど。3Sの活動も具体的に定着して、教育事業も立ち上げられている。すでに、様々な挑戦を形にされているかと思いますが、さらに新しい挑戦などございましたらお伺いさせてください。古芝氏ありがたいことに、若い人間が増えて順調に育ってきています。金型事業とITと教育。この三位一体をもっと充実させていきたいと考えています。そのためにそれぞれの事業をかけ合わせるようなことに、どんどん取り組んでいきたいと思っています。ITと金型でこういうコラボができる、連携ができる、こういう商材を提案できる。教育とITでこういうことができる。こういうかけ合わせに力を入れていますね。それぞれの事業が別々の動線を走るのではなく、連携しながら充実していく。ただ、どうしても事業部の壁というものがございます。それを上手く無くさなければいけない。そのために、組織開発、組織育成に取り組んでいます。コミュニケーションコーチの方にも来ていただいています。さらに部門関係なく、横並びでコミュニケーションが円滑に取れるように。先ほどの話にも関連しますが、みんなで楽しく、気持ちよく、ポジティブに仕事をしたい。そういう土壌部分には、積極的に投資をしています。ありがとうございます。最後に大きな質問になってしまうのですが、板金業界全体や金属加工業界全体の課題などございましたら、是非お伺いさせてください。もちろん、御社の課題でもかまいません。古芝氏弊社の課題で言えば、やはり技能の伝承スピード。これをもっとアップさせていきたいと考えています。業界全体の話であれば、1つのドメインで会社が成長したり、発展することは厳しいのではないかと考えています。例えば、技術。突出した技術を持っていても、売り方が上手くなければ売れません。また、突出すればするほど、市場も狭くなります。よっぽどうまい売り方をしないと、お客さまを見つけるのは難しいと思います。展示会などへ行っても、技術をとがらせている会社さまをよく見かけます。でも、どうやって売るんだろうと素朴に疑問に思うこともあります。それよりも一定水準をクリアした技術をどのように売るのか。売り方の方が大事なように考えています。言ってしまえば、並みの技術ではあるのですが、海外から見れば十分高い。製品としても、十分な機能を持たせて形にすることでができる。その並みの技術をどのようにPRしていくか。お客さまに満足いただいて、ひいきにしていただけるのか。知恵を出していく必要があるように思います。そういう知恵は、社内でのコミュニケーションをよくして、全員が考えて、意見を出すことで生まれる。上司はそれを尊重する。そうすれば、どんどん出てきますよ。やはり若い人間は、柔らかい発想をたくさん出すことができる。そういう発想が、ビジネスチャンスを生むと考えています。単に技術で勝負するのではなく、アイデア、まさに知的財産ですよね、これで勝負していくような意識改革が業界全体に必要かもしれませんね。まとめ3Sの徹底は、生産性の向上、品質管理に止まるものではない。むしろ、そこで働く人たちが幸せになるための場所づくりでもあって。快適な環境で、快適な人生を営む。3Sは、製造業のあるべき姿を照らしだす。

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    切削加工の種類【専門家が解説】フライス加工、旋盤加工について詳細をお伝えします!

    皆さんは、切削加工をご存じでしょうか?金属加工メーカー等で働く人以外にはあまり聞きなれないものだと思います。今回はそんな切削加工についてご紹介させて頂きます。切削加工とはどういう加工なのかという説明はもちろん、その種類まで詳しく紹介させていただくので、「切削加工ってなに?」と疑問に思っている方や興味のある方も是非、ご一読いただきたいと思います。切削加工とは切削とは、工具を用いて加工する対象物から、その一部を削り取る加工のことです。この場合、大きくは「切削」と「送り」という二つの動きが必要となります。切削は対象物から一部を削り取る動きのことを言います。一方、送りとは工具を移動させて、ほかの部分の切削を可能にする動きのことです。たとえば、ある一直線上で切削を行った後、工具を切削方向と垂直に送ることで、新たな面の切削が可能となり、これを繰り返すと平面を生み出すことが可能になります。このように、切削加工は切削と送りを繰り返していくことで、工作物を加工していきます。フライス加工とはフライス加工とは切削加工の一種で、回転軸に取り付けたフライス盤という切削工具を回転させて行う加工です。設置した工作物に工具を当て続けていく切削を行うので、加工する工作物の表面を平面や曲面に加工できます。また、その他みぞ削りなどの多様な加工が可能です。フライス盤は、工具を取り付ける主軸の方向によって、横形と立形があるほか、本体が門のような形状をした門形など多数の種類があり、①正面フライス、②エンドミル、③溝フライスなどの工具を使うことによって、目的の形状に工作物を加工していきます。正面フライス正面フライスとは、フライス加工のなか最もよく使用される加工工具です。そのため、多数の工具が豊富に用意されています。正面フライスは広い平面を効率よく削るため外径が大きく、円周上に多数の刃(チップ)を等間隔に付けた構造をしています。 複数のチップを取り付けた正面フライスでは、刃が材料を削るときに、1回転で削れる量が増えていきます。つまり、外径が大きいほど、また刃数が増えるほど加工能率が高くなることになります。エンドミルエンドミルはフライス加工の切削工具の一つで、ドリルに類似した外観を持ちます。しかし、ドリルは軸方向に推進して円形の穴を空ける用途であるのに対して、エンドミルは側面の刃で切削し、軸に直交する方向に穴を削り広げる用途に用いられます。また、エンドミルは端面を平滑に仕上げる際にも用いられます。中心部の切れ刃が不完全であるため、ドリルのような単体での穴あけ加工には本来適しませんが、穴の中心にドリルなどで下穴を開けておくことで、軸方向へ推進して削り込むことも可能です。溝フライス上記で説明したエンドミルやメタルソー(金属製ののこ刃)の工具で、工作物の側面や端面に、溝を施す加工です。溝削りの場合、他の加工と比べて工作物との接触面が大きくなるため、切削速度・送り量・切り込み量を大きくすることは出来ません。フライス加工の機械についてフライス加工の機械は、主軸の向きによる種別と主軸とテーブルの移動方向による種別に分類されます。ですが、市場に出回っているフライス盤の8割程は立型フライス盤が占め、一般的にフライス盤といえば立型のフライス盤を指します。1,立型フライス盤主軸が地面に対して垂直(下向き)のフライス盤を縦型フライス盤といいます。また、縦型のフライス盤には、大きく分けて2種類の方があります。主軸頭が切込み運動を行い、テーブルが前後左右に動く「ベッド型(主軸頭移動型)」と、主軸頭が固定された「ヒザ型(主軸頭固定型)」があります。・ベッド型主軸頭が上下に動き、テーブルが前後左右に動くものを「ベッド型」といいます。「ヒザ型」より剛性があり、同じ製品を大量につくる場合は「ベッド型」が適しています。・ヒザ型フライス盤の中でもっとも汎用な機械が「ヒザ型」です。上下に運動するニーに支えられたテーブルが左右に動きます。「ベッド型」に比べると、目線の高さで加工できるため視認性が良く、軽い素材の加工や加工と測定を繰り返す細かい作業に適していいます。2、模型フライス盤主軸が地面に対して水平(横向き)のフライス盤を横型フライス盤といいます。溝入れや切断加工に適しています。また、板状の工作物の側面加工は、横型でなければ加工することが出来ません。3、万能フライス盤万能フライス盤は、膝型フライス盤の一種で構造的には横型フライス盤とほぼ同じですが、旋回台を設けてテーブルが水平面内に回転できる点が異なっています。主軸が180度動く立横兼用の万能フライス盤等もあります。フライス盤の加工機能に加え、歯車やドリルなどの複雑な加工が可能です。その他にも、マニシングセンタという目的に合わせてフライス削り、中ぐり、穴あけ、ねじ立てなどの異種の加工を1台で行うことができる数値制御工作機械があります。万能ではありますが、プログラムを設定しなくてはならないので、現物合わせで削りたい時には、やはりフライス(汎用フライス盤)のほうが素早い対応ができます。旋盤加工旋盤加工とは、工作物を高速で回転させ、その対象物に刃物を押し当てて削り出していく加工のことを言います。フライス加工が平面加工などをするのに対して、旋盤加工は棒のねじ切り等を加工します。旋盤加工する形状は基本的に丸モノとなり、マシニング加工に比べて、段取りや加工時間が少ないので素早い対応ができます。一見するとフライス加工との違いについては分かりにくいと思いますが、特徴は、回転する爪に金属素材を取り付けるということです。その取り付けた金属を回転させて旋削チップなどの機械工具で削っていきます。フライス盤は金属が回るのではなく、刃物が回転して削っていくという機械です。また、旋盤加工は製品が回転する事で加工を行うので、外径や内径の寸法が出しやすいという利点があります。通常は同芯で外径と内径を加工する事ができるので、ぶれる事がない製品を作り出す事が可能です。切削加工の良いところは、難しい依頼もフライス加工と旋盤加工を駆使していくことで、一つの部品を完成させることができる点です。まとめ今回は、主にフライス加工についてご紹介しました。切削加工には種類があり、加工方法も変わってきます。もし今回の記事を読んで、これから金属加工メーカーに依頼をすることを考えている方や切削加工に興味のある方の一助となれば幸いです。

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    【金型/IT/教育】3Sを実現する枚岡合金工具株式会社のお仕事!

    快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容について、お伺いさせてください。古芝氏弊社は、今年の4月19日で創業70周年になるような会社です。私で3代目になります。弊社は、金型事業部、IT事業部、教育事業部の3つの事業部に分かれています。金型が16名、ITが6名、教育が1名の全23名で構成されています。売上としては、金型が60%、ITが30%、教育が10%ですね。IT事業部は、15期目。教育事業部が、3期目を迎えております。金型事業部の商品は、冷間鍛造部品や冷間圧造部品の金型の設計、製造になります。弊社が取り扱っているのは超硬合金というとても硬い材料になります。これは、ダイヤモンドの次に硬いような材料でして。この材料を使ったボルトやナット、リベットを生産する金型。その製作から、弊社はスタートしています。ボルトとナットというのは、締め付けるので締結部品と呼ばれています。今でも、様々な産業部品で使用されていますよね。IT事業部の商品は、図面や書類などの管理ソフトです。情報の3S(整理・整頓・清掃)を推し進めています。ペーパレスで業務の効率化を図りましょうというのが、基本的な方向性です。紙がなくなれば、それを入れるファイルがいらない。ファイルがいらないなら、それをしまう棚もいらない。棚がなくなれば、労働環境がすっきりとします。単に業務の効率化につながるだけではなくて、労働環境にも貢献します。教育事業部は、私どもは3S活動のコンサルをする事業部になります。ご紹介いただいた山田製作所さんを含めた6社で、今から20年前に3S活動というものを始めました。3S活動を始めた当初は、瀕死の状態でした。どうやったら経営の回復ができるか。わらをもすがる思いで、3S活動に取り組みました。6社で切磋琢磨して、取り組んだ結果、それが会社の企業文化、風土になって、業績が回復しました。この3S活動を広める事業として、教育事業部を立ち上げたんですね。弊社は、事業部ごとにホームページを持っています。この中で、一番引き合いが多いのも教育事業部の3S活動のものですね。ありがとうございます。3S活動が、一番引き合い多いのはなぜなのでしょうか。古芝氏3Sは、業種を問わないからでしょうね。ホテル業の方、士業、サービス業、理美容業、病院、それから特養ホームの方などに来ていただいています。もちろん、製造業の方が一番多いですね。私どもが3S活動を始めた20年前は、小さな町工場がやるような活動ではありませんでした。どちらかといえば、100名以上の大手メーカーさまが職場をきれいにしましょうというような形で手がけられていましたね。ただ、私どもはそのような3S活動が経営をよくすると信じて、手がけてきました。リーマンショックの頃でしょうか、もう一回現場を見直す、事務所を見直すという機運が高まってきました。不景気になって仕事が少なくなってくると、社内の改善、内部統制の方に目を向けるんですね。弊社もリーマンショックの影響は大きくて、金型の受注がガクッと減りました。ただ、金型の受注は減ったけど、工場見学会は増えてきた。これまで工場見学は、9年ほど無料でやってきました。でも、これって知的財産ではないか。私どもの知識や経験が、そのまま商材になるのではないか。そう考えて、有料化に踏み切りました。有料化後も毎年700名の方に来ていただいています。そのような経緯で教育事業部を立ち上げられた。古芝氏そうですね。どうして教育事業部を立ち上げたかと申し上げますと、見学会に来られた方のためにお悩み相談室というものをやっているんです。当たり前ですけど、弊社の見学会に来られる方は、基本的に自社でも3S活動を始めたい。でも、どのように導入したらいいのか、わからない。導入してみたんだけど、なかなか定着しない。そういうお悩みの方が、結構多いんですね。先ほど申しあげたように弊社は、20年やって定着させました。会社自身も変革させました。皆さん、その秘訣を知りたくて、弊社の見学会にいらっしゃる。だから、知的財産なんです(笑)その秘訣を有料で教えるわけです。ですから、ある意味ではセミナー。見学会付きのセミナーと言っても過言ではありません。ここが、山田製作所さんとの違いですね。もともと、このようなセミナーをやるつもりはなかったんです。ただ、見学者の中から、枚岡さんに導入支援をして欲しい、定着支援をして欲しいという声がありまして。せっかくだから、そのようなニーズに答えてみようと始めたのが3年前のことです。この流れは、右肩上がりでして。特に最近では、海外インバウンドの効果もあって、海外からの見学者がとても増えてきていますね。国内のみならず、国外からのニーズも拾えるようになってきました。ありがとうございます。3S活動とIT事業部も強い関連性があると伺いました。古芝氏やはり、不景気になってくると社内の改善に目が向きます。文書書類・図面管理ソフトを導入する機運が、中小、特に中堅企業さんに高まってきたんですね。その流れの中で、IT事業部のデジタルドルフィンズという商材。この商材の引き合いが、とても増えました。金型の売り上げは減ったのですが、IT商品の売り上げが伸びたんです。もし、あの時金型事業部しかなかったらと思うと、ぞっとしますね。デジタルドルフィンズも3S活動から生まれました。3S活動を始めて2年後くらいだったでしょうか、書類の多さと情報を探す手間と時間がかかることに気がついたんです。この情報に関しては、あの人に聞かなければわからない。でも、つかまえられない。こういうことで、従業員1人当たり20分以上、欲しい情報を探し回っているような状況があったんです。ただの時間の無駄ですよね。実際に、現場の職人さんから、図面を探す時間がもったいない、書類を探す時間がもったいない、なんとかしてほしい。そういう声が上がったんです。そこで、弊社の会長が、2002年にデジタルドルフィンズを開発しました。そこから、国や府の助成金などを活用しながら、東京や大阪の大きな展示会に出展してPRを行いました。少しずつ浸透していきまして。今では、北海道から沖縄まで、全国各地のお客さまに使っていただいています。180社ほどのお客さまに導入していただいていますよ。デジタルドルフィンズの競合はリコーさん、富士ゼロックスさん、キーエンスさん、NTTデータさんなど、そうそうたる大手の方々の製品。もうブランド力が全然違いますから、当初はなかなか導入していただけませんでした。でも、弊社は3S活動をしていて、多くの企業さまが工場見学に来てくださっている。実際に、現場、事務所を見ていただけるわけです。デジタルドルフィンズの活用の効果を肌で体感できる。そこは、やはり説得力がありますよね。コストの面でも、大手さまよりも自信がある。これだったら、間違いないということで選んでいただいていますね。結局、現場を持っている強みが生きているんです。ご相談やお悩みに対して、地に足のついた回答をすることができます。で、納得していただける。ここは大手のセールスマンや営業さんにはわからないところ、できないところだと思っていますね。ありがとうございます。ものづくりには、ひとづくりが欠かせないと伺っています。御社の人の部分と3S活動の関係についてお伺いさせてください。古芝氏はい。3Sって、ただ現場がよくなる、業務効率がよくなるということだけではありません。1人1人の人間力、ライフスタイルにまでかかわってくると思っています。導入当初、コンサルタントの方に言われたのは、生産性を上げるため、品質を保証するため。そのために労働環境を整える。でも、10年やってみて思ったのですが、そういうことだけではない。徹底するということで、働き方自身が変わったんです。ものを出したら片付ける。汚れたらふく。ゴミが落ちていたら拾う。ある意味では、当たり前のことなのですが。当たり前のことを大切にして、大切なことを当たり前にする。そういう姿勢が、自然と身についてきました。でも、それは人間の基礎的な力でもあるんですよね。基礎的な力が、どれだけ身についたのか。その土台の上に、何をどれだけ積み上げることができているのか。そういう人間的成長を図るツールでもあります。そこから、気づきや発見のようなものが生まれる。新しい商材やサービスが生まれてくる。離職率も減りました。快適な環境になったおかげだと思います。新卒の雇用でも、今はそれほど苦労していません。なるほど。一般的に、製造業で担い手不足や後継者不足が叫ばれています。古芝さまのお話を伺っていると、単に人手不足だけが原因でないような気がしてきます。古芝氏そういう部分は、必ずあると思いますね。会社で働く時間は、人生の3分の1を占めます。そこを、汚い環境で過ごし続けるのかと言ったら嫌ですよね(笑)無駄だらけでストレスがたまるような職場も良くない。汚くて、無駄だらけの職場で働きたくないのは、誰でも同じだと思います。綺麗で効率的な職場であれば、気持ちよく働くことができる。気持ちよく働いていれば、新製品とかサービスとかも生まれやすいと思います。そもそも、我々はなぜ働くのか。給料をもらって、家族を養うため。自分の夢を実現するため。そんなものは、当たり前です。もっと高い目標を持って、モチベーション高く仕事しなければいけない。そう思って、弊社で話し合いをしたんですね。結論は、人の役に立ちたいよね、人に喜んでもらいたいよね、って。自分の仕事が誰かの役に立ってはじめて、働きがいが生まれます。この仕事をやっててよかった、みたいな。それは、人間の生きがいにまで発展すると考えていますね。人生の終わりに、ああ生まれてきてよかった、この仕事に就けてよかった、自分の人生最高だったって(笑)そこまで、発展して欲しい。たくさんお金を持っていたとしても、人生に対してどこか後ろ向きになっていたら、成功とは言えないと思います。山田製作所さんも、弊社も、要は3S活動を通じて幸せな人生を歩んでもらいたい。会社は、そのための場所。3Sの最終的なゴールは、会社をそういう場所にすること。枚岡では、3Sは幸せになるための手段だっていうことに行きつきました。そこまで行ったら、もうモチベーションは下がらないですよ。幸せになるために会社に来る、仕事をする。もっと幸せになろう。そのために環境を変えなければいけないなら、どんどん変えていこう。業務を効率的にしていこう。率先してアイデアを出していこう。相手に喜んでもらおう。社会に貢献していこう。ここまで来れば、職場も仕事も楽しいから、簡単には辞めません。工場に見学に来てもらえる。ここで働きたいと思ってもらえる。人で困るということはまずありませんね。ありがとうございます。先ほど、ITと3S活動の関係についてお話をいただきました。具体的にどのようにITを活用されて3S活動を展開されているのか、少しでいいのでお話を聞かせてください。古芝氏わかりました。毎月第1土曜日の午前中に全員参加の会議があります。そこを皮切りに、昼の12時50分から夕方の17時15分まで、3S改善活動を全員で行います。この日は、冠婚葬祭以外は絶対に全員参加です。社長や会長も、もちろん参加します。まず3S活動を始める前に、全員スマホを持って工場に集まります。工場ウォッチングというのですが、いいところと悪いところをパシャパシャ撮ります。それで、3S委員会宛にメールを送ります。3S委員会のITシステムで自動集計・整理します。そこで、場所別に仕分けがなされるので、どこがよくてどこが悪いのかが見える化します。じゃあ、今度はここを改善場所にしようというのを、3S委員会で毎月決めて、次月行うんですね。なるほど。3Sの活動も具体的に定着して、教育事業も立ち上げられている。すでに、様々な挑戦を形にされているかと思いますが、さらに新しい挑戦などございましたらお伺いさせてください。古芝氏ありがたいことに、若い人間が増えて順調に育ってきています。金型事業とITと教育。この三位一体をもっと充実させていきたいと考えています。そのためにそれぞれの事業をかけ合わせるようなことに、どんどん取り組んでいきたいと思っています。ITと金型でこういうコラボができる、連携ができる、こういう商材を提案できる。教育とITでこういうことができる。こういうかけ合わせに力を入れていますね。それぞれの事業が別々の動線を走るのではなく、連携しながら充実していく。ただ、どうしても事業部の壁というものがございます。それを上手く無くさなければいけない。そのために、組織開発、組織育成に取り組んでいます。コミュニケーションコーチの方にも来ていただいています。さらに部門関係なく、横並びでコミュニケーションが円滑に取れるように。先ほどの話にも関連しますが、みんなで楽しく、気持ちよく、ポジティブに仕事をしたい。そういう土壌部分には、積極的に投資をしています。ありがとうございます。最後に大きな質問になってしまうのですが、板金業界全体や金属加工業界全体の課題などございましたら、是非お伺いさせてください。もちろん、御社の課題でもかまいません。古芝氏弊社の課題で言えば、やはり技能の伝承スピード。これをもっとアップさせていきたいと考えています。業界全体の話であれば、1つのドメインで会社が成長したり、発展することは厳しいのではないかと考えています。例えば、技術。突出した技術を持っていても、売り方が上手くなければ売れません。また、突出すればするほど、市場も狭くなります。よっぽどうまい売り方をしないと、お客さまを見つけるのは難しいと思います。展示会などへ行っても、技術をとがらせている会社さまをよく見かけます。でも、どうやって売るんだろうと素朴に疑問に思うこともあります。それよりも一定水準をクリアした技術をどのように売るのか。売り方の方が大事なように考えています。言ってしまえば、並みの技術ではあるのですが、海外から見れば十分高い。製品としても、十分な機能を持たせて形にすることでができる。その並みの技術をどのようにPRしていくか。お客さまに満足いただいて、ひいきにしていただけるのか。知恵を出していく必要があるように思います。そういう知恵は、社内でのコミュニケーションをよくして、全員が考えて、意見を出すことで生まれる。上司はそれを尊重する。そうすれば、どんどん出てきますよ。やはり若い人間は、柔らかい発想をたくさん出すことができる。そういう発想が、ビジネスチャンスを生むと考えています。単に技術で勝負するのではなく、アイデア、まさに知的財産ですよね、これで勝負していくような意識改革が業界全体に必要かもしれませんね。まとめ3Sの徹底は、生産性の向上、品質管理に止まるものではない。むしろ、そこで働く人たちが幸せになるための場所づくりでもあって。快適な環境で、快適な人生を営む。3Sは、製造業のあるべき姿を照らしだす。