Category

図面

  • 製図のルール、図面の描き方について

    製図は設計者から現場加工者まで、商品に携わるほぼ全ての人が確認する大切なものです。今回は製図を描いてみたいけどどう描けばいいのかわからない人に向けて、図面の描き方やルールを解説します。製図とは製図とは商品を製作するために、形や大きさが描かれた図面を作成することを意味します。出来上がった図面の指示通りに加工すれば、正しい製品ができ上がることを目的としています。製図の必要性現代では3D CADや3Dプリンターを活用すれば二次元図面を描かずとも、CADから出たデータから直接部品を製造できます。では、加工をする上でなぜ図面が必要になってくるのでしょうか。それはクオリティの高い部品を作るためには寸法や細かい形状といった様々な情報が欠かせないからです。複雑な形状の加工を行う際に、口頭で寸法や形状を口頭で説明すると、どうしても双方の解釈に誤解が起こりかねません。そこで、加工の指示や形状が描かれた図面が必要となってきます。また検査や検図を行う際は、データではなく紙の図面を使った方が作業効率が良い場合があるため、多くの企業では紙の図面を必要とするところもあります。製図をする際の注意点製図を行う際は、第三者に正確に伝わることが最も重要です。詳しいルールや書き方については以下で解説しますが、まず製図を行う際に心がけなくてはならない最低限の注意点を紹介します。・正確さ図面は投影対象物の形状、加工精度、仕上げ状態、寸法、測定条件などを記載し、設計した意図が相手に伝わるように加工者や測定者に対して必要な情報を全て記入しましょう。・わかりやすさ第三者が理解しやすいよう、補助投影図や断面図などを使いましょう。図や記号だけではわかりにくいと判断できる場合は、注記文にして補足すると伝わりやすくなります。・簡潔さ図面は形状を繰り返す投影図の使用は控え、解釈しやすい文字の大きさや行間に配慮しましょう。場合によっては大きなサイズの紙に変更したり、複数枚に分けたりすることも検討します。JIS規格とは製図をする際には見る人によって異なった解釈をしてしまうリスクがないように、わかりやすく正確に描かなかればいけません。そのため、国内では図面を描く際の共通のルールがいくつか存在します。JISについて製図は「JIS」という国内で決められたルールに従って作成します。JISとは工業標準化法に基づき、全ての工業製品について定められる日本の国家規格です。日本では1930年にJES(日本標準規格製図)が公布され始め、その後、現在のJIS(日本工業規格製図通則)が制定されました。企業活動のグローバル化に伴なって、これまで国際的な設計や製図分野の標準化が進められ、JISも国際標準に準ずるよう定期的な改定が行われています。(引用元:https://https://pub.nikkan.co.jp/uploads/book/pdf_file56cec6837ba66.pdf)製図のルール製図を行う際はJIS規格に従って作成しなければいけません。次に具体的な製図のルールを紹介します。図枠のサイズ図枠(図面枠)とは製図に使用される枠のことを指します。図枠には規定の用紙サイズがあり、一般的に使われるB5やA4サイズに比べると大きいものも使われます。サイズ縦寸法横寸法A4210297A3297420A2420594A1594841A08411189図枠にはこのようにいろんな種類がありますが、サイズは描く対象の大きさによって変わってきます。対象物をちゃんと表現するために必要に応じて尺度を変更するケースもありますが、基本的には図枠内におさまるよう、できるだけ小さな図枠を使いましょう。線の種類図面で使われている線にはいろんな種類があります。これは同じ太さや線を使ってしまうとその線が形状の線なのか、寸法を表した線なのかがわかりにくいためです。そのため、図面を描く際には線の種類を用途によって使い分けなければいけません。製図で使われる線の種類は以下の通りです。線の種類用途線太い実線外形線細い実線引出線、寸法線、ハッチング細い破線かくれ線細い一点鎖線中心線、基準線線の太さは極太線、太線、細線の3種類が一般的に使われており、比率は極太線:太線:細線=4:2:1となっています。下記は製図例です。形状の線とわかりやすくするため、形状を示す線以外は全部細線を使います。(引用元:ものづくりウェブ)文字の種類、大きさ図面で使う文字のルールは以下の通りです。・常用漢字常用漢字を使い、難しい漢字は使わない。16画以上は仮名で表記する。大きさは3.5mm、5mm、7mm、10mm。・かな、カタカナひらがな、カタカナで表記し一緒に使うのは原則NG。ただし、外来語、動物・植物の学術名および注意を促す表記をする場合、混用は認められる。大きさは2.5mm、3.5mm、5mm、7mm、10mm。仮名に使う小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」「っ」は0.7の比率にする。・ラテン文字、記号、数字大きさはいずれも2.5mm、3.5mm、5mm、7mm、10mmとする。右に約15度傾けて表記する。・文字のすきま文字線の太さの2倍以上とする。製図の投影法、第三角法とは図面は三次元の対象物を二次元に表したものです。そのため、製図を行う場合は立体を平面に投影することになります。投影は光をある方向から当てたときにできる影で、その影が出た面を投影面と言います。図面はその投影を用いて描かれています。日本ではJIS規格で規定されている第三角法を使って製図を行うのが一般的で、アメリカでも使用されている方法です。ちなみにヨーロッパでは第一角法が広く普及されています。第三角法は機械製図で代表される最もポピュラーな投影法なので、製図を行う前におさえておきましょう。第三角法について一般的に機械製図で使われる第三角法。これは下記の図にあるように、正面図、平面図、側面図で構成されていて、それらを描く位置は決められています。正面図の真上に平面図、正面図の真横に側面図を描きます。ちなみに正面図は商品の代表する面で描くことも決められています。一般的な図面は3方向からの図面で立体の形を的確に表すことが可能です。このような図面を三面図といいます。大三角法による三面図(引用元:独立行政法人 海上技術安全研究所)第三角法のマーク第三角法を使用した図面は、投影法がわかるようにマークを記載しなければいけません。第三角法、第一角法のマークは以下の通りです。(引用元:セドヤのブログ)このマークがあることで、図面を読んだ人は第三角法で描かれていることが一目でわかります。第三角法を用いる際の注意点・正面図、側面図、平面図がバラバラ正面図、側面図、平面図をバラバラな位置に作図したり、横に並べたりするのはNG。正面図の真上に平面図は位置しておき、正面図の横に側面図を描きましょう。・側面図と平面図の奥行きが異なる側面図と平面図の奥行きが異なることはありません。公差とは公差は商品を作った時や組み立てた時に生じる、大きさの誤差が許容される範囲を指します。図面上には、実際に作りたい商品の設計寸法の最大値と最小値を表すことが一般的です。公差の目的製品を作成する時は、図面やCADで寸法をきちんと定義しておけば狙い通りの形状が出来上がります。しかし実際の現場では、材料や加工作業などの段階から多少の誤差が生まれ、どうしても商品のばらつきが起こりかねません。そのため、最大値から最小値の合格ラインを設ける公差を設定する必要があります。普通公差公差にはいくつか種類がありますが、その中でもJIS規格で定められた公差のことを普通公差といいます。これは図面ごとに寸法が都度記載されるものではなく、JISに記載されている表がベースとなって適用されます。普通公差は寸法の指定がされない場合に使用される種類です。図面に記載される寸法には公差が指定されていますが、全部の寸法に公差が記載されていると図面が乱雑になってしまいます。そこで、JISが公式で指定している普通公差を使うことで、書き手と読み手が誤った解釈をすることなくキレイな図面で正確に読み取れるようになるのです。さらに普通公差は各寸法を一括して指定できるので、図面に寸法を記載する手間が省けるメリットもあります。普通公差の等級普通公差は公差のレベルごとに「精級」「中級」「粗級」「極粗級」の4つの等級が設けられています。それに設計者が適した等級を選択します。○普通公差一覧精度目安0.5-3.03.0-6.06.0-3030-120精級(f)±0.05±0.05±0.1±0.15中級(m)±0.1±0.1±0.2±0.3粗級(c)±0.2±0.3±0.5±0.8寸法公差寸法公差とは、高い精度が特に必要な寸法に対して、書き手が任意に決めることができる公差です。設計者の意図を加工者に明確に伝えられるメリットがあります。製図まとめ図面は加工開始〜検査までを一貫する、地図のようなものです。ルールや描き方が細かく決められていますが、何より大切なのは正しい情報を明確にわかりやすく伝えられるように製図を行うことです。製図のルールをある程度覚えたら、少しずつ実際に描きながら図面の描き方をマスターしてみてください。

  • ザグリの基礎!キリとの違いや関係性、深ザグリについて解説!

    ザグリは、ボルトやネジのゆるみ防止・美観性の向上・ケガの防止のために必要な加工です。身近なところでは、ドアの蝶番や家具などに多く採用されています。ザグリにはいくつか種類があり、使用するネジや用途によって、形状や図示の仕方が異なります。設計者は、これらを考慮して加工指示を変えなければなりません。しかし、あまり知識のない方は、ザグリがどのような加工なのか分からず、ザグリとキリを混同しているケースも多いと聞きます。そこで今回の記事では、「ザグリとは何か」について解説するほか、キリとの違いや深ザグリ、皿ザグリの基礎知識、加工方法までをご紹介します。ザグリについて知識を付けたい方は、ぜひご一読ください。ザグリとは、ネジ等の頭部飛び出しを防ぐ加工ザグリとは、ネジやボルト頭部、座金などの飛び出しを防ぐための穴加工のことです。カナ表記だけでなく、「座ぐり」と記述されることもあります。ザグリは、鋳物のようなざらざらした表面や、傾斜面に対して平坦になるように加工し、締め付け力を均一化するための加工でもあります。ボルトは、締め付けた際に、ボルト頭部と材料の接触面積を大きく設けるほど、均一に締結が可能。その結果、緩みにくくなる効果が期待できます。また、ボルトは頭部に高さがあるため、ザグリを設けていないと大きく出っ張った状態になり、ケガなどのトラブルを起こすことも。これを避けるためにも、ザグリ加工を施す必要があります。ザグリとキリの違いキリは、ドリルでの穴開けのことをいいます。例えば、「10キリ」と図面に指示されていた場合、「ドリルで直径10mmの穴を開ける」という意味を表します。引用元:機械製図 JIS B 0001:2009上図は機械製図のJIS規格「JIS B 0001:2009」から抜粋したものです。キリ穴の深さに指示がある場合は、上図162のように、穴寸法の後ろに深さを示す記号を記入します。また、上図163では、深さの記号が図示されていませんが、この場合は貫通穴であることを意味します。そのほかにも、上図164のように、ドリル先端で形成される円錐部分は、高さ(H)に含まないことも覚えておきましょう。また、上図の図162・図163に表示されている「φ」の記号は、「ファイ」と呼ばれ、直径〇mmの穴であることを意味します。これは穴が開いていることのみが条件で、「キリ=ドリル加工」のような加工方法の指示はありません。引用元:機械製図 JIS B 0001:2009プレス抜きやリーマ仕上げでの加工指示がある場合も、「キリ」のように簡略表示を使います。加工方法と簡略表示の一覧については上表を参考にしてください。引用元:ものづくりウェブ一方、ザグリは上図右の引出線のように図示します。旧JIS規格では、浅いザグリの深さは表記を省略していましたが、2020年現在の機械製図JIS規格「JIS B 0001:2009」では、ザグリの深さを指示する必要があります。引用元:機械製図 JIS B 0001:2009ただし、浅いザグリの図内の形状については、上図のように省略しても問題ありません。ザグリ加工の方法ザグリの加工方法は、ドリルでボルト用の穴を開けたあとに、エンドミルで加工するのが一般的です。参考:フライス加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!引用元:モノタロウまた、加工業者によっては、ザグリを開けるための専用工具である「ザグリドリル(段付きドリル、ドリル付沈めフライス)」を用いることもあります。上の画像は、ザグリドリルの参考写真です。引用元:モノタロウザグリドリルは、上図④~⑦を見ていただければ分かるように、穴あけとザグリ加工を一度に行えます。そのため、工具の切り替えが少なく、作業工程も抑えて加工できる点がメリットです。ただし、ドリル部分とフライス部分が一体化されている分、ザグリの加工寸法に融通が効かないといったデメリットもあります。「深ザグリ」でザグリの深さを指定!座金だけでなく、ボルトの頭までを隠すようにザグリを深く設けることを「深ザグリ」といいます。一般的にザグリは、1mm前後の深さになりますが、深ザグリはそれよりも深い加工となります。深ザグリは、ボルトの頭部が材料の表面と面一になるため、美観性の向上や、引っかかりによるケガの防止といった効果があります。引用元:ものづくりウェブ深ザグリの寸法の示し方については、ザグリと同じく、上図の引出線のような書き方になります。しかし、深ザグリの形状については、ザグリと違い、省略せずに図を描かなければなりません。上図左および中央は、2020年現在の機械製図JIS規格「JIS B 0001:2009」での図示方法ですが、製図者によっては、上図右の枠内のように表記をしている場合もあります。こちらは旧JIS規格での図示方法になるので、JIS規格の通りに製図する場合は注意してください。皿ザグリとは皿ザグリは、皿ネジや皿ボルト用に、円錐状に角度が付いたザグリのこと。現場によっては「皿モミ」と呼ばれる場合もあります。引用元:機械製図 JIS B 0001:2009皿ザグリの図示の仕方は、上図のように、穴の直径を示す寸法の次に皿ザグリの記号を示し、その後ろに皿ザグリの入口の大きさを記入します。引出線の矢印の位置については、上図aとbのように、皿ザグリの入口内径と外径どちらに表示しても問題はありません。また、皿ザグリの開き角を指示する場合は、上図cのように、皿穴の入口外径の後ろに「×」の記号と角度を表記します。皿ザグリの記号を使わずに加工指示する場合は、上図dのように図示します。引用元:モノタロウ皿ザグリの加工方法は、ドリルで穴を開けたあとに面取りカッターを使います。上の写真は、面取りカッターの参考画像です。また、刃物メーカーによっては、ザグリと同じく穴あけと皿ザグリを同時に行える、専用のドリルもラインナップされています。そのほかにも、プレス加工にて皿ザグリの形状をした金型を用い、皿ザグリを設けることも可能です。プレス加工は、作業工程が少なく済むため、量産時のコストダウンが期待できます。参考:プレス加工の基礎知識や種類について専門家が徹底解説!まとめ今回は、ザグリの基礎知識について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。ザグリは、ネジやボルト頭部、座金などの飛び出しを防ぐための穴加工のこと。主に六角穴付きボルトを使用した際に、設けられます。また、ザグリの加工方法は、ドリルで穴を開けてから、エンドミルで加工するのが一般的です。ザグリには、深めに段付き加工をする「深ザグリ」や、皿ボルト用に面取りされた「皿ザグリ」があります。設計者は、用途や使用するボルトに合わせて、ザグリの加工を使い分けましょう。ザグリや皿ザグリの加工工場をお探しの場合は、ぜひMitsuriにご登録ください。日本全国で250社以上の工場が登録しているので、お客様のご希望に沿う工場が見つかります。見積りは複数社から可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

  • 曲げRの計算方法【基礎知識】図面指示と板厚・強度

    曲げ加工は金属特有の展延性を利用した板金加工の花形とも言える加工方法です。曲げ加工では、素材を目的の角度に曲げるために、曲げる位置から曲げの中心部までの半径を求めます。これを「曲げR」や「内曲げR」と呼びます。今回は、曲げ加工で必要な曲げRの計算方法について解説していきます。板金加工における曲げの基本や素材、金型、板厚との関係性や注意点、最小曲げRについても合わせて解説しています。板金加工における曲げの基本と圧縮応力・引張応力図:圧縮応力と引張応力板金加工にて曲げ加工を行うと、板厚の中立軸に対して内側が圧縮されるため、圧縮応力が生じます。外側は引き伸ばされるため引張応力が生じます。圧縮応力は、圧縮方向に力を受けた時に材料内部に発生する「圧縮に抵抗する力」を指します。引張応力は、引張方向に力を受けた時に材料内部に発生する「引張に抵抗する力」を指しています。加工後、曲げるための外力が外れると、スプリングバックと呼ばれる材料の反発によって加工部の曲げ角度が開く現象が起きます。これは、材料内部に残った圧縮応力と引張応力に基づくものです。そのため、曲げ角度の設定時には、スプリングバックによる加工後の開きを推測し、オーバーベンドと呼ばれる目的の角度よりも過剰に角度をつけて曲げる手法が一般的となっています。参考:板金加工における【曲げ加工】の基礎やV曲げ/L曲げ加工について徹底解説!!材質、金型、板厚との関係と注意点板金加工における曲げ加工は、材質、金型、板厚を考慮して適切な方法を選択しなければ素材が破損してしまったり、変形してしまう恐れがあります。板厚が厚くて硬い素材ほど加工が難しく、板厚が薄く柔らかい素材ほど加工しやすくなりますが、これは、板厚が厚いと圧縮応力や引張応力が生じる範囲が広くなり、材質が硬いと圧縮応力や引張応力が大きくなるためで、考慮するスプリングバック量を材質や板厚によって見極めておかなければなりません。図:曲げRの計算式また、板厚が厚くなると板の中立軸が内側にずれていくことにも注意しなければなりません。厚みのある素材を曲げ加工すると板の内側は圧縮され、板の外側は引っ張られて伸びていきます。圧縮は板の内側から外側へ向けて次第に伸びる力に変化していき、伸びる力も板の外側から内側へ向けて圧縮へと変化していきます。この時、圧縮や伸びる力がつり合い、そのどちらの力も加わっていない面が板厚内部にできていて、それを中立軸といいます。(1)板厚が厚い場合板厚が厚い場合は、圧縮よりも伸びる力の方が強くなるため、伸びる力が減衰し圧縮とつり合う地点が元の中立軸より内側になります。板厚の厚い素材を曲げる際は、中立軸が内側にずれていることを考慮するようにしてください。(2)板厚が薄い場合板厚が薄い素材の場合は、板厚に対してかかる圧縮応力と引張応力の面積が少ないため、中立軸の移動率が誤差程度に収まることから、圧縮と引っ張られる力は同等と考えて元の板厚の中立軸を使用して曲げ加工を行います。曲げ加工には、下部金型のダイと上部金型のパンチで金属をプレスするプレスブレーキを用いる方法が一般的です。板厚や材質、オーバーベンドが必要かどうかによって適切な方法を取らなければ、理想の形状を作ることは出来ません。図:上部金型と下部金型でプレスして曲げ加工する板厚が薄ければ、標準パンチをダイに押し付ける基本的な曲げ加工で対応出来ます。しかし、板厚が厚い場合は、Rパンチ金型を使用し、ダイとなる下金型は通常のV曲げで使用する金型よりも溝が深いものを使用します。曲げRが大きい場合は素材を少しずつ移動させてRをつける手法もありますが、所定のRになるR曲げ用のパンチであるラジアスルーラー(下図)を使用する方法も取れます。図:ラジアスルーラ注意しなければならない点は、板厚が厚いにもかかわらず標準パンチで曲げ加工をしてしまい、素材に傷がつく事や機械が破損してしまう事です。また、オーバーベンドが必要なのにオーバーベンドができない金型を使用してしまっては指定されたRで正しく曲げ加工することができません。オーバーベンドが必要であれば、オーバーベンドができるスイングパンチ(下図)を使用するなどして正しいRで曲げ加工ができるようにしましょう。引用元:株式会社ミスミグループこれらのことから、板金加工における曲げ加工は、素材の材質、板厚、曲げ加工の特徴を考慮して、適切な加工方法と使用する金型を選定することが重要です。曲げrとは曲げRとは、プレスブレーキやロールによる金属の曲げ加工時に、曲げ位置にかかる半径を指します。この曲げRが小さくなると素材の割れが発生するため、素材を割らずに曲げ加工が行える限界のRを最小曲げRといいます。最小曲げRは素材の延伸性や板厚によって変わってきますので、設計する際は素材が割れないようなRをつけるか、望んだRに耐えられる素材を選ばなければなりません。図:曲げ加工製品の名称基礎知識曲げRは曲げ角と混同されがちです。曲げRは曲げ半径を指します。曲げ角はL曲げやU曲げの際にパッドで押さえられているウエブ面からの角度を指すものです。違いをしっかりと把握しておきましょう。曲げrの計算方法・計算式図:曲げRの計算式曲げRの計算方法ですが、基本的には曲げRから中立軸までの距離を求めることで計算します。中立軸は板厚や曲げ角度、内曲げRによって異なりますが、おおよそ板厚の20%~45%程度の位置となり、実際は経験値を採用します。曲げRの計算式は以下の通りとなります。曲げRの計算式L=A+B+(R+T×λ)×2п×θ/360 L=展開寸法 A・B=曲げ応力のない部分の長さ R=曲げ内R(半径) T=板厚 θ=曲げ角度 λ=中立軸移動率(%)※経験値を採用直角曲げの曲げr計算式なお、直角曲げの際は簡易的に計算することができ、実作業ではこの計算方法を元に経験値で修正して中立軸を算出する事が多いです。図:直角曲げの曲げR計算式直角曲げRの計算式L=A+B+1/2t L=展開寸法 A・B=内側長さ 1/2t=板厚の約半分(経験により修正)最小曲げrの計算方法図:最小曲げRと割れ最小曲げRの計算方法ですが、材質や板厚、金型によって数値が変化するため計算で求めることが困難です。そのため、実作業では設計者の経験値により最小曲げRを設定し素材が割れないように曲げRを設定しています。基本的に、展延性が低く板厚が厚いものほど最小曲げRが大きくなり、展延性が高く板厚が薄いものほど最小曲げRは小さくなります。最小曲げRを小さくする方法として以下①~⑥の方法があります。最小曲げRを小さくする方法① 展延性の高い素材を選ぶ。② 曲げ線を圧延方向と直角にする。③ 結晶粒度が細かい材質を選ぶ、または熱処理によって細かくする。④ 金型で抜いた素材はダレ面側がせん断面、バリ側が破断面となります。破断面よりもせん断面の方が伸びやすく割れにくいため、ダレ面が曲げ外側とする。⑤ 曲げ線と外形線が一致していると曲げ半径領域に外形の輪郭が干渉します。そのため、曲げに伴う材料の伸びが不十分になり割れやすくなるので、曲げ線と外形線を一致させない。⑥ 曲げ幅を板厚の8倍以上とる。図:ダレ面を曲げ外側とする曲げ加工で素材割れが発生する場合は、以上①~⑥などの方法で割れ対策を行うことができ、結果として最小曲げRを小さくすることができます。板金曲げRの図面指示曲げ加工に関して、内側のR指示の場合は上型の金型を替えるだけで加工が可能です。対して、外側のR指示の場合は上型、下型の両方が必要となり、コストが高いです。特別外側のR指示が必要でない場合は、内側のRを指定するとコストを下げることができるし、加工も早いです。基本寸法の記載の仕方ですが、図面内で外外・内内が混在すると確認作業が増えるのでコスト高です。作業ミスも起こりやすいです。寸法精度にこだわらないのであれば、外外で記載しましょう。寸法検査がしやすく、確認作業が減り、コスト減につながる可能性があります。曲げの外Rを指定するとコストが上がります。指定されたRの金型(ダイ)を作る必要が出てきてしまうからです。指定するなら内Rです。標準で金型がついているので、対応しやすいです。特に指定がない場合は最小Rとするとコストが下がります。曲げRの計算方法や板金加工における曲げの基本、材質・金型・板厚との関係や注意事項を解説してきました。板金加工における曲げRは、素材割れやへこみを防ぐために、素材の展延性や板厚、使用する金型を考慮して設定する必要があります。曲げR自体は、内側から中立軸までの長さを求めることによって得ることができますが、基本的には参考値でしかなく、経験値によって修正することが求められます。「曲げRの計算はしたけれど経験値での修正ができなくて依頼が出せない。」そういった方は是非一度Mitsuriにご相談ください。経験豊富な250社以上の工場と提携していますので、曲げRの計算から発注までしっかりとサポートさせていただきます。下の赤いボタンをクリックして、お気軽にお問い合わせください。

  • NO IMAGE

    板金 設計

  • NO IMAGE

    錆びにくい金属について解説【錆びない金属はありません】

    日常生活で使用している金属は、だんだんと錆びてきてしまうものです。多くの金属が必要なタイミングでサビ落としをする必要があります。しかし、金属のサビ落としの作業は大変なイメージがあると思います。そのため、できるだけ錆びないようにしたいと思うのではないでしょうか?今回の記事ではその対策となる少しでも錆びにくい金属について紹介していきたいと思います。錆びない金属はありません冒頭でも説明したように、金属というものは使用しているうちに錆びてきてしまうものです。使用する限り全ての金属は錆びてしまいます。自転車のチェーン、ネジなど日常のいたるところで見るかと思います。皆さんも生活の中で錆びていない金属よりも錆びてきてしまっている金属を見ることの方が多いのではないでしょうか?これは金属の性質上どうしようもないことです。しかし、なぜ錆びてしまうのかを正確に理解している人は少ないのではないでしょうか?金属が錆びる理由ここからは少し錆びについて深掘りしていきたいと思います。上記の画像のように、錆びには様々な種類があり、中には錆びだとわかりにくいものまで多くあります。ではこのような錆びはどうして生まれてしまうのでしょうか?錆びは金属と酸素、水によって酸化が起きることで発生してしまいます。学校の理科の授業などでイオンについての実験を行いおそらく皆さん一度は経験しているかと思います。これを腐食といい、これにより発生する腐食生成物を錆びと呼んでいます。この腐食は身近なところですと、電池にこの仕組みを使用したりもしています。この腐食で起きる事例はこのようなものがあります。錆びの事例・錆びが発生し、固定していたパーツであるボルトにヒビが入っていた。・パーツを固定していたはずのネジが割れていた。錆びは大きく見えるところ以外にもこのような細かいところにも現れてしまいます。そのため、錆びによる事故なども起きてしまうことがあります。このことからも、安全面も含めて少しでも錆びにくいものを使うことの重要性がわかるかと思います。金属加工でよく使われる錆びにくい金属3選金属の錆びの原因や錆びにくいものを使用する重要性はわかって頂けたかと思います。そして、錆びにくい金属には3つの特徴があります。錆びにくい金属の特徴1.錆びに強く、腐食しにくい金属2.不動態皮膜が金属の表面に形成され、錆びにくくなる金属3.腐食して生まれた錆びが表面で止まり錆びの進行が止まる金属このような金属が錆びにくい金属の特徴としてあげられます。次に、金属加工においてよく使用されている錆びにくい金属について紹介していきます。ステンレスは錆びる?「stain less」という名前の通り、錆びに強い金属の代名詞と言えます。ステンレスは主成分の鉄にクロムを混ぜることで不動態皮膜を作り、これによって錆びに強くなっています。この不働態被膜が損傷した時もすぐに他のクロムと空気中の酸素が化合し、補修されます。また熱に強く、加工がしやすく強度もあります。そのためステンレスは金属加工の中でも優れた面を持っています。主な用途としては、錆びにくいことからもキッチン周りで多く用いられています。また、他にも洗濯機のドラム、最近では包丁などにもステンレス製のものがあります。しかし、ステンレスにはもらい錆びというものがあります。これは他で発生した錆びが付着してしまうことで錆びが進行しやすくなってしまうものです。対策としては、付着している錆びを落としてあげることです。これにだけ注意していれば、ステンレスは長く使えるとても優れた金属であることには間違いありません。チタンは錆びる?チタンもステンレスと同じく、不動態皮膜によって錆びにくい金属となっています。金属として加工した時に綺麗で、軽く、金属アレルギーが出ないなどの個性もあります。このことからも様々な用途に合わせて加工されています。主な加工物としては、自動車、飛行機などのパーツ、ネックレスなどのアクセサリーなどが挙げられます。チタンは日用品のパーツや医療に至るまで幅広い領域で使用されています。またステンレス、チタンの共通点として、どちらもリサイクルが可能という点が挙げられます。どちらも環境面においても優しい素材と言えます。アルミニウムは錆びる?アルミニウムの大きな特徴はその軽さです。またアルミニウムは錆びが白い膜となって発生します。そしてこの膜によって、それ以上の錆びを防ぐという特徴も持っています。普段私たちが使用する1円もアルミニウムで出来ています。1円が長期間にわたり多くの人の手を渡っているにも関わらず錆びて使用できなくなることが少ないのは、これが理由となっています。軽さ、錆びにくさなどから日常生活では網戸のサッシや物干し竿などで使用されています。以上、紹介した3種類の金属は、他の金属と比べ錆びにくいことが大きな特徴です。そして、それに加えてそれぞれ、耐熱性、軽さなど特徴が様々にあります。そのため、多岐にわたる用途に合わせて、錆びにくいこれらの金属が多く用いられています。まとめ今回は錆びにくい金属について紹介しました。どの金属も、決して錆びないわけではありませんが、ステンレスやチタン、アルミニウムなど、錆びにくい金属を適切な場所に使用することで、私たちは様々な製品を安心して使うことができます。錆が気になる箇所での金属の使用を検討している方は、Mitsuriにご相談ください。全国に協力工場が140社あるMitsuriなら、錆びに強い最適な金属の加工をご提案できます。錆に強い金属の加工でお迷いの方は、ぜひMitsuriにご相談ください。

  • NO IMAGE

    【レーザー溶接】仕組み(原理)やメリット・デメリットなどの特徴をご紹介!!

    板金を手掛ける作業者にとって、「溶接」なしでは板金を語る事はできません。とはいえ、溶接と聞いてどんな景色を想像しますか?防護メガネをかけ、飛び散る火花がまぶしい溶接現場、というところでしょうか。実は溶接も、知れば知るほど奥深いものがあるのです。なかでもレーザー溶接は一般的に私たちが目にする溶接作業とはまったく異質です。そんなレーザー溶接に関して、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか?「レーザー溶接加工を依頼したいけれど、初めてでどこに頼めばいいかわからない……」「他の工場で断られてしまって、依頼先に困っている……」探す中で、こんなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。その他にも、「小ロットでの発注を断られてしまった……」といったお悩みや、あるいは「いつも依頼している工場に小ロットで発注するのが申し訳ない……」とお悩みの方もいるでしょう。レーザー溶接とは?(特徴)そもそものお話。レーザーとは何でしょう? 実は、次の英語、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭文字をつなぎ合わせたものがLASER、レーザーなのです。どういう意味なのでしょう?「誘導放出による光の増幅」という意味です。わかりやすく言うと、レーザー素子に光を当てることによって(光励起)誘導放出現象を起こし光を放出させます。励起とは、外からエネルギーを与えられ、もとのエネルギーの低い安定した状態からエネルギーの高い状態へと移ることを言います。レーザー光は純粋で強力な光のうえ、人工的にコントロールできるので、加工や計測、通信、記録、医療など幅広い分野で利用されています。そのレーザー光を熱源として溶接を行うのがレーザー溶接なのです。レーザー溶接の仕組み(原理)引用元:加工技術データベースレーザー溶接の仕組みは、ごく簡単に言ってしまえばこんな感じ。溶接したい金属にレーザー光を集光して照射すると、被照射金属は局部的に溶融します。それを凝固させることで接合します。けれども、レーザー溶接機はそんな簡単な仕組みではありません。まず、レーザー発振器があり、その光が進む光路があります。レーザー光を集光するための集光光学系、集光したレーザー光を思いのまま動かす駆動系、さらに被金属部の酸化を防ぐシールドガス系で構成されています。レーザー光は先ほど述べた通り、波長が揃っていて指向性が強い光なので、レンズなどで光を集めると焦点がとても小さく絞れます。小さく絞ったところにエネルギーを集中させるので、熱をかける面積が非常に小さくて済み、溶接速度も速いのが特徴です。レーザー溶接の種類レーザー溶接にはいくつか種類があります。代表的なものをピックアップしてみましょう。CO2 レーザーごく一般的に見ることのできるのがこのCO2レーザーです。「炭酸ガスレーザー」または「シーオーツーレーザー」と読みます。その歴史は古く、1964年にアメリカで発明されました。二酸化炭素を放電等で励起して誘導放出させる発振器です。CO2レーザーの波長は10.64μmで赤外光のレーザーですので、肉眼では見えません。波長が長いため、光ファイバーを使ったレーザーの伝送は行えず、主にミラーや特殊なレンズによってレーザーを伝送し集光します。CO2溶接についてはこちら炭酸ガスアーク溶接とは?【3分でわかる】向いている金属もご紹介!YAGレーザーYAGレーザー(ヤグレーザー:Yttrium Aluminum Garnet laser)は、CO2レーザーと同様、アメリカのベル研究所で発明されたレーザーです。CO2レーザーがガスレーザーの代表格であれば、YAGは固体レーザーの代表的なレーザーと言えるでしょう。イットリウム、アルミニウム、ガーネットで構成する結晶に微量のレアアースを添加した結晶体を媒体に用いたレーザーのことです。これによって得られるレーザーの波長は基本波で1.06μmで近赤外光。そのためこのレーザー光も肉限では確認できません。ただCO2レーザーと異なる点があります。それはYAGレーザーは光ファイバーを通すことができるという点。また、CO2レーザーのようにミラーによる伝送も可能なので、必要に応じてファイバー伝送とミラー伝送の使い分けができるのです。また、CO2レーザーよりも波長が10倍短いので、材料のエネルギー吸収率がCO2に比べて高くなるのも特徴です。つまり、YAGレーザーはCO2レーザーほど高い出力で連続波を出すことはできないものの、レーザー発振機の中では連続波で高い出力が出せるように工夫できるのです。ファイバーレーザーファイバーレーザーは、光ファイバーの中に希土類元素を添加することで、ファイバー自身がレーザーを発振する媒体となる構造を持つことになります。ファイバーレーザーで得られる出力も20kW程度まで幅が広く、YAGレーザーのように光ファイバーによる伝送も可能な上、発振器の構造も簡便で省スペースが実現されているので、装置がコンパクトにまとまります。ディスクレーザーディスクレーザーはレーザーを発振する媒体は固体ですが、その形状が大きく違います。固体レーザーであるYAGレーザーは、励起するYAGの結晶が円柱状であるのに対し、ディスクレーザーはその名前の通りディスク、薄い円盤状です。薄い円盤状になっているレーザーを発振する結晶にポンプ光を照射し、レーザーを発振させます。発振器の出力は数W~数kWまで幅広くあるので、波長によって用途が使い分けられるのもメリットのひとつ。レーザー溶接やレーザー切断以外にもさまざまな用途に使えます。レーザー溶接のメリット・デメリットレーザー溶接のメリットレーザー光を溶接に使う場合、強力でかつ人為的にコントロールしやすいという点から、他の工法と比較して局部加熱が可能であり短時間で接合可能になります。そのため、溶接歪が少なくなるメリットがあります。また、溶接に必要な熱源が光なので、電流や電圧、磁力などの影響が少ないというのも特徴です。また、レーザー光は集約することができるので、微細加工も可能です。融点の異なる異種材料の溶接が他の工法と比較して容易であることもメリットに挙げられるでしょう。このほかファクトリーオートメーション化が容易であること、非接触加工ができるので、電極メンテナンスなどが不要であることもメリットに挙げられます。レーザー溶接のデメリットもちろん、メリットだけではありません。レーザー溶接は抵抗溶接等の工法と異なり、加圧工程が無く集光径が小さいことから、溶接個所の密着精度や溶接面の管理が必要となってきます。  レーザー溶接の場合の密着精度は、一般的には板厚の1/10程度の隙間以内に収める事が必要です。これを怠ると、接合部の合金層にブローフォール(ポロシティー:ガスによる鋳造欠陥)やクラック(ひびわれ)等の溶接欠陥が発生する原因になるおそれがあります。このため、密着させるためのジグを作成したりする必要があります。また、高熱で強力なレーザー光に対する安全対策が必要です。そのために必要な設備を特別に選定する必要があります。レーザー光は目に見えないので、反射光により火傷する恐れがある上、レーザー光を見つめると網膜損傷などの危険性があるのです。これらの安全対策として、専用のメガネを着用するか、反射作用のあるカバーで溶接工程を覆うなど、レーザー光から身を守る対策が必要となります。レーザー溶接まとめいかがでしたか? レーザー溶接についてざっくりと説明してきましたが、お分かりいただけたでしょうか?レーザー光は強力で純粋な光であることから人為的にコントロールしやすいことがわかりました。それゆえに精度の高い溶接も可能ですが、そのためには密着精度が高くなくてはならないこともわかりましたね。ここでお話したのはレーザー溶接のほんの序の口。もっと詳しく、知れば知るほど、レーザー溶接のおもしろさがわかってきます。これからもっと深く学んでレーザー溶接を学んで行きましょう!

  • NO IMAGE

    【板金加工 図面】図面の基礎を徹底解説!書き方・読み方・必要性

    板金製品の完成には、材料・図面・加工(機械)の3つが欠かせません。今回は、板金加工で使用される図面をテーマに取り上げます。板金加工における図面の必要性から書き方・読み方まで、図面の基礎を学びます。価格が安くなる図面の板金図面の書き方についてはこちら!板金加工における価格が安くなる図面の書き方を解説しています!この動画では製品サイズについて触れています。ぜひ設計する際の参考にしてみてください!3分ほどで視聴可能です!Youtubeにて、金属加工Mitsuriチャンネルを運営中!こちらからご覧ください!板金加工における図面の必要性 ▲Mitsuriの見積用図面図面の必要性(1) 製品の条件を集約的かつ簡潔に整理するため(2) 製品作りに関わる人をつなぐ意思疎通のため(1) 製品の条件を集約的かつ簡潔に整理するため製品は顧客のために作るものであり、顧客のニーズを満たさなければなりません。顧客のニーズには様々なものがあります。・機能・形状、大きさ・個数・品質(Q)・価格(C)・制作期間(D)(※QCDは製造業において設計・生産時、特に重視されます。)板金加工はあくまで顧客のニーズ(=条件)を満たす製品を作るためになされます。したがって、製品が持つべき条件を集約的かつ簡潔に整理する必要があり、そのために図面を作ります。製品の条件が複雑になる程、図面の必要性は増します。(2) 製品作りに関わる人同士の意思疎通のため製品作りにおいては、設計者と加工者が異なることが多々あります。設計者は図面を通して製品条件を加工者に伝え、 加工者は図面をもとに実際の製品を作り上げます。 大量生産の場合は、もっと多くの人間が製品作りに関わるため、より図面の重要性は増します。このように図面は、製品作りに関わる多くの人をつなぐ役割を担っています。 モノづくりの仕事の流れと図面の関係性・企画(構想):(複数の人が)頭の中で考える段階。・設計:設計用の図面、製作用の図面が作成される。・設計以後:図面を読む。・設計用の図面:部品図と組立図の完成を以って図面の役目は終了し、技術資料として保管されます。・製作用の図面:部品図と組立図が製作用図面として設計後の工程に流れ、適時参照されます。①製作用の図面作成(部品図と組立図)設計用の図面を元に、製作用の図面として部品図と組立図が作成されます。部品図 形状、寸法、材質など組立図 構成部品同士の位置関係、完成品の外形寸法②検図作業設計用図面、製作用図面が完成した各段階で第三者視点による確認作業(検図)がおこなわれます。 設計図の検図 モノの仕様が満足いくものか否か確認部品図の検図組立図の検図 寸法もれや記入ミスなど図面作成上の問題が無いかを確認、図面の完成度を高める③現場での部品加工と組立、調整、検査加工から納品(販売)までは、図面を読む作業に移ります。加工段階では、部品図を読みながら部品加工をおこないます。部品が出来上がったら組立、調整段階です。調整が完了したら、当初の仕様を満たしているか否か、部品図・組立図を見ながら再度検査をおこないます。この検査に合格してはじめて納品・販売段階に移ります。④加工製品の販売・納品販売の場面でも、図面は重要な役割を担います。営業社員は顧客から図面で注文や要求を受けることが多くあります。その際に、顧客のニーズの細部まで把握するためには図面を読む必要があります。社内に持ち帰った後も、図面を基にして技術者と打ち合わせをします。また、図面を使って販売活動をおこなうことで、お客様に製品の理解を深めてもらうことができます。図面が読めれば、その場で議論を深めたりコストカットの提案ができたり、顧客から信頼を得ることにつながります。営業社員が図面を読めることは大きな強みです。⑤購買、生産管理モノづくりを支える購買部門も、図面を読んだ上で材料や部品を発注します。仕入れ価格の交渉時にも、図面を見ながら双方で打ち合わせをおこなうことがあります。 また、生産管理部門でも、対象となるモノを図面で理解しておくことで、作業者や設備稼働状況等を考慮した立案が可能になります。より具体的なイメージをつかむために参考になる動画がありましたのでご紹介させていただきます。ここまで確認してきたことを体系的に再確認することができます。▼動画「プラモデルができるまで」▼動画の概要身近な製品がどのような技術を使ってつくられていくのかを追い、モノの成り立ちと科学技術の関わりを伝えます。今回のテーマは、「プラモデル」。…実際の設計図が手に入らないスケールモデルの場合、写真や雑誌等で資料を集め、コンピュータCADで行う。設計のポイントは、一部分を誇張し本物らしく見えるようにすること。実物のサイズをそのまま忠実に縮小すると、逆に曲がってみえたりすることが多い。設計図をもとに作られた木型で実際の見た目と比べ、金型を製作する。金型は大量に生産されるプラモデルにとって最も重要な部品。…プラスチック材料を熱で溶かし、金型に流し込むと、プラモデル部品が出来上がる。引用元:サイエンスチャンネル、株式会社ハセガワ「プラモデルができるまで」では、設計をCADで行っています。CADはcomputer-aided designの略称で、コンピュータによる設計支援ツールのことです。CADにはさまざまな種類があり、現在では3DCADなどもあります。CADについては別記事で詳しく解説します。 図面の書き方、備えるべき条件・ルール面図面を描くにあたっては、共通のルールを守ります。描き手によって異なったルールで描いてしまっては、図面本来の役割を果たせません。図面は一定のルールに従って描かなければなりません。そのルールさえ知っていれば、誰もが同じように図面を読めます。図面の書き方条件①図面を見るだけで加工情報すべてが把握でき、狙い通りのモノが加工できること②誰が見ても、まったく同じ理解ができること図面の書き方条件① 図面を見るだけで加工情報すべてが把握でき、狙い通りのモノが加工できること実際の加工現場において、図面の情報だけでは加工できず、設計者に逐一聞かなければならないとしたら、とても手間と時間がかかります。加工するのに必要なすべての加工情報が図面から把握できなければなりません。図面の書き方条件② 誰が見ても、まったく同じ理解ができること 図面の読み手によって理解が異なるような書き方はいけません。例えば、加工者と検査者で理解が変わってしまうと、検査の合否の基準があいまいになってしまいます。 図面の条件を統一するJIS規格上記条件①と②を満たすために参考になるのが、JIS規格(Japanese Industrial Standards)です。日本工業標準調査会が、工場標準化やJIS規格についてこのように記載しています。▼工業標準化について標準化(Standardization)とは、「自由に放置すれば、多様化、複雑化、無秩序化する事柄を少数化、単純化、秩序化すること」ということ ができます。また、標準(=規格:Standards)は、標準化によって制定される「取決め」と定義できます。標準には、強制的なものと任意のものがありますが、一般的には任意のものを「標準(=規格)」と呼んでいます。 工業標準化の意義は、具体的には、自由に放置すれば、多様化、複雑化、無秩序化してしまう「もの」や「事柄」について、経済・社会活動の利便性の確保(互換性の確保等)、生産の効率化(品種削減を通じての量産化等)、公正性を確保(消費者の利益の確保、取引の単純化等)、技術進歩の促進(新しい知識の創造や新技術の開発・普及の支援等)、安全や健康の保持、環境の保全等のそれぞれの観点から、技術文書として国レベルの「規格」を制定し、これを全国的に「統一」又は「単純化」することであると言えます。引用元:日本工業標準調査会▼JIS(Japanese Industrial Standards)についてJIS(日本工業規格)とは、我が国の工業標準化の促進を目的とする工業標準化法(昭和24年)に基づき制定される国家規格です。 …JISは、工業標準化法に基づく手続きを経て、制定又は改正されます。また、法律に基づき、制定又は改正から5年以内に見直しが行われ、当該規格をそのまま存続(確認)、改正又は廃止がされます。引用元:日本工業標準調査会JIS規格の中で定められた図面のルールこれから学ぶ図面のルールは、前述の2つの条件を満たすJIS規格に基づいています。JIS規格に基づいたルールを使用すれば、図面を描くたび、読むたびごとに方法を考える必要がなくなります。さらに、JIS規格に基づいていれば互換性を確保することもできます。例えば「ねじ」は、JIS規格にしたがって製作されています。 ねじは全国どこで買っても、またどのメーカーが作ったものでも同じものが手に入ります。これは、ねじ製造メーカーがJIS規格に基づいて作っているからです。✔ 図面の基本的な考え方は「簡潔さ」図面は他の人たちに情報を伝える手段であり、「簡潔さ」が基本的な考え方になっています。ひとつの表示で理解できる場合には、ひとつの表示で済まさなければなりません。簡潔でシンプルな図面ほど良い図面であり、逆に同じ情報が何度も記載されている図面は良い図面とは言えません。図面情報の読み方図面は、以下の3点から構成されています。部品図 モノを構成する部品ごとの情報が描かれたもの組立図 各部品同士をどのような位置関係で組み立てるのか、また完成時の外形寸法の情報が描かれたもの部品リスト 必要な部品名がすべて網羅され、それぞれの必要個数が記載された一覧表(*1)(*1)部品は「部品図により加工される加工部品」と「購入品」にわかれます。購入品は、部品図が必要ないかわりに品番とメーカー名が記載されます。(1)部品の情報は1枚の部品図に集約1つの部品は1枚の図面に書かれることが原則です。1枚の図面に複数の部品を描くことはしません。その理由は以下の3つです。① 図面サイズが大きくなってしまい、取り扱いにくいから② 図面にいくつもの部品が描かれていると、加工する際に見間違える恐れがあるから③ 図面の流用(*2)ができないから(*2)図面の流用について既に製作したことがある製品と類似したモノを制作するときに、すべての部品を新たに設計するのではなく、一部は従来と同じ部品を使う場合があります。部品が1枚ずつ書かれていれば、従来と同じ部品はすでに書かれた図面をそのまま使うことが可能です。これを図面の流用といいます。もし、1枚に複数の部品が書かれていると、すべての部品を1から書かなければなりません。これはとても効率が悪いので、実務ではしばしば図面の流用がなされます。(2)組立図は部品の位置関係を示す組立図とは、部品図で描かれた部品や、部品リストで手配する購入品がどのような位置関係で組み立てられるのかを示したものです。部品の固定に使用するねじの種類も、組立図に記載されます。 組立図には使用するすべての情報が示されますが、部品個々の細かい寸法までは書かれません。情報量が多くなると読みにくくなり「簡潔さ」を損なうからです。(3)寸法数値の単位長さ寸法の単位はミリメートル図面に記載される情報の中で最も重要なものは寸法であり、寸法によってモノの大きさを知ることができます。図面の寸法の単位には「ミリメートル(mm)」を用います。図面には寸法数値のみが書かれており、単位記号のmmは省略されることが多いです。(4)角度寸法の単位角度寸法の単位は度(°)円の一周を360度とする測り方です。さらに細かい角度が必要なときは、「分(’0)」「秒(”)」が併用されます。・1分:1度の1/60・1秒:1分の1/60長さ寸法と異なり、一般的に角度の単位記号は省略しません。(5)種々の記号図面の描き手が書きやすく、読み手が読みやすくするために、寸法補助記号を使用します。以下で示すものはよく使われる記号です。▼寸法補助記号の一覧記号(読み方)内容R(アール)半径を示すφ(ファイ、マル)直径を示すt(ティー)板の厚さを示す□(カク)正方形の辺を示すC(シー)45°の面取りを示す▼線種の一覧名称線の種類内容外形線実線見える部分の形状を示す寸法線細線(実線の半分)寸法を記入する寸法補助線〃寸法を記入するために図形から引き出す引出線〃記述や記号を示すために引き出すかくれ線破線見えない部分の形状を表す中心線一点鎖線図形の中心を表す破断線不規則なジグザグ線モノの一部を破った境界や一部を取り去った境界を表す切断線一点鎖線&方向が変わる箇所が太い線断面図を書く場合に断面位置を表す(6)第三角法(三面図)モノの形は一般的に、第三角法(三面図)で表します。第三角法は、一つのモノの三つの面を図面に描き込む方法です。三つの面を書き込む理由は、図面の本質である「簡潔さ」にあります。図面はとにかく簡潔にします。簡潔であることによって、読み手の負担が減ります。したがって、三面で伝えられればそれ以上の面を使用する意味はありません。また三面以上、例えば六面で書くと図面のサイズが大きくなってしまい、図面の取り扱いが不便です。おおよそのモノは、正面、側面、上面からの3方向から見た3つの図で理解できます。もちろん、もし一面だけで形状を表すことができるなら、その一面の表示の方がより簡潔で望ましいです。実際に、丸棒形状や板形状は正面図の一面のみで表される場合がよくあります。また、線が複雑に重なり合って形状が分かりにくい場合は、アイソメトリック図が使用されることもあります。引用元:株式会社XrossVate表題欄のルール表題欄は図面の基本的な情報が載っており、読み手が最初に目を通す部分です。 図面の書き手(設計者)が読み手に情報を伝える際、モノの形を第三角法で表すのが一般的です。寸法等の情報も図に書き加えます。さらに使用する材料や表面処理、熱処理などの技術情報、図面作成日、設計者名、承認者名、図面を管理するための図面番号などの情報も必要です。こうした 一般的な情報は、図面の右下に設けた表題欄というスペースを使って表されます。表題欄で表す項目や欄の配置といった記載方法に関するJIS規格はありません。自由に設定(*3)することが認められています。(*3)自由といっても、個人ごとにオリジナルでこの表題欄を作ると効率が悪く、図面も読みにくくなります。企業ごとに表題欄をルール化しているのが実情です。 赤枠部分が図面の表題欄公差と図面公差は、図面と実物の関係を考える上で重要な考え方です。設計者は指示した寸法数値に対して、機能を満たす上で許される最大のずれの範囲も同時に指示します。指定した寸法に対して、上限・下限ともにどこまでのずれが許されるのか指示します。上限の値を最大許容寸法、下限の値を最小許容寸法と呼びます。加工したあとの寸法は、この最小許容寸法から最大許容寸法までの間に入っていれば合格です。最大許容寸法と最小許容寸法との差を寸法公差(もしくは公差)と呼びます。寸法には必ず公差が同時に指示されます。公差とコスト設計者が図面を描くときに、気を付けなければならないのは大きく分けて以下の2点です。① 機能を満たすこと② 部品のコストを下げること。 部品のコストとは、材料費 、加工者の労務費 、加工に使った加工機費用(設備償却費)、表面処理・熱処理費用などの合計に関係します。この中でも特に、加工者の労務費と設備償却費は大きな割合を占めており、寸法公差はこれに大きく影響します。▼公差とコストの関係公差がゆるい場合 比較的安価な設備で早く加工できるため、コストは安くなる公差が厳しい場合 高価な高精度設備を使い、時間をかけて加工するため、コストは高くなる以上の理由から、設計者には指示する寸法ひとつずつに最も適した公差を指示することが求められます。公差の分類と普通公差公差の示し方には以下の3つがあります。寸法公差数値で表示するめあい公差記号で表示する幾何公差面や線が対象となる設計者はすべての寸法に公差に示さねばなりません。しかしながら、現実にすべての寸法に公差を書き入れることは、設計者にとって大きな負担です。また、図面も複雑で見にくくなります。そこで用いられるのが、普通公差(一般公差)です。普通公差とは個々の公差記入を省略して一括で指示する考え方です。ここにも図面の本質である 「簡潔さ」が表れています。普通公差の設定①設計者が公差に関するルール(普通公差)を決める②設計者が「普通公差に基づいて読んでください」と図面内で宣言する③例外がある場合、図面内に個々の公差を示す普通公差という考え方をとれば、すべての寸法に公差を書く必要がなくなります。その結果、設計作業が楽になり、また読み手にも優しい図面となります。普通公差の決め方 普通公差はJIS規格で決められています。公差のレベルごとに「精級」「中級」「粗級」「極粗級」の4つの等級があり、設計者が適した等級を選択します。普通公差は、図面内であればどこでも自由に記入してよいですが、上で述べた表題欄の側に書き入れるのが一般的です。 ▼普通公差一覧(極粗級は除く) 精度目安0.5-3.03.0-6.06.0-3030-120精級(f)±0.05±0.05±0.1±0.15中級(m)±0.1±0.1±0.2±0.3粗級(c)±0.2±0.3±0.5±0.8Mitsuriは、日本全国250社以上のメーカーと提携しており、ご希望に沿うメーカーが見つかります。① Mitsuriでのお見積りは案件を公開して待つだけ!② 複数のお見積りが届く! ⇒金額重視or納期重視?ニーズに合うものを選べる!③ 案件の5割以上が1日以内に見積りを取得!下の赤いボタンをクリックして、ぜひお気軽にお問い合わせください!

  • 製図のルール、図面の描き方について

    製図は設計者から現場加工者まで、商品に携わるほぼ全ての人が確認する大切なものです。今回は製図を描いてみたいけどどう描けばいいのかわからない人に向けて、図面の描き方やルールを解説します。製図とは製図とは商品を製作するために、形や大きさが描かれた図面を作成することを意味します。出来上がった図面の指示通りに加工すれば、正しい製品ができ上がることを目的としています。製図の必要性現代では3D CADや3Dプリンターを活用すれば二次元図面を描かずとも、CADから出たデータから直接部品を製造できます。では、加工をする上でなぜ図面が必要になってくるのでしょうか。それはクオリティの高い部品を作るためには寸法や細かい形状といった様々な情報が欠かせないからです。複雑な形状の加工を行う際に、口頭で寸法や形状を口頭で説明すると、どうしても双方の解釈に誤解が起こりかねません。そこで、加工の指示や形状が描かれた図面が必要となってきます。また検査や検図を行う際は、データではなく紙の図面を使った方が作業効率が良い場合があるため、多くの企業では紙の図面を必要とするところもあります。製図をする際の注意点製図を行う際は、第三者に正確に伝わることが最も重要です。詳しいルールや書き方については以下で解説しますが、まず製図を行う際に心がけなくてはならない最低限の注意点を紹介します。・正確さ図面は投影対象物の形状、加工精度、仕上げ状態、寸法、測定条件などを記載し、設計した意図が相手に伝わるように加工者や測定者に対して必要な情報を全て記入しましょう。・わかりやすさ第三者が理解しやすいよう、補助投影図や断面図などを使いましょう。図や記号だけではわかりにくいと判断できる場合は、注記文にして補足すると伝わりやすくなります。・簡潔さ図面は形状を繰り返す投影図の使用は控え、解釈しやすい文字の大きさや行間に配慮しましょう。場合によっては大きなサイズの紙に変更したり、複数枚に分けたりすることも検討します。JIS規格とは製図をする際には見る人によって異なった解釈をしてしまうリスクがないように、わかりやすく正確に描かなかればいけません。そのため、国内では図面を描く際の共通のルールがいくつか存在します。JISについて製図は「JIS」という国内で決められたルールに従って作成します。JISとは工業標準化法に基づき、全ての工業製品について定められる日本の国家規格です。日本では1930年にJES(日本標準規格製図)が公布され始め、その後、現在のJIS(日本工業規格製図通則)が制定されました。企業活動のグローバル化に伴なって、これまで国際的な設計や製図分野の標準化が進められ、JISも国際標準に準ずるよう定期的な改定が行われています。(引用元:https://https://pub.nikkan.co.jp/uploads/book/pdf_file56cec6837ba66.pdf)製図のルール製図を行う際はJIS規格に従って作成しなければいけません。次に具体的な製図のルールを紹介します。図枠のサイズ図枠(図面枠)とは製図に使用される枠のことを指します。図枠には規定の用紙サイズがあり、一般的に使われるB5やA4サイズに比べると大きいものも使われます。サイズ縦寸法横寸法A4210297A3297420A2420594A1594841A08411189図枠にはこのようにいろんな種類がありますが、サイズは描く対象の大きさによって変わってきます。対象物をちゃんと表現するために必要に応じて尺度を変更するケースもありますが、基本的には図枠内におさまるよう、できるだけ小さな図枠を使いましょう。線の種類図面で使われている線にはいろんな種類があります。これは同じ太さや線を使ってしまうとその線が形状の線なのか、寸法を表した線なのかがわかりにくいためです。そのため、図面を描く際には線の種類を用途によって使い分けなければいけません。製図で使われる線の種類は以下の通りです。線の種類用途線太い実線外形線細い実線引出線、寸法線、ハッチング細い破線かくれ線細い一点鎖線中心線、基準線線の太さは極太線、太線、細線の3種類が一般的に使われており、比率は極太線:太線:細線=4:2:1となっています。下記は製図例です。形状の線とわかりやすくするため、形状を示す線以外は全部細線を使います。(引用元:ものづくりウェブ)文字の種類、大きさ図面で使う文字のルールは以下の通りです。・常用漢字常用漢字を使い、難しい漢字は使わない。16画以上は仮名で表記する。大きさは3.5mm、5mm、7mm、10mm。・かな、カタカナひらがな、カタカナで表記し一緒に使うのは原則NG。ただし、外来語、動物・植物の学術名および注意を促す表記をする場合、混用は認められる。大きさは2.5mm、3.5mm、5mm、7mm、10mm。仮名に使う小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」「っ」は0.7の比率にする。・ラテン文字、記号、数字大きさはいずれも2.5mm、3.5mm、5mm、7mm、10mmとする。右に約15度傾けて表記する。・文字のすきま文字線の太さの2倍以上とする。製図の投影法、第三角法とは図面は三次元の対象物を二次元に表したものです。そのため、製図を行う場合は立体を平面に投影することになります。投影は光をある方向から当てたときにできる影で、その影が出た面を投影面と言います。図面はその投影を用いて描かれています。日本ではJIS規格で規定されている第三角法を使って製図を行うのが一般的で、アメリカでも使用されている方法です。ちなみにヨーロッパでは第一角法が広く普及されています。第三角法は機械製図で代表される最もポピュラーな投影法なので、製図を行う前におさえておきましょう。第三角法について一般的に機械製図で使われる第三角法。これは下記の図にあるように、正面図、平面図、側面図で構成されていて、それらを描く位置は決められています。正面図の真上に平面図、正面図の真横に側面図を描きます。ちなみに正面図は商品の代表する面で描くことも決められています。一般的な図面は3方向からの図面で立体の形を的確に表すことが可能です。このような図面を三面図といいます。大三角法による三面図(引用元:独立行政法人 海上技術安全研究所)第三角法のマーク第三角法を使用した図面は、投影法がわかるようにマークを記載しなければいけません。第三角法、第一角法のマークは以下の通りです。(引用元:セドヤのブログ)このマークがあることで、図面を読んだ人は第三角法で描かれていることが一目でわかります。第三角法を用いる際の注意点・正面図、側面図、平面図がバラバラ正面図、側面図、平面図をバラバラな位置に作図したり、横に並べたりするのはNG。正面図の真上に平面図は位置しておき、正面図の横に側面図を描きましょう。・側面図と平面図の奥行きが異なる側面図と平面図の奥行きが異なることはありません。公差とは公差は商品を作った時や組み立てた時に生じる、大きさの誤差が許容される範囲を指します。図面上には、実際に作りたい商品の設計寸法の最大値と最小値を表すことが一般的です。公差の目的製品を作成する時は、図面やCADで寸法をきちんと定義しておけば狙い通りの形状が出来上がります。しかし実際の現場では、材料や加工作業などの段階から多少の誤差が生まれ、どうしても商品のばらつきが起こりかねません。そのため、最大値から最小値の合格ラインを設ける公差を設定する必要があります。普通公差公差にはいくつか種類がありますが、その中でもJIS規格で定められた公差のことを普通公差といいます。これは図面ごとに寸法が都度記載されるものではなく、JISに記載されている表がベースとなって適用されます。普通公差は寸法の指定がされない場合に使用される種類です。図面に記載される寸法には公差が指定されていますが、全部の寸法に公差が記載されていると図面が乱雑になってしまいます。そこで、JISが公式で指定している普通公差を使うことで、書き手と読み手が誤った解釈をすることなくキレイな図面で正確に読み取れるようになるのです。さらに普通公差は各寸法を一括して指定できるので、図面に寸法を記載する手間が省けるメリットもあります。普通公差の等級普通公差は公差のレベルごとに「精級」「中級」「粗級」「極粗級」の4つの等級が設けられています。それに設計者が適した等級を選択します。○普通公差一覧精度目安0.5-3.03.0-6.06.0-3030-120精級(f)±0.05±0.05±0.1±0.15中級(m)±0.1±0.1±0.2±0.3粗級(c)±0.2±0.3±0.5±0.8寸法公差寸法公差とは、高い精度が特に必要な寸法に対して、書き手が任意に決めることができる公差です。設計者の意図を加工者に明確に伝えられるメリットがあります。製図まとめ図面は加工開始〜検査までを一貫する、地図のようなものです。ルールや描き方が細かく決められていますが、何より大切なのは正しい情報を明確にわかりやすく伝えられるように製図を行うことです。製図のルールをある程度覚えたら、少しずつ実際に描きながら図面の描き方をマスターしてみてください。

  • ザグリの基礎!キリとの違いや関係性、深ザグリについて解説!

    ザグリは、ボルトやネジのゆるみ防止・美観性の向上・ケガの防止のために必要な加工です。身近なところでは、ドアの蝶番や家具などに多く採用されています。ザグリにはいくつか種類があり、使用するネジや用途によって、形状や図示の仕方が異なります。設計者は、これらを考慮して加工指示を変えなければなりません。しかし、あまり知識のない方は、ザグリがどのような加工なのか分からず、ザグリとキリを混同しているケースも多いと聞きます。そこで今回の記事では、「ザグリとは何か」について解説するほか、キリとの違いや深ザグリ、皿ザグリの基礎知識、加工方法までをご紹介します。ザグリについて知識を付けたい方は、ぜひご一読ください。ザグリとは、ネジ等の頭部飛び出しを防ぐ加工ザグリとは、ネジやボルト頭部、座金などの飛び出しを防ぐための穴加工のことです。カナ表記だけでなく、「座ぐり」と記述されることもあります。ザグリは、鋳物のようなざらざらした表面や、傾斜面に対して平坦になるように加工し、締め付け力を均一化するための加工でもあります。ボルトは、締め付けた際に、ボルト頭部と材料の接触面積を大きく設けるほど、均一に締結が可能。その結果、緩みにくくなる効果が期待できます。また、ボルトは頭部に高さがあるため、ザグリを設けていないと大きく出っ張った状態になり、ケガなどのトラブルを起こすことも。これを避けるためにも、ザグリ加工を施す必要があります。ザグリとキリの違いキリは、ドリルでの穴開けのことをいいます。例えば、「10キリ」と図面に指示されていた場合、「ドリルで直径10mmの穴を開ける」という意味を表します。引用元:機械製図 JIS B 0001:2009上図は機械製図のJIS規格「JIS B 0001:2009」から抜粋したものです。キリ穴の深さに指示がある場合は、上図162のように、穴寸法の後ろに深さを示す記号を記入します。また、上図163では、深さの記号が図示されていませんが、この場合は貫通穴であることを意味します。そのほかにも、上図164のように、ドリル先端で形成される円錐部分は、高さ(H)に含まないことも覚えておきましょう。また、上図の図162・図163に表示されている「φ」の記号は、「ファイ」と呼ばれ、直径〇mmの穴であることを意味します。これは穴が開いていることのみが条件で、「キリ=ドリル加工」のような加工方法の指示はありません。引用元:機械製図 JIS B 0001:2009プレス抜きやリーマ仕上げでの加工指示がある場合も、「キリ」のように簡略表示を使います。加工方法と簡略表示の一覧については上表を参考にしてください。引用元:ものづくりウェブ一方、ザグリは上図右の引出線のように図示します。旧JIS規格では、浅いザグリの深さは表記を省略していましたが、2020年現在の機械製図JIS規格「JIS B 0001:2009」では、ザグリの深さを指示する必要があります。引用元:機械製図 JIS B 0001:2009ただし、浅いザグリの図内の形状については、上図のように省略しても問題ありません。ザグリ加工の方法ザグリの加工方法は、ドリルでボルト用の穴を開けたあとに、エンドミルで加工するのが一般的です。参考:フライス加工について専門家が解説!加工の種類・加工機の種類がこの1記事でわかります!引用元:モノタロウまた、加工業者によっては、ザグリを開けるための専用工具である「ザグリドリル(段付きドリル、ドリル付沈めフライス)」を用いることもあります。上の画像は、ザグリドリルの参考写真です。引用元:モノタロウザグリドリルは、上図④~⑦を見ていただければ分かるように、穴あけとザグリ加工を一度に行えます。そのため、工具の切り替えが少なく、作業工程も抑えて加工できる点がメリットです。ただし、ドリル部分とフライス部分が一体化されている分、ザグリの加工寸法に融通が効かないといったデメリットもあります。「深ザグリ」でザグリの深さを指定!座金だけでなく、ボルトの頭までを隠すようにザグリを深く設けることを「深ザグリ」といいます。一般的にザグリは、1mm前後の深さになりますが、深ザグリはそれよりも深い加工となります。深ザグリは、ボルトの頭部が材料の表面と面一になるため、美観性の向上や、引っかかりによるケガの防止といった効果があります。引用元:ものづくりウェブ深ザグリの寸法の示し方については、ザグリと同じく、上図の引出線のような書き方になります。しかし、深ザグリの形状については、ザグリと違い、省略せずに図を描かなければなりません。上図左および中央は、2020年現在の機械製図JIS規格「JIS B 0001:2009」での図示方法ですが、製図者によっては、上図右の枠内のように表記をしている場合もあります。こちらは旧JIS規格での図示方法になるので、JIS規格の通りに製図する場合は注意してください。皿ザグリとは皿ザグリは、皿ネジや皿ボルト用に、円錐状に角度が付いたザグリのこと。現場によっては「皿モミ」と呼ばれる場合もあります。引用元:機械製図 JIS B 0001:2009皿ザグリの図示の仕方は、上図のように、穴の直径を示す寸法の次に皿ザグリの記号を示し、その後ろに皿ザグリの入口の大きさを記入します。引出線の矢印の位置については、上図aとbのように、皿ザグリの入口内径と外径どちらに表示しても問題はありません。また、皿ザグリの開き角を指示する場合は、上図cのように、皿穴の入口外径の後ろに「×」の記号と角度を表記します。皿ザグリの記号を使わずに加工指示する場合は、上図dのように図示します。引用元:モノタロウ皿ザグリの加工方法は、ドリルで穴を開けたあとに面取りカッターを使います。上の写真は、面取りカッターの参考画像です。また、刃物メーカーによっては、ザグリと同じく穴あけと皿ザグリを同時に行える、専用のドリルもラインナップされています。そのほかにも、プレス加工にて皿ザグリの形状をした金型を用い、皿ザグリを設けることも可能です。プレス加工は、作業工程が少なく済むため、量産時のコストダウンが期待できます。参考:プレス加工の基礎知識や種類について専門家が徹底解説!まとめ今回は、ザグリの基礎知識について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。ザグリは、ネジやボルト頭部、座金などの飛び出しを防ぐための穴加工のこと。主に六角穴付きボルトを使用した際に、設けられます。また、ザグリの加工方法は、ドリルで穴を開けてから、エンドミルで加工するのが一般的です。ザグリには、深めに段付き加工をする「深ザグリ」や、皿ボルト用に面取りされた「皿ザグリ」があります。設計者は、用途や使用するボルトに合わせて、ザグリの加工を使い分けましょう。ザグリや皿ザグリの加工工場をお探しの場合は、ぜひMitsuriにご登録ください。日本全国で250社以上の工場が登録しているので、お客様のご希望に沿う工場が見つかります。見積りは複数社から可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

  • 曲げRの計算方法【基礎知識】図面指示と板厚・強度

    曲げ加工は金属特有の展延性を利用した板金加工の花形とも言える加工方法です。曲げ加工では、素材を目的の角度に曲げるために、曲げる位置から曲げの中心部までの半径を求めます。これを「曲げR」や「内曲げR」と呼びます。今回は、曲げ加工で必要な曲げRの計算方法について解説していきます。板金加工における曲げの基本や素材、金型、板厚との関係性や注意点、最小曲げRについても合わせて解説しています。板金加工における曲げの基本と圧縮応力・引張応力図:圧縮応力と引張応力板金加工にて曲げ加工を行うと、板厚の中立軸に対して内側が圧縮されるため、圧縮応力が生じます。外側は引き伸ばされるため引張応力が生じます。圧縮応力は、圧縮方向に力を受けた時に材料内部に発生する「圧縮に抵抗する力」を指します。引張応力は、引張方向に力を受けた時に材料内部に発生する「引張に抵抗する力」を指しています。加工後、曲げるための外力が外れると、スプリングバックと呼ばれる材料の反発によって加工部の曲げ角度が開く現象が起きます。これは、材料内部に残った圧縮応力と引張応力に基づくものです。そのため、曲げ角度の設定時には、スプリングバックによる加工後の開きを推測し、オーバーベンドと呼ばれる目的の角度よりも過剰に角度をつけて曲げる手法が一般的となっています。参考:板金加工における【曲げ加工】の基礎やV曲げ/L曲げ加工について徹底解説!!材質、金型、板厚との関係と注意点板金加工における曲げ加工は、材質、金型、板厚を考慮して適切な方法を選択しなければ素材が破損してしまったり、変形してしまう恐れがあります。板厚が厚くて硬い素材ほど加工が難しく、板厚が薄く柔らかい素材ほど加工しやすくなりますが、これは、板厚が厚いと圧縮応力や引張応力が生じる範囲が広くなり、材質が硬いと圧縮応力や引張応力が大きくなるためで、考慮するスプリングバック量を材質や板厚によって見極めておかなければなりません。図:曲げRの計算式また、板厚が厚くなると板の中立軸が内側にずれていくことにも注意しなければなりません。厚みのある素材を曲げ加工すると板の内側は圧縮され、板の外側は引っ張られて伸びていきます。圧縮は板の内側から外側へ向けて次第に伸びる力に変化していき、伸びる力も板の外側から内側へ向けて圧縮へと変化していきます。この時、圧縮や伸びる力がつり合い、そのどちらの力も加わっていない面が板厚内部にできていて、それを中立軸といいます。(1)板厚が厚い場合板厚が厚い場合は、圧縮よりも伸びる力の方が強くなるため、伸びる力が減衰し圧縮とつり合う地点が元の中立軸より内側になります。板厚の厚い素材を曲げる際は、中立軸が内側にずれていることを考慮するようにしてください。(2)板厚が薄い場合板厚が薄い素材の場合は、板厚に対してかかる圧縮応力と引張応力の面積が少ないため、中立軸の移動率が誤差程度に収まることから、圧縮と引っ張られる力は同等と考えて元の板厚の中立軸を使用して曲げ加工を行います。曲げ加工には、下部金型のダイと上部金型のパンチで金属をプレスするプレスブレーキを用いる方法が一般的です。板厚や材質、オーバーベンドが必要かどうかによって適切な方法を取らなければ、理想の形状を作ることは出来ません。図:上部金型と下部金型でプレスして曲げ加工する板厚が薄ければ、標準パンチをダイに押し付ける基本的な曲げ加工で対応出来ます。しかし、板厚が厚い場合は、Rパンチ金型を使用し、ダイとなる下金型は通常のV曲げで使用する金型よりも溝が深いものを使用します。曲げRが大きい場合は素材を少しずつ移動させてRをつける手法もありますが、所定のRになるR曲げ用のパンチであるラジアスルーラー(下図)を使用する方法も取れます。図:ラジアスルーラ注意しなければならない点は、板厚が厚いにもかかわらず標準パンチで曲げ加工をしてしまい、素材に傷がつく事や機械が破損してしまう事です。また、オーバーベンドが必要なのにオーバーベンドができない金型を使用してしまっては指定されたRで正しく曲げ加工することができません。オーバーベンドが必要であれば、オーバーベンドができるスイングパンチ(下図)を使用するなどして正しいRで曲げ加工ができるようにしましょう。引用元:株式会社ミスミグループこれらのことから、板金加工における曲げ加工は、素材の材質、板厚、曲げ加工の特徴を考慮して、適切な加工方法と使用する金型を選定することが重要です。曲げrとは曲げRとは、プレスブレーキやロールによる金属の曲げ加工時に、曲げ位置にかかる半径を指します。この曲げRが小さくなると素材の割れが発生するため、素材を割らずに曲げ加工が行える限界のRを最小曲げRといいます。最小曲げRは素材の延伸性や板厚によって変わってきますので、設計する際は素材が割れないようなRをつけるか、望んだRに耐えられる素材を選ばなければなりません。図:曲げ加工製品の名称基礎知識曲げRは曲げ角と混同されがちです。曲げRは曲げ半径を指します。曲げ角はL曲げやU曲げの際にパッドで押さえられているウエブ面からの角度を指すものです。違いをしっかりと把握しておきましょう。曲げrの計算方法・計算式図:曲げRの計算式曲げRの計算方法ですが、基本的には曲げRから中立軸までの距離を求めることで計算します。中立軸は板厚や曲げ角度、内曲げRによって異なりますが、おおよそ板厚の20%~45%程度の位置となり、実際は経験値を採用します。曲げRの計算式は以下の通りとなります。曲げRの計算式L=A+B+(R+T×λ)×2п×θ/360 L=展開寸法 A・B=曲げ応力のない部分の長さ R=曲げ内R(半径) T=板厚 θ=曲げ角度 λ=中立軸移動率(%)※経験値を採用直角曲げの曲げr計算式なお、直角曲げの際は簡易的に計算することができ、実作業ではこの計算方法を元に経験値で修正して中立軸を算出する事が多いです。図:直角曲げの曲げR計算式直角曲げRの計算式L=A+B+1/2t L=展開寸法 A・B=内側長さ 1/2t=板厚の約半分(経験により修正)最小曲げrの計算方法図:最小曲げRと割れ最小曲げRの計算方法ですが、材質や板厚、金型によって数値が変化するため計算で求めることが困難です。そのため、実作業では設計者の経験値により最小曲げRを設定し素材が割れないように曲げRを設定しています。基本的に、展延性が低く板厚が厚いものほど最小曲げRが大きくなり、展延性が高く板厚が薄いものほど最小曲げRは小さくなります。最小曲げRを小さくする方法として以下①~⑥の方法があります。最小曲げRを小さくする方法① 展延性の高い素材を選ぶ。② 曲げ線を圧延方向と直角にする。③ 結晶粒度が細かい材質を選ぶ、または熱処理によって細かくする。④ 金型で抜いた素材はダレ面側がせん断面、バリ側が破断面となります。破断面よりもせん断面の方が伸びやすく割れにくいため、ダレ面が曲げ外側とする。⑤ 曲げ線と外形線が一致していると曲げ半径領域に外形の輪郭が干渉します。そのため、曲げに伴う材料の伸びが不十分になり割れやすくなるので、曲げ線と外形線を一致させない。⑥ 曲げ幅を板厚の8倍以上とる。図:ダレ面を曲げ外側とする曲げ加工で素材割れが発生する場合は、以上①~⑥などの方法で割れ対策を行うことができ、結果として最小曲げRを小さくすることができます。板金曲げRの図面指示曲げ加工に関して、内側のR指示の場合は上型の金型を替えるだけで加工が可能です。対して、外側のR指示の場合は上型、下型の両方が必要となり、コストが高いです。特別外側のR指示が必要でない場合は、内側のRを指定するとコストを下げることができるし、加工も早いです。基本寸法の記載の仕方ですが、図面内で外外・内内が混在すると確認作業が増えるのでコスト高です。作業ミスも起こりやすいです。寸法精度にこだわらないのであれば、外外で記載しましょう。寸法検査がしやすく、確認作業が減り、コスト減につながる可能性があります。曲げの外Rを指定するとコストが上がります。指定されたRの金型(ダイ)を作る必要が出てきてしまうからです。指定するなら内Rです。標準で金型がついているので、対応しやすいです。特に指定がない場合は最小Rとするとコストが下がります。曲げRの計算方法や板金加工における曲げの基本、材質・金型・板厚との関係や注意事項を解説してきました。板金加工における曲げRは、素材割れやへこみを防ぐために、素材の展延性や板厚、使用する金型を考慮して設定する必要があります。曲げR自体は、内側から中立軸までの長さを求めることによって得ることができますが、基本的には参考値でしかなく、経験値によって修正することが求められます。「曲げRの計算はしたけれど経験値での修正ができなくて依頼が出せない。」そういった方は是非一度Mitsuriにご相談ください。経験豊富な250社以上の工場と提携していますので、曲げRの計算から発注までしっかりとサポートさせていただきます。下の赤いボタンをクリックして、お気軽にお問い合わせください。

  • NO IMAGE

    板金 設計

  • NO IMAGE

    錆びにくい金属について解説【錆びない金属はありません】

    日常生活で使用している金属は、だんだんと錆びてきてしまうものです。多くの金属が必要なタイミングでサビ落としをする必要があります。しかし、金属のサビ落としの作業は大変なイメージがあると思います。そのため、できるだけ錆びないようにしたいと思うのではないでしょうか?今回の記事ではその対策となる少しでも錆びにくい金属について紹介していきたいと思います。錆びない金属はありません冒頭でも説明したように、金属というものは使用しているうちに錆びてきてしまうものです。使用する限り全ての金属は錆びてしまいます。自転車のチェーン、ネジなど日常のいたるところで見るかと思います。皆さんも生活の中で錆びていない金属よりも錆びてきてしまっている金属を見ることの方が多いのではないでしょうか?これは金属の性質上どうしようもないことです。しかし、なぜ錆びてしまうのかを正確に理解している人は少ないのではないでしょうか?金属が錆びる理由ここからは少し錆びについて深掘りしていきたいと思います。上記の画像のように、錆びには様々な種類があり、中には錆びだとわかりにくいものまで多くあります。ではこのような錆びはどうして生まれてしまうのでしょうか?錆びは金属と酸素、水によって酸化が起きることで発生してしまいます。学校の理科の授業などでイオンについての実験を行いおそらく皆さん一度は経験しているかと思います。これを腐食といい、これにより発生する腐食生成物を錆びと呼んでいます。この腐食は身近なところですと、電池にこの仕組みを使用したりもしています。この腐食で起きる事例はこのようなものがあります。錆びの事例・錆びが発生し、固定していたパーツであるボルトにヒビが入っていた。・パーツを固定していたはずのネジが割れていた。錆びは大きく見えるところ以外にもこのような細かいところにも現れてしまいます。そのため、錆びによる事故なども起きてしまうことがあります。このことからも、安全面も含めて少しでも錆びにくいものを使うことの重要性がわかるかと思います。金属加工でよく使われる錆びにくい金属3選金属の錆びの原因や錆びにくいものを使用する重要性はわかって頂けたかと思います。そして、錆びにくい金属には3つの特徴があります。錆びにくい金属の特徴1.錆びに強く、腐食しにくい金属2.不動態皮膜が金属の表面に形成され、錆びにくくなる金属3.腐食して生まれた錆びが表面で止まり錆びの進行が止まる金属このような金属が錆びにくい金属の特徴としてあげられます。次に、金属加工においてよく使用されている錆びにくい金属について紹介していきます。ステンレスは錆びる?「stain less」という名前の通り、錆びに強い金属の代名詞と言えます。ステンレスは主成分の鉄にクロムを混ぜることで不動態皮膜を作り、これによって錆びに強くなっています。この不働態被膜が損傷した時もすぐに他のクロムと空気中の酸素が化合し、補修されます。また熱に強く、加工がしやすく強度もあります。そのためステンレスは金属加工の中でも優れた面を持っています。主な用途としては、錆びにくいことからもキッチン周りで多く用いられています。また、他にも洗濯機のドラム、最近では包丁などにもステンレス製のものがあります。しかし、ステンレスにはもらい錆びというものがあります。これは他で発生した錆びが付着してしまうことで錆びが進行しやすくなってしまうものです。対策としては、付着している錆びを落としてあげることです。これにだけ注意していれば、ステンレスは長く使えるとても優れた金属であることには間違いありません。チタンは錆びる?チタンもステンレスと同じく、不動態皮膜によって錆びにくい金属となっています。金属として加工した時に綺麗で、軽く、金属アレルギーが出ないなどの個性もあります。このことからも様々な用途に合わせて加工されています。主な加工物としては、自動車、飛行機などのパーツ、ネックレスなどのアクセサリーなどが挙げられます。チタンは日用品のパーツや医療に至るまで幅広い領域で使用されています。またステンレス、チタンの共通点として、どちらもリサイクルが可能という点が挙げられます。どちらも環境面においても優しい素材と言えます。アルミニウムは錆びる?アルミニウムの大きな特徴はその軽さです。またアルミニウムは錆びが白い膜となって発生します。そしてこの膜によって、それ以上の錆びを防ぐという特徴も持っています。普段私たちが使用する1円もアルミニウムで出来ています。1円が長期間にわたり多くの人の手を渡っているにも関わらず錆びて使用できなくなることが少ないのは、これが理由となっています。軽さ、錆びにくさなどから日常生活では網戸のサッシや物干し竿などで使用されています。以上、紹介した3種類の金属は、他の金属と比べ錆びにくいことが大きな特徴です。そして、それに加えてそれぞれ、耐熱性、軽さなど特徴が様々にあります。そのため、多岐にわたる用途に合わせて、錆びにくいこれらの金属が多く用いられています。まとめ今回は錆びにくい金属について紹介しました。どの金属も、決して錆びないわけではありませんが、ステンレスやチタン、アルミニウムなど、錆びにくい金属を適切な場所に使用することで、私たちは様々な製品を安心して使うことができます。錆が気になる箇所での金属の使用を検討している方は、Mitsuriにご相談ください。全国に協力工場が140社あるMitsuriなら、錆びに強い最適な金属の加工をご提案できます。錆に強い金属の加工でお迷いの方は、ぜひMitsuriにご相談ください。

  • NO IMAGE

    【レーザー溶接】仕組み(原理)やメリット・デメリットなどの特徴をご紹介!!

    板金を手掛ける作業者にとって、「溶接」なしでは板金を語る事はできません。とはいえ、溶接と聞いてどんな景色を想像しますか?防護メガネをかけ、飛び散る火花がまぶしい溶接現場、というところでしょうか。実は溶接も、知れば知るほど奥深いものがあるのです。なかでもレーザー溶接は一般的に私たちが目にする溶接作業とはまったく異質です。そんなレーザー溶接に関して、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか?「レーザー溶接加工を依頼したいけれど、初めてでどこに頼めばいいかわからない……」「他の工場で断られてしまって、依頼先に困っている……」探す中で、こんなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。その他にも、「小ロットでの発注を断られてしまった……」といったお悩みや、あるいは「いつも依頼している工場に小ロットで発注するのが申し訳ない……」とお悩みの方もいるでしょう。レーザー溶接とは?(特徴)そもそものお話。レーザーとは何でしょう? 実は、次の英語、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭文字をつなぎ合わせたものがLASER、レーザーなのです。どういう意味なのでしょう?「誘導放出による光の増幅」という意味です。わかりやすく言うと、レーザー素子に光を当てることによって(光励起)誘導放出現象を起こし光を放出させます。励起とは、外からエネルギーを与えられ、もとのエネルギーの低い安定した状態からエネルギーの高い状態へと移ることを言います。レーザー光は純粋で強力な光のうえ、人工的にコントロールできるので、加工や計測、通信、記録、医療など幅広い分野で利用されています。そのレーザー光を熱源として溶接を行うのがレーザー溶接なのです。レーザー溶接の仕組み(原理)引用元:加工技術データベースレーザー溶接の仕組みは、ごく簡単に言ってしまえばこんな感じ。溶接したい金属にレーザー光を集光して照射すると、被照射金属は局部的に溶融します。それを凝固させることで接合します。けれども、レーザー溶接機はそんな簡単な仕組みではありません。まず、レーザー発振器があり、その光が進む光路があります。レーザー光を集光するための集光光学系、集光したレーザー光を思いのまま動かす駆動系、さらに被金属部の酸化を防ぐシールドガス系で構成されています。レーザー光は先ほど述べた通り、波長が揃っていて指向性が強い光なので、レンズなどで光を集めると焦点がとても小さく絞れます。小さく絞ったところにエネルギーを集中させるので、熱をかける面積が非常に小さくて済み、溶接速度も速いのが特徴です。レーザー溶接の種類レーザー溶接にはいくつか種類があります。代表的なものをピックアップしてみましょう。CO2 レーザーごく一般的に見ることのできるのがこのCO2レーザーです。「炭酸ガスレーザー」または「シーオーツーレーザー」と読みます。その歴史は古く、1964年にアメリカで発明されました。二酸化炭素を放電等で励起して誘導放出させる発振器です。CO2レーザーの波長は10.64μmで赤外光のレーザーですので、肉眼では見えません。波長が長いため、光ファイバーを使ったレーザーの伝送は行えず、主にミラーや特殊なレンズによってレーザーを伝送し集光します。CO2溶接についてはこちら炭酸ガスアーク溶接とは?【3分でわかる】向いている金属もご紹介!YAGレーザーYAGレーザー(ヤグレーザー:Yttrium Aluminum Garnet laser)は、CO2レーザーと同様、アメリカのベル研究所で発明されたレーザーです。CO2レーザーがガスレーザーの代表格であれば、YAGは固体レーザーの代表的なレーザーと言えるでしょう。イットリウム、アルミニウム、ガーネットで構成する結晶に微量のレアアースを添加した結晶体を媒体に用いたレーザーのことです。これによって得られるレーザーの波長は基本波で1.06μmで近赤外光。そのためこのレーザー光も肉限では確認できません。ただCO2レーザーと異なる点があります。それはYAGレーザーは光ファイバーを通すことができるという点。また、CO2レーザーのようにミラーによる伝送も可能なので、必要に応じてファイバー伝送とミラー伝送の使い分けができるのです。また、CO2レーザーよりも波長が10倍短いので、材料のエネルギー吸収率がCO2に比べて高くなるのも特徴です。つまり、YAGレーザーはCO2レーザーほど高い出力で連続波を出すことはできないものの、レーザー発振機の中では連続波で高い出力が出せるように工夫できるのです。ファイバーレーザーファイバーレーザーは、光ファイバーの中に希土類元素を添加することで、ファイバー自身がレーザーを発振する媒体となる構造を持つことになります。ファイバーレーザーで得られる出力も20kW程度まで幅が広く、YAGレーザーのように光ファイバーによる伝送も可能な上、発振器の構造も簡便で省スペースが実現されているので、装置がコンパクトにまとまります。ディスクレーザーディスクレーザーはレーザーを発振する媒体は固体ですが、その形状が大きく違います。固体レーザーであるYAGレーザーは、励起するYAGの結晶が円柱状であるのに対し、ディスクレーザーはその名前の通りディスク、薄い円盤状です。薄い円盤状になっているレーザーを発振する結晶にポンプ光を照射し、レーザーを発振させます。発振器の出力は数W~数kWまで幅広くあるので、波長によって用途が使い分けられるのもメリットのひとつ。レーザー溶接やレーザー切断以外にもさまざまな用途に使えます。レーザー溶接のメリット・デメリットレーザー溶接のメリットレーザー光を溶接に使う場合、強力でかつ人為的にコントロールしやすいという点から、他の工法と比較して局部加熱が可能であり短時間で接合可能になります。そのため、溶接歪が少なくなるメリットがあります。また、溶接に必要な熱源が光なので、電流や電圧、磁力などの影響が少ないというのも特徴です。また、レーザー光は集約することができるので、微細加工も可能です。融点の異なる異種材料の溶接が他の工法と比較して容易であることもメリットに挙げられるでしょう。このほかファクトリーオートメーション化が容易であること、非接触加工ができるので、電極メンテナンスなどが不要であることもメリットに挙げられます。レーザー溶接のデメリットもちろん、メリットだけではありません。レーザー溶接は抵抗溶接等の工法と異なり、加圧工程が無く集光径が小さいことから、溶接個所の密着精度や溶接面の管理が必要となってきます。  レーザー溶接の場合の密着精度は、一般的には板厚の1/10程度の隙間以内に収める事が必要です。これを怠ると、接合部の合金層にブローフォール(ポロシティー:ガスによる鋳造欠陥)やクラック(ひびわれ)等の溶接欠陥が発生する原因になるおそれがあります。このため、密着させるためのジグを作成したりする必要があります。また、高熱で強力なレーザー光に対する安全対策が必要です。そのために必要な設備を特別に選定する必要があります。レーザー光は目に見えないので、反射光により火傷する恐れがある上、レーザー光を見つめると網膜損傷などの危険性があるのです。これらの安全対策として、専用のメガネを着用するか、反射作用のあるカバーで溶接工程を覆うなど、レーザー光から身を守る対策が必要となります。レーザー溶接まとめいかがでしたか? レーザー溶接についてざっくりと説明してきましたが、お分かりいただけたでしょうか?レーザー光は強力で純粋な光であることから人為的にコントロールしやすいことがわかりました。それゆえに精度の高い溶接も可能ですが、そのためには密着精度が高くなくてはならないこともわかりましたね。ここでお話したのはレーザー溶接のほんの序の口。もっと詳しく、知れば知るほど、レーザー溶接のおもしろさがわかってきます。これからもっと深く学んでレーザー溶接を学んで行きましょう!

  • NO IMAGE

    【板金加工 図面】図面の基礎を徹底解説!書き方・読み方・必要性

    板金製品の完成には、材料・図面・加工(機械)の3つが欠かせません。今回は、板金加工で使用される図面をテーマに取り上げます。板金加工における図面の必要性から書き方・読み方まで、図面の基礎を学びます。価格が安くなる図面の板金図面の書き方についてはこちら!板金加工における価格が安くなる図面の書き方を解説しています!この動画では製品サイズについて触れています。ぜひ設計する際の参考にしてみてください!3分ほどで視聴可能です!Youtubeにて、金属加工Mitsuriチャンネルを運営中!こちらからご覧ください!板金加工における図面の必要性 ▲Mitsuriの見積用図面図面の必要性(1) 製品の条件を集約的かつ簡潔に整理するため(2) 製品作りに関わる人をつなぐ意思疎通のため(1) 製品の条件を集約的かつ簡潔に整理するため製品は顧客のために作るものであり、顧客のニーズを満たさなければなりません。顧客のニーズには様々なものがあります。・機能・形状、大きさ・個数・品質(Q)・価格(C)・制作期間(D)(※QCDは製造業において設計・生産時、特に重視されます。)板金加工はあくまで顧客のニーズ(=条件)を満たす製品を作るためになされます。したがって、製品が持つべき条件を集約的かつ簡潔に整理する必要があり、そのために図面を作ります。製品の条件が複雑になる程、図面の必要性は増します。(2) 製品作りに関わる人同士の意思疎通のため製品作りにおいては、設計者と加工者が異なることが多々あります。設計者は図面を通して製品条件を加工者に伝え、 加工者は図面をもとに実際の製品を作り上げます。 大量生産の場合は、もっと多くの人間が製品作りに関わるため、より図面の重要性は増します。このように図面は、製品作りに関わる多くの人をつなぐ役割を担っています。 モノづくりの仕事の流れと図面の関係性・企画(構想):(複数の人が)頭の中で考える段階。・設計:設計用の図面、製作用の図面が作成される。・設計以後:図面を読む。・設計用の図面:部品図と組立図の完成を以って図面の役目は終了し、技術資料として保管されます。・製作用の図面:部品図と組立図が製作用図面として設計後の工程に流れ、適時参照されます。①製作用の図面作成(部品図と組立図)設計用の図面を元に、製作用の図面として部品図と組立図が作成されます。部品図 形状、寸法、材質など組立図 構成部品同士の位置関係、完成品の外形寸法②検図作業設計用図面、製作用図面が完成した各段階で第三者視点による確認作業(検図)がおこなわれます。 設計図の検図 モノの仕様が満足いくものか否か確認部品図の検図組立図の検図 寸法もれや記入ミスなど図面作成上の問題が無いかを確認、図面の完成度を高める③現場での部品加工と組立、調整、検査加工から納品(販売)までは、図面を読む作業に移ります。加工段階では、部品図を読みながら部品加工をおこないます。部品が出来上がったら組立、調整段階です。調整が完了したら、当初の仕様を満たしているか否か、部品図・組立図を見ながら再度検査をおこないます。この検査に合格してはじめて納品・販売段階に移ります。④加工製品の販売・納品販売の場面でも、図面は重要な役割を担います。営業社員は顧客から図面で注文や要求を受けることが多くあります。その際に、顧客のニーズの細部まで把握するためには図面を読む必要があります。社内に持ち帰った後も、図面を基にして技術者と打ち合わせをします。また、図面を使って販売活動をおこなうことで、お客様に製品の理解を深めてもらうことができます。図面が読めれば、その場で議論を深めたりコストカットの提案ができたり、顧客から信頼を得ることにつながります。営業社員が図面を読めることは大きな強みです。⑤購買、生産管理モノづくりを支える購買部門も、図面を読んだ上で材料や部品を発注します。仕入れ価格の交渉時にも、図面を見ながら双方で打ち合わせをおこなうことがあります。 また、生産管理部門でも、対象となるモノを図面で理解しておくことで、作業者や設備稼働状況等を考慮した立案が可能になります。より具体的なイメージをつかむために参考になる動画がありましたのでご紹介させていただきます。ここまで確認してきたことを体系的に再確認することができます。▼動画「プラモデルができるまで」▼動画の概要身近な製品がどのような技術を使ってつくられていくのかを追い、モノの成り立ちと科学技術の関わりを伝えます。今回のテーマは、「プラモデル」。…実際の設計図が手に入らないスケールモデルの場合、写真や雑誌等で資料を集め、コンピュータCADで行う。設計のポイントは、一部分を誇張し本物らしく見えるようにすること。実物のサイズをそのまま忠実に縮小すると、逆に曲がってみえたりすることが多い。設計図をもとに作られた木型で実際の見た目と比べ、金型を製作する。金型は大量に生産されるプラモデルにとって最も重要な部品。…プラスチック材料を熱で溶かし、金型に流し込むと、プラモデル部品が出来上がる。引用元:サイエンスチャンネル、株式会社ハセガワ「プラモデルができるまで」では、設計をCADで行っています。CADはcomputer-aided designの略称で、コンピュータによる設計支援ツールのことです。CADにはさまざまな種類があり、現在では3DCADなどもあります。CADについては別記事で詳しく解説します。 図面の書き方、備えるべき条件・ルール面図面を描くにあたっては、共通のルールを守ります。描き手によって異なったルールで描いてしまっては、図面本来の役割を果たせません。図面は一定のルールに従って描かなければなりません。そのルールさえ知っていれば、誰もが同じように図面を読めます。図面の書き方条件①図面を見るだけで加工情報すべてが把握でき、狙い通りのモノが加工できること②誰が見ても、まったく同じ理解ができること図面の書き方条件① 図面を見るだけで加工情報すべてが把握でき、狙い通りのモノが加工できること実際の加工現場において、図面の情報だけでは加工できず、設計者に逐一聞かなければならないとしたら、とても手間と時間がかかります。加工するのに必要なすべての加工情報が図面から把握できなければなりません。図面の書き方条件② 誰が見ても、まったく同じ理解ができること 図面の読み手によって理解が異なるような書き方はいけません。例えば、加工者と検査者で理解が変わってしまうと、検査の合否の基準があいまいになってしまいます。 図面の条件を統一するJIS規格上記条件①と②を満たすために参考になるのが、JIS規格(Japanese Industrial Standards)です。日本工業標準調査会が、工場標準化やJIS規格についてこのように記載しています。▼工業標準化について標準化(Standardization)とは、「自由に放置すれば、多様化、複雑化、無秩序化する事柄を少数化、単純化、秩序化すること」ということ ができます。また、標準(=規格:Standards)は、標準化によって制定される「取決め」と定義できます。標準には、強制的なものと任意のものがありますが、一般的には任意のものを「標準(=規格)」と呼んでいます。 工業標準化の意義は、具体的には、自由に放置すれば、多様化、複雑化、無秩序化してしまう「もの」や「事柄」について、経済・社会活動の利便性の確保(互換性の確保等)、生産の効率化(品種削減を通じての量産化等)、公正性を確保(消費者の利益の確保、取引の単純化等)、技術進歩の促進(新しい知識の創造や新技術の開発・普及の支援等)、安全や健康の保持、環境の保全等のそれぞれの観点から、技術文書として国レベルの「規格」を制定し、これを全国的に「統一」又は「単純化」することであると言えます。引用元:日本工業標準調査会▼JIS(Japanese Industrial Standards)についてJIS(日本工業規格)とは、我が国の工業標準化の促進を目的とする工業標準化法(昭和24年)に基づき制定される国家規格です。 …JISは、工業標準化法に基づく手続きを経て、制定又は改正されます。また、法律に基づき、制定又は改正から5年以内に見直しが行われ、当該規格をそのまま存続(確認)、改正又は廃止がされます。引用元:日本工業標準調査会JIS規格の中で定められた図面のルールこれから学ぶ図面のルールは、前述の2つの条件を満たすJIS規格に基づいています。JIS規格に基づいたルールを使用すれば、図面を描くたび、読むたびごとに方法を考える必要がなくなります。さらに、JIS規格に基づいていれば互換性を確保することもできます。例えば「ねじ」は、JIS規格にしたがって製作されています。 ねじは全国どこで買っても、またどのメーカーが作ったものでも同じものが手に入ります。これは、ねじ製造メーカーがJIS規格に基づいて作っているからです。✔ 図面の基本的な考え方は「簡潔さ」図面は他の人たちに情報を伝える手段であり、「簡潔さ」が基本的な考え方になっています。ひとつの表示で理解できる場合には、ひとつの表示で済まさなければなりません。簡潔でシンプルな図面ほど良い図面であり、逆に同じ情報が何度も記載されている図面は良い図面とは言えません。図面情報の読み方図面は、以下の3点から構成されています。部品図 モノを構成する部品ごとの情報が描かれたもの組立図 各部品同士をどのような位置関係で組み立てるのか、また完成時の外形寸法の情報が描かれたもの部品リスト 必要な部品名がすべて網羅され、それぞれの必要個数が記載された一覧表(*1)(*1)部品は「部品図により加工される加工部品」と「購入品」にわかれます。購入品は、部品図が必要ないかわりに品番とメーカー名が記載されます。(1)部品の情報は1枚の部品図に集約1つの部品は1枚の図面に書かれることが原則です。1枚の図面に複数の部品を描くことはしません。その理由は以下の3つです。① 図面サイズが大きくなってしまい、取り扱いにくいから② 図面にいくつもの部品が描かれていると、加工する際に見間違える恐れがあるから③ 図面の流用(*2)ができないから(*2)図面の流用について既に製作したことがある製品と類似したモノを制作するときに、すべての部品を新たに設計するのではなく、一部は従来と同じ部品を使う場合があります。部品が1枚ずつ書かれていれば、従来と同じ部品はすでに書かれた図面をそのまま使うことが可能です。これを図面の流用といいます。もし、1枚に複数の部品が書かれていると、すべての部品を1から書かなければなりません。これはとても効率が悪いので、実務ではしばしば図面の流用がなされます。(2)組立図は部品の位置関係を示す組立図とは、部品図で描かれた部品や、部品リストで手配する購入品がどのような位置関係で組み立てられるのかを示したものです。部品の固定に使用するねじの種類も、組立図に記載されます。 組立図には使用するすべての情報が示されますが、部品個々の細かい寸法までは書かれません。情報量が多くなると読みにくくなり「簡潔さ」を損なうからです。(3)寸法数値の単位長さ寸法の単位はミリメートル図面に記載される情報の中で最も重要なものは寸法であり、寸法によってモノの大きさを知ることができます。図面の寸法の単位には「ミリメートル(mm)」を用います。図面には寸法数値のみが書かれており、単位記号のmmは省略されることが多いです。(4)角度寸法の単位角度寸法の単位は度(°)円の一周を360度とする測り方です。さらに細かい角度が必要なときは、「分(’0)」「秒(”)」が併用されます。・1分:1度の1/60・1秒:1分の1/60長さ寸法と異なり、一般的に角度の単位記号は省略しません。(5)種々の記号図面の描き手が書きやすく、読み手が読みやすくするために、寸法補助記号を使用します。以下で示すものはよく使われる記号です。▼寸法補助記号の一覧記号(読み方)内容R(アール)半径を示すφ(ファイ、マル)直径を示すt(ティー)板の厚さを示す□(カク)正方形の辺を示すC(シー)45°の面取りを示す▼線種の一覧名称線の種類内容外形線実線見える部分の形状を示す寸法線細線(実線の半分)寸法を記入する寸法補助線〃寸法を記入するために図形から引き出す引出線〃記述や記号を示すために引き出すかくれ線破線見えない部分の形状を表す中心線一点鎖線図形の中心を表す破断線不規則なジグザグ線モノの一部を破った境界や一部を取り去った境界を表す切断線一点鎖線&方向が変わる箇所が太い線断面図を書く場合に断面位置を表す(6)第三角法(三面図)モノの形は一般的に、第三角法(三面図)で表します。第三角法は、一つのモノの三つの面を図面に描き込む方法です。三つの面を書き込む理由は、図面の本質である「簡潔さ」にあります。図面はとにかく簡潔にします。簡潔であることによって、読み手の負担が減ります。したがって、三面で伝えられればそれ以上の面を使用する意味はありません。また三面以上、例えば六面で書くと図面のサイズが大きくなってしまい、図面の取り扱いが不便です。おおよそのモノは、正面、側面、上面からの3方向から見た3つの図で理解できます。もちろん、もし一面だけで形状を表すことができるなら、その一面の表示の方がより簡潔で望ましいです。実際に、丸棒形状や板形状は正面図の一面のみで表される場合がよくあります。また、線が複雑に重なり合って形状が分かりにくい場合は、アイソメトリック図が使用されることもあります。引用元:株式会社XrossVate表題欄のルール表題欄は図面の基本的な情報が載っており、読み手が最初に目を通す部分です。 図面の書き手(設計者)が読み手に情報を伝える際、モノの形を第三角法で表すのが一般的です。寸法等の情報も図に書き加えます。さらに使用する材料や表面処理、熱処理などの技術情報、図面作成日、設計者名、承認者名、図面を管理するための図面番号などの情報も必要です。こうした 一般的な情報は、図面の右下に設けた表題欄というスペースを使って表されます。表題欄で表す項目や欄の配置といった記載方法に関するJIS規格はありません。自由に設定(*3)することが認められています。(*3)自由といっても、個人ごとにオリジナルでこの表題欄を作ると効率が悪く、図面も読みにくくなります。企業ごとに表題欄をルール化しているのが実情です。 赤枠部分が図面の表題欄公差と図面公差は、図面と実物の関係を考える上で重要な考え方です。設計者は指示した寸法数値に対して、機能を満たす上で許される最大のずれの範囲も同時に指示します。指定した寸法に対して、上限・下限ともにどこまでのずれが許されるのか指示します。上限の値を最大許容寸法、下限の値を最小許容寸法と呼びます。加工したあとの寸法は、この最小許容寸法から最大許容寸法までの間に入っていれば合格です。最大許容寸法と最小許容寸法との差を寸法公差(もしくは公差)と呼びます。寸法には必ず公差が同時に指示されます。公差とコスト設計者が図面を描くときに、気を付けなければならないのは大きく分けて以下の2点です。① 機能を満たすこと② 部品のコストを下げること。 部品のコストとは、材料費 、加工者の労務費 、加工に使った加工機費用(設備償却費)、表面処理・熱処理費用などの合計に関係します。この中でも特に、加工者の労務費と設備償却費は大きな割合を占めており、寸法公差はこれに大きく影響します。▼公差とコストの関係公差がゆるい場合 比較的安価な設備で早く加工できるため、コストは安くなる公差が厳しい場合 高価な高精度設備を使い、時間をかけて加工するため、コストは高くなる以上の理由から、設計者には指示する寸法ひとつずつに最も適した公差を指示することが求められます。公差の分類と普通公差公差の示し方には以下の3つがあります。寸法公差数値で表示するめあい公差記号で表示する幾何公差面や線が対象となる設計者はすべての寸法に公差に示さねばなりません。しかしながら、現実にすべての寸法に公差を書き入れることは、設計者にとって大きな負担です。また、図面も複雑で見にくくなります。そこで用いられるのが、普通公差(一般公差)です。普通公差とは個々の公差記入を省略して一括で指示する考え方です。ここにも図面の本質である 「簡潔さ」が表れています。普通公差の設定①設計者が公差に関するルール(普通公差)を決める②設計者が「普通公差に基づいて読んでください」と図面内で宣言する③例外がある場合、図面内に個々の公差を示す普通公差という考え方をとれば、すべての寸法に公差を書く必要がなくなります。その結果、設計作業が楽になり、また読み手にも優しい図面となります。普通公差の決め方 普通公差はJIS規格で決められています。公差のレベルごとに「精級」「中級」「粗級」「極粗級」の4つの等級があり、設計者が適した等級を選択します。普通公差は、図面内であればどこでも自由に記入してよいですが、上で述べた表題欄の側に書き入れるのが一般的です。 ▼普通公差一覧(極粗級は除く) 精度目安0.5-3.03.0-6.06.0-3030-120精級(f)±0.05±0.05±0.1±0.15中級(m)±0.1±0.1±0.2±0.3粗級(c)±0.2±0.3±0.5±0.8Mitsuriは、日本全国250社以上のメーカーと提携しており、ご希望に沿うメーカーが見つかります。① Mitsuriでのお見積りは案件を公開して待つだけ!② 複数のお見積りが届く! ⇒金額重視or納期重視?ニーズに合うものを選べる!③ 案件の5割以上が1日以内に見積りを取得!下の赤いボタンをクリックして、ぜひお気軽にお問い合わせください!