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【金属加工 Mitsuri】見積から発注までWEB完結!
数値制御で動作するNC工作機械を扱うには、NCプログラムを用いて指令する必要があります。NCプログラムにはGコードやMコードなどのコードがありますが、これらの内容を理解してプログラムしなければなりません。そこで今回は、NCプログラムのうちのGコードについて解説します。 Gコードとは? Gコードとは、NCプログラムの一種で「準備機能」と呼ばれるものです。NC工作機械に指令を送り、ワークの加工が行えるようになります。 Gコードは「アドレスキャラクタ」と呼ばれるGのアルファベットと、後ろにつく2桁の数値を表示させることで、指令が送られます。新しい制御装置の場合は、Gコードを3桁やそれ以上の桁にしているものもあります。 Gコードは一般的にG00~G99までのコードがあります。種類が豊富で全てを把握するのは難しいものの、頻繁に使うGコードを覚えておけば、プログラム作成は可能です。 また、NCプログラムは事前にパソコン上でワークを切削できるシミュレーションソフトがあります。シミュレーションソフトを使えば、プログラムデータをNC工作機械に送る前に、仮想の加工を行えるので、不良品や工具の破損といったトラブルを防止できます。シミュレーションソフトは、トレーニング目的でも使うことが可能です。 Gコードの種類 引用元:芝浦機械株式会社 モーダルとワンショット Gコードには、指令の有効な範囲の違いによって「ワンショットGコード」と「モーダルGコード」の2種類に分けられます。 ワンショットGコード ワンショットGコードは、指定されたブロックに対してのみ有効なGコードのことを指します。Gコードにはそれぞれグループ分けがされており、グループによってワンショットとモーダルのどちらかに分類されます。 モーダルGコード モーダルGコードは、指令されたブロックから持続して有効になるGコードのことを指します。有効な範囲は、同じグループのGコードが指令されるまでです。 代表的なGコードの一覧 ここでは、JIS B 6315-1で規定されている、NC工作機械でよく使用するGコードについて紹介します。Gコードは使用するNC工作機械により、コードの仕様が異なる場合があるので、ここで紹介するものはあくまで参考として見てください。 参考:【JIS B 6315-1 産業オートメーションシステム及びその統合-機械の数値制御-プログラムフォーマット及びアドレスワードの定義-第1部:位置決め,直進運動及び輪郭制御システム用データフォーマット】 G00 機能:位置決め 説明:指令した位置へ最大送り(例えば、早送り)で移動させるモード。このモードによってあらかじめプログラムした速度は無視されるが、キャンセルされない。各軸の運動は、同期しなくてもよい。 G01 機能:直線補間 説明:一様な勾配又は制御軸に平行於な直進運動を指定する制御のモード。 G02、G03 機能:G02は時計回りの円弧補間、G03は反時計回りの円弧補間 説明:工具の運動面をそれと直角な軸の負方向に見たときの工具の運動が、円弧に沿って時計回り、もしくは反時計回りになるように制御する輪郭制御のモード。 G04 機能:ドウェル(遅延) 説明:プログラムした時間又は主軸回転数だけ、次のブロックに入るのを遅らせる機能。 G17、G18、G19 機能:G17はXY面の選択、G18はZX面の選択、G19はYZ面の選択 説明:同時に2軸を動作させる円弧補間、工具径補正などを行わせる面を選択するモード。 G28 機能:今後とも指定しない、又は原点復帰 説明:原点復帰モードとして使用してもよい。 G40 機能:工具径補正のキャンセル 説明:前に与えた工具径補正(直径又は半径)又は工具オフセットをキャンセルする指令。キャンセル後は補正しない工具経路となる。 G41 機能:工具径補正、左 説明:工具の相対的な運動方向に向かって左側に工具経路を補正する指示。 G42 機能:工具径補正、右 説明:工具の相対的な運動方向に向かって左側に工具経路を補正する指示。 G43 機能:工具オフセット、正 説明:工具オフセットの値を関連するブロックの座標値に加算する指令。 G44 機能:工具オフセット、負 説明:工具オフセットの値を関連するブロックの座標値に減算する指令。 G49 機能:未指定又は工具長オフセットのキャンセル 説明:工具長オフセットのキャンセルとして使用してもよい。 G54~G59 機能:ワーク座標系選択 説明:工作物に定められた複数の右手直交座標系からの選択。 G80 機能:固定サイクルのキャンセル 説明:固定サイクルをキャンセルする指令。 G81~G89 機能:固定サイクル 説明:中ぐり、穴あけ、ねじ立てなどの加工を行うために、あらかじめ定めた一連の作業シーケンスを実行させる指令。 <固定サイクルのコード内容> コード 行き 底で 戻り 代表例 ドウェル 主軸 G81 切削送り - - 早送り 穴あけ、もみ付け G82 切削送り 有 - 早送り 穴あけ、座ぐり G83 間欠送り - - 早送り 深穴あけ G84 主軸正転、切削送り - 逆転 切削送り ねじ立て G85 切削送り - - 切削送り 中ぐり G86 主軸始動、切削送り - 停止 早送り 中ぐり G87 主軸始動、切削送り - - 手動又は早送り 中ぐり G88 主軸始動、切削送り 有 停止 手動 中ぐり G89 切削送り 有 - 切削送り 中ぐり G90 機能:アブソリュートディメンション 説明:ブロック内の座標軸をアブソリュートディメンション(絶対座標)として与える指令。G90は、以後の位置指令が、常に原点からの距離であることを指令します。 G91 機能:インクリメンタルディメンション 説明:ブロック内の座標軸をインクリメンタルディメンション(相対座標・増分座標)として与える指令。G91は、以後の位置指令が直前の位置からの距離であることを指令します。 Gコードの固定サイクル 固定サイクルとは、穴あけやタップ立てなど、頻繁に行う加工に対してあらかじめ設定した一連の動作を1ブロックにまとめたもののことを指します。JIS B 6315-1では、G81~G89のGコードが該当します。 Gコードの固定サイクルは、以下の動作から成り立ちます。 ・X-Y軸の位置決め(G17 XY平面の場合) ・R点(リファレンス点、XY平面の場合Z軸の基準位置)レベルまでの早送り ・加工 ・穴底位置の動作 ・R点レベルまでの逃げ ・イニシャルレベル(固定サイクルの開始位置)までの逃げ 加工軸方向の移動量は、G90(アブソリュート)とG91(インクリメンタル)で異なります。 また、固定サイクルはG80を指令するとキャンセルされます。Gコードにはそれぞれグループが分類されていますが、グループ01のGコード、G00、G01、G02、G03の指令が行われた場合も固定サイクルはキャンセルされます。 Gコードのプログラム例 正方形に移動するGコードのプログラム例 O0001(SAMPLE); G90 G00 X0.Y0.; G01 X10. Y0. F100.; X10.Y10.; X0.Y10.; X0.Y0.; % 上記は正方形に移動するGコードのプログラム例です。 次に上記で使用している記号や、そのほかに使用する場合のある記号の意味について見てみましょう。 ・%、データスタート・データエンド プログラムの始めに付く%はデータスタートを表す記号、プログラムの最後に付く%はデータエンドを表します。ただし、機器によっては必要としない場合もあります。 ・O、プログラム番号 データスタートの次のブロックに来るのがOのプログラム番号です。アルファベットOに加えて最大で4文字(0000~9999)の数字が入ります。プログラム番号は、1つのプログラムに1つ記述する必要があります。 ・()、コメント プログラム番号の後ろに付く()は、コメントの意味を表し、NCでは読み込まれないものです。()は、プログラムの意味を分かりやすくするためのコメントとして便利です。 ・;、EOB プログラムの行の最後には「;(セミコロン)」が付きます。これは「EOB(エンドオブブロック)」と呼ばれるもので、行の頭から;までをブロックと呼びます。ただし、EOBはパソコンでプログラムを行った場合、設備に読み込ませる際に改行が;に変換されるので付ける必要はありません。 ・N、シーケンス番号 各ブロックの最初には「シーケンス番号」と呼ばれる、アルファベットのNと数値が組み合わされたものが付いている場合もあります。シーケンス番号は、番号が順番に大きくなるようにプログラムの要所に付けておくと、編集の際に番号をサーチすることで、所定のブロックを探しやすくなるので便利です。シーケンス番号の順序や、付けるかどうかの選択は任意になります。 ・S、主軸の回転数 アルファベットのS+数値の表記は、主軸の回転数(rpm)を意味します。 ・F、送り速度 アルファベットのF+数値の表記は、送り速度(mm/min)を意味します。 ・T、工具選択 アルファベットのT+数値は、その数値に該当するツールを呼び出します。Tは呼び出しだけで交換は行わないので、工具交換を行うにはMコードと合わせて使用します。 GコードとMコードの違い Mコードとは、「補助機能」と呼ばれるもので、NC工作機械を動かして加工するための指令を出すコードのことを指します。Gコードは準備機能であるのに対して、Mコードは補助をするための役割を持ちます。 MコードはアドレスキャラクタのMと、後ろにつく2桁の数字で表します。例えば「M03」と記述されているMコードは主軸正転を意味しており、M03に加えて指令した数値で回転を行います。ただし、MコードはNC工作機械のメーカーによって指令が異なる点に注意してください。 見積や調達にお困りの場合は、ぜひMitsuriをご活用ください! 図面をアップロードするだけで、加工できる工場から見積が届きます。 WEB上で見積~発注まで完結します。詳しくは下のボタンから!
製造業界で欠かせないのが「CAD」と呼ばれるソフトです。 CADの発売により、これまで手作業で行っていた設計図の作成がパソコンとCADを使うことで格段に時間短縮されました。 今回は新たにCADソフトを導入しようという方に向けて、製造業界で使われているCADの種類をご紹介します。 CADとは? CAD(キャド)は「Computer Aided Design」の頭文字をとった略語で、それまでは手作業で製作された設計図をコンピュータを使って手軽に作成できるようにしたソフトです。 スピーディさ、正確さが特徴 CADを使うことでスピーディに作業できるようになったことはもちろん、手書きではどうしても困難だった小さなズレなどもより正確に作成できるようになりました。さらにCADを使えば修正履歴も保存できるので、ログをしっかり残しておきたい時にも便利です。 また、データで管理が可能なので、紙を保存しておく手間や場所も必要ありません。共有したい場合はファックスや郵送の必要もないので、確認したい時にすぐチェックできるのもメリットの一つです。 2DCAD CADは大きく分けて、「2DCAD」「3DCAD」の2つの種類があります。 2DCADとは二次元データの製図を行うCADのことをいいます。図面を平面・正面・側面からなる大三角法によって製図されます。 2DCADは3DCADに比べて導入が比較的行いやすいため、2DCADのみ導入している企業も多くあります。一方で図面の読み取りにスキルが必須となるので手間がかかりやすく、図面読み取りや加工の検討などいくつもの工程を挟まなければいけません。 3DCAD 一方の3DCADは三次元データの製図が行えます。立体で表現できるため、作りたい形状を理想に近い状態で再現できます。立体そのものを見ながら作業できるので、加工方法の検討に要する時間も短縮されます。また、3Dモデルから2D図面の作成も行えるので、3DCADさえあれば2D図面の作成も容易にできるでしょう。 ただし、3DCADは操作の慣れが必要なので、企業によっては対応していないところも多く見られます。しかし近年では、そのデメリットも希薄化しているとも言われています。3Dプリンタなどの登場により、3DCADデータの活躍の場が広がったからです。「フリーCAD」という無料で使える3DCADもあり、個人レベルでは以前よりも簡単に作成できるようになりました。 CADに関する記事:【2D CADと3D CADの違い】 | CADの基礎知識 無料で使えるフリー3DCAD比較表 Fusion 360 (非商用利用) OnShape DesignSpark Mechanical FreeCAD SketchUp Free Creo Elements/Direct Modeling Express ソリッド ◯ ◯ ◯ ◯ ✕ ◯ サーフェス・自由曲面 ◯ ◯ ✕ ✕ ◯ ◯ アセンブリ ◯ ◯ ◯ ◯ ✕ △(上限あり) 図面 ◯ ◯ △ ✕ ✕ ✕ 履歴 ◯ ◯ ✕ ◯ ✕ ✕ インポート 33種 30種 10種 40種 18種 10種 エクスポート 11種 10種 10種 31種 19種 6種 プラグイン機能 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ✕ 対応OS Windows(64bit), Mac フルクラウドのためインターネットがつながればOK Windowsw Windows, Linux, Mac Windows(64bit), Mac Windows (引用元:キャド研) 中間ファイルとは CADを使っていく中で、中間ファイルというワードを耳にしたことがあるのではないでしょうか。 CADは用途や目的別にたくさんの種類があります。しかし、双方でデータの共有などを行いたい場合、先方が同じCADファイルを使用していなければ読み込みができません。 CADには多くの種類があり、それぞれのソフト内の構造が異なるため、データが開けない恐れがあるからです。例えば、Power Pointで作った画像をExcelに貼り付けるためには、まずjpegの画像形式にデータを変換しなければいけません。 その変換するためのファイルとしてCADで使われているのが「中間ファイル」と呼ばれるものです。これは共通のデータが読み込めるCADファイルを介することで、データの読み込みが可能になる仕組みです。 ちなみにこの中間ファイルは、特に3DCADを使うときによく使われます。 2Dデータの種類と特徴 2DCAD、3DCADデータにはそれぞれ使用する際の用途やメリットがあることがわかりました。 次に2DCADデータの種類と特徴を紹介していきます。ここで紹介する種類は製造業界でよく使われているもので、他業界、他職種となるとその種類はもっと多くなります。 DWG DWGはAutodesk社が策定している形式で、AutoCAD標準のファイル形式です。そのため、AutoCADを用いてファイルを作成した場合には、こちらの形式で作成されます。 しかし、AutoCAD標準のファイル形式であるにも関わらず、なぜDWGの拡張子である「.dwg」が存在するのでしょうか。それは、DWG形式のCAD図面、そしてAutoCAD自体がCAD業界全体の事実上の標準になっているからです。DWGが事実上のスタンダードになっていますが、全部のCADがDWG形式に対応している訳ではありません。なぜならDWGの形式の使用は非公開とされており、他ソフトウェアでの対応が困難だからです。 では、対応が容易ではないにも関わらずDWGが業界のスタンダードであると、使用しているソフトでDWG形式の図面ファイルが開けず困ってしまう人も多いはずです。そんなときに活躍するのが、次に紹介するDXFファイルです。 DXF DXFはAUTODESK社で定められているファイル形式です。 AUTODESK社はCADの中でもトップシェアであり、その高さから業界の中では最もスタンダードなファイル形式とされています。 仕様が公開されているため、CADソフトの中でもDXFに対応しているCADがたくさん存在しています。仕様の解説書も販売されているので、 CADを初めて使う方でも安心して導入できるでしょう。 DXFの特徴は、データの互換性があること。DXFはAutoCADの異なったバージョン間で互換性を持たせるために策定されました。そのため、バージョンで未対応の内容がファイル内に記載されていても、該当箇所を読み飛ばすことで読み込みができるという特徴があります。 また、DXF形式はテキスト形式なので、テキストエディタ等で開いて内容をチェックできるという特徴があります。 SLDDRW SLDDRWは、Dassault Systemes SolidWorks Corpによって開発されたファイルです。SolidWorks CADソフトウェアプログラムを使って作られた独自のCADファイルで、 .SLDPRTや.SLDASMをはじめ、CADデザインを含むSLDDRWファイルを使えばデザインをシミュレートしてPCに公開することが可能です。また、SOLIDWORKS®固有ファイルの表示はもちろん、DWG、DXFファイルの表示や印刷ができます。 AI(Illustrator) Adobe Illustratorは、画像と文字が組み合わさったレイアウト作成や図形や線が組み合わさったイラストを作る際に使います。 使い方のチュートリアルが公式に掲載されているので、初めてソフトを使う方でも安心して取り組めます。さらに7日間無料の体験版もあるので、気軽に試しやすいのもポイントです。 JWW(JW_CAD) Jw(JWW)_CADの大きな特徴として、無料で使えることが挙げられます。フリーとはいえ高い機能が実装されており、凡庸性が高いことから独自にカスタマイズできることも広く普及しているポイントと言えるでしょう。 ちなみに公式ではWindowsのみの対応とされていますが、MacOS XでJw(JWW)_CADを動かせるソフト「Jw_CAD for Mac」も無料で配布されています。 3Dデータの種類と特徴 次に3Dデータの種類と特徴を紹介します。 STEP STEPは国際標準化機構(ISO)で規格されているファイル形式で、国際標準として広く普及されています。中間ファイルとしてソフトウェアプログラム間の互換性を上げ、設計をさらに容易にできるように作られました。 STEPの大きな特徴は、精度の高さにあります。モデルを保存する際、フィーチャを通常の幾何学的図形に単純化しないことによって高い寸法精度が維持できます。そのため、細部まで正確に保存することができるのです。 また、モデルをエクスポートした後でもモデルを編集及びカスタマイズできます。STEPはファイル形式で本体全体が保存されるので、後からモデルを再編集することも可能です。そのため、コラボレーション、クロスプラットフォームの設計、モデルの共有が簡単になります。 STEPのデメリットとして挙げられるのが、ファイル容量が大きくとられてしまうこと。ほとんどの3Dモデルよりも同じモデルを保存した際にファイルサイズが大きくなってしまいます。さらにモデルの特定のテクスチャ、マテリアル、ライティングの情報は保存できません。 x_t x_tも中間ファイルの一つで、ソリッドデータが化けにくいというメリットがあります。ただし、バージョンがたくさんあるため、 CADのバージョンが低い場合は開けなくなるかもしれません。 SLDPRT SLDPRTファイルを使うと、アセンブリモデルの設計や、それらをSLDASMファイル、技術画面、アニメーション、シミュレーションとして保存が可能です。ただし、SLDPRTは専用のプロジェクトビューアツールを使用しなければ表示されません。 また、SLDASMファイル内にあるプロジェクト全てを公開する必要がなく、自分のプロジェクト関連部分のみを共有できます。 IGES IGESは米国規格境界(ANSI)で策定されたファイル形式で、世界基準となっているCADの一つです。国内では主に自動車業界での需要が高いですが、製造業界でも多くの企業で使用されています。 ただし、標準とはいえ全ての仕様の表現が可能な訳ではなく、互換性が一番高いファイル形式に翻訳しなければいけません。 3DM 3DMはopenNURBS Initiativeによって開発されたファイルで、3D NURBS CADファイルとも呼ばれています。 3Dモデルデータ(サーフェス、ポイント、カーブに関する情報など)が格納されており、メタデータとフォーマット属性も保存できます。 3DMは用途が幅広く、モデルデータをたくさんの CADやグラフィカルプログラム、CAE、CAMソフトウェア間で保存、共有できます。この凡庸性の高さからNURBSとポリゴン表現を利用でき、さまざまなデバイスやプログラム間で3Dジオメトリデータの交換が可能です。 CATIA V5 CATIA V5はダッソー・システムズが開発したソフトです。世界で一番使われていると言われており、3DCADの中でも特に高性能とされています。ワークベンチの数が豊富なのが特徴で、ナレッジエンジニアリング、デザイン面作成、解析、生産加工関連など、幅広い分野に特化したさまざまなワークベンチを持ち、複雑な形でも再現が可能です。 ただし、高性能な分、独学で習得することは容易ではありません。体験版などもないため、CADを扱い慣れている人におすすめです。CADの操作に慣れていない方は、まず別のフリーCADを使って慣れておいた方がいいかもしれません。 Creo(旧Pro/ENGINEER) パラメトリック・フィーチャー・ベース・モデリングを基本とした、3Dソリッドモデリングの操作ができます。ソリッドの外形形状データを他のソリッドと寸法値との合致関係情報で保持しているので、寸法や関係の変更をする際は簡単に修正することが可能です。 また、削除や形状の追加が自由にできるので、形状全体を一つの演算式として持っておく必要はありません。このような編集作業による形状計算の待ち時間が発生しないことも、Creoの特長の一つです。 Solid Edge Solid Edgeは1995年にWindowsベースのミッドレンジCADとして発表されました。Solid Edge独自の「シンクロナス・テクノロジー」は、ダイレクトモデリングのシンプルさとスピード、そしてパラメトリック設計の制御と柔軟性が合わさったモデリングです。 寸法を変更することによりモデルが壊れてしまうという懸念点を、Solid Edgeはダイレクト編集によって即時対応化を実現しました。さらにアセンブリ内の図面との連想性や位置拘束も保ったままになります。 NX NXは柔軟で自由度の高い設計手法が可能です。大きな特長はシンクロナスモデリング機能の搭載。NX以外のCADソフトで作られた履歴データがないモデルに対しても、ダイレクトに編集できます。 iCAD SX 生産設備・装置設計・機械の設計プロセスや製品形状の特徴に着目して開発された、iCAD SX。なんと100万部品をわずか0.2秒の早さで処理する、高速3DCADエンジンが搭載されています。他ソフトに搭載されているものと比較すると、iCAD SXは200倍の処理が可能です。この処理速度により、開発リードタイムの短縮が実現できるでしょう。 STL STLファイルは3Dプリンタなどのデファクトスタンダードとして広く使われています。 ただし、幅広いソフトの表現を再現できる程度の互換性はありません。3Dモデルの形状が複雑だったり、情報量が多かったりすると再現性は下がります。完璧な互換を保証するものではないので、大切なデータを扱う際には注意しましょう。 CADまとめ 本記事では製造業界で使われているCADを紹介しましたが、自動車や建築業界となるとさらに多くの種類があります。またCADの種類によって、その特長や仕事で対応できる幅はかなり異なってくるでしょう。 CADはものづくりをしていく中で、私たちとは切っても切れない関係にある大切なツールです。日々の仕事で使うものだからこそ、CAD選びは慎重に行ってみてくださいね。 見積や調達にお困りの場合は、ぜひMitsuriをご活用ください! 図面をアップロードするだけで、加工できる工場から見積が届きます。 WEB上で見積~発注まで完結します。詳しくは下のボタンから!
数値制御で動作するNC工作機械を扱うには、NCプログラムを用いて指令する必要があります。NCプログラムにはGコードやMコードなどのコードがありますが、これらの内容を理解してプログラムしなければなりません。そこで今回は、NCプログラムのうちのGコードについて解説します。 Gコードとは? Gコードとは、NCプログラムの一種で「準備機能」と呼ばれるものです。NC工作機械に指令を送り、ワークの加工が行えるようになります。 Gコードは「アドレスキャラクタ」と呼ばれるGのアルファベットと、後ろにつく2桁の数値を表示させることで、指令が送られます。新しい制御装置の場合は、Gコードを3桁やそれ以上の桁にしているものもあります。 Gコードは一般的にG00~G99までのコードがあります。種類が豊富で全てを把握するのは難しいものの、頻繁に使うGコードを覚えておけば、プログラム作成は可能です。 また、NCプログラムは事前にパソコン上でワークを切削できるシミュレーションソフトがあります。シミュレーションソフトを使えば、プログラムデータをNC工作機械に送る前に、仮想の加工を行えるので、不良品や工具の破損といったトラブルを防止できます。シミュレーションソフトは、トレーニング目的でも使うことが可能です。 Gコードの種類 引用元:芝浦機械株式会社 モーダルとワンショット Gコードには、指令の有効な範囲の違いによって「ワンショットGコード」と「モーダルGコード」の2種類に分けられます。 ワンショットGコード ワンショットGコードは、指定されたブロックに対してのみ有効なGコードのことを指します。Gコードにはそれぞれグループ分けがされており、グループによってワンショットとモーダルのどちらかに分類されます。 モーダルGコード モーダルGコードは、指令されたブロックから持続して有効になるGコードのことを指します。有効な範囲は、同じグループのGコードが指令されるまでです。 代表的なGコードの一覧 ここでは、JIS B 6315-1で規定されている、NC工作機械でよく使用するGコードについて紹介します。Gコードは使用するNC工作機械により、コードの仕様が異なる場合があるので、ここで紹介するものはあくまで参考として見てください。 参考:【JIS B 6315-1 産業オートメーションシステム及びその統合-機械の数値制御-プログラムフォーマット及びアドレスワードの定義-第1部:位置決め,直進運動及び輪郭制御システム用データフォーマット】 G00 機能:位置決め 説明:指令した位置へ最大送り(例えば、早送り)で移動させるモード。このモードによってあらかじめプログラムした速度は無視されるが、キャンセルされない。各軸の運動は、同期しなくてもよい。 G01 機能:直線補間 説明:一様な勾配又は制御軸に平行於な直進運動を指定する制御のモード。 G02、G03 機能:G02は時計回りの円弧補間、G03は反時計回りの円弧補間 説明:工具の運動面をそれと直角な軸の負方向に見たときの工具の運動が、円弧に沿って時計回り、もしくは反時計回りになるように制御する輪郭制御のモード。 G04 機能:ドウェル(遅延) 説明:プログラムした時間又は主軸回転数だけ、次のブロックに入るのを遅らせる機能。 G17、G18、G19 機能:G17はXY面の選択、G18はZX面の選択、G19はYZ面の選択 説明:同時に2軸を動作させる円弧補間、工具径補正などを行わせる面を選択するモード。 G28 機能:今後とも指定しない、又は原点復帰 説明:原点復帰モードとして使用してもよい。 G40 機能:工具径補正のキャンセル 説明:前に与えた工具径補正(直径又は半径)又は工具オフセットをキャンセルする指令。キャンセル後は補正しない工具経路となる。 G41 機能:工具径補正、左 説明:工具の相対的な運動方向に向かって左側に工具経路を補正する指示。 G42 機能:工具径補正、右 説明:工具の相対的な運動方向に向かって左側に工具経路を補正する指示。 G43 機能:工具オフセット、正 説明:工具オフセットの値を関連するブロックの座標値に加算する指令。 G44 機能:工具オフセット、負 説明:工具オフセットの値を関連するブロックの座標値に減算する指令。 G49 機能:未指定又は工具長オフセットのキャンセル 説明:工具長オフセットのキャンセルとして使用してもよい。 G54~G59 機能:ワーク座標系選択 説明:工作物に定められた複数の右手直交座標系からの選択。 G80 機能:固定サイクルのキャンセル 説明:固定サイクルをキャンセルする指令。 G81~G89 機能:固定サイクル 説明:中ぐり、穴あけ、ねじ立てなどの加工を行うために、あらかじめ定めた一連の作業シーケンスを実行させる指令。 <固定サイクルのコード内容> コード 行き 底で 戻り 代表例 ドウェル 主軸 G81 切削送り - - 早送り 穴あけ、もみ付け G82 切削送り 有 - 早送り 穴あけ、座ぐり G83 間欠送り - - 早送り 深穴あけ G84 主軸正転、切削送り - 逆転 切削送り ねじ立て G85 切削送り - - 切削送り 中ぐり G86 主軸始動、切削送り - 停止 早送り 中ぐり G87 主軸始動、切削送り - - 手動又は早送り 中ぐり G88 主軸始動、切削送り 有 停止 手動 中ぐり G89 切削送り 有 - 切削送り 中ぐり G90 機能:アブソリュートディメンション 説明:ブロック内の座標軸をアブソリュートディメンション(絶対座標)として与える指令。G90は、以後の位置指令が、常に原点からの距離であることを指令します。 G91 機能:インクリメンタルディメンション 説明:ブロック内の座標軸をインクリメンタルディメンション(相対座標・増分座標)として与える指令。G91は、以後の位置指令が直前の位置からの距離であることを指令します。 Gコードの固定サイクル 固定サイクルとは、穴あけやタップ立てなど、頻繁に行う加工に対してあらかじめ設定した一連の動作を1ブロックにまとめたもののことを指します。JIS B 6315-1では、G81~G89のGコードが該当します。 Gコードの固定サイクルは、以下の動作から成り立ちます。 ・X-Y軸の位置決め(G17 XY平面の場合) ・R点(リファレンス点、XY平面の場合Z軸の基準位置)レベルまでの早送り ・加工 ・穴底位置の動作 ・R点レベルまでの逃げ ・イニシャルレベル(固定サイクルの開始位置)までの逃げ 加工軸方向の移動量は、G90(アブソリュート)とG91(インクリメンタル)で異なります。 また、固定サイクルはG80を指令するとキャンセルされます。Gコードにはそれぞれグループが分類されていますが、グループ01のGコード、G00、G01、G02、G03の指令が行われた場合も固定サイクルはキャンセルされます。 Gコードのプログラム例 正方形に移動するGコードのプログラム例 O0001(SAMPLE); G90 G00 X0.Y0.; G01 X10. Y0. F100.; X10.Y10.; X0.Y10.; X0.Y0.; % 上記は正方形に移動するGコードのプログラム例です。 次に上記で使用している記号や、そのほかに使用する場合のある記号の意味について見てみましょう。 ・%、データスタート・データエンド プログラムの始めに付く%はデータスタートを表す記号、プログラムの最後に付く%はデータエンドを表します。ただし、機器によっては必要としない場合もあります。 ・O、プログラム番号 データスタートの次のブロックに来るのがOのプログラム番号です。アルファベットOに加えて最大で4文字(0000~9999)の数字が入ります。プログラム番号は、1つのプログラムに1つ記述する必要があります。 ・()、コメント プログラム番号の後ろに付く()は、コメントの意味を表し、NCでは読み込まれないものです。()は、プログラムの意味を分かりやすくするためのコメントとして便利です。 ・;、EOB プログラムの行の最後には「;(セミコロン)」が付きます。これは「EOB(エンドオブブロック)」と呼ばれるもので、行の頭から;までをブロックと呼びます。ただし、EOBはパソコンでプログラムを行った場合、設備に読み込ませる際に改行が;に変換されるので付ける必要はありません。 ・N、シーケンス番号 各ブロックの最初には「シーケンス番号」と呼ばれる、アルファベットのNと数値が組み合わされたものが付いている場合もあります。シーケンス番号は、番号が順番に大きくなるようにプログラムの要所に付けておくと、編集の際に番号をサーチすることで、所定のブロックを探しやすくなるので便利です。シーケンス番号の順序や、付けるかどうかの選択は任意になります。 ・S、主軸の回転数 アルファベットのS+数値の表記は、主軸の回転数(rpm)を意味します。 ・F、送り速度 アルファベットのF+数値の表記は、送り速度(mm/min)を意味します。 ・T、工具選択 アルファベットのT+数値は、その数値に該当するツールを呼び出します。Tは呼び出しだけで交換は行わないので、工具交換を行うにはMコードと合わせて使用します。 GコードとMコードの違い Mコードとは、「補助機能」と呼ばれるもので、NC工作機械を動かして加工するための指令を出すコードのことを指します。Gコードは準備機能であるのに対して、Mコードは補助をするための役割を持ちます。 MコードはアドレスキャラクタのMと、後ろにつく2桁の数字で表します。例えば「M03」と記述されているMコードは主軸正転を意味しており、M03に加えて指令した数値で回転を行います。ただし、MコードはNC工作機械のメーカーによって指令が異なる点に注意してください。 見積や調達にお困りの場合は、ぜひMitsuriをご活用ください! 図面をアップロードするだけで、加工できる工場から見積が届きます。 WEB上で見積~発注まで完結します。詳しくは下のボタンから!
製造業界で欠かせないのが「CAD」と呼ばれるソフトです。 CADの発売により、これまで手作業で行っていた設計図の作成がパソコンとCADを使うことで格段に時間短縮されました。 今回は新たにCADソフトを導入しようという方に向けて、製造業界で使われているCADの種類をご紹介します。 CADとは? CAD(キャド)は「Computer Aided Design」の頭文字をとった略語で、それまでは手作業で製作された設計図をコンピュータを使って手軽に作成できるようにしたソフトです。 スピーディさ、正確さが特徴 CADを使うことでスピーディに作業できるようになったことはもちろん、手書きではどうしても困難だった小さなズレなどもより正確に作成できるようになりました。さらにCADを使えば修正履歴も保存できるので、ログをしっかり残しておきたい時にも便利です。 また、データで管理が可能なので、紙を保存しておく手間や場所も必要ありません。共有したい場合はファックスや郵送の必要もないので、確認したい時にすぐチェックできるのもメリットの一つです。 2DCAD CADは大きく分けて、「2DCAD」「3DCAD」の2つの種類があります。 2DCADとは二次元データの製図を行うCADのことをいいます。図面を平面・正面・側面からなる大三角法によって製図されます。 2DCADは3DCADに比べて導入が比較的行いやすいため、2DCADのみ導入している企業も多くあります。一方で図面の読み取りにスキルが必須となるので手間がかかりやすく、図面読み取りや加工の検討などいくつもの工程を挟まなければいけません。 3DCAD 一方の3DCADは三次元データの製図が行えます。立体で表現できるため、作りたい形状を理想に近い状態で再現できます。立体そのものを見ながら作業できるので、加工方法の検討に要する時間も短縮されます。また、3Dモデルから2D図面の作成も行えるので、3DCADさえあれば2D図面の作成も容易にできるでしょう。 ただし、3DCADは操作の慣れが必要なので、企業によっては対応していないところも多く見られます。しかし近年では、そのデメリットも希薄化しているとも言われています。3Dプリンタなどの登場により、3DCADデータの活躍の場が広がったからです。「フリーCAD」という無料で使える3DCADもあり、個人レベルでは以前よりも簡単に作成できるようになりました。 CADに関する記事:【2D CADと3D CADの違い】 | CADの基礎知識 無料で使えるフリー3DCAD比較表 Fusion 360 (非商用利用) OnShape DesignSpark Mechanical FreeCAD SketchUp Free Creo Elements/Direct Modeling Express ソリッド ◯ ◯ ◯ ◯ ✕ ◯ サーフェス・自由曲面 ◯ ◯ ✕ ✕ ◯ ◯ アセンブリ ◯ ◯ ◯ ◯ ✕ △(上限あり) 図面 ◯ ◯ △ ✕ ✕ ✕ 履歴 ◯ ◯ ✕ ◯ ✕ ✕ インポート 33種 30種 10種 40種 18種 10種 エクスポート 11種 10種 10種 31種 19種 6種 プラグイン機能 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯ ✕ 対応OS Windows(64bit), Mac フルクラウドのためインターネットがつながればOK Windowsw Windows, Linux, Mac Windows(64bit), Mac Windows (引用元:キャド研) 中間ファイルとは CADを使っていく中で、中間ファイルというワードを耳にしたことがあるのではないでしょうか。 CADは用途や目的別にたくさんの種類があります。しかし、双方でデータの共有などを行いたい場合、先方が同じCADファイルを使用していなければ読み込みができません。 CADには多くの種類があり、それぞれのソフト内の構造が異なるため、データが開けない恐れがあるからです。例えば、Power Pointで作った画像をExcelに貼り付けるためには、まずjpegの画像形式にデータを変換しなければいけません。 その変換するためのファイルとしてCADで使われているのが「中間ファイル」と呼ばれるものです。これは共通のデータが読み込めるCADファイルを介することで、データの読み込みが可能になる仕組みです。 ちなみにこの中間ファイルは、特に3DCADを使うときによく使われます。 2Dデータの種類と特徴 2DCAD、3DCADデータにはそれぞれ使用する際の用途やメリットがあることがわかりました。 次に2DCADデータの種類と特徴を紹介していきます。ここで紹介する種類は製造業界でよく使われているもので、他業界、他職種となるとその種類はもっと多くなります。 DWG DWGはAutodesk社が策定している形式で、AutoCAD標準のファイル形式です。そのため、AutoCADを用いてファイルを作成した場合には、こちらの形式で作成されます。 しかし、AutoCAD標準のファイル形式であるにも関わらず、なぜDWGの拡張子である「.dwg」が存在するのでしょうか。それは、DWG形式のCAD図面、そしてAutoCAD自体がCAD業界全体の事実上の標準になっているからです。DWGが事実上のスタンダードになっていますが、全部のCADがDWG形式に対応している訳ではありません。なぜならDWGの形式の使用は非公開とされており、他ソフトウェアでの対応が困難だからです。 では、対応が容易ではないにも関わらずDWGが業界のスタンダードであると、使用しているソフトでDWG形式の図面ファイルが開けず困ってしまう人も多いはずです。そんなときに活躍するのが、次に紹介するDXFファイルです。 DXF DXFはAUTODESK社で定められているファイル形式です。 AUTODESK社はCADの中でもトップシェアであり、その高さから業界の中では最もスタンダードなファイル形式とされています。 仕様が公開されているため、CADソフトの中でもDXFに対応しているCADがたくさん存在しています。仕様の解説書も販売されているので、 CADを初めて使う方でも安心して導入できるでしょう。 DXFの特徴は、データの互換性があること。DXFはAutoCADの異なったバージョン間で互換性を持たせるために策定されました。そのため、バージョンで未対応の内容がファイル内に記載されていても、該当箇所を読み飛ばすことで読み込みができるという特徴があります。 また、DXF形式はテキスト形式なので、テキストエディタ等で開いて内容をチェックできるという特徴があります。 SLDDRW SLDDRWは、Dassault Systemes SolidWorks Corpによって開発されたファイルです。SolidWorks CADソフトウェアプログラムを使って作られた独自のCADファイルで、 .SLDPRTや.SLDASMをはじめ、CADデザインを含むSLDDRWファイルを使えばデザインをシミュレートしてPCに公開することが可能です。また、SOLIDWORKS®固有ファイルの表示はもちろん、DWG、DXFファイルの表示や印刷ができます。 AI(Illustrator) Adobe Illustratorは、画像と文字が組み合わさったレイアウト作成や図形や線が組み合わさったイラストを作る際に使います。 使い方のチュートリアルが公式に掲載されているので、初めてソフトを使う方でも安心して取り組めます。さらに7日間無料の体験版もあるので、気軽に試しやすいのもポイントです。 JWW(JW_CAD) Jw(JWW)_CADの大きな特徴として、無料で使えることが挙げられます。フリーとはいえ高い機能が実装されており、凡庸性が高いことから独自にカスタマイズできることも広く普及しているポイントと言えるでしょう。 ちなみに公式ではWindowsのみの対応とされていますが、MacOS XでJw(JWW)_CADを動かせるソフト「Jw_CAD for Mac」も無料で配布されています。 3Dデータの種類と特徴 次に3Dデータの種類と特徴を紹介します。 STEP STEPは国際標準化機構(ISO)で規格されているファイル形式で、国際標準として広く普及されています。中間ファイルとしてソフトウェアプログラム間の互換性を上げ、設計をさらに容易にできるように作られました。 STEPの大きな特徴は、精度の高さにあります。モデルを保存する際、フィーチャを通常の幾何学的図形に単純化しないことによって高い寸法精度が維持できます。そのため、細部まで正確に保存することができるのです。 また、モデルをエクスポートした後でもモデルを編集及びカスタマイズできます。STEPはファイル形式で本体全体が保存されるので、後からモデルを再編集することも可能です。そのため、コラボレーション、クロスプラットフォームの設計、モデルの共有が簡単になります。 STEPのデメリットとして挙げられるのが、ファイル容量が大きくとられてしまうこと。ほとんどの3Dモデルよりも同じモデルを保存した際にファイルサイズが大きくなってしまいます。さらにモデルの特定のテクスチャ、マテリアル、ライティングの情報は保存できません。 x_t x_tも中間ファイルの一つで、ソリッドデータが化けにくいというメリットがあります。ただし、バージョンがたくさんあるため、 CADのバージョンが低い場合は開けなくなるかもしれません。 SLDPRT SLDPRTファイルを使うと、アセンブリモデルの設計や、それらをSLDASMファイル、技術画面、アニメーション、シミュレーションとして保存が可能です。ただし、SLDPRTは専用のプロジェクトビューアツールを使用しなければ表示されません。 また、SLDASMファイル内にあるプロジェクト全てを公開する必要がなく、自分のプロジェクト関連部分のみを共有できます。 IGES IGESは米国規格境界(ANSI)で策定されたファイル形式で、世界基準となっているCADの一つです。国内では主に自動車業界での需要が高いですが、製造業界でも多くの企業で使用されています。 ただし、標準とはいえ全ての仕様の表現が可能な訳ではなく、互換性が一番高いファイル形式に翻訳しなければいけません。 3DM 3DMはopenNURBS Initiativeによって開発されたファイルで、3D NURBS CADファイルとも呼ばれています。 3Dモデルデータ(サーフェス、ポイント、カーブに関する情報など)が格納されており、メタデータとフォーマット属性も保存できます。 3DMは用途が幅広く、モデルデータをたくさんの CADやグラフィカルプログラム、CAE、CAMソフトウェア間で保存、共有できます。この凡庸性の高さからNURBSとポリゴン表現を利用でき、さまざまなデバイスやプログラム間で3Dジオメトリデータの交換が可能です。 CATIA V5 CATIA V5はダッソー・システムズが開発したソフトです。世界で一番使われていると言われており、3DCADの中でも特に高性能とされています。ワークベンチの数が豊富なのが特徴で、ナレッジエンジニアリング、デザイン面作成、解析、生産加工関連など、幅広い分野に特化したさまざまなワークベンチを持ち、複雑な形でも再現が可能です。 ただし、高性能な分、独学で習得することは容易ではありません。体験版などもないため、CADを扱い慣れている人におすすめです。CADの操作に慣れていない方は、まず別のフリーCADを使って慣れておいた方がいいかもしれません。 Creo(旧Pro/ENGINEER) パラメトリック・フィーチャー・ベース・モデリングを基本とした、3Dソリッドモデリングの操作ができます。ソリッドの外形形状データを他のソリッドと寸法値との合致関係情報で保持しているので、寸法や関係の変更をする際は簡単に修正することが可能です。 また、削除や形状の追加が自由にできるので、形状全体を一つの演算式として持っておく必要はありません。このような編集作業による形状計算の待ち時間が発生しないことも、Creoの特長の一つです。 Solid Edge Solid Edgeは1995年にWindowsベースのミッドレンジCADとして発表されました。Solid Edge独自の「シンクロナス・テクノロジー」は、ダイレクトモデリングのシンプルさとスピード、そしてパラメトリック設計の制御と柔軟性が合わさったモデリングです。 寸法を変更することによりモデルが壊れてしまうという懸念点を、Solid Edgeはダイレクト編集によって即時対応化を実現しました。さらにアセンブリ内の図面との連想性や位置拘束も保ったままになります。 NX NXは柔軟で自由度の高い設計手法が可能です。大きな特長はシンクロナスモデリング機能の搭載。NX以外のCADソフトで作られた履歴データがないモデルに対しても、ダイレクトに編集できます。 iCAD SX 生産設備・装置設計・機械の設計プロセスや製品形状の特徴に着目して開発された、iCAD SX。なんと100万部品をわずか0.2秒の早さで処理する、高速3DCADエンジンが搭載されています。他ソフトに搭載されているものと比較すると、iCAD SXは200倍の処理が可能です。この処理速度により、開発リードタイムの短縮が実現できるでしょう。 STL STLファイルは3Dプリンタなどのデファクトスタンダードとして広く使われています。 ただし、幅広いソフトの表現を再現できる程度の互換性はありません。3Dモデルの形状が複雑だったり、情報量が多かったりすると再現性は下がります。完璧な互換を保証するものではないので、大切なデータを扱う際には注意しましょう。 CADまとめ 本記事では製造業界で使われているCADを紹介しましたが、自動車や建築業界となるとさらに多くの種類があります。またCADの種類によって、その特長や仕事で対応できる幅はかなり異なってくるでしょう。 CADはものづくりをしていく中で、私たちとは切っても切れない関係にある大切なツールです。日々の仕事で使うものだからこそ、CAD選びは慎重に行ってみてくださいね。 見積や調達にお困りの場合は、ぜひMitsuriをご活用ください! 図面をアップロードするだけで、加工できる工場から見積が届きます。 WEB上で見積~発注まで完結します。詳しくは下のボタンから!