鉄の耐久性などを向上させるために鉄メッキ加工を検討中ではありませんか?
また、錆びた部分を修復したいけれど方法が分からない…というお悩みもあるかもしれません。
鉄をメッキ加工することによって様々な効果を鉄に与えることができますが、具体的にどのような効果があるのかわからない方もいるでしょう。
今回は「鉄をメッキ加工すべきか悩んでいる」「鉄メッキ加工について興味がある」という方向けに、鉄のメッキ加工について詳しく紹介していきます。
鉄をメッキ加工することの効果
出典:三光製作株式会社
鉄をメッキ加工することで以下のメソッドが挙げられます。
- ・腐食耐性(酸化防止など)
- ・耐摩耗耐性・摩耗部分の修復効果
- ・製造コスト削減
- ・電磁波遮断効果
腐食耐性
出典:有限会社渡辺鍍金工業所
鉄をメッキ加工することで、酸化しづらくなる腐食耐性を付与することができます。本来であれば、鉄製品を水がかかる箇所に放置していると酸化してしまうリスクがありますが、メッキ加工をすればその心配が要りません。
特に屋外に設置する鉄製品は、メッキ加工による対策を施しておかないとあっという間に腐食が進んで錆びが生じてしまいます。
屋外に設置しない製品であっても、製品の種類によっては濡れてしまうリスクがあるため、製品の用途に合わせて鉄メッキ加工を検討する必要があります。
摩耗部分の補修
工場にある機械など、長年使用していると徐々に劣化していきます。
劣化が重度になると交換対応となりますが、摩耗具合が軽微な場合、鉄メッキを施すことで補修することができます。
鉄メッキによって、表面がザラザラになってしまった機械を元通りに戻すことができますし、錆びを隠すことも可能です。鉄メッキ加工で補修することで、劣化した機械を機械をまるごと交換する必要がなくなるため、非常に低コストで設備を維持することが可能です。
ただし分解できない機械を鉄メッキにて補修する場合、サイズによっては工場が受け入れてもらえない可能性があります。
耐熱耐性
鉄メッキは、熱による歪みを抑える効果を持ちます。そのため高温な環境下にある機械等によく使用されています。
亜鉛メッキなど熱に弱いメッキもあるため、耐熱耐性が重要な場合は純粋な鉄メッキなど耐熱耐性を持つメッキを選択することが重要です。
純正の鉄の場合は1500度で完全に溶けるため、鉄メッキを施して実用する場合は700~800度ぐらいで使用することが望ましいでしょう。
製造コスト削減効果
亜鉛メッキには製造品が完成する前の材料に施すことで、製造コストを削減できるメリットがあります。
本来であれば完成した機械に一気にメッキを施しますが、その場合は運送コストが高くなってしまいます。そのためあらかじめ亜鉛メッキをした材料を用意して溶接加工することで、完成品にメッキ加工を行う工程を省略することができるため、運送費コストを削減することができます。
ただし、コスト削減効果に付随してデメリットも発生します。
亜鉛メッキ加工が行われている金属を溶接加工すると、亜鉛物質が吹き出て有毒ガスと大量の火花が発生します。
この亜鉛問題は、発注先の工場が直接影響を受ける問題ですが、発注するクライアントもコスト削減につながる可能性があるため、知っておいて損はありません。
電磁波遮断効果
鉄メッキ加工をすると、電磁波耐性を付与することができます。
外部からの電磁波を遮断することができるため、医療機器など機械トラブルが絶対に起きてはならない場面で鉄メッキは重宝されています。
外部からの電磁波を遮断できるだけでなく、内部で発生した電磁波を閉じ込めることもできます。人体や電子機器に影響が出るレベルの電磁波を放出する機械に鉄メッキを施すことで電磁波の悪影響を防ぐことができます。
銅やアルミでも電磁波遮断効果を期待できますが、鉄メッキだと10~12分の1程度の厚みで銅・アルミと同等の電磁波遮断効果を付与可能です。
鉄のメッキ加工対応可能工場
株式会社三ツ矢
出典:株式会社三ツ矢
基本情報
本社:東京都品川区西五反田3丁目8-11
TEL:03-3492-7197
FAX:03-3492-7199
創業年:昭和6年
加工:メッキ加工全般
素材:金、銀、銅、鉄、錫、ニッケル、インジウムなど
①会社紹介
メッキ加工を専門とした株式会社三ツ矢。鉄メッキはもちろんのこと、金や銀、ニッケルなどあらゆる素材を活用したメッキ加工技術を有しています。実績豊富であらゆる産業分野で活躍している会社です。
②メリット・デメリット
お見積もり速度が非常に早く、最短1営業日以内にお見積りが完了します。契約前の打ち合わせも丁寧なため安心して発注できます。量産体制に入る前に何度も試作できるのも魅力です。
様々なメッキ加工に対応していますが、硬質アルマイト加工・硬質クロムめっき(六価)は請け負っていないのが欠点です。
③製品例
(ニッケルメッキ)
(金メッキ)
(インジウムメッキ)
株式会社石川鍍金工場
出典:株式会社石川鍍金工場
基本情報
本社:新潟県加茂市千刈3丁目10-35
TEL:0256-52-0695
FAX:0256-52-1195
創業年:大正6年
加工:メッキ加工全般、ステンレス電解研磨、キリンス処理、アルカリ脱脂、ベーキング処理
素材:鉄、亜鉛、錫、ニッケル、ステンレス
①会社紹介
3棟の工場を保有する株式会社石川鍍金工場。メッキ加工からベーキング処理まで一貫した作業が可能です。メッキ加工だけでなく、ステンレス電解研磨やキリンス処理、アルカリ脱脂まで幅広い作業を行っています。
②メリット・デメリット
電気亜鉛めっきや鉄・非金属製品へのメッキを得意としています。自社で配送体制を完備しているため、加工から配送まで一貫して請け負うことが可能です。
メッキ加工技術は優れているものの、対応しているメッキの種類がやや少ないため、どのメッキに対応しているかは事前の相談が必要になります。
③製品例
(亜鉛メッキラックライン)
(キャリア式ラックライン/クロメート・ユニクロ・アルカリ脱脂)
(手動すずめっきライン/銅メッキ・ニッケルメッキ)
三光製作株式会社
出典:三光製作株式会社
基本情報
本社:静岡県浜松市中区上島2-5-20
TEL:053-471-6386
FAX:053-474-0590
創業年:昭和28年
加工:メッキ加工全般、陽極酸化処理、低温黒色クロム処理、電解研磨など
素材:銅、鉄、ニッケル、クロム、リン、亜鉛
①会社紹介
1000社以上と取引実績がある三光製作株式会社。鉄メッキやクロムメッキから硬質アルマイト加工など様々な加工作業を請け負っています。メッキ加工する製品の特性、用途、産業分野などを考慮して最適な素材とメッキ加工メニューをご紹介いただけます。
②メリット・デメリット
クロムメッキ加工を得意しており、1000系~7000系まで様々なアルミ材質にも対応しています。適切なメッキ加工を行うことで耐食性を飛躍的に向上できます。試作から組み立て、加熱処理まで一任して担当してくれるため、製造コストを大幅に削減できます。
クロムメッキを得意としていますが、金メッキや銀メッキには対応していません。対応しているかわからない素材は事前にお問い合わせが必要です。
③製品例
(亜鉛メッキ)
(銅メッキ)
(高級ニッケルクロムメッキ - アルミ素材)